ロシア軍が前日に続いて「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県を爆撃(2021年2月3日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が前日に続いて、「決戦」作戦司令室の支配下にあるアルマナーズ市一帯を爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍も「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バイニーン村、カフル・ウワイド村一帯を砲撃した。

一方、シャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ市では、教員数十人が、同機構に自治を委託されているシリア救国内閣教育局の前で、5年にわたるボランティアでの教育活動に対する報酬を求めて抗議デモを行った。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のマンスーラ村で車を対戦車ミサイルで攻撃、子供1人を含む2人が死亡した。

シリア軍はまた、アンカーウィー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(イドリブ県9件、ラタキア県6件、アレッポ県0件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は15件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 3, 2021、ANHA, February 3, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 3, 2021、Reuters, February 3, 2021、SANA, February 3, 2021、SOHR, February 3, 2021などをもとに作成。

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欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族を収容するフール・キャンプ第5区で銃で撃たれ、首を切り落とされた男性の遺体が発見される(2021年2月2日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプの第5区で、銃で撃たれた後に頭を切り落とされた男性の遺体が発見された。

トルコで活動する独立系シンクタンクのジュスール研究所が2020年9月1日に発表したレポートによると、フール・キャンプは6つの区画、8つのブロックから構成されている。

6つの区画のうち、第1区には、ダーイシュ(イスラーム国)とつながりがない国内避難民(IDPs)、第2区と第3区にはイラク難民、第4区にはダーイシュとつながりがあるとされるIDPs、第5区には欧州出身のダーイシュ戦闘員の家族、そして第6区にはそれ以外の外国人戦闘員の家族が収容されている。

一方、8つのブロックのうち、第1、2、3、7ブロックにはイラク人難民が、第5、6、8ブロックにはシリア人IDPsが、第4ブロックにはイラク人難民とシリア人IDPsの両方が収容されている。

また、この8ブロックとは別に、シリア、イラク以外の国の出身者が収容されている。

AFP, February 2, 2021、ANHA, February 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2021、Reuters, February 2, 2021、SANA, February 2, 2021、SOHR, February 2, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が、ラッカ県、ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュの拠点を75回以上爆撃(2021年2月2日)

シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、ラッカ県、ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して75回以上の爆撃を実施した。

ロシア軍による爆撃は過去48時間で100回以上に上っているという。

AFP, February 2, 2021、ANHA, February 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2021、Reuters, February 2, 2021、SANA, February 2, 2021、SOHR, February 2, 2021などをもとに作成。

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トルコ占領下のアレッポ県バーブ市で再び爆発が発生し、1人死亡、4人負傷(2021年2月2日)

アレッポ県では、SANA(2月2日付)、ANHA(2月2日付)によると、トルコの占領下にあるバーブ市の工業地区に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民1人が死亡、4人が負傷した(シリア人権監視団によると、1人死亡、3人負傷)。

一方、ANHAによると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村、シャワーリガ村、シャワーリガ砦を砲撃した。

トルコ軍と国民軍はまた、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市北のアウン・ダーダート村を砲撃した。

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ラッカ県では、SANA(2月2日付)、ANHA(2月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市、同市近郊のサイダー村、穀物サイロ一帯、M4高速道路沿線を砲撃した。

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ハサカ県では、ANHA(2月2日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・タムル町北のカースィミーヤ村の民家複数棟に放火した。

AFP, February 2, 2021、ANHA, February 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2021、Reuters, February 2, 2021、SANA, February 2, 2021、SOHR, February 2, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍が2ヶ月ぶりにイドリブ県を爆撃、トルコ軍は同県内を通るM4高速道路沿線に監視カメラ設置を開始(2021年2月2日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるハルブヌーシュ村北西の武装集団拠点と、クールカーニヤー村一帯を3回にわたって爆撃、戦闘員多数が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

ロシア軍がイドリブ県に対して爆撃を行うのは、2020年12月7日以来約2ヶ月ぶり。

また、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるジスル・シュグール市近郊のズィヤーディーヤ村で車に対して地対地ミサイルで攻撃を行い、子供2人が負傷した。

シリア軍はさらに、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、ファッティーラ村、バーラ村一帯を砲撃した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(2月2日付)によると、トルコ軍は、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線各所に監視カメラの設置を開始した。

監視カメラの設置は、沿線一帯のトルコ軍拠点への攻撃を監視するためだという。

このほか、ジスル・シュグール市では車に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にある13カ村で、体制打倒や「シリア革命」支持を訴える落書きが発見された。

落書きが発見されたのは、ダーイル町、フラーク市、ブスラー・シャーム市、ナーフタ町、東カラク村、ジーザ町、カフル・ナースィジュ村、ナワー市、ラジャート高原、イーブ村、インヒル市、ムライハト・アタシュ村、サフム・ジャウラーン村、マターイヤ村。

また、シリア政府支配下のサナマイン市では、軍事情報局に協力していた男性1人が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県6件、ラタキア県11件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は15件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 2, 2021、ANHA, February 2, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 2, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 2, 2021、Reuters, February 2, 2021、SANA, February 2, 2021、SOHR, February 2, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ブーカマール市近郊の「イランの民兵」の石油精製センターが所属不明の航空機の爆撃で爆発か?(2021年2月1日)

ダイル・ザウル県では、ムドゥン(2月1日付)によると、所属不明の無人航空機複数機が飛来、その直後にシリア政府の支配下にあるブーカマール市近郊の砂漠地帯にある石油精製センター2カ所で爆発が発生した。

同サイトによると、同地には「イランの民兵」の傘下で活動する第47中隊が展開、無人航空機による攻撃は、ミサイル庫など「イランの民兵」の施設やトンネル網を破壊するのが目的だという。

AFP, February 1, 2021、ANHA, February 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2021、Reuters, February 1, 2021、SANA, February 1, 2021、SOHR, February 1, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県スブハ村でダーイシュと思われる武装集団がアサーイシュ隊員1人を殺害(2021年2月1日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるスブハ村で、ダーイシュ(イスラーム国)と思われる武装集団が内務治安部隊(アサーイシュ)の隊員を銃で撃ち、殺害した。

AFP, February 1, 2021、ANHA, February 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2021、Reuters, February 1, 2021、SANA, February 1, 2021、SOHR, February 1, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2021年2月1日)

ラッカ県では、ANHA(2月1日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のサイダー村、M4高速道路沿線を砲撃した。

AFP, February 1, 2021、ANHA, February 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2021、Reuters, February 1, 2021、SANA, February 1, 2021、SOHR, February 1, 2021などをもとに作成。

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ハサカ市でシリア民主軍の包囲に対する抗議デモの強制排除中に銃殺された犠牲者の葬儀が行われる(2021年2月1日)

ハサカ県では、SANA(2月1日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市では、同市とカーミシュリー市のシリア政府支配地域(治安厳戒地区)に対する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の包囲に抗議するデモを強制排除しようとしたシリア民主軍の発砲を受けて死亡したムハンマド・ラヒール氏の葬儀が行われた。

一方、シリア民主軍は、ハサカ市中心部のヒクマ病院からシャーブー病院、クドス公園に至る街区の各所に検問所を増設し、住民多数を拘束、連行した。

AFP, February 1, 2021、ANHA, February 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2021、Reuters, February 1, 2021、SANA, February 1, 2021、SOHR, February 1, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県西部でシリア軍と「決戦」作戦司令室が交戦(2021年2月1日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県西部の第46中隊基地一帯でシリア軍と「決戦」作戦司令室が砲撃戦を行い、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタカード村、カフル・ヌーラーン村、カフル・アンマ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、カンスフラ村、フライフィル村、ファッティーラ村、バイニーン村、ルワイハ村、カドゥーラ村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるルワイヒーナ村で軍事情報局に協力している男性1人が正体不明の武装集団に銃で撃たれて死亡した。

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるムサイフラ町の町長(ムフタール)が正体不明の武装集団の発砲を受けて重傷を負い、その後搬送先の病院で死亡した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を20件(イドリブ県10件、ラタキア県6件、アレッポ県3件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は16件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を14件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, February 1, 2021、ANHA, February 1, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 1, 2021、Reuters, February 1, 2021、SANA, February 1, 2021、SOHR, February 1, 2021などをもとに作成。

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最新論考 青山弘之「シリア:「常態化した非常時」から「実体化した非常時」へ」(CMEPS-J.net Report No. 53)

第1節 弱い国家と社会の関係

シリア内戦のイメージ

2010年末から始まった「アラブの春」と呼ばれる一大政治変動は、20世紀半ばに領域主権国家群が成立して以降、もっとも深刻な混乱を中東にもたらしたと言っても過言ではない。なかでもシリアは「21世紀最悪の人道危機」(worst humanitarian crisis of the 21st century)と評される過酷な紛争に苛まれた。いわゆるシリア内戦である。

中東でもっとも安定した強い国家の一つに数えられていたはずのシリアは、これを境に弱い国家に転落した。国家機能は麻痺し、国防・治安維持能力は低下、福祉などの福祉財も十分提供されなくなった。また、国内での不和と武力衝突が、国家(政権、ないしは体制)と社会(国民)の関係を希薄化させたと考えられた。

続き

トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊、タッル・リフアト市近郊を砲撃(2021年1月31日)

ラッカ県では、ANHA(1月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のM4高速道路沿線、マアラク村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(1月31日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のマルアナーズ村などを砲撃した。

AFP, January 31, 2021、ANHA, January 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2021、Reuters, January 31, 2021、SANA, January 31, 2021、SOHR, January 31, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアアザーズ市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民4人死亡、20人負傷(2021年1月31日)

アレッポ県では、SANA(1月31日付)、ANHA(1月31日付)によると、トルコの占領下にあるアアザーズ市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、住民4人が死亡、20人が負傷した(シリア人権監視団によると、子供2人と女性2人を含む7人が死亡)。

また、ANHAによると、トルコ占領下のバーブ市近郊で、国民軍所属のハムザ師団の拠点で爆発が発生し、戦闘員6人が死亡、4人が負傷した。

AFP, January 31, 2021、ANHA, January 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2021、Reuters, January 31, 2021、SANA, January 31, 2021、SOHR, January 31, 2021などをもとに作成。

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ハサカ市とカーミシュリー市の政府地域へのシリア民主軍の包囲に抗議するデモにシリア民主軍が発砲し、1人死亡、4人負傷(2021年1月31日)

ハサカ県では、SANA(1月31日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市中心街の裁判所前で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるハサカ市とカーミシュリー市のシリア政府地域(いわゆる治安厳戒地区)への包囲に抗議するデモが行われた。

これに対して、シリア民主軍は実弾を使用して強制排除を試み、その結果、デモ参加者1人が死亡、4人が負傷した(シリア人権監視団によると、負傷者は4人)。

一方、ANHA(1月31日付)によると、国防隊がハサカ市のマルシュー地区にある内務治安部隊(アサーイシュ)の検問所複数カ所に対して発砲、これに対してアサーイシュが応戦し、国防隊の隊員1人を殺害、3人を負傷させた。

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ダイル・ザウル県では、SANA(1月31日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるスワル町で住民が、シリア民主軍による若者の恣意的逮捕に抗議するデモを行った。

AFP, January 31, 2021、ANHA, January 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2021、Reuters, January 31, 2021、SANA, January 31, 2021、SOHR, January 31, 2021などをもとに作成。

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イドリブ県ではトルコ軍の拠点がオートバイに乗った正体不明の武装集団の発砲を受け兵士2人負傷(2021年1月31日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市とラタキア市を結ぶM4高速道路沿線のムハムバル村近郊のアブー・ズバイル村に設置されているトルコ軍の拠点が、オートバイに乗った正体不明の武装集団の発砲を受け、トルコ軍兵士2人が負傷した(このうち1人は2月3日に死亡した)。

一方、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るダーナー市の住宅街で、同機構の治安部隊が麻薬密輸業者と思われる指名手配者と撃ち合いとなり、隊員1人が死亡した。

治安部隊は戦闘の末、この指名手配者を逮捕した。

このほか、トルコ軍は、兵站物資を積んだ車輌約15輌をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配下のタスィール町にある空軍情報部の検問所が何者かの発砲を受けた。

また、同町では、シリア政府との和解に応じた反体制武装集団の元メンバー1人が何者かに銃で撃たれて死亡した。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、1月30日深夜から31日未明にかけて、ジャッバー村にあるシリア軍の拠点が正体不明の武装集団の襲撃を受けた。

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スワイダー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるスワイダー市で、大統領選挙拒否、「イランの民兵」の排斥を求める落書きが発見された。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を18件(イドリブ県10件、ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は17件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を7件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, January 31, 2021、ANHA, January 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 31, 2021、Reuters, January 31, 2021、SANA, January 31, 2021、SOHR, January 31, 2021、February 3, 2021などをもとに作成。

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イスラエル軍所属と思われる無人航空機(ドローン)複数機がダイル・ザウル県の「イランの民兵」を2度にわたって爆撃(2021年1月30日)

ダイル・ザウル県では、アイン・フラート(1月31日付)によると、イスラエル軍所属と思われる無人航空機(ドローン)複数機が、シリア政府の支配下にあるジャラー町近郊のフマール油田に隣接する「イランの民兵」の拠点複数カ所と、四輪駆動車4台からなる車列を2度にわたって爆撃した。

AFP, January 31, 2021、ANHA, January 31, 2021、‘Ayn al-Furat, January 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 31, 2021、Reuters, January 31, 2021、SANA, January 31, 2021、SOHR, January 31, 2021などをもとに作成。

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ラッカ県でシリア民主軍が検問所を通過しようとしたダイル・ザウル民政評議会のガッサーン・ユースフ議長の車に向けて発砲し、ユースフ議長が負傷、護衛2人が死亡(2021年1月30日)

ラッカ県では、SANA(1月30日付)によると、北・東シリア自治局の支配下にあるカラーマ村で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が検問所を通過しようとしたダイル・ザウル民政評議会のガッサーン・ユースフ議長の車に向けて発砲し、ユースフ議長が負傷、護衛2人が死亡した。

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ハサカ県では、SANA(1月30日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市南のハラーフィー街道で、シリア民主軍の車輌に仕掛けられていた爆弾が爆発し、乗っていた兵士が死傷した。

AFP, January 30, 2021、ANHA, January 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2021、Reuters, January 30, 2021、SANA, January 30, 2021、SOHR, January 30, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアレッポ県アフリーン市で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子供3人を含む5人が死亡、25人が負傷(2021年1月30日)

アレッポ県では、SANA(1月30日付)、ANHA(1月30日付)によると、トルコの占領下にあるアフリーン市の工業地区(カーワー・ハッダード広場近く)で、車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、子供3人を含む5人が死亡、25人が負傷した。

AFP, January 30, 2021、ANHA, January 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 30, 2021、Reuters, January 30, 2021、SANA, January 30, 2021、SOHR, January 30, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃、シリア民主軍が応戦(2021年1月29日)

ラッカ県では、SANA(1月29日付)、ANHA(1月29日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村、M4高速道路沿線を砲撃、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が応戦し、国民軍と交戦した。

また、ANHA(1月30日付)によると、トルコ軍がアイン・イーサー市近郊のムシャイリファ村の北約1キロの地点に、3カ所目となる新たな基地の建設を開始した。

同基地は、M4高速道路に設置されているシリア軍とシリア民主軍の共同拠点から1キロの距離に位置する。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるラアス・アイン市で、国民軍に所属する東部自由人連合の戦闘員が手榴弾を爆発させ、住民1人が負傷した。

手榴弾を爆発させた理由は不明。

AFP, January 29, 2021、ANHA, January 29, 2021、January 30, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2021、Reuters, January 29, 2021、SANA, January 29, 2021、SOHR, January 29, 2021などをもとに作成。

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シリア政府支配下のクナイトラ県、ダマスカス郊外県で軍検問所・拠点への襲撃相次ぐ(2021年1月29日)

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるサイダー・ジャウラーン村にある空軍情報部の拠点に仕掛けられていた爆弾が爆発した。

複数人が負傷した模様。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・ティーマー村とバイト・サービル町を結ぶ街道に設置されているシリア軍の検問所が、28日深夜から29日未明にかけて、正体不明の武装集団の襲撃を受けた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、スフーフン村、ファッティーラ村、ルワイハ村、バイニーン村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村各所を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県7件、ラタキア県9件、アレッポ県5件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は15件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, January 29, 2021、ANHA, January 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 29, 2021、Reuters, January 29, 2021、SANA, January 29, 2021、SOHR, January 29, 2021などをもとに作成。

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シリア政府支配下のヒムス県スフナ市近郊の砂漠地帯を通るガス・パイプラインの支線で爆弾が爆発(2021年1月28日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるスフナ市近郊の砂漠地帯で、ガス・パイプラインの支線に何者か仕掛けた爆弾が爆発した。

AFP, January 29, 2021、ANHA, January 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2021、Reuters, January 29, 2021、SANA, January 29, 2021、SOHR, January 29, 2021などをもとに作成。

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ダルアー県各所でシリア軍第4師団と空軍情報部の検問所6カ所が相次いで襲撃を受ける(2021年1月28日)

ダルアー県では、シリア人権監視団、HFL(1月28日付)によると、シリア政府の支配下にある県内各所で、シリア軍第4師団や空軍情報部の検問所6カ所が正体不明の武装集団の襲撃を受けた。

襲撃を受けたのは、サフム・ジャウラーン村の第4師団検問所、東ガーリヤ町と西ガーリヤ村を結ぶ街道に設置されている空軍情報部検問所、サイダー町と西ガーリヤ村を結ぶ街道に設置されている空軍情報部検問所、東カラク町の第4師団検問所、ジャースィム市の第4師団検問所2カ所。

またナーフタ町では、町長が正体不明の武装集団によって銃で撃たれ、死亡した。

一方、イーブ村では、軍事情報局が民家複数棟に突入し、シリア軍第5軍団の司令官1人を含む4人を拘束した。

イーブ村には1月21日、県内の国内避難民(IDPs)キャンプで数年間にわたって避難生活を送ってきた住民40世帯が帰宅していた。

AFP, January 28, 2021、ANHA, January 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2021、HFL, January 28, 2021、Reuters, January 28, 2021、SANA, January 28, 2021、SOHR, January 28, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県マヤーディーン市で国防隊がイラク人民動員隊アブー・ファドル・アッバース旅団と交戦(2021年1月28日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市で国防隊がイラク人民動員隊に所属するアブー・ファドル・アッバース旅団と交戦し、市内に設置されている拠点複数カ所から放逐した。

AFP, January 28, 2021、ANHA, January 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2021、Reuters, January 28, 2021、SANA, January 28, 2021、SOHR, January 28, 2021などをもとに作成。

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シリア軍がダイル・ザウル県で「テロ集団」のメンバー3人を殺害(2021年1月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(1月28日付)によると、シリア軍が1月26、27日に続いて、24日にダイル・ザウル市とヒムス県スフナ市を結ぶ街道で兵員輸送バスを襲撃し、兵士3人を殺害、10人を負傷させた「テロ集団」のメンバー3人を殺害した。

AFP, January 28, 2021、ANHA, January 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 28, 2021、Reuters, January 28, 2021、SANA, January 28, 2021、SOHR, January 28, 2021などをもとに作成。

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地元名士、第8師団、中央委員会がダルアー県タファス市でのシリア軍第4師団とイスラームの暁師団の合意を拒否(2021年1月27日)

ダルアー県では、HFL(1月27日付)によると、県の地元の名士、ロシア政府の支援を受ける第8師団の代表、シリア政府と反体制派の和解を仲介する中央委員会が会合を開き、1月26日にタファス市での衝突を受けてシリア軍第4師団とイスラームの暁師団が交わした合意について協議した。

しかし、会合では、中央委員会が、イスラームの暁師団がシリア政府に対して敵対姿勢をとっていないとし、「決戦」作戦司令室の支配下にあるシリア北西部へのイスラームの暁旅団の幹部の退去、武器引き渡しを拒否した。

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一方、シリア人権監視団によると、タッル・シハーブ町でシリア軍に協力していた退役少将の息子が、正体不明の武装集団に銃で撃たれて死亡した。

AFP, January 27, 2021、ANHA, January 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2021、HFL, January 27, 2021、Reuters, January 27, 2021、SANA, January 27, 2021、SOHR, January 27, 2021などをもとに作成。

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トルコの占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市での爆発でシャーム軍団司令官死亡(2021年1月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコの占領下にあるジャラーブルス市で、国民軍に所属するシャーム軍団の司令官の車に仕掛けられていた爆弾が爆発、乗っていた司令官が死亡、家族2人が負傷した。

AFP, January 27, 2021、ANHA, January 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2021、Reuters, January 27, 2021、SANA, January 27, 2021、SOHR, January 27, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるラッカ県アイン・イーサー市近郊を砲撃(2021年1月27日)

ラッカ県では、ANHA(1月27日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のマアラク村、M4高速道路沿線一帯を砲撃した。

シリア人権監視団によると、同地でのトルコ軍の発砲で住民1人が負傷した。

AFP, January 27, 2021、ANHA, January 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2021、Reuters, January 27, 2021、SANA, January 27, 2021、SOHR, January 27, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がダイル・ザウル県でダーイシュの拠点に対して24回以上の爆撃を実施(2021年1月27日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がシューラー村近郊の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対して24回以上の爆撃を実施した。

また、シリア軍、国防隊、第5軍団、パレスチナ人民兵のクドス旅団が同地でダーイシュに多雨する掃討作戦を継続した。

一方、SANA(1月27日付)によると、シリア軍が前日に続いて、1月24日にダイル・ザウル市とヒムス県スフナ市を結ぶ街道で兵員輸送バスを襲撃し、兵士3人を殺害、10人を負傷させた「テロ集団」のメンバー8人を殺害し、車輌2輌を破壊した。

AFP, January 27, 2021、ANHA, January 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2021、Reuters, January 27, 2021、SANA, January 27, 2021、SOHR, January 27, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアレッポ県タディール村で車をミサイルで攻撃し、住民2人が負傷(2021年1月27日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタディール村で車をミサイルで攻撃し、住民2人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、ファッティーラ村、スフーフン村、フライフィル村を砲撃した。

一方、トルコ軍憲兵隊は、ハムブーシーヤ村からトルコ領内に越境しようとした密輸業者に発砲し、1人を殺害、1人を負傷させた。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を24件(イドリブ県7件、ラタキア県9件、アレッポ県5件、ハマー県3件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は15件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を8件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, January 27, 2021、ANHA, January 27, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 27, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, January 27, 2021、Reuters, January 27, 2021、SANA, January 27, 2021、SOHR, January 27, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市でシリア軍検問所から旅客マイクロバスに向けて発砲、アサーイシュは同市の政府支配地域への封鎖を強化(2021年1月26日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市で、シリア政府が管理するカーミシュリー国際空港に設置されているシリア軍の検問所からバースィル交差点近くを走行中の旅客マイクロバスに向けて発砲があった。

死傷者はなかったが、これを受けて内務治安部隊(アサーイシュ)が、シリア政府支配下のいわゆる治安厳戒地区を包囲するかたちで複数の仮設検問所を増設した。

AFP, January 26, 2021、ANHA, January 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, January 26, 2021、Reuters, January 26, 2021、SANA, January 26, 2021、SOHR, January 26, 2021などをもとに作成。

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