アサド大統領がブラーヒーミー共同特別代表と会談しジュネーブ2会議開催準備などについて協議するなか、イラク・クルディスタン地域政府内務省は「依然としてシリア政府の同盟者である」として民主統一党を批判(2013年10月30日)

al-Hayat, October 31, 2013
al-Hayat, October 31, 2013

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立を構成するシリア民主主義者連合のサミル・スアイファーン氏は、連合が反体制組織・活動家に対して、ジュネーブ2会議への対応について協議し、統一見解を示すための拡大会合を呼びかけていることを明らかにした。

クッルナー・シュラカー(10月30日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は、イドリブ県のヤアクービーヤ村内のキリスト教会で、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が聖母マリア像を破壊したと非難した。

**

反体制活動家のムヒーッディーン・ラーズカーニー氏は、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相に関して、AKI(10月30日付)に対し、シリア共産党バクダーシュ派書記長のウィサール・ファルハ女史を通じて、ロシア政府、とりわけロシアの諜報機関に接近し、ジュネーブ2会議に参加しようとしたことが解任の主因だと述べた。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカス訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談、ジュネーブ2会議開催準備などシリア情勢をめぐって協議した。

SANA(10月30日付)によると、会談でアサド大統領は、シリア国民がシリアの将来を描き出すことを許された唯一の当事者であり、いかなる解決策もシリア国民から受け入れられるものでなければならず、外国の干渉に反対するその意思を反映したものでなければならないことを伝えたという。

また、政治的解決策の成功も、外国によるテロ集団への支援停止と圧力にかかっていると力説した。

これに対して、ブラーヒーミー共同特別代表は、ジュネーブ2会議開催準備に関して、シリア人自身が参加、合意する仕組みを拡充するための努力を行っていることを伝えたという。

会談には、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣、ブサイナ・シャアバーン大統領府政治情報補佐官、ファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣が同席した。

**

『ハヤート』(10月31日付)は、ロバート・フォード駐シリア米大使が先週、スイスのジュネーブでカドリー・ジャミール経済問題担当副首相(当時)と会談し、ジュネーブ2会議の開催について協議していた、と報じた。

フォード大使は会談で、移行期におけるアサド大統領の役割を米国が認めない旨、伝えたという。

ジャミール副首相はこの会談の後、モスクワへと渡航した。

同紙はまた、西側の複数の消息筋の話として、この会談がジャミール副首相の解任(29日)の主因だと付言した。

なお、同消息筋によると、フォード大使との会談には、アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣も招聘されたが、ハイダル大臣はこの申し出を拒否したという。

**

クッルナー・シュラカー(10月30日付)は、カドリー・ジャミール経済問題担当副首相の解任に関して、シリアのムハーバラートが運営しているSNSのページからの情報として、5つの理由があげられる、と報じた。

5つの理由とは以下の通り:

1. 民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーズ代表と会談し、新たな反体制組織の結成を提案、ジュネーブ2会議への出席を画策。
2. シリア政府との調整を経ず、米国内務省高官と接触し、ジュネーブ2会議について協議。
3. 自身および国民意思党の支持者への食糧、燃料などの配給を優遇。
4. 物価上昇と配給部門での汚職蔓延の放置。
5. 燃料、とりわけガソリン配給での親族の汚職関与。

**

アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、『バラド・ナー』(10月30日付)に、10月27日にヒムス県からダマスカス県に戻る途上、ヒムス市近郊で乗っていた車が何者かの狙撃を受けたことを明かした。

ハイダル大臣は、実行犯が誰なのかについては断定を避けた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(10月30日付)によると、ダイル・アティーヤ市東部、ヤブルード市南部、ナースィリーヤ村南部、ナバク市北東部、アドラー市、アルバイン市、ハラスター市、ザマルカー回廊、ダイル・アサーフィール市、ザバダイン市、ジスリーン町、ハムーリーヤ市、策バー市、マルジュ・スルターン村、ビラーリーヤ村、ナシャービーヤ町、マイダアー町、フタイタト・トゥルクマーン市郊外、TAMICO周辺、ドゥーマー市郊外、シャイフーニーヤ村南西部、ランクース市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点、装備、地下トンネルを破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月30日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月30日付)によると、ハマー市で、自爆ベルトを着用したハマー・ムジャーヒディーン旅団戦闘員が、アナス・ナーイム知事暗殺を試みたが、失敗に終わった。

**

アレッポ県では、SANA(10月30日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、マーイル町、バヤーヌーン町、マンスーラ村、ダイル・ハーフィル市、シャイフ・ナッジャール市、マアスラーニーヤ市、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ヌッブル市、ザフラー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、サラーフッディーン地区、旧市街で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月30日付)によると、アルバイーン山周辺、マアーラト・ナアサーン市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャーム自由人運動、アッバース旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月30日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、マリーイーヤ村、ジャフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャームの地の征服者旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月30日付)によると、ザーラ村、ハヌーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ロシア・トゥデイ(10月31日付)、マヤーディーン(10月30日付)などによると、ハサカ県ラアス・アイン市で、反体制武装集団が化学兵器を使用したことが確認されたと報じた。

同報道によると、ラアス・アイン市では28日から、民主統一党人民防衛隊とサラフィー主義武装集団との戦闘が再び激化していたという。

レバノンの動き

NNA(10月30日付)によると、ベカーア県ヘルメル群で、シリア領内から武器弾薬を持ち込もうとしたレバノン人3人を軍が逮捕した。

**

LBCI(10月30日付)によると、北部県トリポリ市のジャバル・ムフスィン地区で、市民4人が何者かの狙撃を受け、負傷した。

諸外国の動き

クッルナー・シュラカー(10月30日付)によると、イラク・クルディスタン地域政府内務省は、民主統一党を「依然としてシリア政府の同盟者であり、ほかのクルド人政治勢力の眼前で、闘争の扉を閉ざした」と批判、サーリフ・ムスリム共同党首が自治区に出入りすることを禁じたと発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はアテネでの記者会見で「シリアの一部当事者だけでなく、一部の近隣諸国、そしてそれ以外の一部の国々によって、(ジュネーブ2会議開催をめざす)米露合意に明らかに反対の表明がなされた」と非難、「こうしたイニシアチブを頓挫させねばならない」と述べた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表付報道官のハウラ・マタル氏は、AFP(8月30日付)に対して、ブラーヒーミー氏が「和平プロセスにダイナミズムを与え得るサウジアラビアの役割を高く評価している」と述べ、ジュネーブ2会議に同国が参加すべきだとの見解を示した。

**

ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外務大臣は、7月にイドリブ県サラーキブ市で反体制武装集団に拉致されたポーランド人カメラマンのマールティン・スーダル(Marcin
Suder)氏が脱走に成功、トルコを経由して、ポーランドに無事帰国したと発表した。

AFP, October 30, 2013、AKI, October 30, 2013、Balad-na, October 30, 2013、al-Hayat, October 31, 2013, November 1, 2013、Kull-na Shuraka’, October 30, 2013、LBCI, October 30, 20132、al-Mayadeen, October 30, 2013、Naharnet, October 30, 2013、NNA, October 30, 2013、Reuters, October 30, 2013、Rihab News, October 30, 2013、Russia Today, October 31, 2013、SANA, October 30, 2013、UPI, October 30, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍がヒムス県サダド市に侵入していたサラフィー主義武装集団の掃討を完了するなか、ブラーヒーミー共同特別代表は化学兵器廃棄に合意したアサド大統領が現在「パートナー」となったと主張(2013年10月28日)

反体制勢力の動き

ダマスカス郊外県で活動する武装集団29組織が「ハルマゲドン(マルハマ・クブラー)軍」を結成したと発表した。

「ハルマゲドン軍」の司令官はムアーウィヤ・ブン・アビースフヤーン旅団のアブー・ファーティフ司令官が務める。

「ハルマゲドン軍」に参加した主な武装集団は、ムアーウィヤ・ブン・アビー・スフヤーン旅団、ダマスカスの険旅団、ファイハー旅団、第1治安旅団、グータの獅子旅団、暁旅団、リジャールッラー旅団、治安法務旅団、シリア・グータ革命家コマンドなど。

**

クッルナー・シュラカー(10月28日付)によると、ダマスカス郊外県で活動する複数の武装集団が、「ダマスカスの兵」を結成した。

**

クッルナー・シュラカー(10月28日付)によると、ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する複数の地元評議会が会合を開き、東グータ地方を統括する執行機関の設置について協議し、各評議会代表からなる事務局と執行会議を発足することで合意した。

また会合では、ニザール・サマーディー氏を執行会議議長に、ムハンマド・ビカーイー氏を副議長に、アブドゥッラー・ダルウィーシュ氏を書記に、ムハンマド・ムダッリル氏を総合関係局長に、アリー・ジュムーア氏を財務局長に選出した。

**

ジャズィーラ(10月28日付)は、イドリブ県の対トルコ国境に位置するアティマ村で、シリア女性連盟のシリア支部会合が開催され、シリア国内での活動について協議したと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のヤースィル・ファルハーン氏は、民主統一党(人民防衛隊)によるハサカ県ヤアルビーヤ国境通行所の制圧に関して「アラブ人数千人が避難するなか、クルド人はすべてのシリア人のものであるべき同地の石油を取引する明確なルートを確保した」と非難した。

『ハヤート』(10月29日付)が伝えた。

**

民主統一党人民防衛隊は声明を出し、ハサカ県ヤアルビーヤ町でのサラフィー主義者との戦闘で、部隊員3人が戦死したと発表した。

国内の暴力

ヒムス県では、SANA(10月28日付)によると、軍がサダド市に侵入していたサラフィー主義武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、殉教者大隊、バーバー・アムル・コマンド大隊などからなるサラフィー主義武装集団は、サダド市を経由し、マヒーン町に進軍、同市内の武器庫の制圧をめざしていたが、この試みは失敗に終わった。

しかし、シリア人権監視団によると、マヒーン町での軍とサラフィー主義武装集団の戦闘は続いているという。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月28日付)によると、バイルード市郊外、ナバク市北部、アルバイン市、ザマルカー回廊、ムライハ市郊外、TAMICO周辺、アーリヤ農場、ドゥーマー市、フタイタト・トゥルクマーン市郊外、バハーリーヤ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアドラー市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、子供2人が死亡、市民15人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月28日付)によると、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、アレッポ中央刑務所周辺、カースティールー街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市スライマーン・ハラビー地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団を撃退し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、ザマーン・ワスル(10月29日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアレッポ市サーフール地区の包囲を開始、その制圧を狙っていると報じた。

同ネットによると、これに先立ち、サーフール地区を拠点としている「シリア青年戦線連合」司令官で、シャーム外国人大隊の指導者の一人でもあるハサン・ジャズラ氏が、「ダーイシュによる包囲と同じ理由で」、シャリーア委員会によって逮捕された。

シャーム外国人大隊の下部組織と目される「シリア青年戦線連合」は、サーフール地区、スライマーン・ハラビー地区、マイダーン地区などで軍と対峙してきた武装集団。

ダーイシュは27日から、サーフール地区周辺に検問所を設置し、住民の往来などを規制しているという。

**

イドリブ県では、SANA(10月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、マジャース村、ウンム・ジャリーン村、カルア・ガザール村、タッル・ダマーン村、タッル・サラムー村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月28日付)によると、スカイラビーヤ市に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月28日付)によると、シャッダーディー市郊外で軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカーミシュリー市では、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた自動車を爆破、市民3人が負傷した。

**

ダイル・ザウル県では、シャーム・プレス(10月28日付)によると、シュマイティーヤ町で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)とシャーム自由人運動が、ムハンナー・ファイサル・ファイヤード・ナースィル人民議会議員(ブーサラーヤー部族長)とブーサラーヤー部族の14人を誘拐した。

これに関して、シリア人権監視団は29日、シュマイティーヤ町での拉致者数は72人に達したと発表した。

**

『ハヤート』(10月29日付)は、トルコの医療筋の話として、トルコ南東部でシリア領からの迫撃により負傷した男性1人とその娘1人がディアルバクル市で死亡した、と報じた。

死亡した2人はシリアのハサカ県ラアス・アイン市に面する国境の町チェイランプナル市で負傷、ディアルバクル市の病院に搬送されていた。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長は、大預言者病院設立25周年を記念してテレビ演説を行った。

演説のなかで、ナスルッラー書記長はアレッポ県アアザーズ市で拉致され、10月半ばに開放されたレバノン人巡礼者の問題についても言及、「(レバノン内戦時にシリアやイスラエルで失踪した)行方不明者の問題解決を支援する意思があるとの言葉をシリアから受けている。我々はこうした努力が幸福な結末を迎えると望んでいる」と述べた。

そのうえで「シリアでの最近の情勢は、軍事的解決ではなく、政治的解決のみがあり得るということを我々に理解させている…。すべての関係当事者は、前提条件なしで対話を行うべきだ…。シリアにおいて政治的解決が妨げられれば、さらなる死者と破壊が生じ、レバノンなどすべての近隣諸国に悪影響がもたらされるだろう」と強調した。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、フランスの週刊誌『ジュン・アフリーク』(10月28日付)のインタビューで、「彼(アサド大統領)の周囲にいる多くの人々が、(2014年の大統領選挙への)彼の出馬が必然的だと考えている。彼もこれが既得権だと考えており…、現在の任期を全うしたいと考えていることは確実だ」と述べた。

al-Hayat, October 29, 2013
al-Hayat, October 29, 2013

また「歴史は我々に、こうした危機が発生すれば、後戻りはできないということを教えてくれている。アサド大統領はそれゆえ、過去のシリア、すなわち父親が作ったシリアから、彼自身のシリア、すなわち新たなシリア共和国への移行期において有益なかたちで貢献し得る」と強調した。

ブラーヒーミー共同特別代表はさらに、化学兵器廃棄に合意する以前のアサド大統領が「パーリア」だったが、現在は「パートナー」だと主張、「バッシャール氏は決して退任しなかった…。人々が何を言おうと」と付言した。

ジュネーブ2会議については「プロセスの始まりに過ぎない。我々は反体制勢力が信頼できる代表使節団を結成することで何とか合意してほしいと思っている」と述べた。

そのうえで「シリアにおける真の脅威は国の分断ではない。真の脅威はソマリア化だ」と述べた。

AFP(10月28日付)が伝えた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がイランからレバノンのベイルート国際空港を経て、陸路でシリアのダマスカスに到着、滞在先となるシェラトン・ホテルでファイサル・ミクダード外務在外居住副大臣と会談した。

シリア高官がAFP(10月28日付)に明らかにしたところによると、ブラーヒーミー共同特別代表は2日間ダマスカスに滞在する予定。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、イスラーム軍など19の武装集団がジュネーブ2会議を拒否する声明を出したことに関して「一部の過激なテロ集団が…不名誉にも脅迫を行ったが、こうしたことはこれが初めてではない…。こうした脅迫は米露の提案がしたジュネーブでの高いに向かおうとする人々に向けられている」と非難した。

またラブロフ外務大臣は「彼らは我が国の外交官らが標的になるだろうとさえ脅迫している…。こうしたことは不名誉なことであり、受け入れられず、その責任は反体制集団に資金と武器を供与する者たちにある」と付言した。

**

化学兵器禁止機関はインターネットを通じて声明を出し「2013年10月27日、調査団は、シリア政府が申告した化学兵器関連施設23カ所のうち21カ所の査察を終えた」と発表した。

また「残る2カ所は安全上の懸念があったため、訪問はなされなかった」と付言した。

**

『ハヤート』(10月29日付)によると、イラクの治安筋は、ハサカ県ヤアルビーヤ国境通行所をイラク軍が越境攻撃したとのシリア革命反体制勢力国民連立の主張に反論、「我々が目下必要としているのは戦闘をシリア国内にとどめることであり、いかなる場合にも介入はしない」と否定した。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアの化学兵器廃棄に向けた化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団の活動報告書を安保理に提出した。

同報告書のなかで、アフメト・ウズムジュOPCW事務局長は、シリアが申告した関連施設は23カ所、41施設で、化学兵器が計1,300トンだと報告した。

41施設の内訳は、化学兵器製造施設が18、貯蔵施設が12、移動式注入施設が8、それ以外の関連施設が3だった。

化学兵器は、サリンなど毒性が強い第1分類が約1,000トンで、そのほとんどが生成前の前駆物質だった。また産業用にも用いられる第2分類の有毒物質が約290トンだった。

化学物質が未注入の兵器1,230点も申告された。

なお23カ所41施設のうち、2カ所4施設で査察が終了していないと報告された。

潘事務総長は安保理で、23カ所のうち2カ所が「安全上の理由で近づけない」と指摘、査察や施設破壊検証の「例外になる可能性」があると説明した。

AFP, October 28, 2013、Aljazeera.net, October 28, 2013、Champress, October 28, 2013、al-Hayat, October 29, 2013, October 30, 2013、Kull-na Shuraka’, October 28, 2013、Naharnet,
October 28, 2013、Reuters, October 28, 2013、Rihab News, October 28, 2013、SANA,
October 28, 2013、UPI, October 28, 2013、Zaman al-Wasl, October 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

人民防衛隊がヌスラ戦線・イスラーム国との戦闘の末にハサカ県ヤアルビーヤ町を完全制圧、トルコ外相は民主統一党が「シリアのすべてのクルド人を代表していない」としつつ同党がシリア革命反体制勢力国民連立に合流するべきだと主張(2013年10月27日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月27日付)は、ダルアー県タファス市の複数の活動家の話として、イスラエル製の小型スパイ偵察機器が同市で発見されたと報じた。

Kull-na Shuraka', October 27, 2013。
Kull-na Shuraka’, October 27, 2013。

**

イスラーム軍広報局は、ヒムス県スフナ市で死亡したスライマーン・カナアーン大佐(故ガーズィー・カナアーン元内務大臣の弟)が、ダマスカスで粛正され、スフナ市に遺体を捨てられたと断じた。

イスラーム軍によると、カナアーン大佐は自由シリア軍の協力者で、離反を計画していたために軍によって殺害されたのだという。

シリア政府の動き

欧州を訪問中のシャリーフ・シハーダ人民議会議員は、離反し欧州に逃亡したとの一部反体制サイトの報道に関して、AFP(10月27日付)に「離反はあり得ない…。私はシリア国民を代表するジャーナリストで、いかなる国にも入国する権利がある」と述べ、否定した。

**

シャファーフ・ネット(10月27日付)は、シリア政府が北朝鮮軍の戦闘ヘリコプター・パイロット15人に反体制武装集団の拠点空爆の支援を求めたと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(10月27日付)によると、当局はアレッポ県のアレッポ中央刑務所の収監者8人を釈放した。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党人民防衛隊がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)などとの交戦の末、ヤアルビーヤ町を制圧した。

人民防衛隊は前日には、対イラク国境のヤアルビーヤ国境通行所を制圧していた。

これに関して、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク軍が、民主統一党人民防衛隊と連携し、ヤアルビーヤ国境通行所に対して越境砲撃を行ったと断じ、非難した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、サダド市、スフナ市などの周辺で軍と反体制武装集団(サラフィー主義者)が交戦した。

両市をめぐる攻防戦では、軍とサラフィー主語戦闘員の双方に合わせて100人以上の戦死者が出たという。

一方、SANA(10月27日付)によると、サダド市で軍が反体制武装集団の追撃を続け、聖テオドロス教会、ブルジュ広場などを占拠していた複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカルアト・ヒスン市、キースィーン村、ウンム・サフリージュ村、サラーム・ガルビー村、ヒムスしバーブ・フード地区、クスール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(10月27日付)が、サイイダ・ザイナブ町近郊にあるアブー・ファドル・アッバース旅団とヒズブッラー戦闘員の拠点を「自由シリア軍」が爆破することに成功したと報じた。

一方、SANA(10月27日付)によると、アルバイン市、ハラスター市、フタイタト・トゥルクマーン市周辺、カースィミーヤ市郊外、ムライハ市郊外、ドゥーマー市郊外、ナバク市郊外、ラアス・アイン市、リーマー農場、ヤブルード市東部、マアルーラー市郊外、ルハイバ市東部、アドラー市南東部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民7人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月27日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月27日付)によると、アレッポ市ライラムーン地区、カスタル・ハラーミー地区、タッラト・アッザーン村、ジュダイダ地区、マルジャ村、アルバイド村、クワイリス村、アレッポ中央刑務所周辺、カースティールー街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月27日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディー地区、工業地区、ウルフィー地区、ジュバイラ地区、ジャウラ地区、クスール地区、マリーイーヤ村、ジャフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、イブン・カイイム旅団、シャーム自由人運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月27日付)によると、シュアサ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月27日付)によると、アイン・カンタラ村、グマーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月27日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村、サラーキブ市、ナイラブ村、ナフリヤー市、ザアラーナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月27日付)によると、ダルアー市各所、アトマーン村、タファス市、タッル・サマン周辺、ブスル・ハリール市、マスィ-カ市、ハワービー村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月27日付)によると、武装集団どうしの衝突が続いていた北部県トリポリ市バーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区などに軍が展開し、事態を収拾した。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関は声明を出し、「10月24日木曜日、シリア・アラブ共和国が化学兵器プログラム(およびその廃棄)に関する当初計画を提出した」と発表し、同国が「期限を遵守した」ことを高く評価した。

**

イランのアーラム・チャンネル(10月27日付)によると、ハサン・ロウハーニー大統領がイランを訪問中のアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談し、「イランは、ジュネーブ2会議であれ、シリア安定化のためのそれ以外のいかなるイニシアチブであれ、あらゆる努力を行い、積極的な役割を担う用意がある」と伝えた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はTRT1(10月27日付)のインタビューで、民主統一党が「シリアのすべてのクルド人を代表しておらず…、同党の圧力を不快に思う複数の集団が案からに支援を求めに来た」としつつ、同党がシリア革命反体制勢力国民連立に入るべきだと主張した。

またダウトオール外務大臣は、トルコがアル=カーイダとつながりのあるいかなる集団も支援していないと強調した。

**

ロシア連邦議会下院のアレクセイ・プシュコフ国際問題委員長は、ツイッター(10月27日付)で、イスラーム軍など19の武装集団が声明でジュネーブ2会議を拒否したことについて「シリアをめぐる国際会議を頓挫させようとしている当事者」と批判した。

AFP, October 27, 2013、al-Hayat, October 28, 2013、Kull-na Shuraka’, October 27, 2013、Naharnet, October
27, 2013、NNA, October 27, 2013、Reuters, October 27, 2013、Rihab News, October
27, 2013、SANA, October 27, 2013、alshafaf.com, October 27, 2013、UPI, October
27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム軍を筆頭とする19の武装集団が「アサド政権との交渉は処罰に値する」との共同声明を発表、反体制武装集団が数週間にわたる軍との戦闘の末にダルアー県タファス市を制圧(2013年10月26日)

反体制勢力の動き

イスラーム軍をはじめとする19の武装集団が共同声明(http://www.youtube.com/watch?v=u3jNuBtQhOI&feature=player_embedded)を出し、ジュネーブ2会議に関して「シリア国民が選んだこともなければ、選ぶこともない」としたうえで「(アサド)政権との交渉は…反逆行為であり、司法による審判と処罰を受けねばならない」と主張した。

共同声明に参加した武装集団は以下の通り:

シャームの鷹旅団
シャーム・イスラーム自由人運動
タウヒード旅団(アレッポ)
イスラーム軍
使徒末裔旅団
シャーム・ムジャーヒディーン旅団(ハマー)
ハック旅団(ヒムス)
アンサール・シャーム大隊
シリア殉教者大隊旅団連合
第19師団第2師団
シャームの兵
ダーウド旅団
ファーティヒーン連隊(ヒムス)
ハビーブ・ムスタファー旅団大隊
サハーバ旅団大隊
シャバーブ・フダー大隊
ヌールッディーン・ザンキー大隊
首都の楯旅団
ファルカーン旅団
イスラーム殉教者旅団

**

クッルナー・シュラカー(10月26日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)は、アレッポ郊外地域司令官のアブー・ヤフヤー・トゥーニスィー氏を解任、アブー・ウサーマ・トゥーニスィー氏を新司令官に任命した。

司令官交代の理由は定かではないが、アターリブ市の金曜礼拝時にアブー・ヤフヤー氏が住民や「自由シリア軍」戦闘員と口論になったことが遠因だという。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(10月26日付)は、シリア当局がタッル・マルーヒーさんに続き、女性収監者3人を新たに釈放したと報じた。

これにより、アアザーズ市で拉致されたレバノン人巡礼者の解放に応じるかたちで釈放された女性収監者の数は68人となった。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍との戦闘の末、タファス市を制圧した。

数週間にわたる戦闘では、反体制武装集団側のヤースィル・アッブード大佐など、双方に数十人の戦死者が出た。

また、クッルナー・シュラカー(10月26日付)によると、タファス市制圧を時を同じくして、ヤルムーク殉教者旅団をはじめとする反体制武装集団が対ヨルダン国境に位置するタッル・シハーブ国境通行所を閉鎖した。

一方、ヨルダンのジハード潮流報道官は、シャームの民のヌスラ戦線メンバーでヨルダン人のターリク・ザカーリナ氏(27歳)が、ダルアー市内で軍に対する自爆攻撃を行い、死亡したと発表した。

他方、SANA(10月26日付)によると、ダルアー市、フラーク市、ナワー市、ジャービヤ丘市、ナースィリーヤ村、アトマーン村、ムライハ市、タファス市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ムジャーヒディーン大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、民主統一党人民防衛隊が、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)との数日にわたる戦闘の末、対イラク国境に位置するヤアルビーヤ国境通行所を早朝に制圧した。

しかしタウヒード旅団は、ヤアルビーヤ国境通行所は依然として「自由シリア軍」によって掌握されている、と主張した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、キリスト教徒が多く住むサダド市各所で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線、ハドラー大隊(殉教者大隊)、バーバー・アムル・コマンド大隊などが、軍、国防隊と交戦した。

一方、SANA(10月26日付)によると、サダド市、ラスタン市、ブルジュ・カーイー村、キースィーン村、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガースィビーヤ村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月26日付)によると、ターディフ市南部、クワイリス村、アルバイド村、アレッポ中央刑務所周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カールトーン・ホテル周辺、ハーン・シューナ地区、サイイド・アリー地区、ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月26日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、サルジャ村、マアッルバリート市、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サラーキブ市周辺、ナスィービーン市、マアッラト・ヌウマーン市、ハーン・スブル村、カンスフラ村、カフルタハーリーム町、アルマナーズ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月26日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市周辺、ランクース市北部、ナバク市北東部、アドラー市南部、ダイル・アティーヤ市東部、ヤブルード市郊外、マアルーラー市郊外、ダーライヤー市郊外、ルハイバ市東部、ブワイダ市郊外、ザマルカー回廊、TAMICO周辺、アルバイン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月26日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月26日付)によると、アルシューナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月26日付)によると、カンタラ村、カンダースィーヤ村、スッカリーヤ町で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月26日付)によると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で、武装集団どうしが交戦し、4人が死亡した。

**

サアド・ハリーリー元首相は滞在先のサウジアラビアで声明を出し、トリポリ市での武装集団どうしの衝突を「シリア政府がトリポリで行っている汚れた戦争」と断じ、非難した。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がイランを訪問し、モハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣と会談、シリア情勢について協議した。

会談後の記者会見で、ブラーヒーミー共同特別代表は、イランのジュネーブ2会議への参加を「当然、不可欠で、有意義」と述べた。

**

ドイツ内務省の連邦憲法擁護庁(BfV)のハンズ=ゲオルク・マーセン長官はDPA(10月26日付)に、210人以上のドイツ人が戦闘に参加するためにシリアを訪問、少なくとも15人が戦闘能力を身につけて、ドイツに帰国している、と述べた。

また少なくとも10人がシリアでの戦闘で死亡したという。

**

『ハヤート』(10月27日付)は、ロンドンで先週開催されたシリアの友連絡グループ外相会合で、参加各国が、ジュネーブ2会議が開催された場合、3ヶ月以内に移行期政府の樹立をめざすとの日程で合意していたと報じた。

AFP, October 26, 2013、al-Hayat, October 27, 2013、Kull-na Shuraka’, October 26, 2013、Naharnet, October
26, 2013、NNA, October 26, 2013、Reuters, October 26, 2013、Rihab News, October
26, 2013、SANA, October 26, 2013、UPI, October 26, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ県の対イラク国境付近で人民防衛隊がヌスラ戦線およびイスラーム国と激しく交戦、クウェート外相がトルコ外相との会談後の記者会見のなかで「シリアの失敗国家への転落」に関して警鐘を鳴らす(2013年10月24日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月24日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)はアレッポ県アターリブ市を支配する「自由シリア軍」に対して、シャリーア法廷に服すよう求めるとともに、市内の検問所2か所の撤去を要求した。

Kull-na Shuraka', October 27, 2013
Kull-na Shuraka’, October 27, 2013

**

アレッポ県バーブ市および同市郊外を管轄するシャリーア委員会は声明を出し、「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)を承認せず、我々の兄弟と戦う組織だとみなす」と発表、相互主義の原則で対処するとの意思を表明した。

**

イブン・タイミーヤ・ムジャーヒディーン大隊を名乗る武装集団はビデオ声明を出し、シリア当局が逮捕したサウジアラビア人男性を5日以内に釈放するよう、シリア、ロシア両政府に警告、釈放されない場合、拘束中のロシア人を処刑すると発表した。

ロイター通信(10月24日付)などが報じた。

**

Rihab News, October 24, 2013
Rihab News, October 24, 2013

シリア国家建設潮流のルワイユ・フサイン代表は『ワタン』(10月24日付)に、シリア革命反体制勢力国民連立の一員としてジュネーブ2会議への参加を求める西側諸国の提案を同潮流が拒否したことを明らかにした。

**

シリア国民評議会のアブドゥルバースィト・スィーダー前事務局長はAKI(10月24日付)に、ジュネーブ2会議への参加をめぐって、ロンドンでのシリアのとも連絡グループ外相会議での協議結果を受けて、評議会とシリア革命反体制勢力国民連立の間でコンセンサスに達しつつあるとしたうえで、大会への参加をめぐって「タカ派」は存在しないと述べた。

そのうえで、ジュネーブ2会議をめぐる決定(ジュネーブ合意)を遵守しようとしないのはアサド政権の側だと主張、同政権の影響力を維持するかたちでの移行期政府の樹立に改めて消極的な姿勢を示した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のサミール・ナッシャール氏は『ハヤート』(10月25日付)に、22日にイスタンブールで予定されていた総合委員会会合が11月1日に延期されたことを明らかにした。

総合委員会会合では、ジュネーブ2会議への参加について協議が予定されていた。

シリア政府の動き

アサド大統領はダマスカス郊外県での火力発電所ガス・パイプラインへのテロによる停電の復旧作業にあたる電力省、石油鉱物資源省のスタッフを慰問、謝意を示した。

SANA(10月24日付)が報じた。

**

SANA(10月24日付)によると、ダマスカス国際空港近くの火力発電所に燃料ガスを供給するためのパイプラインが反体制武装集団によって破壊され、ダマスカス県南部一帯地域が停電した事件に関して、イマード・ハミース電力大臣が、他県などから電力供給を融通することで、停電が徐々に回復しつつあると述べた、と報じた。

**

AFP(10月24日付)は、女性収監者問題を扱っている女性弁護士スィーマー・ナッサール氏の話として、シリアの当局が女性収監者64人を釈放したと報じた。

アレッポ県アアザーズ市で拉致されたレバノン人巡礼者の釈放をめぐって、反体制武装集団が主張してきた要求に応じた動き。

釈放された女性のほとんどが、ダマスカス郊外県出身者で、レバノン人1人、パレスチナ人3人も含まれており、いずれもアドラー女性刑務所に収監されていた。

**

クッルナー・シュラカー(10月24日付)は、ヒムス刑事裁判所が、ブログへの書き込みを理由に2009年12月に逮捕され、スパイ容疑で禁固5年の有罪判決を受けていたタッル・マルーヒーさん(1991年、ヒムス生まれ、高校生)の刑期の4分の1への減刑を認めたと報じた。

マルーヒーさんの代理人を務めるウマル・カンダジー弁護士によると、この決定を受け、収監中のアドラー女性刑務所から24日釈放されると見られる。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、対イラク国境に位置するヤアルビーヤ町周辺で、民主統一党人民防衛隊がシャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国などと激しく交戦した。

この戦闘で、人民防衛隊はヤアルビーヤ町近郊のマズラア町、スィーハ村を制圧し、多数のサラフィー主義戦闘員を殺傷した。

**

ヒムス県では、SANA(10月24日付)によると、スフナ市で、軍が反体制武装集団を掃討し、同地の治安を回復した。

またサダド村、マヒーン町、アーラーク村、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月24日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市で軍が反体制武装集団に対する特殊作戦を行い、同地を制圧した。

前線司令官によると、フタイタト・トゥルクマーン市の制圧により、ダマスカス国際空港街道一帯の反体制武装集団は完全に掃討されるという。

また軍は、TAMICO周辺、ザマルカー回廊、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、ブワイダ市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市、ヤブルード市郊外、マアッラト・サイドナーヤー町、カーラ市西部、ナバク市北東部、ルハイバ市東部、アドラー市南部で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、イスラーム旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月24日付)によると、ダルアー市内各所、タファス市、イズラア市、ブスル・ハリール市、ナワー市、ザアルール市、ハーヌート市、サイダー町、ナマル町、ハッラーン村、ドゥワイラ村、アイン・バイダー村で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月24日付)によると、ダッラ村、ジャバル・クーズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月24日付)によると、クワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村周辺、アブー・ジャッバール村南部、ターディフ市、カースティールー街道、ナッカーリーン村、カラム・マイサル市、サフィーラ市で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サラーフッディーン地区、シャイフ・ヒドル地区、サーフール地区、スライマーン・ハラビー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月24日付)によると、マアッラトミスリーン市、カストゥーン村、アイン・ラールーズ市、シャイフ・バフル市、サラーキブ市、サルジャ村、バザーブール村、マンタス市、マアッラト・ヌウマーン市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月24日付)によると、ベカーア県西ベカーア郡ハウシュ・ハリーマ地方で、爆発物を積んで走行中の自動車を軍が追跡、乗っていた4人と交戦した。

これにより、自爆ベルトを着用した男性1人を含むシリア人2人が死亡、2人が逮捕された。この交戦により、レバノン軍兵士2人も負傷した。

諸外国の動き

クウェートのスバーフ・アーリド・ハマド・スバーフ外務大臣は、トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣とクウェート市で会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談後の共同記者会見でスバーフ外務大臣は「シリアは失敗国家へと転落しつつある。過激思想、麻薬、武器、犯罪者が横行している」と警鐘を鳴らした。

ダウトオール外務大臣は「トルコはシリア人避難民への門戸解放政策をとってきたが…、国際社会が適切な対応をとっておらず、失望と不快感を表明する」と述べた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がトルコの首都アンカラに到着した。

AFP, October 24, 2013、AKI, October 24, 2013、al-Hayat, October 25, 2013、Kull-na Shuraka’, October 24, 2013, October 27, 2013、Naharnet,
October 24, 2013、NNA, October 24, 2013、Reuters, October 24, 2013、Rihab
News, October 24, 2013、SANA, October 24, 2013、UPI, October 24, 2013、al-Watan, October 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダマスカス郊外県の複数地点で軍が反体制武装集団に対する砲撃を強化するなか、ブラーヒーミー共同特別代表がヨルダン国王や同国外相と会談し「シリアとシリア国民が安全を取り戻すための政治的解決」の必要性を確認し合う(2013年10月23日)

反体制勢力の動き

アンサール・ワ・ムハージリーン軍のアブドゥッラフマーン・ハッラーク司令官は、「西欧、米国、そしてシリア政府は、自由シリア軍を名乗る集団を送り込み、イスラーム国家やジハード運動に対抗させようとしている」と非難した。

また「複数のアラブ諸国が、一部の集団を武器、資金で買収し、民衆とジハード運動の関係を破壊しようとしている」と付言した。

クッルナー・シュラカー(10月23日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のファーイズ・サーラ氏は、「連立は、全権を委任されない移行期政府、とりわけ軍、治安機関そして両組織に属するすべての機関に対して完全に権限を行使できない移行期政府の発足を受け入れることはないだろう…。シリアの現体制は、軍と治安機関がそれ以外の機関に対して権力を行使する体制であり、軍と治安機関が服さない政府は機能し得ない」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(10月24日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アレッポ県マンビジュ市で活動するアスハーブ・ヤミーン旅団(自由シリア軍)司令官のムハンマド・カンジュ氏を拉致したと報道した。

同報道によると、カンジュ氏拉致を受け、アスハーブ・ヤミーン旅団は、マンビジュ市、ジャラーブルス市のダーイシュの拠点を襲撃するとダーイシュに警告しているという。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(10月23日付)は、信頼できる情報筋の話として、アドラー女性刑務所に収監されていた女性16人が釈放され、ダマスカス県に移送、県知事から恩赦されたことを伝えられたと報じた。

同報道によると逮捕された16人のうち、氏名が明らかになった14人は以下の通り:

1. ガーダ・アッバール
2. スィーサン・アッバール
3. ハッバ・スィーサーン
4. ファーティマ・マルイー
5. ザイナブ・アジューブ
6. リーマー・バルマーウィー
7. ミールファト・ハマウィー
8. マルーワ・ズウビー
9. マルーワ・アミード
10. リーナー・マフムード・アフマド
11. ファーティマ・マルイー
12. サハー・ムハンナー
13. ワルダ・スライマーン
14. サファー・クタイト

**

シリア外務在外居住者省は声明を出し、「シリア国民こそが、自らの指導部を選択し、シリアの現在と将来を描き出す当事者である。シリア国民はいかなる外国の勢力が、自らに代わって政府を選ぼうとすること、その権限や任務を決定することをも許さない」と発表した。

また21日のルクセンブルグクのEU外相会議に関して、「EUはテロ集団支援に基づく対シリア破壊政策に依存している」と非難した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、SANA(10月23日付)によると、イマード・フマイス電力大臣は、ダマスカス県南部の発電所(ダマスカス国外空港から16キロ離れたティシュリーン火力発電所)に燃料のガスを供給するパイプラインが「テロ攻撃」を受け、22日深夜に広い範囲で停電が発生した、と発表した。

これに関して、シリア人権監視団は、ダマスカス国際空港近くを反体制武装集団の迫撃砲で攻撃し、大きな爆発があったと発表した。

一方、ウマイヤの剣大隊の司令官は、ダマスカス県南部一帯の停電に関して、「ダマスカス国際空港に対してロケット弾を撃ち込み、そのうち1発がイラン人戦闘員や武器を積んだイランの航空機に被害を与えたと主張した。

クッルナー・シュラカー(10月24日付)によると、「自由シリア軍」の戦闘員2人が、ハイジャーナ市近郊を通るガス・パイプラインを手製のロケット弾「ヒッティーン3」によって破壊したという。

またこれと時を同じくして、ウマイヤの険大隊が「ヒッティーン3」によってダマスカス国際空港の燃料庫に砲撃を加え、反体制武装集団の狙撃手が直前に離陸した航空機を狙撃、これに対して軍の防空大隊が反撃し、大規模な停電になったのだという。

**

同じくダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、キリスト教徒が多く住むサダド村に対して22日から攻撃を加えている反体制武装集団が、住民5人を殺害した。

反体制武装集団はサダド村の西側の地区と北側の地区の一部を占拠、軍の武器庫があるマヒーン町(スンナ派の村)方面への進軍を続けているという。

また武装集団の広報官のアラーバ・イドリース少尉は、サダド村襲撃に関して「史跡のあるこの村で起きていることの責任は政権にある」と述べる一方、戦闘員の進入に際して抵抗はなかったと主張した。

反体制武装集団の襲撃を受け、多くの村人が村から避難する一方、軍が奪還をめざし砲撃などを開始した。

一方、SANA(10月23日付)によると、サダド村に潜入した反体制武装集団を軍が撃退・追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

**

同じくダマスカス郊外県では、『ハヤート』(10月24日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム市に対して、軍が地対地ミサイルなどで「ヒステリックなまでに」砲撃を加えた。

一方、SANA(10月23日付)によると、ジャルマーナー市内に迫撃砲弾5発が着弾し、市民5人が負傷した。

また、フタイタト・トゥルクマーン市、ドゥーマー市郊外、ザマルカー回廊、ダーライヤー市、タイバ村、ムウダミーヤト・カラムーン山地一帯、ナバク市東北部、ジャイルード市東北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、カアカーア大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、スフナ市から近隣の農村に避難した女性、子供らを含む住民15人(アムール家)を軍と「シャッビーハ」が殺害した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バラームカ地区、ウマウィーイーン広場に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、複数の市民が負傷した。

また、ドゥンマル区(マシュルーア・ドゥンマル)の軍検問所を、反体制武装集団が爆弾を仕掛けた車で攻撃し、複数の兵士が死亡した。

一方、SANA(10月23日付)によると、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾2発が着弾し、市民4人が死亡、18人が負傷した。

またウマウィーイーン広場にも迫撃砲弾が着弾し、7人が負傷した。

**

クナイトラ県では、『ハヤート』(10月24日付)によると、反体制武装集団の攻撃により軍兵士約20人が死亡した。

**

ダルアー県では、『ハヤート』(10月24日付)によると、ダルアー市のダム街道地区、キャンプ地区、タファス市入り口の検問所2カ所などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(10月23日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装数段の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備、地下トンネルを破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月23日付)によると、アレッポ市のサアドゥッラー・ジャービリー広場(サアドゥッラー・ジャービリー地区)に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾3発が着弾し、市民6人が死亡し、30人が負傷した。

また、アレッポ市ジュダイダ地区、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ダイル・ハーフィル市などで、軍が反体制武装数段の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月23日付)によると、ナフリヤー市、ダブシーヤ市、バラーギースィー市、カフルシャラーヤー市、アルバイーン山周辺、クーリーン市、アルマナーヤー市、マアッラトミスリーン市、カフルジャーリス市、サルミーン市、サラーキブ市周辺で、軍が反体制武装数段の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月23日付)によると、ウヌキーヤ村で、軍が反体制武装数段の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ナハールネット(10月23日付)は、ベカーア県バアルベック郡ワーディー・フマイイド地方で、シリアから不法入国した車に乗った4人のシリア人を逮捕、大量の武器弾薬を押収したと報じた。

諸外国の動き

ヨルダンのアブドゥッラー・ナスール首相は記者団に対して「ヨルダンはシリア政府が弱体化してからも、シリアの反体制勢力を支援したことはない。シリア政府が2年半におよぶ危機を経て、より強力になっているのに、どうして今になって支援を検討できようか?」と述べた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、ヨルダンのアンマンを訪問し、国王アブドゥッラー2世、ナースィル・ジャウダ外務大臣らと会談、シリア情勢への対応について協議した。

ジャウダ外務大臣との会談に関して、ブラーヒーミー共同特別代表は、「重要で不可避な会談を行った」と述べるととも、「シリア国民を苛む悪夢を終わらせるのは、政治的対話を通じて以外にない」と強調した。

またジャウダ外務大臣も「シリアとシリア国民が安全を取り戻すための、政治的解決が必要」と述べた。

**

イスラエルのモシェ・ヤアロン国防大臣は、クネセトの外交防衛委員会で、シリアでの化学兵器廃棄問題に関して「今のところシリア政府は誓約を遵守している」としたうえで、「我々は事態を追跡し、シリアをめぐる我々のレッドライン、すなわちヒズブッラーなどへの敵対勢力へのシリアの最新鋭兵器の供与阻止を強化する」と述べた。

AFP(10月24日付)が伝えた。

AFP, October 23, 2013、AKI, October 23, 2013、al-Hayat, October 24, 2013、Kull-na Shuraka’, October 23, 2013, October 24, 2013、Naharnet,
October 23, 2013、Reuters, October 23, 2013、Rihab News, October 23, 2013、SANA,
October 23, 2013、UPI, October 23, 2013などをもとに作成。

 

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアの友連絡グループ外相級会合が開催されアサド大統領に「将来の政府におけるいかなる役割も担わせるべきでない」との方針で一致したとされる一方、シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長「シリア革命は国際社会に辟易している」(2013年10月22日)

反体制勢力の動き

シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官はAKI(10月22日付)に「国際社会がシリア革命を導いているジュネーブへの道は、戦争犯罪者をシリア社会の支配に復帰させる道だ」と述べ、ジュネーブ2会議を非難する一方、「シリア人は今後、過激派、テロ非難の名目に行われる革命と革命家への非難を耳にすることになろう」と危機感を表明、抗議デモなどを通じた平和的な反体制運動を推進する必要があるとの見方を示した。

シリア政府の動き

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連安保理で「カタール、サウジアラビア、トルコ、そして一部の西側諸国の政府は、シリア情勢を誤ったかたちで解釈、対処しており、こうした行為は明らかに国連憲章、国際法の諸原則、平和的な紛争解決の原則に反している」と非難した。

またジャアファリー国連代表は「イスラエルは半世紀以上にわたり、国際人道法と人権法に体系的に違反し、その行為は戦争犯罪、人道犯罪の域に達している」と述べ、その占領政策を指弾する一方、イスラエルが占領下のゴラン高原から「テロ集団への支援を行っている」と指摘した。

一方、核兵器、化学兵器など大量破壊兵器の拡散防止に関して、ジャアファリー国連代表は「イスラエルは、化学兵器など大量破壊兵器拡散防止に関するいかなる同盟、合意にも参加していない」と追求し、中東地域における唯一の核兵器保有国のイスラエルに対して、国際社会が圧力をかけ、その廃絶をめざすべきだと主張した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、ジャルマーナー市に迫撃砲弾約20発が着弾、うち3発は小学校と中学校の敷地内に着弾、子供1人が死亡、14人が負傷した。

一方、SANA(10月22日付)によると、フタイタト・トゥルクマーン市、ドゥーマー市、ムライハ市(TAMICO周辺)、アーリヤ農場、マアルーラー市周辺地域で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、ラッカ市郊外のファフーハ村近くで、活動家のマフナド・ハーッジ・ウバイド氏が遺体で発見された。

ラッカ市はイラク・シャーム・イスラーム国によって占拠されているが、ファフーハ村はアサド政権支持者が多いことで知られているという。

**

ダマスカス県では、クッルナー・シュラカー(10月22日付)によると、イスラーム軍が「首都南部戦線で政府軍の兵士40人を捕捉した」と発表した。

一方、SANA(10月22日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月22日付)によると、カビール村、スーダー村、ザーヒー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国の外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月22日付)によると、マヒーン町、フワーリーン村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ワアル地区、クスール地区、カラービース地区、ダール・カビーラ村、ムシュリファ市、タッルドゥー市、タッル・ザハビーヤ農場、バーリダ地区、ラスタン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月22日付)によると、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ジュダイダ地区、ムスリミーヤ村回廊、ジャンドゥール・カースティールー回廊、クワイリス村、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月22日付)によると、ジャンナ村、サラーキブ市周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月22日付)によると、ジャースィム市・ナマル町間街道、タッル・マハッス村、アーリヤ村、カフルシャムス町、アクラバー村、アトマーン村周辺、タファス市北部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クッルナー・シュラカー(10月22日付)は、過去3ヶ月の間に、イラク・クルディスタン地域やトルコに避難していたクルド人住民26万8000人以上がシリア国内に帰国したと報じた。

レバノンの動き

サミール・ムクビル副首相は、2013年4月にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教と面談した。

ムクビル副首相は『ハヤート』(10月23日付)に、2人とも健康は良好で、安全な場所に拘束されているとしたうえで、「近く、非常によい知らせを耳にするだろう」と述べた。

**

マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教は、カタールのタミーム・ビン・ハマド首長の招待でドーハを訪問した。

ナハールネット(10月22日付)などによると、ラーイー総大司教は出発前にベイルートのラフィーク・ハリーリー国際空港で、2013年4月にアレッポ県カフルダーイル村で誘拐されたシリア正教会のグレゴリウス・ヨハネ・イブラーヒーム・アレッポ主教とギリシャ正教会のブールス・ヤーズジー・アレッポ主教の釈放に向けて、カタール首脳が影響力を行使するだろうと述べた。

**

NNA(10月22日付)などによると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で、武装集団どうしが前日に引き続き交戦、軍兵士4人と市民8人が負傷した。

諸外国の動き

シリアの化学兵器廃棄の査察・検証を行う化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団のスィグリッド・カーグ特別調整官は、ダマスカスで「現在までのところ、シリア政府は調査団の活動を支援するため完全に協力してくれている」と述べた。

al-Hayat, October 23, 2013
al-Hayat, October 23, 2013

AFP(10月22日付)が報じた。

**

AP(10月22日付)は、シリアの化学兵器廃棄の査察・検証を行う化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団に、米国が車輌10台を提供したと報じた。

**

シリアの友連絡グループ外相級会合がロンドンで開かれ、米英仏独伊、エジプト、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、UAEの外相とシリア革命反体制勢力国民連立代表が参加、反体制勢力の支援、ジュネーブ2会議開催準備について協議した。

シリア革命反体制勢力の代表は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、ファールーク・タイフール副議長(シリア・ムスリム同胞団)、スハイル・アタースィー副議長、サーリム・ムスラト副議長から構成されていた。

シリアの友連絡グループは閉幕声明で、「アサドと自らの手を血で汚したその側近たちには、シリアで何らの役割もない…。この紛争で犯した行為への処罰が不可避である」との点で合意したと発表した。

**

会合後の記者会見で、ジョン・ケリー米国務長官は「11カ国は交渉のテーブルにつく試みが必要との点でコンセンサスに達した。交渉による解決が図られなければ、虐殺は続き、激化するだろう」と述べた。

そのうえで、ジュネーブ2会議の交渉を有効に進めるため「可能な限り反体制勢力を支援する」と強調した。

**

ウィリアム・ヘイグ英外務大臣は、シリアの友連絡グループが「アサドに将来の政府においていかなる役割も担わせるべきでない」との点で合意した」と述べた。

al-Hayat, October 23, 2013
al-Hayat, October 23, 2013

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、会合について「反体制勢力にとって前向きなものだった」と高い評価を下した。

また「我々はジュネーブ2会議が開催されることを願っている。なぜなら唯一の解決策とは政治的なものだからだ。しかし、大会開催のため、穏健な反体制勢力と政権内の勢力(の参加)が不可避だが、バッシャール・アサドがいてはならない。こうしたことが起こらなければ、結果はアサド政権と過激派の際限のない紛争になろう」と述べた。

そのうえで「論理的な人のなかに、アサドが残留して政治的解決がなされると想像している者などいない」と強調した。

またイランの大会への参加の条件として、ファビウス外務大臣は「ジュネーブ合意を受諾し、アサドからすべての権限を奪う移行期政府を認めること」と述べた。

**

しかし、シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は、会合後の記者会見で「シリア革命は国際社会に辟易している」と述べ、シリアの友連絡グループの姿勢を批判した。

ジャルバー議長はまた、数日中にジュネーブ2会議への参加の是非を決定すると述べる一方、大会への参加の意思を示しているイランが、ヒズブッラー、アブー・ファドル・アッバース旅団とともにアサド政権を支援していると非難、「イランの支援がなければ、アサド政権は崩壊していただろう」と主張し、異議を唱えた。

さらに「我々は(ジュネーブ2会議に向かって)歩めば、我らが国民は我々を信用しなくなるだろう。ジュネーブ2賛成と言えば、革命と革命家への裏切りとなる…。我々は西側に航空禁止空域の設置、血塗られた体制への一撃を要求しているだけだ。どのように彼らは我々が参加することを望むというのだ…。率直に言おう。人道的に負い目を感じている国々は…我々の5つの「ラー」(No)に耳を傾けて欲しい:交渉するな、和解するな、承認するな、後退するな、無能な国際社会に反対。一方、権力移譲後の犯罪者の退任と戦争犯罪者処罰が目的であるのなら…ジュネーブ2を歓迎する…。我々の原則は明白だ。それは条件ではない。それなしにジュネーブ2が成功し得ない原則だ。すなわち、交渉開始に先立った、東グータ地方、ダマスカス南部、ヒムス市旧市街などへの人道回廊の保障、女性、子供ら収監社の釈放である。また政権移譲と殺人者の退任がなければ、我々の側からの交渉はない。また交渉の期限の設定、国連憲章第7章に基づく実施条件の設定(も必要だ)」と主張した。

そのうえで、「ジュネーブ2は(全権を有する移行期政府の樹立などを骨子とする)ジュネーブ1(2012年6月のジュネーブ合意)を意味する」と強調、「我々はアサド劇場の演者になることはできない…そのことを今日、外相らに伝えた…。今日起きたことは前向きなことだ。初めて、(シリアの友グループ)諸国は、ジュネーブ2会議の明確なビジョンをめぐって合意に達したからだ」と付言した。

AFP, October 22, 2013、AKI, October 22, 2013、AP, October 22, 2013、al-Hayat, October 23, 2013、Kull-na Shuraka’, October 22, 2013、Naharnet, October
22, 2013、Reuters, October 22, 2013、Rihab News, October 22, 2013、SANA, October
22, 2013、UPI, October 22, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民調整委員会はジュネーブ2会議への参加の準備を明言するとともに「いまだ武装闘争に賭けている」シリア革命反体制勢力国民連立を批判、シリア・クルド国民評議会はジュネーブ2会議に派遣する使節団の人選を決定(2013年10月21日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ワタン』(10月21日付)に対して、「ジュネーブ2会議の最終日程はまだ決まっていないが、ジョン・ケリー米国務長官、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣らが今月末に会合を開き、またアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が地域各国を歴訪し、ダマスカスにも訪れ、最終的な日程を知らせるだろう」と述べた。

また「原則的に、開催日は11月下旬になるだろう…。大会日程の決定は潘基文国連事務総長の手の中にある」と強調した。

そのうえで調整委員会が「10人からなる使節団」を派遣する予定であることを明かす一方、「我々とシリア革命反体制勢力国民連立の間で連絡はなされていない。なぜなら彼らは外国にいるからだ。しかし、(連立やクルド最高委員会との間で)反体制勢力の統一使節団に関するある種の合意があるべきだと考えている。使節団の名はおそらく「シリア国民反体制勢力」となり、ヴィジョン、目的、対話の仕組みを共有すべきだ。その方がよい」と述べた。

反体制勢力どうしの対立については「問題はまず、連立が政治的解決とジュネーブ2会議への出席に同意するための決定を下す必要があるということだ。しかし、彼らは…今もなお、武装闘争に賭けてしまっており、ジュネーブ2への参加、そして交渉、対話を望んでいない」と批判した。

また「国内の反体制勢力の間で意見の相違はない。しかし、自由シリア軍に関しては意見の相違はある。しかし、彼らのほとんどは、在外の反体制勢力への信頼を失いつつあり、またジュネーブ2会議参加を外国諸国、地域各国が真剣に呼びかけるにいたり、彼らのほとんどは政治的解決、平和的な政権移譲を選択すると思う」と付言した。

**

リハーブ・ニュース(10月21日付)によると、シリア・クルド国民評議会は、ハサカ県カーミシュリー市で20、21日の2日にわたって会合を開き、ジュネーブ2会議に派遣する使節団の人選を行った。

評議会事務局メンバーのアフマド・スライマーン氏によると、会合では以下11人の使節団メンバーが選出された。

アブドゥルハキーム・バッシャール(シリア革命反体制勢力国民連立副議長、シリア・クルド民主党パールティ書記長)
シリア・クルド・イェキーティー党代表2人(イブラーヒーム・バッルー(シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会)ほか1人)
シリア・クルド進歩民主党代表2人(アブドゥルハミード・ダルウィーシュ書記長(シリア革命反体制勢力国民連立政治委員会)ほか1人)
シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)代表1人
クルディスタン・イェキーティー党代表1人
シリア・クルド左派党(シリア・クルド・アーザーディー党ムスタファー・ウースー派)代表1人
シリア・クルド民主平等党代表1人
シリア・クルド民主党パールティ(ナスルッディーン・イブラーヒーム派)代表1人
「改革運動」代表1人
無所属(フェヴロン・シャリーフ)

スライマーン氏はまた、反体制勢力が統一使節団を結成できない場合、シリア・クルド国民評議会は独自の使節団を派遣することを決定したと付言した。

**

北の嵐旅団はフェイスブック(10月21日付)を通じて声明を出し、アアザーズ市で拉致されたレバノン人巡礼者9人の釈放に関して、アサド政権が女性収監者の釈放に同意したとの一部報道にもかかわらず、女性らの釈放は確認されておらず、旅団はその身柄を確保していない、と発表した。

**

クッルナー・シュラカー(10月21日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、軍が包囲を続けるムウダミーヤト・シャーム市などダマスカス郊外県に対して、165万ドル相当の救済支援を行ったと報じた。

シリア政府の動き

アサド大統領はレバノンのマヤーディーン・チャンネル(10月21日付)の単独インタビューに応じた。

SANA, October 21, 2013
SANA, October 21, 2013

ガッサーン・ベン・ジッドゥー氏が行ったインタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り(http://www.almayadeen.net/ar/Programs/Episode/zVRv_tL3I02,s6JeAUSGuQ/2013-10-21-الرئيس-السوري-بشار-الأسد—المواقف-والخياراتhttp://sana.sy/ara/2/2013/10/22/508352.htm):

(2014年の大統領選挙への出馬の有無に関して)「答えは二つの点によって左右される。第1に個人的な願望、第2に民衆の願望である。第1の点に関して…、私は次期選挙への出馬を妨げるものはないと思っている。第2の点について…、我々がそれを話題にするのは時期尚早だ。大統領選挙の日程が発表されてからでないとそれについて検討することはできない」。

(ジュネーブ2会議が11月23日に開催されるかとの問いに対して)「いいえ。今のところ公式な日程はない。日程もないし、現時点では、我々がそれを成功させたいと思っても、開催を後押しする要因もない…。大会をめぐってはさまざまな問題が提示されている…。大会そのもの枠組みはいったいどのようなものなのか?」

「ジュネーブ2会議がテロリストへの資金援助を止めることを保証するのなら、シリアにとって何の問題もない…。テロリストへの資金援助、武器支援、シリアへの潜入支援が停止されるなら、シリアの危機解決において何の問題もない…。シリアの問題は一部の人々が見せようとしているのとは異なり、何ら複雑ではない…。複雑さというのは、外国の介入によって生じているのであって、実際は複雑ではない」。

「我々はブラーヒーミー氏にシリアに関する自身の任務を遂行し、逸脱しないよう求めている…。かれは仲介という任務を負かされている。仲介は中立的でなければならない。外国から負かされた任務を行ってはならず、現地(シリア)で戦う勢力どうしの対話プロセスのみに従わねばならない。これこそがアフダル・ブラーヒーミー氏の任務だ」。

「三度目の(シリア)訪問で、ブラーヒーミー氏は、2014年の大統領選挙に出馬しないよう私を説得しようとした。ないしはそのようなことを話した。2012年末だった。もちろん、それに対する答えは明白だった。つまり、この問題はシリアの問題で、シリア人以外の誰とも議論することはできない」。

「ムスリム同胞団に関して、彼らはテロからさらに過激なテロへと向かっている…。この集団はテロ組織であり、日和見集団だ。宗教ではなく欺瞞によって支えられており、政治的利益のために宗教を利用している」。

「トルコがテロリストのために基地を提供してきたこと、テロリストのために国内の空港を開放してきたことが、さまざまな証拠から明らかだ。テロリストのために国境を開放し、彼らの活動、兵站、移動、作戦などすべてを可能にしてきた…。レジェップ・タイイップ・エルドアン首相とシリア政府の相違のもとには、心情的な問題がある。なぜなら彼はムスリム同胞団に属しているからだ。同胞団はエルドアン首相にとってトルコ国民より重要な存在だ」。

「ヨルダンはテロリストの通路となっている…。ヨルダンは当初、遠くにいたが、割り込むようになって1年が経とうとしている」。

**

アサド大統領は世界女性民主連合使節団とダマスカスで会談した。

会談には、ナジャーフ・アッタール副大統領らも同席した。

会談で、マルスィヤ・ガムブース代表は、トルコ語で「Boyun Egme」(従うな)と書かれた旗をプレゼントしたという。

この旗は、トルコの社会党が2011年の選挙運動で使用したもので、SANA(10月23日付)によると、使節団には、トルコの「平等と自由のための女性連合」の代表のほか、インド、ブラジル、ギリシャ、レバノン、ヨルダンの女性団体の代表が参加していた。

SANA(10月21日付、10月23日付)が伝えた。

国内の暴力

ダルアー県では、『ハヤート』(10月22日付)などによると、「ファッルージャ・ハウラーン旅団司令官」と「東部地域作戦司令官」を兼務する反体制活動家のヤースィル・アッブード(アブー・アンマール)大佐が、タファス市に対する軍の砲撃で死亡した。

アッブード大佐は1967年生まれで、反体制サイトなどによると、「ダルアー県の戦いと解放におけるもっとも代表的な英雄」だった。

ダルアー県の自由シリア軍事評議会広報局によると、アッブード大佐は「ダルアー県作戦司令室長」で、「南部地域においてもっとも代表的な前線司令官」だったという。

シリア・アラブ・テレビ(10月21日付)は、「いわゆるファッルージャ・ハウラーン旅団を率いる犯罪者で脱走士官のヤースィル・ムハンマド・アッブードが…テロリスト数10人とともにタファス市近郊で殺害され、そのアジト、犯罪の道具が破壊された」と報じた。

シリア人権監視団、シャーム・ネットワーク(10月21日付)によると、タファス市、ダーイル町、ブスラー・シャーム市などで、軍と反体制武装集団と激しく交戦し、軍が戦車などで砲撃を行った。

**

ラタキア県では、シャーム・ネットワーク(10月21日付)によると、サルマー町周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ハマー県では、シャーム・ネットワーク(10月21日付)によると、ハウワーシュ村、ジスル・ジスル・バイト・ラース村を軍が砲撃した。

**

ダイル・ザウル県では、シャーム・ネットワーク(10月21日付)によると、「自由シリア軍」がダイル・ザウル市とダマスカス県を結ぶ高速道路に位置するシューラー検問所を制圧した。

またダイル・ザウル市のラシュディーヤ地区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、アクス・サイル(10月21日付)は、ダイル・ザウル県の国防隊を指揮するハーズィム・シャアラーン氏が銃で撃たれ負傷した、と報じた。

**

ダマスカス郊外県では、ダマスカス空港街道沿いで、軍、ヒズブッラーの民兵、アブー・ファドル・アッバース旅団が反体制武装集団と交戦した。

またシリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線などが20日に制圧したTAMICO製薬工場のムライハ市郊外一帯に対して、軍が空爆を行った。

このほか、軍はムウダミーヤト・シャーム市などに対して砲撃を行った。

一方、SANA(10月21日付)によると、ヤブルード市東部、ダイル・アティーヤ市南部、アドラー市、ルハイバ市東部、ハーン・シャイフ・キャンプで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月21日付)によると、アトバウ市での戦闘で、軍がシャームの民のヌスラ戦線司令官の一人マーヒル・クタイファーン氏を殺害した。

またダルアー市各所、ダーイル町、ヤードゥーダ氏、ラジャート市、シャイフ・マスキーン市、ザルザラ市、ヒーラーン村、キタール市、アイン・フライハ市、ザフラ・ハファーイル市、フラーク市・ムライハト・アトシュ村街道、ナワー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(10月21日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、カースティールー街道、フライターン市東部、マンスーラ村、ジャマージマ村、ジャービリーヤ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、サイフ・ダウラ地区、サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団を撃退し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月21日付)によると、マアッラトミスリーン市、タフタナーズ市、サラーキブ市北部、ナリラヤー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月21日付)は、2012年8月にベイルート県で発生したトルコ航空パイロット2人の誘拐事件の容疑者3人が保釈されたと報じた。

容疑者3人は50万レバノン・ポンドの保釈金をレバノンの裁判所に対して支払った。

**

トルコの日刊紙『サバフ』(10月21日付)は、2012年8月にアレッポ県アアザーズ市で拉致されたレバノン人巡礼者の解放に関して、トルコの情報機関MITが「映画ばりの作戦」で救出を行ったと報じた。

**

AFP(10月21日付)によると、ベカーア県ヘルメル郡のシリア国境に近い複数の地域(カーア村など)にシリア領から発射されたロケット弾4発が着弾した。

**

NNA(10月21日付)などによると、北部県トリポリ市のバーブ・タッバーナ地区、ジャバル・ムフスィン地区で、武装集団どうしが交戦、市民・兵士5人が負傷した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官は、パリでサウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣らと会談し、ジュネーブ2会議開催準備などへの対応について協議した。

ケリー国務長官はアティーヤ外務大臣との共同記者会見で、シリアの穏健な反体制勢力への支援を続けると述べる一方、イランが2012年6月のジュネーブ合意に同意していないがゆえ、ジュネーブ2会議において建設的に貢献することは難しいとの見方を示した。

またケリー国務長官は「アサド大統領が再び(大統領に)立候補し、再選されれば…、次のようになると言えよう。この戦争は彼が今のままでとどまれば終わることはない」と脅迫した。

**

EU外相会議がルクセンブルクで開かれ、シリア情勢、とりわけジュネーブ2会議開催準備への対応などについて協議した。

会議後に出された声明で、EU諸国外相は「11月末までに大会を開催するため、国連安保理議長の呼びかけにすべての当事者が積極的に応じる」ことが重要だとの姿勢を示した。

また「大会が、互いのコンセンサスをもって平和的移行を保障し、全権を有する移行期政府発足をめざすべき」としたうえで、2012年のジュネーブ合意を遵守し、「政治的ステップを保障するため、退行できない期限」を設定すべきだと強調した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、22日にロンドンで開催されるシリアの友連絡グループ外相会議に関して、『ハヤート』(10月22日付)に、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、ジュネーブ大会開催に向けてともに行動する、と述べた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、シリア情勢に関して「避難民への支援を行い、シリアに和平と安定をもたらす条件を検討することが重要であるために、政治的解決が必要」としたうえで、「すべての関係当事者が交渉の用意がなければ、解決はなされない。それゆえ、我々はジュネーブ大会を支援している」と述べた。

**

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表がエジプトに次いでイラクを訪問し、ヌーリー・マーリキー首相、ホシェリ・ゼバリ外務大臣らと会談、ジュネーブ2会議の開催準備などについて協議した。

会談後、マーリキー首相は声明を通じて、ブラーヒーミー共同特別代表が、アサド政権に「譲歩」を説得するようイラク側に支援要請を行ったことを明らかにした。

また会談後の記者会見で、ブラーヒーミー共同特別代表は、「ジュネーブ2会議の日程は11月になることを望む…。(日程)合意後に発表されるだろう」と述べた。

**

化学兵器禁止機構は、シリアの化学兵器廃棄の査察・検証を行う化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団のスィグリッド・カーグ特別調整官がダマスカスに到着したと発表した。

AFP, October 21, 2013、’Aks al-Sayr, October 21, 2013、al-Hayat, October 22, 2013、Kull-na Shuraka’, October 21, 2013, October 22, 2013、al-Mayadeen,
October 21, 2013、Naharnet, October 21, 2013、NNA, October 21, 2013、Reuters,
October 21, 2013、Rihab News, October 21, 2013、Sabah, October 21, 2013、SANA, October 21, 2013, October 23, 2013、Shabaka Sham,
October 21, 2013、UPI, October 21, 2013、al-Watan, October 21, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ県で反体制武装集団に拉致されていたレバノン人巡礼者9人がベイルート空港に到着、ヌスラ戦線の戦闘員がジャルマーナー市の検問所で自爆テロを実行し兵士16名が死亡(2013年10月19日)

反体制勢力の動き

ラッカ県などで活動する「アナー新メディア機構」は、同県などでのイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の活動に関して「そのほとんどは、市民社会、とりわけシリア革命社会に利さない」と批判する声明を出した。

同声明によると、イラク・シャーム・イスラーム国は10月15日、ラッカ市内の同機構事務所に押し入り、機材、文書などを持ち去ったほか、10月1日には、同機構の幹部でジャーナリストのラーミー・ラズーク氏をラッカ市・タブカ市間で拘束したという。

**

イスラーム軍広報局は、ヒムス県スフナ市での18日の戦闘で、多数のロシア軍兵士を殺害した、と発表した。

クッルナー・シュラカー(10月19日付)が伝えた。

**

クッルナー・シュラカー(10月20日付)は、シリア民主主義者連合が執行部会合を開き、以下のメンバーを、各部局の責任者に任命したと報じた。

政治局:ミシェル・キールー代表、アブドズルアズィーズ・タンムー(執行部)、サーイル・ムーサー
広報局:ファーイズ・サーラ(執行部)、バヒーヤ・マールティーニー(執行部)、ウマル・クーシュ(執行部)、サミール・サイーファーン(書記長)
救済局:カータリーン・タッリー(執行部)
研究局:ザカリヤー・サッカール(執行部)
組織局:マーズィン・ハッキー(執行部)、バヒージャ・トゥラード

シリア政府の動き

シリア・アラブ・テレビ(10月19日付)は、化学兵器禁止機関の調査先遣隊の活動の様子を撮影したリポートを放映した。

al-Hayat, October 20, 2013
al-Hayat, October 20, 2013

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団などによると、ジャルマーナー市入り口の検問所で、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員が自爆テロを行った。

リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、この自爆テロで軍兵士16人が死亡、多数が負傷した。

シリア人権監視団によると、また反体制武装集団は、ジャルマーナー市に対して砲撃を行った。

これに対して、軍は、この爆発後、ジャルマーナー市郊外一帯を空爆した。

このほか、ムウダミーヤト・シャーム市では、軍が同市突入に向けて、激しい砲撃を加えたという。

一方、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、また反体制武装集団は、軍が拠点として使用していたTAMICO工場の施設を制圧したと発表した。

他方、SANA(10月19日付)によると、ハラスター市、ザマルカー回廊、ナシャービーヤ町郊外、バハーリーヤ市郊外、カースィミーヤ市郊外、ブワイダ市郊外、フジャイラ村、アドラー市郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、ナバク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺で、軍とシャームの民のヌスラ戦線が交戦した。

一方、SANA(10月19日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、タッル・ハースィル村、タッルアラン村、ナイラブ村東方、アブー・ダンナ村、クワイリス村、アレッポ市ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、「自由シリア軍」がラシュディー地区、文学部一帯を制圧した。

**

ラッカ県では、リハーブ・ニュース(10月19日付)によると、「自由シリア軍」が第17師団本部周辺での軍との戦闘で、軍のシャラフ・イブラーヒーム・シャアバーン准将を殺害した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月19日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月19日付)によると、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ村、アブー・ズフール航空基地周辺、カフルナブル市、マジュダリヤー村、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月19日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区、ハミーディーヤ地区、ダール・カビーラ村、シューマリーヤ山地一帯、タッルカラフ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月19日付)によると、ナマル町、タッル・マハッス市、ダルアー市、タファス市、シューマラ市、ナスィーブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月19日付)によると、サルマー町、ドゥーリーン村、カフルダルバ村、ザーヒヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺害、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

2012年5月にアレッポ県アアザーズ市でシリアの反体制武装集団に拉致されたレバノン人巡礼者9人が、トルコのイスタンブール国際空港を経由し、ベイルートのラフィーク・ハリーリー国際空港に到着した。

AFP(10月19日付)が報じた。

複数のメディアによると、解放されたレバノン人巡礼者9人を載せたカタール航空機には、レバノンのアッバース・イブラーヒーム総合治安局長とカタールのハーリド・アティーヤ外務大臣が同乗していたという。

**

NNA(10月19日付)は、アレッポ県アアザーズ市で2012年5月に誘拐されたレバノン人巡礼者9人の解放を受けるかたちで、同年8月にレバノンで誘拐されたトルコ航空パイロット2人が解放され、ベイルートのラフィーク・ハリーリー国際空港に向かっていると報じた。

**

2012年5月にアレッポ県アアザーズ市で拉致されたレバノン人巡礼者9人の解放に向けた動きは、レバノンのアッバース・イブラーヒーム総合治安局長とカタールのハーリド・アティーヤ外務大臣のトルコ訪問により、一気に加速した。

これに関して、ナハールネット(10月19日付)は、カタールが1億5,000万ドルの身代金を支払うなどして仲介者の役割を果たしたことで、レバノン人巡礼者9人の解放が実現した問題が解決したと報じた。

また、LBCI(10月19日付)、ジャディード(10月19日付)などによると、レバノン人巡礼者9人の釈放をめぐってはまた、2012年8月にレバノンで拉致されたトルコ航空パイロットら2人の釈放を補償するよう求める一方、シリア政府が、女性収監者282人の釈放を求めていた誘拐犯である北の嵐旅団の要求に沿うかたちで、女性収監者多数を釈放した。

なお、イブラーヒーム総合治安局長はトルコ訪問に先立って、シリアのダマスカスを訪問していた。

**

NNA(10月19日付)によると、アッカール県アッブーディーヤ村で、住民がシリア領内からの砲撃に抗議して、国際幹線高速道路を一時封鎖した。

諸外国の動き

アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、中東歴訪の第1の訪問国エジプトで、ナビール・ファフミー外務大臣と会談、シリア情勢について協議した。

**

『テレグラフ』(10月19日付)は、シリア国内の某所で5週間にわたって医療ボランティア活動に参加していた英国人外科医のデヴィッド・ノート氏が、シリア軍狙撃手たちが妊婦の腹部など、体の一部分を狙い撃つ「ゲーム」をやっていたと証言した、と伝えた。

AFP, October 19, 2013、The Telegraph, October 19, 2013、al-Hayat, October 20, 2013、al-Jadeed, October 19, 2013、Kull-na Shuraka’, October
19, 2013, October 20, 2013、LBCI, October 19, 2013、Naharnet, October 19,
2013、NNA, October 19, 2013、Reuters, October 19, 2013、Rihab News, October
19, 2013、SANA, October 19, 2013、UPI, October 19, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム軍がヒムス県タドムル市郊外のスフナ市の90%を制圧する一方、シリア・ムスリム同胞団の若手活動家がバヤーヌーニー監督者を含む同団の重鎮らを事実上追放することに成功したと報じられる(2013年10月18日)

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(10月18日付)は、17日のジャーミア・ジャーミア少将の殺害に関して、シリアのムハーバラートがイスラエルのモサド、サウジアラビアのバンダル・ブン・サルマーン皇太子の関与さえも疑っていると報じた。

またアフバール・アーン(10月18日付)は、17日のジャーミア・ジャーミア少将の死に関して、アサド政権による暗殺だと断じたうえで、同政権がルストム・ガザーラ政治治安部長、ジャミール・ハサン空軍情報部長、アリー・マムルーク国民安全保障会議議長の暗殺も計画している、と主張した。

暗殺は、ジュネーブ2会議に先立って、政権が自らの汚名を返上することが目的なのだという。

これに対して、シリア人権監視団は「ジャーミア少将は、アル=カーイダとつながりのある反体制武装集団との戦闘時に、狙撃手に撃たれて死亡した」と発表した。

**

シリア国民評議会事務局長でシリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー氏は、RIAノーヴォスチ通信(10月18日付)に、連立がジュネーブ2会議への参加を決定した場合、評議会は連立を脱会するだろう、と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(10月18日付)は、シリア・ムスリム同胞団の若手活動家が、ファールーク・タイフール副監督者を事実上追放することに成功したと報じた。

タイフール副監督者は、シリア革命反体制勢力国民連立副代表、シリア国民評議会事務副長として、ミシェル・キールー、サウジアラビアとの連携を推進してきた主要人物。

同報道によると、若手活動家は、タイフール副監督者とともに、同胞団内で「保守派」とされる重鎮のアリー・サドルッディーン・バヤーヌーニー氏、ムハンマド・ヒクマト・ワリード氏も同時に、追放したという。

シリア政府の動き

17日にダイル・ザウル県で殺害されたジャーミア・ジャーミア少将の遺体が、空路でラタキア県の生地ザーマー村に搬送され、SANA(10月19日付)などによると、多数の市民によって出迎えられた。

Kull-na Shuraka', October 18, 2013
Kull-na Shuraka’, October 18, 2013

**

クッルナー・シュラカー(10月19日付)によると、ハマー県スカイラビーヤ市出身のキリスト教徒兵士8人の集団葬儀が行われた。

8人はアレッポ県ハナースィル市の攻防戦に投入され、死亡したという。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、複数の活動家によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区で、シャームの民のヌスラ戦線が、軍との戦闘時に補足した兵士10人を処刑した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クルド人が多く住むタッルアラン村に対する軍の砲撃で、子供6人を含むクルド人12人が死亡した。

『ハヤート』(10月19日付)によると、タッルアラン村は、7月以降、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によって占拠されているという。

また、シリア人権監視団によると、ハナースィル市と防衛工場機構の間で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍兵士20人、戦闘員7人が死亡した。

さらに、フジャイラ村、ウバイダ村、および両村近郊の防空大隊本部が反体制武装集団の攻撃を受けた。

一方、SANA(10月18日付)によると、アレッポ中央刑務所を襲撃した反体制武装集団を軍が殲滅した。

またサフィーラ市周辺、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市ジュダイダ地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(10月18日付)によると、イスラーム軍がタドムル市郊外のスフナ市の90%を制圧した。

一方、SANA(10月18日付)によると、タドムル市郊外のスフナ市を襲撃した反体制武装集団を軍が撃退、数十人の戦闘員を殺害した。

またヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、ハミーディーヤ地区、クスール地区、カラービース地区、グータ地区、ラスタン湖、タッルカラフ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

さらにヒムス市ワアル地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が負傷した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月18日付)によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またバーブ・トゥーマ広場に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾3発が着弾し、市民3人が死亡、複数が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月18日付)によると、ザマルカー回廊、ハラスター市、アッブ農場、ナシャービーヤ町郊外、ブワイダ市郊外、リーマー農場、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またジャルマーナー市に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、ジャルマーナー外科病院が被害を受けた。

**

ハマー県では、SANA(10月18日付)によると、ムハルダ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月18日付)によると、ハーミディーヤ市、ワーディー・ダイフ、サラーキブ市周辺、カスタン村、バシーリーヤ村、ハージ・ハンムード農場、ハッルーズ村、ブザイト村、マルイヤーン村、ラーミー村、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月18日付)によると、ダルアー市旧税関地区、ナワー市、タファス市、ブスラー・シャーム市、サフム・ジャウラーン村、インヒル市、ヒーラーン村、ガディール・ブスターン市、ザアルーラ市、フィード市、ラジャート高原、ブラーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

マルワーン・シルビル暫定内務大臣は、ジャディード(10月18日付)に、トルコ入りした総合情報総局のアッバース・イブラーヒーム総局長からの情報として、2012年5月にアレッポ県アアザーズ市でシリアの反体制武装集団に拉致されたレバノン人巡礼者9人が「釈放され、トルコに向かっている」と述べた。

諸外国の動き

カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣はジャズィーラ(10月18日付)で「カタールの仲介により、(アレッポ県アアザーズ市で反体制武装集団に誘拐されていた)レバノン人9人が釈放された」ことを明らかにした。

**

UNHCR報道官は、2013年8月以降、エジプトを「不法出国」しようとしたシリア人800人以上がエジプト当局に逮捕された、と発表した。

同報道官によると、逮捕されたシリア人のうち、589人が女性、84人が子供だという。

**

『ハヤート』(10月19日付)は、キプロス政府が声明を出し、シリアの化学兵器廃棄の査察・検証を行う化学兵器禁止機関(OPCW)と国連の合同派遣団の本部設置をOPCWとの間で合意したと発表した、と報じた。

**

英国外務省は、10月22日にロンドンでシリアの友連絡グループ(別称、ロンドン・グループ、ないしはロンドン11)の外相級会合を開催し、ジュネーブ2会議の開催準備に関して関係国間で協議を行うと発表した。

参加国は、エジプト、フランス、ドイツ、イタリア、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、UAE、英国、米国。

また会合には、シリア革命反体制勢力国民連立も参加予定。

**

米国務省のジェン・サキ報道官は、シリア軍によるダマスカス郊外県グータ地方、とりわけムウダミーヤト・シャーム市への包囲を厳しく非難した。

**

ベルギー日刊紙『スタンダード』(10月18日付)は、シリアでの反体制武装活動に参加するために昨年、シリアに潜入した18歳のサラフィー主義者のベルギー人青年が、1週間前にオランダに入国、ベルギーへの帰国しようとしている、と報じた。

AFP, October 18, 2013、Akhbar al-An, October 18, 2013、Aljazeera.net, October 18, 2013、al-Hayat, October 18, 2013、Kull-na Shuraka’, October 18, 2013, October 19, 2013、al-Jadeed,
October 18, 2013、Naharnet, October 18, 2013、Reuters, October 18, 2013、Rihab
News, October 18, 2013、SANA, October 18, 2013、UPI, October 18, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務長官がジュネーブ2会議に関して「アサド大統領は(参加)当事者どうしを近づけるための正統性を失っている」と主張するなか、民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーム代表は同大会が「前提条件なしで開催される」との見方を示す(2013年10月14日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハサン・アブドゥルアズィーム代表は『ナハール』(10月14日付)に、「アサド政権はたとえ、現地での決着が近いと感じたとしても、ジュネーブ2会議を撤回することはできない…。なぜなら政権の決定は、自らの手にだけではなく、政治的正常化を支持する地域および国際社会の同盟国の手によって握られているからだ」と述べた。

アブドゥルアズィーム代表はまた「反体制勢力内の位置当事者がジュネーブ2会議に反対し、拒否すると発表しても影響はない」と付言したうえで、同大会が前提条件なしで開催されるだろうとの見方を示し、「米英仏はアサド大統領が交渉の一当事者として残り、(退任を)条件としないことを受け入れた。また政府も大統領の残留にかかわる問題をシリア国民のみに委ねると考えるに至った」と強調した。

**

イスラーム軍は声明を出し、「改悛センター」(拘置所)に拘束中の拘置者のうち「改善の跡」が観られる者を「恩赦」により、釈放したと発表した。

釈放された拘置者は、イスラーム教徒の殺害、イスラーム教徒の財産強奪、ムジャーヒドゥーンの軍規違反、シャリーア違反などによって拘置されていたという。

**

クッルナー・シュラカー(10月14日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長が9月19日付で国連安保理に提出した書簡のなかで、ジュネーブ2会議に「無条件」で参加する意思を表明していたと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イドリブ県ダルクーシュ町での爆弾テロを「バッシャール・アサド政権の触手が伸びていることを示している」と述べ、政権の犯行と断じ、非難するとともに、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に対して、「シリア国民の惨状を解消するためのあらゆる措置」を講じ、「シリア革命と自由シリア軍」を支援するよう呼びかけた。

**

シリア・クルド国民評議会のムスタファー・マシャーイフ氏は、クッルナー・シュラカー(10月14日付)に対して「シリアのクルド人は国家建設を望んでいないし、シリア分割も目指していない。体制が崩壊するまで自らの地域を暫定的に運営しようとしているだけだ」と述べた。

**

シリア民主主義者連合のサービト・イバーラ在外局長は声明を出し、シリア革命への自身の献身がまったく受け入れられないとして、在外局長を含む反体制勢力内のすべての役職を辞任すると発表した。

イバーラ在外局長が兼任してきた役職は以下の通り:

シリア民主主義者連合在外局長
同執行部メンバー
在キプロス・自由シリア人コミュニティ代表
国民成長党組織局長
シリア救済ネットワーク執行部書記長

**

イスラーム軍のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ司令官は声明を出し、13日にダマスカス郊外県ドゥーマー市で反体制組織・活動家が結成した「拡大文民評議会」を「離反」と非難、「この決定は同軍のシューラー評議会を経ていない」と拒否の姿勢を示した。

**

イスラーム軍のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ司令官による声明発表に対して、ドゥーマー市の「拡大文民評議会」も声明を出し、同司令官の声明を拒否、活動を継続すると表明した。

シリア政府の動き

ワーイル・ハルキー首相は、対レバノン国境のジュダイダ・ヤーブース国境通行所を視察、同行した記者団らに対して、帰国する避難民に対して政府として補償を行っていくと述べた。

SANA, October 14, 2013
SANA, October 14, 2013

国内の暴力

イドリブ県では、リハーブ・ニュース(10月14日付)によると、ダルクーシュ町の市場で、何者かによって爆弾が仕掛けられた車が爆発し、数十人が死亡、また軍が同市を2度にわたって空爆した。

シリア人権監視団によると、この爆弾テロで子供3人を含む27人が死亡した。

SANA, October 14, 2013
SANA, October 14, 2013

また同監視団によると、アルバイーン山一帯、サラーキブ市などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(10月14日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市周辺、ジダール・ブカフルーン市、クーリーン市、カフルルーマー村、マアッルシャマーリーン市、ダイル・サンバル村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、赤十字国際委員会報道官は、10月13日にイドリブ県内で拉致された赤十字国際委員会スタッフ6人とシリア赤新月社のボランティア1人のうち、スタッフ3人が解放されたと発表した。

SANA, October 14, 2013
SANA, October 14, 2013

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マイダーン地区南部のカーア地区に軍が撃った迫撃砲弾複数発が着弾、またアッバースィーイーン地区にも迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(10月14日付)によると、バルザ区、ジャウバル区、フジャイラ村、スバイナ町、ヤルダー市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

シリア赤新月社は、軍の包囲が続き、総攻撃が間近だとされるダマスカス郊外県ムウダミーヤト・シャーム市とダーライヤー市で、13日に引き続き、14日も約2,000人の住民が退去・避難したと発表した。

クッルナー・シュラカー(10月14日付)は、複数の活動家の話として、両市住民は、軍と反体制武装集団が一時停戦するなか、シリア政府の支配地域に避難したとし、その写真や映像を公開した。

同報道によると、こうした状況に対して、活動家の一人は、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍の弱さを非難していたという。

http://www.youtube.com/watch?v=s_X-vum8uUY&feature=player_embedded

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=BjTk_bwFwFk

一方、シリア人権監視団によると、フジャイラ村、ブワイダ市、ザバダーニー市郊外を軍が砲撃・空爆した。

他方、SANA(10月14日付)によると、カラムーン山地一帯郊外、ダイル・アティーヤ市郊外、ナバク市郊外、マアルーラー市郊外、ザマルカー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市ダム街道地区を軍が砲撃し、子供2人を含む5人が死亡した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市インシャーアート地区に迫撃砲弾2発が着弾、また市内各所で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、カラービース地区、バーブ・フード地区、ハミーディーヤ地区、サフサーファ地区、タルビーサ市近郊、ラスタン市、ハルブーズ市、ハリーラ市、ウンム・ラジーム市、ラスム・ダブア市、ジャバーブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ラターミナ町を軍が空爆した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ブルグースィーヤ村、アルシューナ村、アファーフィラ農場で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地の治安を回復した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、クワイリス航空基地、アレッポ市マシュハド地区を反体制武装集団が手製の迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(10月14日付)によると、ムスリミーヤ街道、ヒーラーン村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ハーン・アサル村、ダイル・ハーフィル市、ナッカーリーン村、アウラム・クブラー町、カースティールー街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、カッラーサ地区、ブスターン・カスル地区、バニー・ザイド地区、サラーフッディーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ジュバイラ地区でシャームの民のヌスラ戦線が2件の自爆攻撃を敢行、また同地区、ラシュディーヤ地区、工業地区、ハウィーカ地区、工業地区、ラサーファ地区、ムワッザフィーン地区で軍と反体制武装集団が交戦し、軍が空爆を行った。

この戦闘で反体制武装集団はラサーファ地区の複数の建物を制圧したという。

一方、SANA(10月14日付)によると、ダイル・ザウル市ラシュディーヤ地区、ジュバイラ地区、ハウィーカ地区、労働者住宅地区、ナズラ・ドゥライサート地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、カーミシュリー市のカッドゥール・ベク地区で、西クルディスタン人民議会の治安警察(アサーイシュ)のパトロール隊を狙った爆弾テロが発生した。

またクッルナー・シュラカー(10月14日付)によると、ラアス・アイン市に近いミシュラーファ村で、民主統一党人民防衛隊がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線などと交戦した。

一方、SANA(10月14日付)によると、穀物サイロ・センターを占拠する反体制武装集団を軍が攻撃し、同センターを奪還、複数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月14日付)によると、アイン・イーサー市の反体制武装集団のアジトに対して軍が特殊作戦を行い、チュニジア人戦闘員らを殲滅した。

レバノンの動き

NNA(10月14日付)によると、北部県アッカール郡のヒクル・ジャニーン村、カシュラク村、アルマ村、ヌーラー村、ダッバービーヤ村、ムンジズ村、アマール・ビーカート村に、シリア領から発射された迫撃砲弾15発が着弾した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官はロンドンでアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談し、ジュネーブ2会議の開催などについて協議した。

会談後、ケリー国務長官は、「我々はジュネーブ2会議召集の期日を確定することが急務だと考えている…。軍事的解決はあり得ないとの点で合意した」と述べる一方、「アサド大統領は当事者どうしを近づけるのに必要な正統性を失っている…。移行プロセスが不可欠であり、シリアに新たな統治主体がなければならない」と主張した。

またブラーヒーミー代表は、近く中東諸国を歴訪し、各国代表・当事者と会談する予定だと述べた。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリア国民評議会がジュネーブ2会議への不参加を表明したことを受け、「米国などが、反体制組織に影響力を行使するだけでなく、これらの組織にジュネーブ2会議に参加するよう全力で説得することを我々は期待している」と述べた。

AFP(10月14日付)が報じた。

**

UNRWAシリア事務所のマイケル・キングズレー=ニーナ代表は、10月12日のダルアー市での軍と反体制武装集団の戦闘により、パレスチナ難民キャンプが直接の被害を受けたと発表、「武力紛争はパレスチナ人の声明と住居を破壊している」と警鐘を鳴らした。

シリア国内には、UNRWAが管理する10のパレスチナ難民キャンプを含む13のキャンプがある。

**

『ハヤート』(10月14日付)は、イスラエルのクネセト外交安全保障委員会委員長でイスラエル我が家のアアヴィグドール・リーベルマン党首が、アサド政権の退任の条件にゴラン高原の大部分と返還するとの取引をベンヤミン・ネタニヤフ内閣高官がヒズブッラーやハマースに持ちかけていたことを明かしたと報じた。

AFP, October 14, 2013、Champress, October 14, 2013、al-Hayat, October 14, 2013, October 15, 2013、Kull-na Shuraka’, October 14, 2013,
October 15, 2013、al-Nahar, October 14, 2013、Naharnet, October 14, 2013、NNA, October 14, 2013、Reuters,
October 14, 2013、Rihab News, October 14, 2013、SANA, October 14, 2013、UPI,
October 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

民主的変革諸勢力国民調整委員会が全ての当事者に対してイード・アル=アドハー中の戦闘停止を呼びかけるなか、化学兵器禁止機関の調査隊の追加要員12人がシリアに到着(2013年10月10日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会は、シリア政府およびすべての反体制武装集団に対して、イード・アル=アドハー中の戦闘停止を呼びかけた。

**

リハーブ・ニュース(10月10日付)は、アレッポ県バーブ市および同市郊外の革命文民評議会は、支配地域の学校に対して「休め、アッラー・アクバル、気をつけ、アッラー・アクバル…、我らが永遠の指導者、我らが主ムハンマド…」といった号令を徹底するよう指示を出したと報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍がサフィーラ市を空爆し、子供4人、女性1人を含む16人が死亡、またマンビジュ市に対しても空爆を行い、女性2人を含む6人が死亡した。

一方、反体制武装集団はワーハ山の軍拠点を手製の迫撃砲で攻撃、複数の兵士が死傷した。

一方、SANA(10月10日付)によると、ダイル・ハーフィル市、アイティーン市、ジャブール湖、サフィーラ市、カフルハムラ村、アレッポ市カースティールー地区、旧市街(ウマイヤ・モスク周辺)、サラーフッディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シャイフ・ウマル村を制圧した軍、国防隊、ヒズブッラー、イラク人民兵(アビー・ファドル・アッバース旅団)がフサイニーヤ町、ズィヤービーヤ町、ブワイダ市などの周辺で反体制武装集団と交戦を続けた。

一方、クッルナー・シュラカー(10月10日付)によると、ジャルマーナー市に「何者か」が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民11人が死亡、20人が負傷した。

他方、SANA(10月10日付)によると、ザマルカー町、ハラスター市、ドゥーマー市、バハーリーヤ農場、アッブ農場、ムライハ市、フサイニーヤ町周辺、ズィヤービーヤ町周辺、スバイナ町、バイト・ジン農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ウーファーニヤー村の軍検問所周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(10月10日付)によると、軍がウーカーニヤー村、アイン・バイダ村、おおよび両村周辺で反体制武装集団の掃討、同地を完全制圧した。

**

ダルアー県ではシリア人権監視団によると、ナワー市を軍が空爆し、8人が死亡した。

**

ラタキア県では、SANA(10月10日付)によると、ナージヤ村、ダッラ村、ダルーシャーン村、ラビーア町で、軍がイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦、ヨルダン人、エジプト人戦闘員ら約100人を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月10日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月10日付)によると、ダルアー市旧税関地区など、ナスィーブ村、ムサイフラ町、ムザイリーブ町、タファス市、ダーイル町、バディール・ブスターン市、ナイーミーヤ市、インヒル市、ガーリヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員、シャリーア委員会の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、リハーブ・ニュース(10月10日付)によると、ラアス・アイン市南部の村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアブドゥルハミード・トゥルキー・イブラーヒーム・バーシャー・ミッリー部族長の自宅を襲撃、同部族長を殺害した。

一方、SANA(10月10日付)によると、ハサカ市で、軍が反体制武装集団を要撃し、戦闘員4人を殺害、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月10日付)によると、アブー・フバイラート村、ムカイミン村、マスウード村、マスアダ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月10日付)によると、ザーラ村、ハーリディーヤ村、ラスタン市、カルアト・ヒスン市、タルビーサ市郊外、ヒムス市クスール地区、ワアル地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月10日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、ダルクーシュ町、カスタン村、ザルズール市、ザアラーナ市、マアッルシューリーン市、マアッラト・シャムシーン町、ワーディー・ダイフ軍事基地一帯で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月10日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区、ラシュディーヤ地区、ウルフィー地区、工業地区、マリーイーヤ村などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

AFP(10月10日付)によると、レバノンの軍事裁判所検事は、レバノン国内で活動するアフマド・アーミル大佐の逮捕状を発行、治安当局が同大佐の身柄を拘束した。

アーミル大佐は、戦闘員の募集を行い、シリア国内の軍拠点の攻撃を計画しており、トルコからレバノンのトリポリ港に到着直後に逮捕されたという。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関の調査隊の追加要員12人がシリアに到着し、調査活動に参加した。

化学兵器禁止機関の報道官によると、これにより調査隊メンバーは27人となった。

AFP(10月10日付)が報じた。

**

クッルナー・シュラカー(10月10日付)は、トルコのアダナ裁判所が、フサイン・ハルムーシュ大佐の拉致とシリア政府への身柄引き渡しに関与されたとされるトルコの諜報機関の士官1人に禁固20年の有罪判決を言い渡したと報じた。

AFP, October 10, 2013、al-Hayat, October 11, 2013、Kull-na Shuraka’, October 10, 2013、Naharnet, October 10, 2013、Reuters, October 10, 2013、Rihab News, October 10, 2013、SANA, October 10, 2013、UPI, October 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線、イスラーム国、シャーム自由人運動などの幹部らが「イスラーム教徒に対して武器を向けないこと」に合意したと報じられるなか、国連事務総長は国連・化学兵器禁止機関の合同調査団の設置などに関する報告書を安保理に提出(2013年10月8日)

反体制勢力の動き

UPI(10月8日付)は、シャームの民のヌスラ戦線に近い反体制活動家からの情報として、ヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャーム自由人運動の幹部がアレッポ県北部某所で会合を開き、イスラーム教徒に対して武器を向けないこと、イスラーム教徒どうし争わないこと、そしてこれらの決定に違反した者を処罰する合同司法評議会を設置することに合意したと報じた。

**

スワイダー県では、クッルナー・シュラカー(10月8日付)によると、バニー・マアルーフ大隊(ダマスカス郊外県東グータ地方が拠点)の司令官フサーム・ディーブ氏が、ダルアー県シャリーア委員会(シャームの民のヌスラ戦線)によるスルターン・バーシャー・アトラシュ大隊戦闘員3人の拘束を非難、自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長に内部対立を収束させるべく介入するよう求めた。

同報道によると、ダルアー県シャリーア委員会は数日前に3人を拘束、その後、この3人がシャームの民のヌスラ戦線とダルアー県の自由シリア軍の司令官らの暗殺を計画していたと証言するビデオがネット上にアップされていた。

これに関して、ディーブ氏、さらにはスワイダー県ハウラーン地方で活動する平原山地自由人連合司令官のファドル・サーミー・ザインッディーン中尉が、証言が強要されたものだとして、暗殺計画の存在を否定した。

**

アレッポ県西部の「解放区」で活動する革命諸勢力連合の副司令官を名乗るアブー・アリー氏は、クッルナー・シュラカー(10月8日付)に対して、イドリブ県のアティマ村に近い国境地帯にある違法な通行所をトルコ政府との調整のもとに閉鎖したと述べた。

**

ラッカ市のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)本部前で2ヶ月前から抗議の座り込みを続けているという女性活動家のスアード・ヌーファル氏は、AKI(10月8日付)に対して、「彼ら(ダーイシュ)のあらゆる振る舞いは、彼らが政権とつながっているのではと思わせ、時にはそう確信させるものだった」と証言した。

シリア政府の動き

『ティシュリーン』(10月9日付)は、石油天然資源労働者組合連合のガッサーン・スートリー総裁の話として、シリアの石油生産量が、紛争開始前の約40万バレル/日から2万バレル/日に激減し、シリア政府のもとで稼働しているTAMICOの稼働率も15%程度に低下している、と報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市シャッアール地区、アッザーン山一帯、サフィーラ市周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

またアフリーン市に迫撃砲弾が着弾、爆発した。

これに関して、SANA(10月8日付)は、アフリーン市、タルナダ村で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民8人が死亡、約20人が負傷したと報じた。

一方、リハーブ・ニュース(10月8日付)は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のSNSからの情報として、アアザーズ市郊外のマアリーン村でダーイシュのアミールの一人、アブー・ウンマトゥッラー・ミスリー氏が「背教者」(民主統一党人民防衛隊)によって殺害された、と報じた。

他方、SANA(10月8日付)によると、バービース村、アターリブ市東部、ジャービリーヤ村、ICARDA周辺などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市、マアッルシャムシャ市、ダイル・シャルキー村、ガッサーニーヤ村、カンスフラ村、サルミーン市に対して軍が空爆・砲撃を行う一方、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、軍兵士10人、戦闘員5人が死亡した。

一方、SANA(10月8日付)によると、アリーハー市南部、ビンニシュ市、アルバイーン山周辺、カフルルーマー村、ティーバート村、ハーッジ・ハンムード農場、ビダーマー町、カストゥーン村、ザクーム市、サラーキブ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、シャッダーディー市を軍が空爆し、少なくとも6人が死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ズール・フッス市、ズール・マフルーカ市を軍が空爆し、タイバト・イマーム市近郊の軍検問所3カ所に対する反体制武装集団の包囲解除を試みた。

一方、SANA(10月8日付)によると、ムーリク市、マアラキーヤ市・ブワイダ市間で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ドゥーマー市、ムライハ市に軍が砲撃・空爆を行った。

一方、SANA(10月8日付)によると、ダイル・サルマーン農場、カースィミーヤ農場、アッブ農場、フジャイラ村、ダーライヤー市、カリーナ農場などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、治安当局がカフルスーサ区、マサーキン・バルザ地区で逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(10月8日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市を軍が砲撃する一方、タファス市東部の第61補充兵センター周辺で軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ヒムス県では、SANA(10月8日付)によると、クサイル市郊外で、レバノン領から潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、ワアル地区、タッルドゥー市、ナースィラ村、ラスタン市、ダール・カビーラ村、サアン村、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(10月8日付)によると、ダイル・ザウル市のウルフィー地区、ハミーディーヤ地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月8日付)によると、7日夜から8日未明にかけてシリア軍の戦闘機がベカーア県バアルベック郡のアルサール地方ワーディー・フマイイド地区に対して、ロケット弾を発射し、救急車を攻撃した。

死傷者はなかった。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長は、シリアの化学兵器廃棄のための国連・化学兵器禁止機関の合同調査団の設置などに関する報告書を安保理に提出した。

同報告書において、潘事務総長は、約100人の専門家・スタッフからなる合同調査団を設置し、11月1日から本格的に化学兵器廃棄を行うことを提言した。

合同調査団は、現在シリアで活動している調査先遣隊の準備・調査活動を受けるかたちで、11月から活動を開始、12月までにシリアの化学兵器製造・保管状況の調査を完了したしたうえで、シリア政府による化学物質の製造・混合施設などの破壊を監視する。そのうえで2014年1月から6月30日までに、化学兵器そのもの破壊を行うという。

潘事務総長はまた、シリアでの化学兵器廃棄のプロセスが「反体制武装集団が完全に制圧している地域内での移動などにおいて困難と脅威に直面している」としたうえで、同プロセスの「成功は基本的にはシリア政府の完全協力することにかかっている」と強調した。

そのうえで「シリア以外の国による技術、情報面でのアドバイス、支援、安全確保も必要になるだろう」とも付言した。

**

化学兵器禁止機関は現在シリアで準備活動をしている調査先遣隊に続いて、追加要員を派遣すると発表した。

AFP(10月8日付)が伝えた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領はAPEC首脳会議出席のため訪問中のインドネシアのバリ島で「シリアの指導部は積極的かつ透明性をもって(化学兵器廃棄に向けて)行動している」とアサド政権の対応を評価した。

またジュネーブ2会議に関して、イスラーム教徒が国民の多数を占めるインドネシアなどの国も参加すべきだとの新たな見解を示した。

リア・ノーヴォスチ(10月8日付)などが報じた。

**

イラン外務省報道官は「テヘランはシリアの危機を解決するために支援する用意ができているが、ジュネーブ2会議への参加に前提条件を設けることを拒否する」と発表した。

ファルス通信(10月8日付)が伝えた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣はアンカラでの記者会見で「トルコはアル=カーイダとつながりのある組織が越境するのを許したことはない」と述べた。

AFP(10月8日付)が伝えた。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は国会下院で、シリアの反体制勢力に2,000万ポンド掃討の「非殺傷兵器」などの支援を行うと述べた。

UPI(10月8日付)が報じた。

AFP, October 8, 2013、AKI, October 8, 2013、al-Hayat, October 9, 2013、Kull-na Shuraka’, October 8, 2013、Naharnet, October 8,
2013、Reuters, October 8, 2013、Rihab News, October 8, 2013、SANA, October
8, 2013、Tishrin, October 9, 2013、UPI, October 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会がアサド政権との対話拒否などを骨子とする5項目について合意、国連報道官はOPCW先遣調査隊がシリア国内で化学兵器の国際管理・廃棄に向けた活動を開始したと発表(2013年10月5日)

反体制勢力の動き

10月3日から幹部会合を行っていたシリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会(最高軍事評議会)は声明を出し、両組織がアサド政権退陣を起点としないかたちでの対話拒否などを骨子とする5項目について合意したと発表した。

同声明によると、両組織が合意した5点は以下の通り:

1. シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会の連絡・調整活性化を増進する。
2. 相互互恵を基礎とした反体制組織の統合を呼びかける。
3. シリア革命反体制勢力国民連立、自由シリア軍参謀委員会、移行期首班、シリア革命の諸組織を尊重する必要を改めて強調するとともに、移行期政府の早期発足をめざす。
4. 自由シリア軍の枠組みのもとで、革命軍事組織の統合・合併プロセスを加速する。
5. 「シリアのテロ体制」とのいかなる対話も拒否し、アラブ・イスラーム世界が国際社会に先駆けて、アサド大統領の退陣、政権移譲、戦争犯罪人の処罰を保障するまで、対話を受け入れない。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏は声明を出し、シリア人以外のすべての外国人戦闘員に対して、ただちにシリアから立ち去るよう呼びかける一方、外国人戦闘員の潜入に関与してきた国に対して、潜入支援を停止するよう求めた。

またシリア・ムスリム同胞団に対して、「革命の盾委員会」、「民間人保護委員会」などの武装部門を解体し、自由シリア軍に統合するよう求めた。

さらに、ミスリー氏は、シャームの民のヌスラ戦線をアサド政権に属する勢力だと断じたうえで、国民に対して、ヌスラ戦線ではなく、自由シリア軍に参加するよう呼びかけるとともに、ヌスラ戦線やイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が掲げる黒旗やアル=カーイダのスローガンを拒否するとの姿勢を明示した。

**

ダマスカス郊外県で活動する革命指導評議会は声明を出し、シリア国内のすべての反体制武装集団に対して、イスラーム軍に参加するよう呼びかけた。

『ハヤート』(10月6日付)が報じた。

**

クッルナー・シュラカー(10月6日付)によると、イバード・ハッック旅団がシャバーブ・フダー大隊に合流した。

**

反体制活動家のワリード・ブンニー弁護士は声明を出し、「6ヶ月前に周知の理由で」参加を凍結していたシリア革命反体制勢力国民連立から正式に脱会すると発表した。

組織体系の充実とバランス確保を目的としていたはずの連立の拡大が望ましい目標に至らなかった、というのが脱会の理由。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会はダマスカスで中央委員会(最高意思決定機関)を開催し、ジュネーブ2会議に代表団を派遣することを最終決定した。

クッルナー・シュラカー(10月9日付)によると、61人のメンバーが出席した中央委員会の冒頭、ハサン・アブドゥルアズィーム代表は、トルコが紛争の解決を妨害するような行動をとっていると批判する一方、イランと米国の接近を歓迎した。

また渉外局長のハイサム・マンナーア氏も滞在先のパリからスカイプで会合に参加した。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は、変革解放人民戦線第2回大会で「外国の干渉を阻止することは、政権ではなくシリアを救済することだ」と述べた。

そのうえで、ジャミール副首相は、ジュネーブ2会議に変革解放人民戦線に代表を派遣する意思を示した。

クッルナー・シュラカー(10月5日付)が報じた。

国内の暴力

タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、トルクメン人が多く住むマトラース村を軍が砲撃した。

同監視団によると、砲撃に先立って、軍と村の長老が、指名手配者・離反兵を軍に投降させることで合意し、約20人の若者が出頭したが、村の周辺で軍、国防隊と反体制武装集団が交戦し、兵士20人を含む28人が死亡、多数が負傷したという。

しかしこれに関して、SANA(10月6日付)は、軍がマトラース村住民の支援のもと、村に潜入しようとする反体制武装集団のアジトなどを攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷、またこれを受けて反体制武装集団の戦闘員43人が軍に身柄を投降したと報じた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー地区で爆発が起きた。

またバルザ区、タダームン区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月6日付)によると、カーブーン区、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サーリヒーヤ殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月6日付)によると、ドゥーマー市郊外、ハラスター市、ザマルカー町、ダイル・サルマーン市、カースィミーヤ市、ナバク市、リーマー農場で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、シャームの民のヌスラ戦線シャリーア委員会本部など、複数の拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市クスール地区、ラスタン市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市近郊の第93旅団基地周辺で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

アレッポ県では、SANA(10月6日付)によると、アレッポ中央刑務所、キンディー大学病院、マーイル町、ハンダラート・キャンプ、バービース村、アッザーン村、ズィルバ村、マアーッラト・アルティーク村、カフルハムラ村、ハーン・トゥーマーン村、アレッポ市カースティールー地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またヌッブル市、ザフラー町に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供3人が死亡、複数の市民が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(10月6日付)によると、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、グータ地区、ラスタン市、カフルナーン村、ジャッブーリーン村、サアン村、ザアフラーナ村、ハーリディーヤ村、ダール・カビーラ村、ガジャル村、ドゥワイル村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月6日付)によると、カフル・ウワイド村、ビンニシュ市、マラティーン村、ザルズール村、ダルクーシュ町、ハマーマ村、ジャーヌーディーヤ町、アーリヤ村、アイン・ラールーズ村、カストゥーン村、マアッルダブサ村、ブワイティー村、マルイヤーン村、ラーマ村、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(10月6日付)によると、ハサカ県タッル・ハジャル地区で爆弾が仕掛けられたバイクが爆発し、女性1人が死亡、10人が負傷した。

レバノンの動き

UNHCRはレバノン国内のシリア人避難民の数が77万9,000人に達したと発表した。

このうち67万8,100人が難民登録を終え、10万1,000人が登録申請中だという。

諸外国の動き

国連のマーティン・ニルスキー報道官は、化学兵器禁止機関(OPCW)の先遣調査隊がシリア国内の某所で化学兵器の国際管理・廃棄に向けた活動を開始したと発表した。

ニルスキー報道官は、またシリア政府がOPCWに提出した化学兵器関連の文書が、信頼に足るものだとの見方を示す一方、2014年半ばまでの全廃を目標とする廃棄の日程が「シリア人専門家が参加するかたちで設置される技術作業グループの活動次第」だと述べた。

シリア政府は約300トンの神経ガス、サリンガスを45カ所に分散させて保有していると考えられている。

AFP, October 5, 2013、al-Hayat, October 6, 2013、Kull-na Shuraka’, October 5, 2013, October 9, 2013、Naharnet,
October 5, 2013、Reuters, October 5, 2013、Rihab News, October 5, 2013、SANA,
October 5, 2013、UPI, October 5, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

軍が数週間におよぶ戦闘の末アレッポ市南部の要衝ハナースィル市を完全制圧するなか、シリア国内で活動する複数のサラフィー主義武装集団がイスラーム国にアアザーズ市および同市周辺からの撤退を求める(2013年10月3日)

反体制勢力の動き

シリア国内で活動するイスラーム軍など複数のサラフィー主義武装集団がインターネットを通じて共同声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)にアレッポ県アアザーズ市および同市周辺からの撤退を求めた。

声明はシャーム自由人運動(アブー・アブドゥッラー・ハマウィー)、イスラーム軍(ムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ)、タウヒード旅団(アブドゥルカーディル・サーリフ)、ハック旅団、シャームの鷹旅団(アフマド・イーサー・シャイフ)、フィルカーン旅団が発表、「ダーイシュの同胞に部隊、装備をただちに自らの拠点に撤退させる」ことを求めた。

また北の嵐旅団に治しても、「即時発砲停止」を行うよう呼びかけた。

そのうえで、ダーイシュと北の嵐旅団に対して、「イスラーム主義諸派合同シャリーア法廷」(アレッポ市のシャリーア委員会本部で48時間以内に開催予定)の裁定に服するよう呼びかけた。

**

アラビーヤ(10月3日付)によると、ラスタン軍事評議会は声明を出し、ヒムス県におけるイラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線の駐留を認めないとしたうえで、48時間以内にヒムス市北部郊外一帯から退去するよう最後通告を出した。

**

クッルナー・シュラカー(10月3日付)は、ダイル・ザウル県ブーカマール市で活動する武装集団4組織が「スンナとジャマーアの民軍」として統合したと報じた。

同組織に参加したのは、ファトフ旅団、アサルの民旅団、スンナの獅子旅団、ラーヤの民旅団で、司令官はアブー・ムンタスィルを名乗る離反少尉が務めるという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のナジーブ・ガドバーン駐米代表は、ザマーン・ワスル(10月3日付)に、国連総会に合わせてニューヨークを訪問したアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が、イランやヒズブッラーの戦闘員のシリア駐留を「非難」し、「政治的解決に入る前にシリアから退去することを求める」べきだと、安保理常任理事国などに伝えたことを明らかにした。

また、ガドバーン代表によると、連立使節団はニューヨークでのシリアの友連絡グループ会合で、国連安保理決議第2118号、シリア国内の過激派の排除、人道支援、ジュネーブ2会議について協議、安保理決議については、国連憲章第7章に依拠した制裁を明記できなかった点、化学兵器以外の兵器によるアサド政権の殺戮を追及していない点などへの不満の意を伝えたという。

またジュネーブ2会議については、トルコ、UAE、カタールに参加を正式に要請した。

**

反体制活動家で元文化大臣のリヤード・ナアサーン・アーガー氏は、DPA(10月5日付)に、シャームの民のヌスラ戦線など国内の反体制武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立を拒否したことに関して、「連立と自由シリア軍参謀委員会に対して、(ジュネーブ2会議での)交渉で政権に譲歩しないように圧力をかけている」との見方を示した。

またジュネーブ2会議そのものについては「時間だけを食うパレスチナ和平交渉のようになることを恐れている」と懸念を表明した。

**

ダマスカス郊外県で活動する反体制武装集団5組織が、アムジャード・イスラーム連合を結成し、統合した。

アムジャード・イスラーム連合に参加したのは、ウンム・クラー旅団、サハーバ末裔旅団、アビー・ザッル・ガファーリー旅団、グータ殉教者旅団、アルバイン殉教者旅団。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、軍と国防隊が数週間におよぶ反体制武装集団との戦闘の末、アレッポ市南部の要衝ハナースィル市を完全制圧し、アレッポ市・サラミーヤ市(ハマー県)間の兵站路を回復した。

3日の戦闘で、軍は反体制武装集団の戦闘員25人を殺害する一方、国防隊の戦闘員18人と軍の兵士数十人が戦死したという。

一方、SANA(10月3日付)によると、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、バーブ・アレッポ街道、カフルハムラ村、アターリブ市北部、アレッポ市サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シャーム・イスラーム自由人運動、シャームの民のヌスラ戦線、ハック旅団、ミクダード・ブン・アスワド大隊が、県北部のアラウィー派の町カフルナーン村を制圧した。

同村では、先月19日から、これらの武装集団と軍、国防隊が攻防を続けていた。

一方、SANA(10月3日付)によると、カフルナーン村、ヒムス県クスール地区、ダール・カビーラ村、ガースィビーヤ村、ハーリディーヤ村、ウンム・サフリージュ村、ラッフーム村で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またレバノン領から、タルビーサ市、ガントゥー市、タッルカラフ市郊外に潜入しようとした武装集団を軍が撃退した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が対ヨルダン国境に近いバッカール村を制圧する一方、軍はダルアー市のダム街道地区などを砲撃した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カーブーン区に軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月3日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(10月3日付)によると、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、シャイフーニーヤ村、ダイル・サルマーン市郊外、カースィミーヤ市郊外、バイツ・サワー村、ダーライヤー市、バスィーマ村、カーラ市郊外、ヤブルード市、ナースィリーヤ村、ラヒーバ農場などで、軍が反体制武装集団を追撃、シャー布民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(10月3日付)によると、ハーン・ジャウズ村、ラウダ村で、軍が反体制武装集団を追撃、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(10月3日付)によると、タルマラ村で、軍が反体制武装集団を要撃し、ザーウィヤ山軍事評議会のメンバー全員を殲滅した。

またジスル・シュグール市郊外、アブー・ズフール航空基地周辺、ミシュミシャーン村、カニーヤ村、カーディリーヤ村、ハマーマ村、ザルズール村、アイン・アルーズ村、タッル・マニス村、カフルルーマー村、サラーキブ市、タウーム市、ビンニシュ市、アルバイーン山周辺、ウンム・ジャリーン村、タッル・サラムー村で、軍が反体制武装集団を追撃、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(10月3日付)によると、ダルアー市、アトマーン村、インヒル市、ブスラー・シャーム市、ナワー市で、軍が反体制武装集団を追撃、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(10月3日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国が占拠するラッカ市内の公園で、アッバース朝時代のカリフ、ハールーン・ラシードの像の頭が何者かによってもがれ、破壊されているのが発見された。

Kull-na Shuraka', October 3, 2013
Kull-na Shuraka’, October 3, 2013

レバノンの動き

『ジュムフーリーヤ』(10月3日付)は、ヒズブッラー幹部がミシェル・スライマーン大統領と会談し、シリアからのヒズブッラー戦闘員の撤退について協議したと報じた。

同紙によると、ヒズブッラーは撤退プロセスを開始するにふさわしい条件がレバノン国内で整うことを希望すると伝え、現時点での撤退に消極的な姿勢を示したという。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関の調査先遣隊は声明を出し、シリア国内での活動を開始、「調査団が活動する地域の安全を確保するため、シリアの当局との協力を始めた」と発表した。

AFP(10月3日付)によると、先遣隊のうち9人が早朝、ダマスカス県内の滞在先のホテルを出発し、調査現場に向かったが、どこに向かったかは不明だという。

**

トルコ国会は、有事にシリアへの軍部隊派遣を政府に認めた法律(2012年10月4日承認)の有効期限を1年間延長することを承認した。

同法律は2013年10月4日に期限切れとなる予定だった。

ロイター通信(10月3日付)が報じた。

**

化学兵器禁止機関執行理事会で、サウジアラビアのアブドゥッラー・シャグルード代表大使は、国際社会に対して、シリア危機のあらゆる側面に対処するための道義的・法的責任を負うよう呼びかけるとともに、化学兵器使用などの犯罪をもたらしたすべての者を処罰すべきだと主張した。

AFP, October 3, 2013、Alarabia.net, October 3, 2013、DPA, October 3, 2013、al-Hayat, October 4, 2013, October 5, 2013、al-Jumhuriya, October 3, 2013、Kull-na Shuraka’, October 3, 2013、Naharnet, October 3,
2013、Reuters, October 3, 2013、Rihab News, October 3, 2013、SANA, October
3, 2013、UPI, October 3, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア当局が国連安保理が採択した議長声明を「同国武装テロ集団の存在」を明確化するものとして評価するなか、シリア・ムスリム同胞団はシリア革命反体制勢力国民連立がジュネーブ2会議へ参加した場合同連立を脱退すると表明(2013年10月2日)

反体制勢力の動き

反体制武装連合「イスラーム軍」のムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ司令官は、同連合発足後初の司令として、「改悛センター」に離反将校のサイード・ジュムア大佐を追跡するよう命じた。

Kull-na Shuraka', October 2, 2013
Kull-na Shuraka’, October 2, 2013

アッルーシュ司令官によると、ジュムア大佐は、ムハンマド軍に所属すると偽り、ムハンマド軍とイラク・シャーム・イスラーム軍(ダーイシュ)の対立を煽っていたという。

クッルナー・シュラカー(10月2日付)が報じた。

**

リハーブ・ニュース(10月3日付)によると、シリア・ムスリム同胞団のウマル・ムシャウワフ広報局長は「もし、シリア革命反体制勢力国民連立がこれまでの決定を無視してジュネーブに行くことを決めたら、同胞団は連立を脱会する」としたうえで、ジュネーブ2会議への参加が「革命への裏切り」にあたると非難した。

**

シリア革命司令部最高評議会が声明を出し、9月28、29日に会合を開き、ジュネーブ2会議への参加を拒否するとともに、アサド政権の打倒を改めて主張、「革命の利益とシリア国民の存在」に合致しない移行期政府を拒否するとの意思を示した。

**

クッルナー・シュラカー(10月2日付)は、クルド最高委員会が8月15日付で、「西クルディスタンでの報道・取材活動」を目的とする検閲機関「自由情報連合」を結成していたと批判的に報じた。

**

シリア人権監視団は、2011年3月の紛争発生から2013年9月末までの死者総数が11万5,000人以上に達したと発表、また9月の死者数が約5,000人にのぼったと主張した。

同監視団はまた、犠牲者のうち約6,000人が子供、約4,000人が女性、約3,000人が身元不明だと指摘した。

一方、シリア人権ネットワークは、2011年3月から2013年9月までに紛争に巻き込まれて死亡したジャーナリストが23人にのぼったと発表した。

同ネットワークによると、これらの犠牲者は、政権と反体制勢力双方によって殺害された。

シリア政府の動き

フェイスブックのページ「シリア・アラブ共和国大統領府」(https://www.facebook.com/SyrianPresidency)は、アスマー・アフラス大統領夫人が、紛争での犠牲者の遺族を慰問した際の写真を公開した。

Kull-na Shuraka', October 2, 2013
Kull-na Shuraka’, October 2, 2013

**

『イクティサーディー』(10月2日付)は、内務省の情報として、ダマスカスの刑事保安課が、シリア中央銀行との調整のもと、シリア国内最大手の両替商「アーラミーヤ両替」社を閉鎖処分とした、と報じた。

同社が米ドル、ユーロを違法に売買していたことが理由だという。

またクッルナー・シュラカー(10月2日付)によると、これを受け、シリア中央銀行のマネー・ロンダリング撲滅委員会のズハイル・サフルール委員長が汚職容疑で逮捕された。

Kull-na Shuraka', October 2, 2013
Kull-na Shuraka’, October 2, 2013

**

ワーイル・ハルキー首相は人民議会で、2011年3月の紛争発生以降のシリア国内の被害総額が2兆9,000億シリア・ポンド(165億米ドル)に達すると証言した。

SANA(10月2日付)が報じた。

**

ウムラーン・ズウビー情報大臣は、ジュネーブ2会議に参加する反体制勢力の代表に関して、ロシア・トゥデイ(10月3日付)に「ダマスカスこそがシリア人どうしの対話開始の基本構想を持ち、前提条件なしジュネーブに行く準備を示してきた」としたうえで、「アル=カーイダ、ヌスラ戦線に属する者、そしてそれらを支持する者たちは、対話の当事者ではない」と述べた。

またウムラーン情報大臣は「自らの手を血で染めていない者たちと我々は対話する。外国にシリアへの軍事的・政治的介入を求めることでシリアに敵対した者は、(対話の)当事者ではない」と強調した。

国内の暴力

ラタキア県では、シリア・アラブ・テレビ(10月3日付)が、ラウダ村での「テロリスト」掃討を続けている軍が、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐らを殺害した、と報じた。

ラウダ村での戦闘で、軍は、アスアド大佐のほか、ムスタファー・バイラク氏(イドリブ県の自由シリア軍司令官)、アサド・アリー氏、イブラーヒーム・マジュブール氏、ウサーマ・バッルー氏、アブドゥルカーディル・アーガー氏、アフマド・ハーッジ・アリー氏、アフマド・ラッハール氏(ムハージリーン大隊司令官)、リヤード・バッルー氏(スンナの民大隊司令官)、ガッサーン・バッルー氏(サハーバの民大隊司令官)を殺害したという。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アアザーズ市周辺の生活道路やバーブ・サラーマ国境通行所にいたる街道で、未明からイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が自由シリア軍北の嵐旅団の検問所などを襲撃、進軍した。

北の嵐旅団は、フェイスブック(10月2日付)で、ダーイシュが民間人を逮捕していると非難する一方、戦闘でダーイシュ戦闘員多数を殺害したと発表した。

またシリア軍が、ダーイシュなどサラフィー主義武装集団によって占拠されているマンナグ航空基地一帯を空爆する一方、軍戦闘機がハーン・アサル村、サフィーラ市の防衛工場機構を機関銃で攻撃した。

軍がハナースィル市に進軍し、サフィーラ市への兵站路を確保しようとしているという。

一方、SANA(10月2日付)によると、マンスーラ村、タッルアラン村・サフィーラ市間、カフルナーハー村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、フライターン市、タッル・ジャニーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市旧市街、バニー・ザイド地区、ラーシディーン地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山周辺で、軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区、ヤルムーク区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団によって制圧された対ヨルダン国境の旧税関施設に対して、軍が空爆を行った。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(10月2日付)によると、リーマー農場、ナバク市、アッブ農場、シャイフーニーヤ村東部、ビラーリーヤ村郊外、バハーリーヤ市郊外、ナシャービーヤ町郊外、ムライハ農場、カフル・ザイト市、ナースィリーヤ村東部、スィーン湖付近で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(10月2日付)によると、ヒムス市ワアル地区、カラービース地区、クスール地区、バーブ・フード地区、サムアリール村、ラスタン市、アブー・ハワーディード村、アルシューナ村、バルダアヤート村、タッル・ジャディード村、マシュラファ村、ハウワーシュ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(10月2日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(10月2日付)によると、ムーリク市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(10月2日付)によると、北部県アッカール郡のマシュター・ハンムード村、シャイフ・ムハンマド丘、ハルサ地方に、シリア領内から発射された迫撃砲弾複数発が着弾、無人の民家などが破壊された。

諸外国の動き

国連安保理は、人道的危機に見舞われているシリア国民を支援するために、国際社会にさらなるコミットを求めるとともに、すべての紛争当事者に暴力を停止し、人道支援を受け入れる態勢を整え、国際人道法違反を軽減することを呼びかける議長声明(SG/SM15366)を採択した。

シリアのバッシャール・ジャアファリー国連代表は、国連安保理議長声明(SG/SM15366)採択に関して「この声明はシリア領内で犯罪を犯している武装テロ集団がいることを明確に指摘している」との評価を下した。

**

リハーブ・ニュース(10月2日付)は、エジプトの国境警備隊が、地中海岸の町イドクー市で、イタリアに海路で不法入国を試みようとしていたシリア人、パレスチナ人40人を逮捕したと報じた。

AFP, October 2, 2013、al-Hayat, October 3, 2013、al-Iqtisadi, October 3, 2013、Kull-na Shuraka’, October 2, 2013、Naharnet, October 2,
2013、NNA, October 2, 2013、Reuters, October 2, 2013、Rihab News, October
2, 2013、SANA, October 2, 2013、UPI, October 2, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラーム旅団を含む国内で活動する43の反体制武装集団が「シリア・イスラーム軍」の名で統合を発表する一方、自由シリア軍合同司令部中央広報局は声明のなかで国連安保理決議第2118号が定める懲罰の不十分さを理由にこれを拒否(2013年9月29日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月30日付)などによると、国内で活動する43の反体制武装集団が「シリア・イスラーム軍」の名で統合した。

司令官はイスラーム旅団司令官でシリア・イスラーム解放戦線代表のムハンマド・ザフラーン・アッルーシュ氏(1970年、ドゥーマー市生まれ)が務めるという。

参加した武装集団は以下の通り:

1. イスラーム旅団
2. イスラーム軍旅団
3. イスラーム教徒軍旅団
4. サイフ・ハック旅団
5. シャームの鷲旅団
6. 勝利の吉報旅団
7. シャーム征服旅団
8. グータの盾旅団
9. スィッディーク大隊
10. タウヒード・シャーム旅団
11. 首都南部大隊
12. バドル旅団
13. ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ旅団
14. ジュンド・タウヒード旅団
15. サイフ・イスラーム旅団
16. ウマル・ブン・ハッターブ旅団
17. ムアーッズ・ブン・ジャバル旅団
18. ファールーク旅団
19. ズバイル・ブン・アウワーム旅団
20. ズィー・ヌラーン旅団
21. アンサール旅団
22. ハムダ旅団
23. 防空旅団
24. 迫撃ロケット旅団
25. 機甲旅団
26. イシャーラ旅団
27. ザーヒル・バイバルス旅団
28. サイフ・ハック旅団
29. カラムーン・コマンド旅団
30. アブドゥッラフマーン旅団
31. ムラービティーン旅団
32. バーディヤ旅団
33. アンサール・スンナ旅団
34. アフル・バイト旅団
35. アターリブ殉教者旅団
36. 海岸戦線旅団
37. アイン・ジャールート旅団
38. アンサール・タウヒード大隊
39. ムジャーヒディーン大隊
40. アビー・タッジャーナの鷹
41. スンナ大隊
42. アンサール大隊
43. バッラー・ブン・アーズィブ大隊

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はニューヨークの国連本部で潘基文事務総長と会談した。

マーティン・ニルスキー国連報道官は、会談でジャルバー議長が、ジュネーブ2会議に連立が代表団を派遣する用意があるとの意思を示したことを明らかにした。

**

シリア革命反体制勢力国民連立の駐カタール代表部(大使館)で領事を務めていたウマル・イドリビー氏、会計担当のイヤーブ・フィトヤーン氏、広報担当のウマル・ラクルーク氏らが、ニザール・ヒラーキー駐カタール代表に対して辞表を提出し、連立を脱会した。

駐カタール代表部が在外シリア人のニーズに積極的に応えようとしていないこと、そして不明朗な会計などが脱会の理由。

**

自由シリア軍合同司令部中央広報局(ファフド・ミスリー氏)は声明を出し、国連安保理決議第2118号がいかなる懲罰行為もアサド政権に迫っていないと非難、拒否すると発表した。

シリア政府の動き

アサド大統領はイタリアのライ・ニュース24のインタビューに応じ、シリアの化学兵器廃棄を定めた国連安保理決議2118号への対応などについて意見を述べた(http://www.youtube.com/watch?v=dH0SYTiyHaQ&feature=c4-overview )。

SANA, September 29, 2013
SANA, September 29, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「シリアはすべての化学兵器の廃棄を求めている国連安保理決議を遵守するだろう…。我々はもちろん遵守する。我々の歴史は、我々が署名したすべての条約を遵守していることを示している」。

「我々はこの決議がかたちを得るのに先立って化学兵器禁止条約に加盟した…。加盟は決議ではなく、我々自身の意志と関係がある。もちろん、我々には、そうしたいという意志があるのだ。なぜなら、2003年に我々は、中東全域における化学兵器の根絶を求める提案を安保理に対して行っているからだ…。(シリアは)条約のすべての条項を実施するし、いかなる留保も行わない」。

(米国とイランの接近に関して)「これはシリアで起きていることによい影響を与えると考えている…。イランはシリアの同盟国であり、我々はイラン人を信頼している。イラン人はシリア人と同様…アメリカ人を信頼してはいない…。イラン人と米国人の接近は単なるジェスチャーではない。具体的に検討された動きであり、イラン・イスラーム革命以来のイラン人の米国人との関係の経験に基づいている…。もし米国人がこの接近に誠実であるなら、シリア危機だけでなく、それ以外のさまざまな問題にも良い結果をもたらすと思う」。

「率直に言うと、欧州諸国は今日、こうした役割(ジュネーブ2会議開催における役割)を果たすだけの能力を持っていない。なぜなら、成功を実現するための様々な要素を持ち合わせていないからだ…。欧州のほとんどの国は10年前にジョージ・ブッシュが政権を握って以降、他国に対して米国のように対処するようになってしまった…。しかしこうした役割には信頼性が必要だ…。どの欧州の国について信頼性があると言うことができるだろう。人道支援と言っておきながら、独立以来最悪の制裁をシリアに科してきた…。必要な基礎が充たされなければ、こうした役割は果たし得ない」。

国内の暴力

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、ラッカ市内の高校を軍が空爆し、生徒10人を含む16人が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、カラムーン山地一帯郊外のナースィリーヤ村にある軍の拠点・武器庫(第413武器庫)など複数カ所を反体制武装集団が奇襲し、兵士19人を殺害した。戦闘では反体制武装集団戦闘員複数名も死亡したという。

またムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市などに、軍が砲撃を行った。

このほか、ザマルカー町で反体制武装集団が国防隊の民兵14人を要撃、殺害した。

一方、SANA(9月29日付)によると、アッブ農場、マイダアー町、ダーライヤー市、リーマー農場、ナースィリーヤ村、ナバク市、ダイル・アティーヤ市郊外、ハラスター市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジュッブ・ジャッラーフ町、マスカル・ヒサーン村、ラッフーム村、アナク・ハワー村、ハウラ地方で、軍と反体制武装集団が交戦し、双方に複数の死傷者が出た。

一方、SANA(9月29日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ハミーディーヤ地区、ワーディー・サーイフ地区、クスール地区、サビール地区、アクラマ地区、カラム・シャーミー地区、ラスタン湖ダム、タッルドゥー市、サムアリール村、キースィーン村、ラッフーム村、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガジャル村、タッルカラフ市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月29日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ファトフ旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月29日付)によると、マルジュ・フージャ村、カサーティル村、サーキヤト・カルト村、マルジュ・ザーウィヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月29日付)によると、ダイル・ザウル市のラシュディーヤ地区、シャイフ・ヤースィーン地区、旧空港地区、マリーイーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月29日付)によると、アブー・ジャッバール村、クワイリス村、アルバイド村、カスキース村、ラスム・アッブード村、アレッポ旧市街、ジュダイダ地区、ライラムーン地区、ナイラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月29日付)によると、マアラカ村、カンスフラ村、ラールーズ村、カフル・ウワイド村、ハッルーズ村、アーリヤ村、タルヒーヤ村、バーッラ村、バザーブール村、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月29日付)によると、サマン村、シューマラ村、ブスラー・シャーム市、ダルアー市、ムダウワラ市、アラーリー村、フラーク市、インヒル市、ヒルバト・ティール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

MTV(9月29日付)によると、ベカーア県バアルベック郡アルサール村のシャアブ検問所で、レバノン軍がシリアに向かおうとしていたトラックから使用できなくなった迫撃砲を押収した。

諸外国の動き

ヨルダンのペトラ通信(9月29日付)は、同国北部ラムサー市のモスクにシリア領内から発射された迫撃砲弾が着弾した事件(26日)に関して、ムハンマド・ムーマニー広報担当国務大臣(内閣報道官)が、アンマンのシリア大使間にヨルダン政府が抗議文を送り、事件の再発を防ぐための措置を要請した、と報じた。

AFP, September 29, 2013、al-Hayat, September 30, 2013、Kull-na Shuraka’, September 29, 2013、Kurdonline, September
29, 2013、MTV, September 29, 2013、Naharnet, September 29, 2013、Reuters,
September 29, 2013、Rihab News, September 29, 2013、SANA, September 29, 2013、UPI,
September 29, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長は国連安保理決議第2118号採択をおおむね評価、一方同連立はラッカ市の教会に破壊行為を行ったイスラーム国を「シリア革命を逸脱している」として非難(2013年9月28日)

反体制勢力の動き

反体制組織の統一司法評議会の検事長は、シリア国民評議会のバッサーム・イスハーク氏が、9月26日に出演したアラビーヤ・チャンネルで、シャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団がシリア革命反体制勢力国民連立を拒否したことを「アサド政権による工作活動で、国外の武装集団以外によるものだ」と評したことに対して、名誉毀損容疑での起訴に向けて動くと発表した。

検事長はまた、シリア国民評議会に対してイスハーク氏の除名と制裁を要請した。

**

クッルナー・シュラカー(9月28日付)は、トルコの首都アンカラで自由シリア軍の武装組織を統合するためのマラソン会合が開催され、参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長、タウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ氏らが出席したと報じた。

**

ファールーク・ウマル旅団は声明を出し、ダマスカス郊外県ドゥーマー市一帯を活動拠点とするシャバーブ・フダー大隊に合流すると発表した。

**

『ハヤート』(9月29日付)は、活動家らの話として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アレッポ県トゥワイヒーナ村の中学生以上の女子生徒にヒジャーブを身につけて登校することを義務づけたと報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は国連安保理決議第2118号採択に関して「我々の要求の一部が実現したことは光栄だ」としつつ「我々は国連憲章第7章に基づくより明確な決議を望んでいた。決議には言及はなされているが、明確な決議は採択されなかった…。しかしこの決議には同調できる」と述べた。

**

シリア国民反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるラッカ市のサイイダ・ビシャーラ教会への破壊行為を「道徳基盤、市民権に反する」としたうえで、「この組織はシリア革命を逸脱しており、シリア国民の希望、崇高なる革命の原則を何ら代表してない」と非難した。

連立はまた別の声明で、ランクース市のハーリド・ブン・ワリード・モスクへの自爆テロをアサド政権の犯行と断じ、非難した。

シリア政府の動き

アサド大統領は、ムハンマド・ナーイフ・カッドゥール・アイニーヤ氏をダイル・ザウル県知事に任命した。

SANA(9月28日付)が報じた。

**

ニューヨークを訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、インドネシアのマルティ・ナタレガワ外務大臣、レバノンのアドナーン・マンスール暫定外務大臣と相次いで会談し、シリア情勢の対応などについて協議した。

SANA(9月28日付)が報じた。

ムアッリム外務在外居住者大臣は、ジュネーブ2会議に関してスカイ・ニュース・アラビック(9月28付)に対して「アサド大統領の将来を議論する余地はない。これはシリア憲法が決定する問題だ」と述べた。

またムアッリム外務在外居住者大臣は、スカイ・ニュース・アラビックに対しシリア革命反体制勢力国民連立に関して「米国にシリア攻撃を要請したことで、シリア国民の眼前で瓦解した」と非難した。

さらにジュネーブ2会議において誰が反体制勢力を代表すべきかとの問いに対して「シリアで許可されたすべての野党」と答えるとともに「まだ参加するよう連絡を受けていない国内の愛国的野党組織がある…。シリア国民のほとんどの成員が代表されることを望むなら、参加の輪を拡げねばならない」と述べた。

そのうえで「ドーハで作られた(シリア革命反体制勢力国民)連立が、ジュネーブ大会の傘下に身を置き、反体制勢力の唯一の代表とみなされ、参加に先立って条件を提示するということは、お笑いであり、誰かに権力を手渡すためにジュネーブに行くことはないと言っておこう」と付言した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人運動、イスラーム・カーディスィーヤ旅団、イスラーム聖地大隊、アンサール・フダー大隊、イスラーム・ムサンナー運動が、4日間にわたる軍との交戦の末、ナスィーブ国境通行所に近いダルアー市旧税関地区を制圧した。

自由シリア軍南部地区司令官で、ヤルムーク大隊を率いるバッシャール・ズウビー氏は『ハヤート』(9月29日付)に対して、旧税関地区制圧には、自由シリア軍に属する武装集団と、ヌスラ戦線をはじめとするイスラーム主義武装集団が参加したことを明らかにしたうえで、「対レバノン国境の戦闘はまだ終わっていない。我々は両国間のすべての国境通行所を解放し…、両国国境地帯全土を掌握する」との意思を示した。

『ハヤート』(9月29日付)によると、ダマスカスとアンマンを結ぶ主要幹線道路上のナスィーブ国境通行所は依然シリア軍の支配下にあるという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、サイドナーヤー町、タルフィーター村で、軍、人民諸委員会が、反体制武装集団と交戦した。

またラアス・マアッラ町、マイダヤー市を空爆する一方、反体制武装集団はカラムーン山地一帯の第413燃料庫を制圧した。

一方、SANA(9月28日付)によると、ザマルカー町と、ダマスカス県ジャウバル区、カーブーン区を結ぶ戦線に向かって軍が進軍、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またハラスター市、バハーリーヤ市周辺、ドゥーマー市、マイダアー町、ダーライヤー市、サイドナーヤー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アドラー市、ブルダーン市に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民3人が死亡した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がアドナーニーヤ村、アレッポ市ハーリディーヤ地区の軍施設・拠点を砲撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、ICARDA周辺、アレッポ州王刑務所、カブターン・ジャバル村、アイティーン村、カフルカール村、バーブ市、ラスム・アッブード村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市サラーフッディーン地区、アンサーリー地区、ブスターン・カスル地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アティマ村のイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)拠点を民主統一党人民防衛隊が攻撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、アルバイーン山周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月28日付)によると、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・地下トンネル・装備を破壊した。

またカッバース地区では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、子供1人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月28日付)によると、ムハージリーン村、ヒムス市ジャウラト・シヤーフ地区、カラービース地区、クスール地区、ダール・カビーラ村、カフルナーン村、キースィーン村、サムアリール村、ブルジュ・カーイー村、ガジャル村、ザーラ村、タルビーサ市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月28日付)によると、カーミシュリー市で、治安当局が住民の協力のもと、カッドゥール・ベク地区でシャームの民のヌスラ戦線メンバー15人を逮捕した。

レバノンの動き

NNA(9月29日付)によると、北部県アッカール郡のヌーラ村、クバイヤート村にシリア領から発射された迫撃砲弾3発が着弾し、兵士3人が負傷した。

諸外国の動き

『ハヤート』(9月29日付)は、イラク治安筋の話として、アンバール県のアーナ市、ワラーワ市が24日シリアから潜入したサラフィー主義(アル=カーイダ)武装集団の襲撃を受けたとしたうえで、対シリア国境地域の制圧をめざすこれらの組織の活動が活発化していると報じた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチの国連ディレクターのフィリップ・ボロピオン氏は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する国連安保理決議2118号に関して、「この決議は数百人の子供をガスで殺害したことをはじめとする深刻な犯罪に対する正義を保障することに失敗した」と批判した。

なおヒューマン・ライツ・ウォッチは、8月21日のダマスカス郊外県の化学兵器攻撃を口実に米国が準備したシリアへの軍事攻撃に対して態度を留保していた。

AFP, September 28, 2013、al-Hayat, September 29, 2013、Kull-na Shuraka’, September 28, 2013、Kurdonline, September
28, 2013、Naharnet, September 28, 2013, September 29, 2013、Reuters, September
28, 2013、Rihab News, September 28, 2013、SANA, September 28, 2013、Sky News
Arabic, September 28, 2013、UPI, September 28, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

化学兵器使用に関する国連調査団は国内7カ所での調査を行った末に10月末までに調査報告書を提出すると発表、国連安保理では「化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意」に法的拘束力を与える安保理決議第2118号を全会一致で採択(2013年9月27日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍の北の嵐旅団は「ナフラワーンの戦い作戦室」の名で声明を出し、アアザーズ市を含むアレッポ県全土でイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)に「戦線布告」すると発表した。

Kull-na Shuraka', September 27, 2013
Kull-na Shuraka’, September 27, 2013

これに先だって、ダーイシュは声明を出し、北の嵐旅団に28日晩までに「武器引き渡しと改悛」を求めていた。

**

『ザマーン・ワスル』(9月27日付)は、自由シリア軍司令官の情報として、シャームの民のヌスラ戦線の指導者アブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏が、ダイル・ザウル県でヌスラ戦線戦闘員がイラク・シャーム・イスラーム戦線(ダーイシュ)に協力していることを叱責した、と報じた。

同報道によると、ジャウラーニー氏は、9月初めにダイル・ザウル県スハイル市を視察訪問し、「戦闘面、素行面、宗教面での綱紀粛正」を戦闘員に求めたという。

**

シャームの民のヌスラ戦線のアミール、アブー・ウンス氏が、自由シリア軍とのインタビューに応じ、その映像がユーチューブなどを通じて配信された。

アブー・ウンス氏はインタビューのなかで、自由シリア軍に所属するイスラーム主義部隊の協力・連携のもと、ダルアー県のナスィーブ国境通行所に近いダルアー市旧税関地区制圧を行ったことを明らかにした。

https://www.youtube.com/watch?v=4d-xVjn-8OI

**

クッルナー・シュラカー(9月27日付)は、反体制活動家らの情報として、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)のジャラーブルス州(アレッポ県ジャラーブルス地方)の組織が、アッラーと預言者ムハンマドを中傷した者を死刑に処するとする警告文を回付している、と報じた。

シリア政府の動き

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は第68回国連総会出席のために訪問中のニューヨークで、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣、中国の王毅外交部長、アルジェリアのラムターン・アマーミラ外務大臣と相次いで会談し、シリア情勢について協議した。

SANA(9月27日付)によると、会談では、化学兵器廃棄に関する米露合意の履行、ジュネーブ2会議の開催などについて意見が交換されたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が、アフリーン市郊外のジンディールス地方ジャルマ村、サルーラ村を襲撃、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

またダーイシュは、アティマ市郊外のムハンマディーヤ村を砲撃した。

このほか、ハーディル村各所への軍の砲撃により11人が死亡した。

一方、SANA(9月27日付)によると、シャイフ・サイード市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アルバイド村、カスキース村、ムスリミーヤ街道、アレッポ市・イドリブ市街道、バーブ街道地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ県では、サラーフッディーン地区、スワイカ地区、ザフラーウィー地区、バニー・ザイド地区、アンサーリー地区、カッラーサ地区、サーフール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団、SANA(9月27日付)によると、ランクース市のハーリド・ブン・ワリード・モスク近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも30人が死亡、数十人が負傷した(その後(9月30日)、シリア人権監視団は、死者数が48人となったと発表した)。

またダーライヤー市、カラムーン山地一帯などが軍の砲撃を受ける一方、ジュダイダト・アルトゥーズ町一帯で、大規模な逮捕摘発活動を行った。

一方、SANA(9月27日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、バハーリーヤ市郊外、シャブアー町郊外、サイイダ・ザイナブ町郊外、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、ナバク市郊外、ルハイバ市、ナースィリーヤ村、フーシュ・アラブ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、SANA(9月27日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月27日付)によると、カルアト・ヒスン市、カフルナーン村、ダール・カビーラ村、タッルダハブ市、ガジャル・ガソリン・スタンド、タドムル市郊外、ブルジュ・カーイー村、カフルラーター村、キースィーン村、サムアリール村、タッルドゥー市、シャーイル山(ハマー県)西部、ヒムス市カラービース地区、ワルシャ地区、バーブ・フード地区、ジャウラト・シヤーフ地区、クスール地区、ハミーディーヤ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月27日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、カフルラーター市、アルバイーン山一帯、ナイラブ村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月27日付)によると、軍がナスィーブ・ジャービル国境通行所に近いダルアー市旧税関地区で反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員を殺傷した。

またアトマーン村、ナーフタ町、ヌアイマ村、ナワー市、東ムライハ町、タスィール町、ザアルーラ市、ガディール・ブスターン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ミシェル・スライマーン大統領はBBC Arabic(9月27日付)のインタビューに応じ、「(レバノンの)すべての当事者がシリアから戦闘員を撤退させるプロセスを行っている」と述べた。

一方、スライマーン大統領は『ハヤート』(9月28日付)に対して、「シリアの化学兵器はレバノンに密輸されておらず、レバノンにあるという証拠もない」と述べた。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団はダマスカスで声明を出し、化学兵器使用が疑われる7カ所での調査を9月30日までの予定で行い、10月末までに調査報告書を提出すると発表した。

調査が行われるのは以下7カ所:

1. アレッポ県ハーン・アサル村(3月19日使用疑い)
2. アレッポ県アレッポ市シャイフ・マクスード地区(4月13日使用疑い)
3. イドリブ県サラーキブ市(4月29日使用疑い)
4. ダマスカス郊外県東グータ地方(8月21日使用疑い)
5. ダマスカス郊外県フバーリーヤ市(8月22日使用疑い)
6. ダマスカス県ジャウバル区(8月24日使用疑い)
7. ダマスカス郊外県アシュラフィーヤ・サフナーヤー市(8月25日使用疑い)

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は第68回国連総会で一般討論演説を行い、シリアでの化学兵器使用問題に関して、西側に対して証拠がないままに、アサド政権に「嫌疑や非難」を向けるべきでないと非難、「バイアスのないかたちで」調査を行うよう呼びかけるとともに、安保理に対しては「事実のみに依拠して」同問題に検討を加えるよう求めた。

**

イランのハサン・ロウハーニー大統領は第68回国連総会出席のために訪問中のニューヨークで、「ジュネーブ大会であれ、別の国際会議であれ…、イランが参加すれば、シリア国民のためになるよう、実質的に参加の呼びかけに応えるだろう」と述べた。

**

国連安保理は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意(14日)に法的拘束力を与える安保理決議第2118号を全会一致で採択した。

同決議は、化学兵器使用を「国際社会の平和と安全への脅威」と位置づけ、8月21日のダマスカス郊外県で化学兵器攻撃を「もっとも強い言葉で非難」した。

アサド政権による合意不履行に関して、「国連憲章第7章のもと措置を講じる」と明記されているが、実際の制裁や武力行使については新たな決議の採択が必要となる。

このほか同決議は、すべての紛争当事者が参加し、移行期政府樹立などを骨子とする紛争の平和的・政治的解決をめざした2012年6月のジュネーブ合意を全面支持した。

国連安保理決議第2118号の全文は以下の通り(http://www.un.org/News/Press/docs/2013/sc11135.doc.htm):

“The Security Council,

“Recalling the Statements of its President of 3 August 2011, 21 March 2012, 5 April 2012, and its resolutions 1540 (2004), 2042 (2012) and 2043 (2012),

“Reaffirming its strong commitment to the sovereignty, independence and territorial integrity of the Syrian Arab Republic,

“Reaffirming that the proliferation of chemical weapons, as well as their means of delivery, constitutes a threat to international peace and security,

“Recalling that the Syrian Arab Republic on 22 November 1968 acceded to the Protocol for the Prohibition of the Use in War of Asphyxiating, Poisonous or Other Gases and of Bacteriological Methods of Warfare, signed at Geneva on 17 June 1925,

“Noting that on 14 September 2013, the Syrian Arab Republic deposited with the Secretary-General its instrument of accession to the Convention on the Prohibition of the Development, Production, Stockpiling and Use of Chemical Weapons and on their Destruction (Convention) and declared that it shall comply with its stipulations and observe them faithfully and sincerely, applying the Convention provisionally pending its entry into force for the Syrian Arab Republic,

“Welcoming the establishment by the Secretary-General of the United Nations Mission to Investigate Allegations of the Use of Chemical Weapons in the Syrian Arab Republic (the Mission) pursuant to General Assembly resolution 42/37 C (1987) of 30 November 1987, and reaffirmed by resolution 620 (1988) of 26 August 1988, and expressing appreciation for the work of the Mission,

“Acknowledging the report of 16 September 2013 (S/2013/553) by the Mission, underscoring the need for the Mission to fulfil its mandate, and emphasizing that future credible allegations of chemical weapons use in the Syrian Arab Republic should be investigated,

“Deeply outraged by the use of chemical weapons on 21 August 2013 in Rif Damascus, as concluded in the Mission’s report, condemning the killing of civilians that resulted from it, affirming that the use of chemical weapons constitutes a serious violation of international law, and stressing that those responsible for any use of chemical weapons must be held accountable,

“Recalling the obligation under resolution 1540 (2004) that all States shall refrain from providing any form of support to non-State actors that attempt to develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use weapons of mass destruction, including chemical weapons and their means of delivery,

“Welcoming the Framework for Elimination of Syrian Chemical Weapons dated 14 September 2013, in Geneva, between the Russian Federation and the United States of America (S/2013/565), with a view to ensuring the destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme in the soonest and safest manner, and expressing its commitment to the immediate international control over chemical weapons and their components in the Syrian Arab Republic,

“Welcoming the decision of the Executive Council of the Organization for the Prohibition of Chemical Weapons (OPCW) of 27 September 2013 establishing special procedures for the expeditious destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme and stringent verification thereof, and expressing its determination to ensure the destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons program according to the timetable contained in the OPCW Executive Council decision of 27 September 2013,

“Stressing that the only solution to the current crisis in the Syrian Arab Republic is through an inclusive and Syrian-led political process based on the Geneva Communiqué of 30 June 2012, and emphasising the need to convene the international conference on Syria as soon as possible,

“Determining that the use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic constitutes a threat to international peace and security,

“Underscoring that Member States are obligated under Article 25 of the Charter of the United Nations to accept and carry out the Council’s decisions,

“1.   Determines that the use of chemical weapons anywhere constitutes a threat to international peace and security;

“2.   Condemns in the strongest terms any use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic, in particular the attack on 21 August 2013, in violation of international law;

“3.   Endorses the decision of the OPCW Executive Council 27 September 2013, which contains special procedures for the expeditious destruction of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme and stringent verification thereof and calls for its full implementation in the most expedient and safest manner;

“4.   Decides that the Syrian Arab Republic shall not use, develop, produce, otherwise acquire, stockpile or retain chemical weapons, or transfer, directly or indirectly, chemical weapons to other States or non-State actors;

“5.   Underscores that no party in Syria should use, develop, produce, acquire, stockpile, retain, or transfer chemical weapons;

“6.   Decides that the Syrian Arab Republic shall comply with all aspects of the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 (Annex I);

“7.   Decides that the Syrian Arab Republic shall cooperate fully with the OPCW and the United Nations, including by complying with their relevant recommendations, by accepting personnel designated by the OPCW or the United Nations, by providing for and ensuring the security of activities undertaken by these personnel, by providing these personnel with immediate and unfettered access to and the right to inspect, in discharging their functions, any and all sites, and by allowing immediate and unfettered access to individuals that the OPCW has grounds to believe to be of importance for the purpose of its mandate, and decides that all parties in Syria shall cooperate fully in this regard;

“8.   Decides to authorize an advance team of United Nations personnel to provide early assistance to OPCW activities in Syria, requests the Director-General of the OPCW and the Secretary-General to closely cooperate in the implementation of the Executive Council decision of 27 September 2013 and this resolution, including through their operational activities on the ground, and further requests the Secretary-General, in consultation with the Director-General of the OPCW and, where appropriate, the Director-General of the World Health Organization, to submit to the Council within 10 days of the adoption of this resolution recommendations regarding the role of the United Nations in eliminating the Syrian Arab Republic’s chemical weapons program;

“9.   Notes that the Syrian Arab Republic is a party to the Convention on the Privileges and Immunities of the United Nations, decides that OPCW-designated personnel undertaking activities provided for in this resolution or the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 shall enjoy the privileges and immunities contained in the Verification Annex, Part II(B) of the Chemical Weapons Convention, and calls on the Syrian Arab Republic to conclude modalities agreements with the United Nations and the OPCW;

“10.  Encourages Member States to provide support, including personnel, technical expertise, information, equipment, and financial and other resources and assistance, in coordination with the Director-General of the OPCW and the Secretary-General, to enable the OPCW and the United Nations to implement the elimination of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme, and decides to authorize Member States to acquire, control, transport, transfer and destroy chemical weapons identified by the Director-General of the OPCW, consistent with the objective of the Chemical Weapons Convention, to ensure the elimination of the Syrian Arab Republic’s chemical weapons programme in the soonest and safest manner;

“11.  Urges all Syrian parties and interested Member States with relevant capabilities to work closely together and with the OPCW and the United Nations to arrange for the security of the monitoring and destruction mission, recognizing the primary responsibility of the Syrian Government in this regard;

“12.  Decides to review on a regular basis the implementation in the Syrian Arab Republic of the decision of the OPCW Executive Council of 27 September 2013 and this resolution, and requests the Director-General of the OPCW to report to the Security Council, through the Secretary-General, who shall include relevant information on United Nations activities related to the implementation of this resolution, within 30 days and every month thereafter, and requests further the Director-General of the OPCW and the Secretary-General to report in a coordinated manner, as needed, to the Security Council, non-compliance with this resolution or the OPCW Executive Council decision of 27 September 2013;

“13.  Reaffirms its readiness to consider promptly any reports of the OPCW under Article VIII of the Chemical Weapons Convention, which provides for the referral of cases of non-compliance to the United Nations Security Council;

“14.  Decides that Member States shall inform immediately the Security Council of any violation of resolution 1540(2004), including acquisition by non-State actors of chemical weapons, their means of delivery and related materials in order to take necessary measures therefore;

“15.  Expresses its strong conviction that those individuals responsible for the use of chemical weapons in the Syrian Arab Republic should be held accountable;

“16.  Endorses fully the Geneva Communiqué of 30 June 2012 (Annex II), which sets out a number of key steps beginning with the establishment of a transitional governing body exercising full executive powers, which could include members of the present Government and the opposition and other groups and shall be formed on the basis of mutual consent;

“17.  Calls for the convening, as soon as possible, of an international conference on Syria to implement the Geneva Communiqué, and calls upon all Syrian parties to engage seriously and constructively at the Geneva Conference on Syria, and underscores that they should be fully representative of the Syrian people and committed to the implementation of the Geneva Communiqué and to the achievement of stability and reconciliation;

“18.  Reaffirms that all Member States shall refrain from providing any form of support to non-State actors that attempt to develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use nuclear, chemical or biological weapons and their means of delivery, and calls upon all Member States, in particular Member States neighbouring the Syrian Arab Republic, to report any violations of this paragraph to the Security Council immediately;

“19.  Demands that non-State actors not develop, acquire, manufacture, possess, transport, transfer or use nuclear, chemical or biological weapons and their means of delivery, and calls upon all Member States, in particular Member States neighbouring the Syrian Arab Republic, to report any actions inconsistent with this paragraph to the Security Council immediately;

“20.  Decides that all Member States shall prohibit the procurement of chemical weapons, related equipment, goods and technology or assistance from the Syrian Arab Republic by their nationals, or using their flagged vessels or aircraft, whether or not originating in the territory of the Syrian Arab Republic;

“21.  Decides, in the event of non-compliance with this resolution, including
unauthorized transfer of chemical weapons, or any use of chemical weapons
by anyone in the Syrian Arab Republic, to impose measures under Chapter VII
of the United Nations Charter;

“22.  Decides to remain actively seized of the matter.

**

国連の潘基文事務総長は国連安保理決議第2118号採択に関して「国際社会は自らの任務を遂行した…。これは、長い期間を経たのちのかすかな希望だ」と述べた。

また潘事務総長は、ジュネーブ2会議を11月15日に開催すると発表し、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表が開催までの期間に、大会を成功させるために必要な準備を行うことを明らかにした。

『ハヤート』(9月29日付)が報じた。

**

バラク・オバマ米大統領は国連安保理決議第2118号採択に先立って「国際社会の大いなる勝利」だと述べるとともに、「この拘束力を持つ決議は、アサド政権が公約を実行しなければならず、不履行の場合は報いを受けることを保障している」と自賛した。

**

ジョン・ケリー米国務長官は国連安保理決議第2118号採択に関して「シリアの化学兵器の破壊」が米国の主な目的だったとしたうえで、「軍事力の行使によってもこの目的を実現できただろうが、安保決議はこれ以上のことを成し遂げた」と自賛した。

そのうえで「我々の目的は、アサド政権に8月21日に国民に対して化学兵器を使用したことを公の場で処罰することだ。安保理決議に従い、化学兵器に関わる高官は処罰されるだろう」と述べた。

一方、ジュネーブ2会議については、全権を委任された移行期政府の樹立が重要だとの見方を示した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は国連安保理決議第2118号採択に先だって「(化学兵器使用疑惑は)安保理のもとで正しく調査され、100%の確証を得ねばならない」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は国連安保理決議第2118号採択に関して「安保理はやっとその名にふさわしいことを行った」と述べた。

AFP, September 27, 2013、BBC Arabic, September 27, 2013、al-Hayat, September 28, 2013, September 29, 2013, September 30, 2013、Kull-na Shuraka’,
September 27, 2013、Kurdonline, September 27, 2013、Naharnet, September 27,
2013、Reuters, September 27, 2013、Rihab News, September 27, 2013、SANA, September
27, 2013、UPI, September 27, 2013、Zaman al-Wasl, September 27, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立のジャルバー議長ら使節団が米国務長官およびブラーヒーミー共同特別代表と会談し「ジュネーブ2会議に出席する」との意向を伝える、反体制武装集団が対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所の大部分を制圧(2013年9月25日)

SANA, September 25, 2013
SANA, September 25, 2013

反体制勢力の動き

国連総会に合わせてニューヨークに滞在中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら使節団が、ジョン・ケリー米国務長官、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

『ハヤート』(9月26日付)によると、会談でケリー米国務長官は、シリアの化学兵器廃棄に関する米露合意の実施、反体制勢力への軍事支援、ジュネーブ2会議開催を通じた政治的解決の必要を確認する一方、「過激派の台頭への懸念」を表明したという。

一方、ジャルバー議長は、ブラーヒーミー共同特別代表との会談で、全権を有する移行期政府樹立に向けてジュネーブ2会議に出席するとの意向を伝えたという。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアナス・アブダ報道官は、シャームの民のヌスラ戦線など13の武装集団が連立および連立が発足をめざしている移行期政府を拒否したことに関して「ヌスラ戦線、ないしはアル=カーイダに属するいかなる組織による承認も求めないと強調する」と述べた。

アブダ報道官はまた、シリア革命反体制勢力国民連立の使節団が国連総会に合わせてニューヨークを訪問中に声明が発せられたことを「タイミングがまったくふさわしくない」と非難した。

**

『ハヤート』(9月26日付)によると、自由シリア軍に属するという士官100人以上が共同声明を出し、ジュネーブ2会議をボイコットする意思を示した。

声明は、自由シリア軍創設者のリヤード・アスアド大佐や、マーリク・クルディー大佐らが署名している。

士官らは声明で「アサド政権とのいかなる対話、そして現政権打倒以外に事態に帰結しようとするいかなる大会もあらためて非難するとともに、イラン政府が問題の一部をなしており、シリアをめぐるいかなる大会にも参加すべきでないと述べる」と非難した。

**

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、ラワーン・カッダーフさんに「結婚ジハード」を強要されたと証言させたシリア・アラブ・テレビの番組に関して「戦争犯罪だ」と非難した。

**

シリア民主フォーラムは声明を出し、シリアの化学兵器廃棄をめぐる米露合意が、シリアへの軍事攻撃を回避したと評価しつつ、アサド政権による暴力を停止させるために引き続き圧力をかけ続けるよう国際社会に呼びかけた。

シリア政府の動き

アサド大統領はヴェネズエラの国営放送Tele Surの単独インタビューに応じた(http://sana.sy/ara/2/2013/09/26/504394.htm)。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

「テロリストたちは一つのメッセージを表明しているだけだ。彼らが担っているのは不正に満ちた暗黒の教えだ。彼らにとって自分たちと同じように考えない者は、生きるに値しない人間だ…。一方、外国が資金援助、煽動、計画するテロ活動があり、祖国にはもはや希望がないとシリア人を絶望させようとしている…。しかし、こうしたテロ活動は別の影響をもたらした。シリア人は今日、これまで以上に祖国を守ろうと結束している」。

「米政府の言説は最低限の信頼さえない…。シリア危機が発生した当初から、米国の政策は嘘のうえに作られていた…。8月21日にシリアで化学兵器が使用されたという問題が生じると、米政権は直接ねつ造に関与した。しかし、米政権は自らの主張を裏付ける証拠を何ら示していない。つまり、実質的に米国民を欺いたのだ」。

「国連憲章第7章(に基づく安保理決議)に関して、我々は懸念していない。なぜならシリアは自らが署名したすべての合意を履行しているからだ」。

「米国が攻撃する潜在的可能性は常に存在する。あるときは化学兵器を根拠とし、また別のときには別の口実を根拠とするからだ。重要なのは、米国が過去数十年やっていることが、安保理、国連憲章、国家を守る者たち権、人道的・道徳的慣習のすべてを無視したものだということだ。我々は常に、世界のどこかで(攻撃の)可能性があることを踏まえておかなければならない。これが今のシリアに起きていることだ…。しかし米国が行ってきた戦争や介入は、米国の国益に反している…。米国民の利益に反している」。

「米国は今、シリア国民に誰が政権に入るのか、そして誰が政権から去るのかを強要することなどできない。この問題は100%シリア国民の希望に従うものだ。友好国でさえ、この問題に何の役割も果たすことはできない」。

「実際のところ、私は、米国が介入を止めれば世界はよりよくなると考えている。我々は米国に誰かを助けてもらいたいなどと思っていない。我々は世界のすべての問題を解決できないといったのはオバマだ。米国が世界のすべての問題を解決しない方がよい」。

「シリアの危機に対するイランの姿勢は極めて客観的だ。なぜなら、シリアで起きていることの真実を知っているからだ」。

(グータ地方での化学兵器攻撃に関して)「実質的な証拠のすべては、テロリストがダマスカス周辺で化学兵器を使用したことを示している」。

「正確を期すると、これらの集団にサウジアラビアやカタールが化学兵器を提供したことを示すものはない。しかし、これらの国がシリア危機発生当初からテロリストを支援してきたことは周知の事実だ。彼らはあらゆる最新鋭兵器を提供してきた…。とくにサウジアラビアには、この種の物質をテロリストに供与する能力がある」。

「イスラエルは敵国だ…。今日、対シリア戦線の複数の地域でテロリストを直接支援している。つまりゴラン高原で、兵站、医療、情報支援を行い、テロリストに武器装備を供与している」。

「イスラエルの核兵器に関して、誰も何も言わない…。米国によってあらゆる政策、そしてあらゆる犯罪を完全に保護されているならず者国家だからだ。こうした保護が…安保理、そして国連で存在する限り…、イスラエルの武器が議題に上ることはない」。

「ジュネーブ2会議は、シリアのすべての成員による対話の道を開くうえで、不可欠で重要なステップだ。しかし、ジュネーブ2会議は、シリア国内の対話に置き換えることはできない。国民投票を経ねばならない国民の意見に代わるものなど決してない。これは、シリアの危機を解決するための政治プロセスに関する我々の基本路線だ。しかし、こうした対話すべては、テロ支援が停止されなければ、いかなる実質的な結果も現地でもたらさない」。

「国外にいる当事者について言うと、我々は彼らの背後にいる国々に(対話への参加の有無を)聞かねばならない。米国、フランス、英国、サウジアラビア、カタールなどといった国にだ…。彼らはシリア国民に属していないがゆえに、これらの国にジュネーブに行けと言われれば来るし、こうしろと言われれば、その通りにするだろう」。

「我々には立ち向かう以外の選択肢はない。なぜなら、この地域の未来は政治的に、シリアで起きることにかかっているからだ。我々はシリアだけを守っているのではない。我々の国益だけを守っているのではない。我々の原則だけを守っているのではない。我々は我々の国民、この地域のすべての未来を守っている。この地域は世界の心臓だ」。

**

バッシャール・ジャアファリー国連代表は声明を出し、第68回国連総会で一部の国が、シリアでの紛争の当事者をジュネーブ2会議に向かわせようとせず、シリアやイランに批判を集中させている、と批判した。

国内の暴力

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が、対ヨルダン国境のナスィーブ国境通行所で、軍と交戦の末、兵士数十人を殺害し、同通行所の施設など大部分を制圧した。

反体制武装集団はまた、通行所西側一帯、空軍情報部の施設なども合わせて制圧したという。

ヤルムーク旅団の司令官を名乗るバッシャール・ズウビー氏は『ハヤート』(9月26日付)に、「ナスィーブ国境通行所の約70%を制圧した」ことを明らかにした。

またズウビー氏は、ダルアー県を拠点とする軍事評議会(アフマド・ファフド・ニウマ司令官)が「この計画にはまったく関係ない」と述べ、同県での戦闘をめぐって対立し合っていることを示唆した。

さらに『ハヤート』(9月26日付)は、この攻撃が、シャームの民のヌスラ戦線、聖なる家の翼大隊など自由シリア軍に属さないサラフィー主義者が、自由シリア軍南部作戦司令室との調整のもとに主導したと伝えた。

同紙によると、この攻撃を受け、ヨルダン軍の増援部隊が対シリア国境に展開し、厳戒態勢を強化した。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月26日付)によると、アレッポ国際空港に近い防衛工場機構周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、戦闘員4人が死亡、またアズィーザ村での戦闘では軍兵士10人が死亡した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アッサーン村、シャイフ・サイード村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、カフルカール市、バナーン・フッス市、ダイル・ハーフィル市、フマイマ村、アブー・ジャッバール村、ミンタール村、ハイヤーン町、ダフラ・ナジュム村、アッザーン村、ラスム・ウカイリシュ村、アズィーザ村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、アバウィード村で、ラヒーヤ村から避難してきた住民5人(子供2人を含む)が軍によって処刑された。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アブー・ズフール航空基地周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(9月25日付)によると、アルバイーン山周辺の村々、カフルラーター市、マアッラトミスリーン市、アブー・ズフール航空基地周辺、ブワイティー市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ラアス・アイン市近郊のハミード村で、民主統一党人民防衛隊が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と交戦の末、同村を制圧した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ヤルムーク区、ジャウバル区、バルザ区を軍が砲撃した。

一方、SANA(9月25日付)によると、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月25日付)によると、軍がザマルカー町のザマルカー橋で、反体制武装集団を殲滅、道橋および周辺一帯を完全制圧した。

またマアルーラー市では、サフィール・ホテル周辺などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殲滅した。

このほか、シャイフーニーヤ村、ビラーリーヤ村、シャブアー町郊外、フジャイラ村、ダーライヤー市、ヤブルード市、ラアス・アイン市、ナースィリーヤ村、アトナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、グータの盾大隊、ルクンッディーン殉教者大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月25日付)によると、バイト・イブリフ村、ラビーア町で、軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦、外国人戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月25日付)によると、タドムル市郊外の農場地帯、キースィーン市、ガジャル村、タルビーサ市、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、ザアフラーニナ市、ラスム・サブア市、ラッフーム村、ハワーディーブ市、ヒムス市バーブ・フード地区、ワルシャ地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ナハールネット(9月25日付)は、ベカーア県バアルベック郡アルサール市で、軍の警告を無視して検問所を立ち去ろうとしたミニバスに軍が発砲、乗っていた1人が死亡、2人が負傷した、と報じた。

同報道によると、殺害されたのはシャームの民のヌスラ戦線メンバーだという。

諸外国の動き

化学兵器使用に関する国連調査団が、シリア国内での調査を再開するため、再入国した。

アンジェラ・ケイン国連軍縮問題高等代表はアラビーヤ(9月25日付)に対して、調査団が8月の訪問時に予定していた3カ所(アレッポ県ハーン・アサル村、ヒムス市、ダマスカス郊外県タイバ村)での調査を行うと述べた。

**

英国のニック・クレイグ副首相は、シリア人避難民への人道支援策として1億6,000万米ドルの追加支援を行うと発表した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官と会談し、ヨルダンとレバノンのシリア人避難民への支援策として、1,000万米ドル相当の支援を行うことを明らかにした。

**

国連の常任理事国5カ国の外相と潘基文事務総長が会談し、シリア情勢への対応について協議した。

**

チュニジアのルトフィー・ベン・ジッドゥー内務大臣は地元ラジオ(9月25日付)に対して、チュニジア人青年を軍事教練施設やシリアに送り込み、テロ活動を行わせようとしたネットワークを摘発、これまでに約300人を逮捕したと述べた。

AFP, September 25, 2013、al-Hayat, September 26, 2013、Kull-na Shuraka’, September 25, 2013、Kurdonline, September
25, 2013、Naharnet, September 25, 2013、Reuters, September 25, 2013、Rihab
News, September 25, 2013、SANA, September 25, 2013、UPI, September 25, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ヌスラ戦線を含むサラフィー主義武装集団13組織がシリア革命反体制勢力国民連立と同連立暫定政府を拒否するとの声明を発表、オバマ大統領は国連総会の一般討論演説のなかで「化学兵器で子供たちを殺したアサド政権が正統性を失っている」とを改めて主張(2013年9月24日)

反体制勢力の動き

シリアのサラフィー主義武装集団13組織が共同声明(声明第1号)を発し、シリア革命反体制勢力国民連立と同連立暫定政府を拒否すると発表、また反体制武装集団に対して、シャリーアのもとに統合するよう呼びかけた(http://www.youtube.com/watch?v=Lj1bheERxzs&feature=player_embedded)。

Kull-na Shuraka', September 24, 2013
Kull-na Shuraka’, September 24, 2013

「声明第1号」に署名したのは、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム・イスラーム自由人運動、タウヒード旅団、イスラーム旅団、シャームの鷹旅団、シャーム・イスラーム暁運動、イスラーム・ヌール運動、ヌールッディーン・ザンキー大地、アレッポ「命令に従い正しく進め」連合、第19師団、アンサール旅団。

**

イスラーム旅団のザフラーン・アッルーシュ司令官はビデオ声明を出し、ダマスカス県およびダマスカス郊外県に「アサド政権を打倒するためのダマスカス作戦室」を開設したと発表した(http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=FeNghh3RPn8)。

アッルーシュ司令官によると、同作戦室は以下の反体制武装集団から構成されるという。

イスラーム旅団
フィルカーン旅団
ハビーブ・ムスタファー旅団
シャーム・イスラーム自由人運動
サハーバ旅団・大隊
ムスリミーン軍旅団

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、国連第68回総会に合わせてニューヨークに滞在中のシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長ら連立幹部が、アラブ各国の閣僚と会談し、シリア情勢について協議したと報じた。

シリア政府の動き

ムハンマド・ジハード・ラッハーム人民議会議長はダマスカスを訪問中の欧州の報道機関の使節団と会談した。

会談で、ラッハーム議長は、シリアで起きていることを客観的に報道し、シリア国民に対する武装テロ集団の犯罪を国際世論に知らしめることが報道機関に求められていると述べるとともに、米英仏が、ロシアによる化学兵器廃棄のイニシアチブにもかかわらず、依然としてシリアの危機を長引かせようとしていると非難した。

そのうえで、「シリア国民が民主主義、自由、人権保護を欲していると主張する米国などが、憲法も持たない…同盟国のサウジアラビアやカタールについての関心を示さない」と指摘、シリア国民に関心を示すのであれば、「テロとの戦いに関する国連決議を遵守し、シリアへの武器とテロリストの流れを止めるべきだ」と主張した。

**

『ジュムフーリーヤ』(9月24日付)は、アサド大統領の資産が5億5,000万米ドルから15億米ドルだと西側諸国の専門家が推計している、と報じた。

同紙によると、ラーミー・マフルーフの資産は推計で50億米ドルに達し、また2011年以降の米国による制裁で米国が凍結したアサド大統領の資産は8,000万米ドルだけだという。

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、法務省の信頼できる消息筋の話として、国民安全保障会議が、テロ法廷検事長に対して、大統領のいとこで反体制活動家のリーバール・アサド氏の起訴を要請したと報じた。

**

シリア・アラブ・テレビ(9月24日付)は、父親に「結婚ジハード」を強要されたというラワーン・カッダーフさんの証言を放映した。

al-Hayat, September 26, 2013
al-Hayat, September 26, 2013

カッダーフさんはダルアー県出身の16歳で、父親にレイプされたあと、反体制武装集団に売られ、性的関係を強要された、と証言した。

しかしこの放送に対して、フェイスブックなどで、証言がプロパガンダだとの批判が相次いだ。

**

クッルナー・シュラカー(9月25日付)は、複数の活動家の話として、リヤード・サーリヒーン大隊が、ワダーフ・ジャミール・アサド大尉(大統領のいとこ)を捕捉したと報じた。

ユーチューブ(9月24日付)にアップされた映像で、ワダーフ・アサド大尉は、自身が第127戦車旅団に所属し、ダマスカス県に向かう途中で捕らえられたと自供、軍の将兵に「バッシャール・アサドは必ず倒れる」と述べ、離反を呼びかけた。

http://www.youtube.com/watch?v=A1DnBhWvkTw&feature=player_embedded

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプ郊外の第7師団基地周辺で軍と反体制武装集団が交戦、反体制武装集団が第88旅団基地を迫撃し、タッル・ルカイス、タッル・ブーザの軍の拠点2カ所を制圧した。

これに関して、『ハヤート』(9月25日付)は、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人大隊、サハーバ大隊が反体制武装集団に対する軍の包囲を解除するために反転攻勢をかけている、と報じた。

ダマスカスに本部を構えているというサハーバ大隊の司令官でアブー・ムアーッズを名のる活動家によると、この反転攻勢は、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市などへの包囲を解除し、食糧、医薬品、武器を供給することをめざしているという。

一方、SANA(9月24日付)によると、ハラスター市、リーハーン農場、シャブアー町郊外、フジャイラ村、ダーライヤー市、ザバダーニー市郊外の山間部、マアルーラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、イスラーム旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団などによると、タダームン区で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも7人が死亡、15人が負傷した。SANA(9月24日付)によると、この爆発で3人が死亡、11人が負傷した。

同地区は23日に、バアス党シリア地域指導部のヒラール・ヒラール副書記長が視察したばかり。

またSANA(9月24日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、『ハヤート』(9月25日付)によると、ラアス・アイン市郊外のジャーファー村の北部郊外一帯を民主統一党人民防衛隊が完全制圧した。

人民防衛隊は、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)、シャームの民のヌスラ戦線と数日にわたる戦闘の末、同地を制圧した。

これに関して、クッルナー・シュラカー(9月24日付)は、人民防衛隊がジャーファー村(ヤズィーディー派の村)、ダルダーラ村、および周辺の農場を完全制圧したと報じた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラト・ヌウマーン市に対する軍の砲撃で、市民3人が死亡した。

**

アレッポ県では、AFP(9月24日付)が、アレッポ市郊外工業地区の住民が避難先から徐々に帰宅し、日常生活再開に奮闘している、と報じた。

一方、SANA(9月24日付)によると、アレッポ市サラーフッディーン地区、アシュラフィーヤ地区、ジュダイダ地区、マーリキーヤ村、アレッポ中央刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、マンスーラ村、バヤーヌーン町、ダイル・ジャマール村、ナイラブ村、バーブ市北部、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、シャイフ・サイード村、クワイリス村、ラスム・アッブード村、カフルカール村、バナーン・フッス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月24日付)によると、ダルアー市各所、カフルシャムス町、ムザイリーブ町、タファス市、サイダー町、ブスル・ハリール市、アトマーン村、マイーナ市、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ラフィード市、ヒーラーン村、ザアルーラ市、マアラカ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、SANA(9月24日付)によると、ジャディード・アカイダート村、ダイル・ザウル市ムワッザフィーン地区、ウルフィー地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

LBCI(9月24日付)などによると、アレッポ県アアザーズ市で反体制武装集団に拉致されたシーア派巡礼者の家族が、トルコ大使館前で抗議デモを行い、シリアの反体制勢力に圧力をかけ、家族を解放するよう求める一方、「我々はレバノンのすべてのトルコ人に対して嫌がらせを行うだろう。我々の行動が気にいらなければ、レバノンから立ち去ることができる」と脅迫した。

諸外国の動き

バラク・オバマ米大統領は第68回国連総会で一般討論演説を行い、アサド政権に関して「国民を殺戮し、子供たちをガスで殺した指導者は、破壊しつくされた国で統治の正統性を回復することはできない」と述べた。

また「ロシアとイランは、アサド政権の存続に固執することは、両国が恐れている結果、テロリストによるさらなる暴力がシリアを席巻するという結果を直接招くということを悟る時が来た…。シリアが戦争前の状態に戻ると考えることは幻想だ」と警告した。

そのうえで化学兵器廃棄問題に関して「アサド政権に誓約を遵守させるための強力な安保理決議を作らねばならない」と述べ、国連憲章第7章に依拠する決議採択を主張するとともに、こうした決議が採択できない場合「国連は国際法の基本すら科すことができなくなってしまう」と警鐘を鳴らした。

さらに「米国がシリアで望んでいるのは、シリア国民の普通の生活、隣国の安定、化学兵器廃棄に反するものではない。シリアはテロリストの温床にならないことを明言する」と述べた。

**

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は国連第68会総会で一般討論演説を行い、「この戦争(シリアの紛争)は地域の安定と平和を真に脅かすものとなった。冷戦時代の代理戦争が繰り返されることで、シリアにさらなる混乱がもたらされる」と懸念を表明した。

ギュル大統領はシリアの化学兵器廃棄に関する米露合意を歓迎する一方、アサド政権が「(化学兵器使用以外の)犯罪の責任を免れることがあってはならない」と主張、「パワー・バランス」を維持する政策が紛争を長引かせるとしたうえで、アサド政権を打倒するための戦略を国際社会と近隣諸国は推し進めるべきだと呼びかけた。

そのうえで「我々はシリア国民を放置しておくことはできないし、そうすべきでない…。強力な支援の言葉は今、真の行動を伴わなければならない」と訴えた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は国連第68会総会で一般討論演説を行い、イランに対して、シリアの化学兵器廃棄に向けた「具体的なイニシアチブ」を発揮するよう求めた。

そのうえで国連憲章第7章に基づく安保理決議の採択を呼びかけた。

**

カタールのタミーム・ビン・ハマド首長が第68回国連総会で一般討論演説を行い、国際社会に対して、シリアでの化学兵器攻撃をはじめとする犯罪への追及がなされなければ「人権や国際法のしくみが信頼を失うだろう」と懸念を示した。

**

国連の潘基文事務総長は第68回総会で演説し、「国際社会は化学兵器使用に関与した者を裁かねばならない」と述べた。

**

『ハヤート』(9月25日付)は、ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣が会談し、シリアの化学兵器廃棄に関する国連安保理決議案について協議したと報じた。

同報道によると、会談ではロシア側の提案についての協議が行われたが、同案は西側諸国が求めている「強い内容」ではない、という。

**

ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、連邦議会下院で「(シリア政府の)協力拒否、誓約不履行、ないしは誰であれ、化学兵器を使用した場合になされる一連の措置の一つとして、国連憲章第7章に言及することもあり得る」と述べた。

しかし「国連安保理決議が憲章第7章に基づくことはあり得ず、制裁や力の行使が自動的になされることはないと改めて繰り返す。安保理決議は常に、化学兵器禁止機関の執行理事会の決定を支援するものではねければならない」と強調した。

**

米ホワイトハウスは、周辺諸国のシリア人避難民の流入などに対処するため、3億4,000万米ドルの追加支援を行うと発表した。

これにより、米国の人道支援総額は14億米ドルになるという。

このうち、レバノン軍の国境警備体制の強化のために870米ドルを、また避難民対策として7,400万米ドルがレバノンに供与されるという。

**

『ハヤート』(9月24日付)は、ヨルダン閣僚の話として、ヨルダン政府がシリアでの戦闘に参加しようとしているサラフィー主義者に対して大規模な摘発キャンペーンを行っていると報じた。

同報道はまた、サラフィー主義指導者の話として、この摘発キャンペーンで、約120人が逮捕されたと伝えた。

彼らは、シリアに潜入し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)やシャームの民のヌスラ戦線に合流しようとしていたという。

**

ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、第68回国連総会に合わせて声明を出し、「炎上している都市に平和と繁栄の家を建てることはできない。今日、我々は地域の炎上を無視できない…。未来を守るため、世界は我々とともにこの火災を止めねばならない」と述べた。

アブドゥッラー2世はシリアの紛争を「人道レベル、安全保障レベルにおいて国際的な災害」としたうえで「過激派が、シリアの人種的宗教的分断を利用している」と非難し、「シリアでの流血を止めるため、政治的移行プロセスを加速させる時が来た」と述べ、国際社会に行動を求めた。

AFP, September 24, 2013、al-Hayat, September 24, 2013, September 25, 2013、al-Jumhuriya, September 24, 2013、Kull-na Shuraka’, September 24, 2013, September 25,
2013、Kurdonline, September 24, 2013、LBCI, September 24, 2013、Naharnet,
September 24, 2013、Reuters, September 24, 2013、Rihab News, September 24,
2013、SANA, September 24, 2013、UPI, September 24, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

クルド・シリア民主党がシリア・クルド国民評議会からの脱会を発表するなか、ヌスラ戦線を含むサラフィー主義諸組織がアアザーズ市におけるイスラーム国の停戦合意不履行に対応するための会合を開く(2013年9月23日)

反体制勢力の動き

シリア革命反体制勢力国民連立のワリード・ウマリー氏はクッルナー・シュラカー(9月23日付)に、「優先的に実施されねばならない…多くのアイデアがあるにもかかわらず…、決定が遅れている」としたうえで「一部の古参が活動を止め、事態を硬直化させている」と非難した。

**

ダマスカス郊外県東グータ地方で活動する市民諸委員会を代表する革命通信調整局は声明を出し、反対女性活動家のラッザーナ・ザイトゥーナ弁護士が、自宅前で何者かからの発砲を受け、3日以内に立ち退くよう脅迫を受けたと発表、彼女との連帯の意思を表明した。

**

クッルナー・シュラカー(9月24日付)によると、クルド・シリア民主党(ジャマール・シャイフ・バーキー書記長)が、シリア・クルド国民評議会からの脱会を発表した。

脱会は、シリア・クルド国民評議会が、参加政党に評議会以外の政治同盟からの脱会を求めたことに抗議したもの。

クルド・シリア民主党は、民主統一党とともに、民主的変革諸勢力国民調整委員会に参加している。

また脱会の背景には、シリア・クルド国民評議会のシリア革命反体制勢力国民連立への合流がある、という。

なおシリア・クルド国民評議会の要請に対して、シリア・クルド・アーザーディー党はシリア国民民評議会を脱会し、要請に従った。

一方、シリア・クルド国民評議会のファイサル・ユースフ前事務局長はフェイスブックで、クルド・シリア民主党が評議会脱会を受けて、民主統一党との戦略的協力合意を結んだと綴った。

シリア政府の動き

アサド大統領は中国中央電視台(CCTV)のインタビューに応じた(http://middleeast.cntv.cn/2013/09/23/VIDE1379913323970489.shtml)。

SANA, September 23, 2013
SANA, September 23, 2013

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

(シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して)「おそらく一つだけ困難がある。それは一部地域の治安状況による基本的な困難で、これらの地域には査察団が入ることを…許さないだろう。武装集団がいる地域のことを言っている。彼らはおそらくこうした活動を妨害しようとしている。つまり査察団が入ることを阻止しようとするだろう。我々はこれらのテロリストが外国の命令のもとに活動しており、テロリストは査察団が入ることを妨害することで、シリア政府が合意実施を妨害していると非難しようとするだろう」。

「一部の国が、シリア政府を非難する目的で、査察団を攻撃することをテロリストに求めれば(化学兵器廃棄の合意への履行が遅れることもある)…。テロリストがいろいろな場所に出没できることをご存じでしょう。彼らは特定の地域にとどまっているわけではない。しかしこうしたことは潜在的にあり得るだけだ」。

(化学兵器の保有に関して)「シリアはこの兵器(化学兵器)を数十年前から製造している。大量にあるのは当然のことだ。なぜなら我々は戦時下の国だ。我々には40年も前に占領された土地がある。しかし、いかなる状況下でも、シリア軍は基本的に、伝統的兵器のみで戦闘を行う準備をしてきた」。

「どんな国、どんな国においても、化学兵器は常にテロリストなどの破壊分子の手に渡らないよう、特別な条件下で保管されている。こうした集団は敵対する国から送り込まれる。しかし、この問題に関しては心配することはない。シリアの化学兵器は安全な地域、場所にある。シリア・アラブ軍がこれらの場所を完全に掌握している」。

(化学兵器廃棄の合意を遵守し得るか否かに関して)「この点に関しては二つの理由で心配はない。第1に、シリアは独立以来、自らが署名したすべての合意を遵守している…。我々を安心させるもう一つの点は、中国とロシアが安保理で果たしている役割である。両国は安保理がシリアへの攻撃を正当化するような根拠として利用されないよう努めている。しかし、米英仏が安保理決議案、ないしは米露合意をめぐって彼らが望んでいる合意を通じてやろうとしていることは、自分たちをシリアという想像上の敵との戦いにおける勝者に見せようとすることが目的だ。だから我々は、この手の合意…に関心を示したり、懸念したりしなくてもよいのだ」。

「米国は戦争を正当化する理由を探したければ、別のさまざまな理由を探すことができる。米国は戦争を止めようとはしない。なぜなら化学兵器の引き渡しに関しては、シリアとロシアが合意しているだけだからだ。また、世界中、そして米国内でシリアへの戦争が拒否された。なぜならその理由が満足いくものではなかったからだ…。米国が他国に対して覇権主義的な政策を続けたいと考えている限り、我々は現下の危機とは別に懸念し続けねばならない。とくに、西側諸国は、国連憲章、国際法を度外視しようといるなか、常に懸念し続けねばなんらない」。

「シリア軍は伝統的戦争を基本として構築されている。化学兵器(廃棄)はこの問題(シリア軍への武力)に影響を与えないだろう…。化学兵器の使用を自殺だと言う人もいる。我々シリアは、自殺に向かうことはない」。

「1980年代に我々が化学兵器の製造を始めたとき、シリアとイスラエルの間で伝統兵器に関して大きな格差があった…。1990年代後半に、シリアは化学兵器の製造を停止した。なぜなら、伝統兵器に関する格差の一部が解消されたからだ…。1980年代にあった化学兵器保有の根拠がもはや基本的にはなくなっていたのだ。だから、私は2003年に中東全体における大量破壊兵器の廃棄を(安保理に)提言したのだ」。

「化学兵器が見返り(として供与された)とは言えないが、我々とロシアの間には武器に関するさまざまな契約がある。それゆえシリアの軍備増強は(ロシアとの)合意以前から行われており…、化学兵器の問題とも無関係だ。関係があるのは、我々はイスラエルと敵対しており、領土を占領されているという点だ。我々は伝統的軍備を増強するのは当然なのだ…。(ロシアから供与を受けた軍備の一例としては)対空防空兵器がある」。

(8月21日のグータ地方での化学兵器攻撃に関して)「(反体制武装集団が使ったことを示す)さまざまな証拠がある。さまざまな化学物質に関する物的証拠、そしてこれらの物質の保存手段などであり、それらは数度に分けてロシア側に送られた…。別の理由としては、隣国からこれらの物質の一部を運んだとするテロリストの自供もある。これについてはシリアのテレビで放映された」。

(ジュネーブ2合意に関して)「我々はジュネーブのイニシアチブを当初から支援してきた…。ジュネーブ大会に希望を抱いている。しかし希望は現実的なものでなければならない…。ジュネーブ大会の成功を保障する第1の要素は、テロ活動の停止、国外からのテロリストの潜入の停止、これらのテロリストへの武器、資金の提供の停止だ。これを実行しなければ、いかなる政治的活動も幻想となってしまうし、何の価値もなくなってしまう」。

(ジュネーブ大会開催にふさわしい状況かとの問いに対して)「問題はシリア政府でも、ロシア、中国、イラン、そして世界の多くの国にあるのではない…。問題は実際には、米国をはじめとする一部西側諸国にある。これらの国は、テロリストに有利なような現地の軍事情勢を実現しようとして、ジュネーブ大会に入ろうとしている。また別の理由もある。彼らは今もなおいわゆる反体制勢力の統合を実現できていない。むろん、それはシリア国民に属していないので反体制勢力でもないのだが…。常に彼らどうしの間で戦いが起きている…。しかし我々は…このステップ(ジュネーブ2会議)を行うのにふさわしいと考えている」。

(ジュネーブ2会議へのシリア政府の参加の条件に関して)「一部の国の反体制武装集団への武器・資金援助は条件ではない…。シリアのあらゆる場所でテロリストが破壊殺戮を行えば、(ジュネーブ2会議で)真の行動などあり得ない。前提条件について話はしないが…。大会開催後もテロが続けば、その限りにおいて大会には価値はない」。

「我々は武器を持ついかなる者との交渉も受け入れない。我々は反体制勢力と交渉する。反体制運動とは政治活動だ。反体制運動が人々を殺すテロ活動であることはない。それゆえ、我々は武装蜂起した者とは交渉する…。また外国の介入を受け入れるすべての者との交渉も受け入れない。軍事介入であれ、政治介入であれ」。

「これらの者(テロリスト)の大部分はシリアの国外からやって来る…。もしシリア国民、シリア社会が、テロリストを支援していれば、彼らはより強力だっただろう。またシリア社会が軍を支援すれば、軍はより強い存在になる。それゆえ、現地のパワー・バランスに関していうと、事態は軍にとって有利である。大部分のシリア人が軍を支持しているので、軍は過去数ヶ月間進軍を続けてきた」。

「国家とテロリストの間に戦闘停止はあり得ない。世界じゅうの国家が憲法に従って、市民を攻撃するあらゆるテロと戦う義務がある。なぜなら国家が市民を守るというのは自明のことだからだ。停戦すれば、テロリストを承認することになる。さらに、そうすれば、我々は国民を防衛するという任務を放棄することになる」。

(ジュネーブ2会議参加をめぐる政府のレッドラインに関して)「レッドラインは第1に、市民、国家、軍に武器を向けることだ。第2に、どのようなかたちであれ外国の介入を唱道することだ」。

(2014年の大統領選挙へのアサド大統領の出馬を国民が望んでいると思うかとの問いに対して)「国民の一部は望んでいて、一部が望んでいないことは自明だ。多数派が誰かを特定するデータはない。しかし兆候はある。危機が始まって2年半を経ても、シリア国民が国家を支持質しているという兆候だ」。

「中国はあらゆる意味で世界的な大国だ。政治、軍事、経済の面で。しかし我々シリアにとって今重要なのは、中国がシリアの危機を通じて行ってきた姿勢だ。とりわけロシアとの強力を通じて中国が示してきた基本姿勢は、シリアの危機に良い影響を与えてきた…。こうした役割が、シリアへの攻撃を行うために安保理を利用しようとした一部の西側諸国の動きを阻止した」。

国内の暴力

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、バーブ・ハワー国境通行所に近いハザーヌー町周辺で、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)と地元の反体制武装集団(自由シリア軍)と交戦し、ダーイシュの指導者の一人でリビア人のウサーマ・ウバイディー(アブー・アブドゥッラー・リービー)を含むダーイシュ戦闘員13人が死亡した。

al-Hayat, September 24, 2013
al-Hayat, September 24, 2013

またクッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、ハザーヌー町の地元戦闘員6人と少女1人も死亡したという。

複数の目撃者によると、ダーイシュはアレッポ県のバーティヌー村を制圧した後、ハザーヌー町周辺に検問所を設置、またザーウィヤ山にも進入しているという。

シリア人権監視団は、ダーイシュがハザーヌー町出身者2人を逮捕しようとして戦闘が発生したと発表したが、クッルナー・シュラカー(9月23日付)は、21日のハーリム市郊外ハッターン村での反体制シャイフのサラーフッディーン・ハブラス氏暗殺未遂に関連して、地元武装集団が拘束していたダーシュシュ戦闘員の釈放をめぐる交渉が決裂したのを受け、ダーイシュがハザーヌー町、カッリー市、バーティブー市に通じる街道、ハイル・サラーフ市に通じる街道の検問所を攻撃し、戦闘になったと報じた。

アブー・アブドゥッラーの死を伝えた声明によると、彼は2003年からイラクで活動を行い、その後、シリア当局に逮捕され、リビアに送還、3年間服役した。

数ヶ月前にシリアの反体制活動に参加、シリア人戦闘員の教練を行っていたという。

一方、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、イラン人戦闘員1人がバーブ・ハワー国境通行所で「自由シリア軍」に逮捕された。

このイラン人は、ダマスカス郊外県のサイイダ・ザイナブ町で親政権のアブー・ファドル・アッバース旅団に加わるためにラタキア県のカサブ国境通行所からシリアに入国しようとしていたが、間違ってバーブ・ハワー国境通行所から入国しようとしたのだという。

他方、SANA(9月23日付)によると、マアッラトミスリーン市、ビンニシュ市、サルミーン市、カンスフラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、『ハヤート』(9月24日付)によると、タウヒード旅団、シャーム自由人大隊、シャームの民のヌスラ戦線が、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるアアザーズ市での停戦合意不履行に対応するための会合を開き、事態悪化を抑止するために調整することで合意した。

しかし、ダーイシュは声明を出し、アアザーズ市の北の嵐旅団を「浄化した」と発表した。

ダーイシュは声明で、北の嵐旅団が、シリア軍によるマンナグ航空基地(アレッポ県)への攻撃を保障し、民主主義というアッラーが啓示した以外の方法での統治を主唱していると非難した。

また北の嵐旅団が、シリアに潜入したジョン・マケイン米上院議員を出迎え、ドイツや米国の諜報機関と通じていると断言した。

そのうえで、アレッポ県アアザーズ市に近いバーブ・サラーマ国境通行所の往来を制限していると指摘し、「改悛の扉は開を開かねば…、ダーイシュ戦闘員は彼らのムチを切り裂くだろう」と脅迫した。

一方、SANA(9月23日付)によると、ナイラブ村、バナーン・フッス村、アレッポ宗王刑務所周辺、キンディー大学病院周辺、ハーン・アサル村、ワディーヒー村、サフィーラ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アレッポ市バニー・ザイド地区、ジュダイダ地区、旧市街、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム国戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がシリア軍マンスーラ方面司令官のキリスト教徒士官を「イスラームに改宗した」ことを受けて釈放した。

また軍は、タブカ市各所に空爆を行った。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区に対して軍が激しい砲撃・空爆を行った。

一方、クッルナー・シュラカー(9月23日付)によると、共和国護衛隊のアンマール・アフマド・シャリーフィー大佐がバルザ区で反体制武装集団の要撃を受けて死亡した。

シャリーフィー大佐は先週、バルザ区攻略の司令官に就任したばかりだったという。

またカーブーン区でも、反体制武装集団は「カーブーンの獅子」と呼ばれていたシリア軍のラーティブ・アイユーシュ大尉を殺害したという。

他方、SANA(9月23日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、SANA(9月23日付)によると、ドゥーマー市郊外、リーハーン農場、ハラスター市、ムライハ市、ダイル・サルマーン市郊外、シャブアー町郊外、ダブラ市郊外、ダイルハビーヤ市周辺、ヤブルード市郊外、ブルダーン市郊外、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月23日付)によると、タイバ村、シャンダーヒーヤ村、ラスタン湖、カフルナーン村、ブルジュ・カーイー村、タッルドゥー市、キースィーン市、ヒムス市ワーディー・サーイフ地区、ジャウラト・シヤーフ地区、バーブ・フード地区、クスール地区、カラービース地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月23日付)によると、ダイル・ザウル市ティーム地区で軍が反体制武装集団への特殊作戦を行い、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月23日付)によると、ファッラーフ村で反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、女性1人を含む2人が死亡した。

レバノンの動き

ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長はマナール・チャンネルを通じてテレビ演説を行い、ベイルート県郊外のダーヒヤでの軍・治安部隊への治安権限の移譲、シリア情勢などについて語った。

Naharnet, September 23, 2013
Naharnet, September 23, 2013

8月15日のベイルート県郊外での爆弾テロに関して、ナスルッラー書記長は「シリア国内で、反体制勢力として活動しているタクフィール主義者によるものだ…。治安機関も同じ結論に達していると思う」と述べた。

シリアの化学兵器問題に関しては「米国防長官は、化学兵器がヒズブッラーに手渡されると警鐘を鳴らした翌日、シリア革命反体制勢力国民連立は、シリア政府がヒズブッラーに化学兵器を与えたと主張した。また一部の「利口な」反体制指導者は、我々は1トンの化学物質を受け取ったと主張した。しかしこれは嘲笑に値する言いがかりだ」と述べた。

また「小麦、穀物、あるいは伝統的な兵器を運ぶのとは違う。しかし、一部のレバノンの勢力は、このメディア・キャンペーンに加わり、レバノンに化学兵器が持ち込まれたのではと恐れている…。こうした言いがかりは、レバノン、そして国民すべてに危険な影響を与える」と付言した。

そのうえで「私はこうした言いがかりを完全に否定する。私はレバノン国民に、こうした言いがかりが行われていることに慎重になるよう呼びかける」と強調した。

諸外国の動き

トルコのアブドゥッラ・ギュル大統領は国連総会出席のために訪問したニューヨークで記者団に「予防的措置、装甲車・戦車の展開にもかかわらず、我々はテロリストの潜入を阻止できない」と述べ、トルコ経由でシリアに潜入していたサラフィー主義戦闘員がトルコに退却していることを明らかにした。

ギュル大統領はそのうえで「過激派は我々の安全保障にとって大いなる懸念のもととなっている」と付言した。

『ヒュッリイェト』(9月23日付)が伝えた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ソチで開かれた集団安全保障条約機構首脳会議で、シリア情勢に関して「いかなる軍事介入も国際法違反であり、国連の正統性への敵対行為である」と述べた。

そのうえで、加盟国のアルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタンが、「シリア情勢が政治的・平和的方法以外によっては正常化し得ないという点で合意した」ことを明らかにした。

プーチン大統領はその一方で「(シリアの)過激派は無から発生したわけではないし、消えてなくなることもない。国を超えてテロが拡がる問題こそが、真の問題であり、すべての条約加盟諸国の国益に直接影響を及ぼし得る」と警鐘を鳴らした。

**

中国外交部報道官は、シリア政府が化学兵器計画の申告書を化学兵器禁止機関に提出したことに関して「化学兵器条約加盟後にシリアが行った重要なステップだと考える」と評価、「専門家派遣など、シリアの化学兵器廃棄に関して同機構への支援を続ける」と述べた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器廃棄問題に関する安保理の内容に関して三つの条件を示した。

三つの条件とは、①シリアで再び化学兵器が使用された場合、安保理が違反を審議できるようにすること、②米露合意の不履行に対して、国連憲章第7章に基づく措置を明記すること、③8月21日の化学兵器攻撃の実行者の裁判・処罰。

**

AFP(9月23日付)によると、ヨルダンの国家治安裁判所は、シリアへの潜入を試みたヨルダン人ジハード主義者5人に禁固5年の有罪判決を下した。

5人は2012年2月にシリアに潜入し、シャームの民のヌスラ戦線に加わろうとして逮捕されていた。

AFP, September 23, 2013、al-Hayat, September 24, 2013、Kull-na Shuraka’, September 23, 2013, September 24,
2013、Kurdonline, September 23, 2013、Naharnet, September 23, 2013、Reuters,
September 23, 2013、Rihab News, September 23, 2013、SANA, September 23, 2013、UPI,
September 23, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

 

イスラーム旅団の司令官は東グータ地方の若者にジハードに参加するよう呼びかけた声明を「承認しない」と発表、安保理常任理事国を含まない28か国外相がシリアにおけるすべての紛争当事者に対して暴力停止を呼びかける共同声明を発表(2013年9月20日)

反体制勢力の動き

イスラーム旅団のムハンマド・ザフラーン・アブドゥッラー・アッルーシュ司令官は声明を出し、東グータ地方の若者にジハードへの参加を呼びかけた19日の声明(20日付声明)に関して、「我々はこの文書を承認しない。文書は我々(の姿勢)を代表しない」と関与を否定した。

Rihab News, September 20, 2013
Rihab News, September 20, 2013

**

ダマスカス郊外県革命評議会指導部報道官を名乗るムハンマド・サイード氏はクッルナー・シュラカー(9月20日付)に、イスラーム旅団の司令官であるアブー・マアルーフがマアルーラー市での政府との「停戦」を反故にするだろうと述べた。

サイード氏によると、アブー・マアルーフは「政権が捕虜釈放の見返りに、マアルーラー市での停戦(攻撃停止)をめざしているが、それは同市一帯地域での弱さゆえであり、いずれ軍を動員して、再び停戦を破り、メディアでの勝利を収めようとしている。我々はアッラーの許しのもと、こうしたことを決して許さない」と述べたという。

シリア政府の動き

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は、ロシア・トゥデイ(9月20日付)に、ジュネーブ2会議の開催中に停戦を求めるだろうと自身が述べたとする『ガーディアン』(9月19日付)の報道内容を否定した。

**

『ハヤート』(9月21日付)は、複数の反体制筋の話として、ダマスカス郊外県マアルーラー市一帯の完全制圧作戦を指揮していた第3師団のサリーム・バラカート少将が当局によって逮捕されたと報じた。

同報道は、制圧作戦の「失敗」を受けて、バラカート少将が逮捕されたと報じている。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦、またヤルムーク区に迫撃砲弾が着弾した。

一方、SANA(9月20日付)によると、バルザ区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備・地下トンネルを破壊した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市周辺を軍が空爆した。

一方、SANA(9月20日付)によると、シャブアー町、ダイル・アサーフィール市、ザマルカー町、アーリヤ農場、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ヤブルード市、ザバダーニー市郊外の山間部で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月20日付)によると、スルターニーヤ村、西サラーム村、東サラーム村で、軍が反体制武装集団の掃討を完了、同地の治安を回復した。

またヒムス市バーブ・フード地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ラスタン市、ダール・カビーラ村、ハーリディーヤ村、ガントゥー市、ガジャル村、キースィーン市、タルビーサ市、ダイル・フール村、ドゥワイル村、マスラビーヤ村、マクラミーヤ村、カフルラーハー市、タッルドゥー市、カフルナーン村、ザアフラーナ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月20日付)によると、フライターン市、ダイル・ハーフィル市、フマイマ村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市サラーフッディーン地区、旧市街、サーフール地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、SANA(9月20日付)によると、アトマーン村、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ナワー市、タイバ町、ムザイリーブ町、ヤードゥーダ村、ジーザ町、フラーク市、ヌアイマ村、ジャースィム市、ラジャート市、アブー・ガーラ市、ライード市、アイン・フライジャ市、サイダー町、バサーラ市、ナダー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山各所、タマーニア町、マルイヤーン村などを軍が空爆・砲撃した。

一方、SANA(9月20日付)によると、ビンニシュ市、ムスィービーン市、ファイルーン市、イドリブ中央刑務所周辺、ナフリヤー市、カフルラーター市、タッル・サラムー村、ブワイティー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

レバノンの声ラジオ(9月20日付)などによると、ベカーア県西ベカーア郡で、RPG、手榴弾、爆発物80キロを所持していたパレスチナ人1人とシリア人2人を当局が逮捕した。

諸外国の動き

チュニジアの女性家族問題省は声明を出し、サラフィー主義者がシリアでの戦闘に慰安婦を派遣しているいわゆる「結婚ジハード」問題に関して、「宗教道徳的価値に明らかに反する…忌まわしい行為」と非難、当局に然るべき法的措置を行うよう求めた。

UPI(9月20日付)が報じた。

**

欧州、アジア、アフリカ、オセアニア、ラテンアメリカの28カ国外相が、シリアにおけるすべての紛争当事者に対して暴力停止を呼びかける共同声明を発表した。

共同声明に署名したのは、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、コートジボワール、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エジプト、エストニア、EU、フィンランド、ギリシャ、ハンガリー、インドネシア、アイルランド、カザフスタン、ラトビア、ルクセンブルグ、オランダ、ポーランド、スロバキア、スロベニア、スペイン、スイス、タイの外相。

日本の外相は署名していない。

**

イランのホセイン・ロウハーニー大統領は『ワシントン・ポスト』(9月20日付)に「なぜイランは建設的関与をめざすのか」と題したコラムを寄稿した。

同コラムのなかで、ロウハーニー大統領はシリアとバーレーンの情勢に触れ、両国に「国民対話」を行うよう呼びかけるとともに、イランがシリアの紛争当事者を仲介すると述べた。

**

イタリアの沿岸警備隊は、シチリア島近くでシリアの紛争から逃れてきたというシリア人400人以上が乗った船2隻を発見し、シラクーザ港に曳航した。

避難途中で22歳の女性1人が死亡したという。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、8月に入って、3,300人のシリア人が同様のルートでイタリアに避難したという。

**

国際原子力機関(IAEA)は総会で、イスラエルに核拡散防止条約(NPT)への加盟と査察の受け入れを求める決議案を賛成43、反対51、棄権32で、否決した。

決議案はアラブ諸国が提出、ロシア、中国が賛成したが、米国、西欧諸国、日本は反対した。

AFP, September 20, 2013、al-Hayat, September 21, 2013, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 20,
2013、Kurdonline, September 20, 2013、Naharnet, September 20, 2013、Reuters,
September 20, 2013、Rihab News, September 20, 2013、SANA, September 20, 2013、UPI,
September 20, 2013、The Washington Post, September 20, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア革命反体制勢力国民連立がイスラーム国によるアアザーズ市制圧を「シリア革命勢力への敵対行為」として非難するなか、タウヒード旅団とイスラーム国が同市での停戦合意に署名したと報じられる(2013年9月19日)

反体制勢力の動き

イスラーム旅団、フダー青年大隊、コマンド部隊などから構成されるシャリーア委員会は20日付で声明を出し、ダマスカス郊外県東グータ地方の1983~1994年生まれの青年に対して、「ジハードの義務」を果たし、「アサドの悪党とイスラームの敵」に対する戦闘に参加するよう呼びかけた。

Rihab News, September 20, 2013
Rihab News, September 20, 2013

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)によるアアザーズ市制圧を「シリア革命勢力への敵対行為」、「シリア革命の得枠組みから逸脱している」と非難した。

**

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官は『シャルク・アウサト』(9月19日付)に、「イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)をはじめとするジハード主義集団には、反体制武装集団を標的にするため、計画的で調整された動きがある」と批判した。

ミクダード調整官は「これらの組織は、政府軍と戦い、独裁体制からシリア人を解放するのを支援するためにシリアにやってきた。しかし、我々は今日、彼らが民衆を弾圧し、宗教を利用して彼らを脅迫し、彼らを口実にシリア人を弾圧してきた体制にとって代わってしまった」と述べた。

シリア政府の動き

シリア外務在外居住者省は国連安保理議長と事務総長宛てに書簡を送り、そのなかで米国、およびその西側同盟国、一部地域諸国が、国連憲章、国際法、そしてテロとの戦いに関する国連安保理決議に違反して、シリア国内のアル=カーイダおよびその分派を含む武装テロ集団に資金、武器を供与していると指摘した。

声明は、米英仏、トルコ、サウジアラビア、カタールを名指しで批判し、これらの国の活動に対処するよう国連に求めた。

**

カドリー・ジャミール経済問題担当副首相は『ガーディアン』(9月19日付)のインタビューに応じ「反体制武装集団も、政権も、相手の陣営を負かすことはできない。パワーバランスは早々に変わることはない」としつつ、「外国の介入がなくなることが、停戦と平和的政治プロセスの開始をもたらす」と主張した。

そのうえで、反体制武装集団との停戦に合意できれば、「中立的な友好国」の監視団による「国際管理のもと」化学兵器の廃棄が行われるだろうとの見方を示した。

一方、アサド政権の退陣の是非について「体制が今のようなかたちで続くことを恐れてはならない。様々な具体的理由により、現体制はこれまでの体制ではなくなった」と述べ、西側諸国にアサド政権の主導のもとでの改革を支援するよう呼びかけた。

**

クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、欧州議会のヴェロニク・ドゥ・カイザー議員(ベルギー)がシリアを訪問し、アサド大統領と会談したと報じた。

同報道によると、会談で、アサド大統領は民主的変革諸勢力国民調整委員会のアブドゥルアズィーズ・ハイイル氏が2012年9月の中国訪問を終え、帰国した直後に誘拐された事件に関して、「武装集団が彼を誘拐した」と答えたという。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)が北の嵐旅団を放逐し、制圧したアアザーズ市に、自由シリア軍を名乗るタウヒード旅団などが増援部隊を派遣した。

Kull-na Shuraka', September 19, 2013
Kull-na Shuraka’, September 19, 2013

タウヒード旅団の報道官だというアブー・ハサン氏はAFP(9月29日付)の取材に対し、「タウヒード旅団が事態収集のため活動する…。我々はこの対立を収集するために尽力したい。みなが満足する解決にいたり、両当事者を治める委員会を設置し、民衆の要求を実現しなければならない」と述べた。

また「アアザーズ市民は動揺していて、アアザーズ市からの「ダーイシュ」の撤退と、前線に去ることを求めている」と付言した。

アアザーズ市を奪われた北の嵐旅団は声明を出し「我々は、タウヒード旅団に対して、人民を保護するというアッラーへの宣誓を履行するため、アアザーズ市にただちに向かい、同市を守り、ダーイシュから解放するよう求めている」と発表した。

アブー・ルワイユ・ハラビーを名乗る活動家によると、北の嵐旅団は、アアザーズ市内の病院でボランティア活動をしていたドイツ人医師を拉致しようとしたダーイシュと争い、同市を奪われたという。

またハラビー氏は「アアザーズを制圧したダーイシュは、国境通行所に近づき、アレッポ北部一帯を制圧しようとしているようだ」と危機感を露わにした。

複数の目撃者によると、このドイツ人医師は「国境なき医師団」のメンバーで、同医師が活動していた病院へのダーイシュの襲撃によって、2人が死亡し、その後、ダーイシュと北の嵐旅団の戦闘によってさらに2人が死亡し、戦闘も対シリア国境近くにまで拡がったという。

ザマーン・ワスル(9月19日付)によると、アブー・イブラーヒーム・シーシャーニーらダーイシュの一部司令官は「イスラームの血が流れないよう」戦闘停止を呼びかけたが、外国人戦闘員はこの呼びかけに応じず、戦闘を続けたという。

またダーイシュの司令官の一人によると、ダーイシュの攻撃は、指導者のアブー・バクル・バグダーディーから祝福されている一方、別の指導者のアブー・アブドゥッラフマーン・クワイティーは「事態収拾を試みたが、失敗した」という。

しかしその後、クッルナー・シュラカー(9月19日付)などは、タウヒード旅団とダーイシュがアアザーズ市での停戦合意に署名したと報じ、文書の写真を公開した。

停戦合意内容は以下の通り:

1. 双方(ダーイシュ、北の嵐旅団)による即時発砲停止。
2. 双方が拘束した逮捕者の24時間以内の釈放。
3. 双方の行方不明者・身柄拘束者の返還。
4. 合意履行と兵力引き離しのため、タウヒード旅団による検問所設置。
5. シャリーア委員会での紛争の審理。
6. 北の嵐旅団への48時間以内の拠点の返還。
7. タウヒード旅団とムハンマド軍による合意履行の保証。

なおイラク・シャーム・イスラーム国の略称である「ダーイシュ」(داعش)は、同集団のアラビア語名「الدولة الإسلامية في العراق والشام」の頭字語。

**

同じく、アレッポ県では、SANA(9月19日付)によると、クワイリス村、ラスム・アッブード村、ハイヤーン町北部、アレッポ中央刑務所周辺、アレッポ市サラーフッディーン地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ジャッブーリーン村街道で、反体制武装集団が仕掛けた爆弾が爆発し、近くを走っていたバス2台に乗っていた14人が死亡した。

14人のなかには、国防隊民兵も含まれていたという。

一方、SANA(9月19日付)によると、カフルナーン村、タッルドゥー市、キースィーン市、タッルダハブ市、ガースィビーヤ村、ラスタン市、ヒムス市カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区、ワーディー・サーイフ地区、ワルシャ地区、アクラード・ダースィニーヤ村、ファルハーニーヤ村、カフルラーハー市などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカフルナーン村の住民が反体制武装集団によって襲撃され、13人が死亡、複数が負傷、さらにマシュラファ村でも、反体制武装集団の襲撃により、1人が死亡、6人が負傷した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団が軍の戦闘機を攻撃、撃墜したとの情報が流れた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザマルカー町の南部環状道路沿いの軍拠点の近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月19日付)によると、シャブアー町、ダイル・アサーフィール市、ミスラーバー市、アルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市郊外、ムウダミーヤト・シャーム市郊外、カタナー市郊外、ラアス・アイン市、サルハー村、ジャイルード市、アドラー市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月19日付)によると、ラタキア市ブスターン・サマカ地区で、関係当局が反体制武装集団のアジトを捜索、手榴弾、拳銃、爆弾などを押収した。

**

イドリブ県では、SANA(9月19日付)によると、ビンニシュ市、マアッラトミスリーン市、クーリーン市、ナフリヤー市、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアルシャムシャ市、タッル・サラムー村、ブワイティー村、アブー・ズフール航空基地周辺で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月19日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区にある農業研究施設近くで、軍が反体制武装集団と交戦し、戦闘員を殲滅、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ムスタクバル潮流のウカーブ・サクル議員は、LBCI(9月19日付)に「我々はシリアの反体制武装集団に武器を供与する手段を持っていない」と述べ、シリアの紛争への関与を否定した。

またヒズブッラーに関して「シリア、エジプト、バーレーンに戦闘員が輸出されたことで、レジスタンスは終わった…。もはやレジスタンスではない。単なる請負人になってしまった」と非難した。

諸外国の動き

チュニジアのルトフィー・ベン・ジッドゥー内務大臣は議会で、シリアに「結婚ジハード」の名目で派遣されたチュニジア人女性をめぐる問題に関して、「20人、30人、そして100人(の戦闘員)が彼女らと交わり、結婚ジハードの名のもとでの性的交渉の結果、彼女らは身ごもって帰国しているが、我々は沈黙し、手をこまねいているだけだ」と発言した。

ベン・ジッドゥー内務大臣はまた、2012年3月以降、シリアでの戦闘に参加しようとした6,000人の出国を阻止し、チュニジア人のシリアへの潜入を支援していた86人を逮捕したことを明らかにした。

AFP(9月19日付)が報じた。

**

ロイター通信(9月19日付)は、トルコ高官からの情報として、アレッポ県アアザーズ市での北の嵐旅団(アフマド・ガザーラ大尉)とイラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)の戦闘を受け、トルコ当局がキリス市とアアザーズ市を結ぶオンジュプナル国境通行所を一時的に封鎖したと報じた。

**

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領は、ダマスカス郊外県での8月21日の化学兵器攻撃に関して「挑発だったことを示すあらゆる根拠がある」と述べた。

プーチン大統領は、その一例として、国連調査団の報告書が攻撃に使用されたと指摘したロケット弾について「こうした挑発を行うために、キリル文字が書かれたロケット弾を見つけて利用することは難しいことではない」と述べた。

シャームプレス(9月19日付)などが伝えた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、訪問先のマリでの記者会見で「ロシアは(シリア政府に兵器を)定期的に供与している。しかし、我々は諸外国とともに、より広い枠組みのもと、監視可能な枠組みでこれを行う。なぜなら、武器が自由シリア軍でなく、ジハード主義者の手に渡ることを我々は受け入れられないからだ」と述べ、反体制武装集団への武器供与の意思を示した。

**

アナス・フォー・ラスムセンNATO事務局長は、シリアの化学兵器廃棄に関して、NATOが直接関与することはないとしつつ、「もちろん一部の加盟国は個別に貢献する用意があり、またその能力を持っている」と述べた。

AFP, September 19, 2013、Champress, September 19, 2013、The Guardian, September 19, 2013、al-Hayat, September 20, 2013、Kull-na Shuraka’, September 19, 2013, September 21,
2013、Kurdonline, September 19, 2013、LBCI, September 19, 2013、Naharnet,
September 19, 2013、Reuters, September 19, 2013、Rihab News, September 19,
2013、SANA, September 19, 2013、al-Sharq al-Awsat, September 19, 2013、UPI, September 19, 2013、Zaman al-Wasl, September 19,
2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍総司令部が軍ヘリコプターのトルコへの領空侵犯および撃墜に関する声明を発出するなか、仏大統領がカタール外相との会談を行いアサド政権の「人道に対する罪」を懲罰する意向で合意(2013年9月17日)

反体制勢力の動き

第5師団化学兵器課の課長だったという離反士官のザーヒル・サーキト准将は、アサド政権が化学兵器をシリア人とイラク人のマフィアを経由して自由シリア軍に転売しようとしている、と述べた。

そのうえで、サーキト准将は、自由シリア軍のすべての部隊とジハード主義者に、化学兵器を購入しないよう呼びかけた。

クッルナー・シュラカー(9月17日付)が報じた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長はイスタンブールでテレビ演説を行い、シリアの化学兵器廃棄に関して、国連憲章第7章に依拠した安保理決議を採択するよう国際社会に呼びかけた。

クッルナー・シュラカー(9月17日付)などが報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月18日付)によると、クルド最高委員会代表者会合が開催され、クルド人地域内のアラブ人、キリスト教徒などとの連絡調整などについて協議した。

会合には、シリア・クルド国民評議会代表者であるムスタファー・マシャーイフ氏、ムハンマド・サーリフ・アブドゥー氏、フアード・アリークー氏が出席しただけで、シリア・クルド民主党のムハンマド・イスマーイール氏、民主統一党のアースィヤー・アブドゥッラー氏、サイナム・ムハンマド氏、イルハーム・アフマド氏、アブドゥッサラーム・アフマド氏、アブドゥルカリーム・ウマル氏は欠席した。

**

シリア・クルド国民評議会を主導するシリア・クルド・イェキーティー党の政治局は声明を出し、ハサカ県ラアス・アイン市および同市周辺に対するシャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国の包囲・攻撃を非難し、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、包囲解除のための責任を果たすよう求めた。

シリア政府の動き

シリア・アラブ・テレビ(9月17日付)は、シリア軍総司令部が軍ヘリコプターのトルコへの領空侵犯と撃墜に関する声明を出したと報じた。

同声明によると、領空侵犯したヘリコプターは、ラタキア県ブダーマ村に近いブーヌスィーヤ地方でトルコ国境を経由して潜入するテロリストを監視する偵察活動を行っていたが…、誤ってトルコ領空をわずかを侵犯、このことに気づいた直後にシリア領内に帰還しようとしたが、その際、トルコ軍戦闘機から直接攻撃を受け、シリア領内に墜落した」という。

また「トルコ側の対応は極めて迅速であったが、帰還途中だったヘリコプターは、いかなる戦闘任務にもついていなかった。このことは、シリアに対して緊張を高めようとしているエルドアン政府の真意を示すものである」と付言した。

**

ワーイル・ハルキー首相は、紛争で被災した一部地域の復興と避難住民帰宅のための今年度(2013年度)計画を実施するため、300億シリア・ポンド(1億5000万米ドル)を投入することを明らかにした。

ハルキー首相によると、前年度(2012年度)の復興資金は、150億シリア・ポンド(7500万米ドル)だったという。

SANA(9月17日付)が報じた。

国内の暴力

イドリブ県では、リヤーブ・ニュース(9月17日付)によると、トルコ国境に面したバーブ・ハワー国境通行所で、爆弾が仕掛けられた車が爆発し、少なくとも10人が負傷し、トルコ領内に搬送された。

複数の活動家によると、爆発は「自由シリア軍」が管理する国境通行所の入り口、トルコ国境から数百メートルの場所にあるサラフィー主義者の検問所で発生したという。

またシリア人権監視団によると、アルバイーン山一帯で、軍と反体制武装集団が交戦、またサラーキブ市を軍が空爆した。

一方、SANA(9月17日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、サルマーニーや村、アルバイーン山周辺、マンティム村、ビカフルーン村、カフルラーター市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ウンム・ジャリーン村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、クッルナー・シュラカー(9月17日付)は、ジスル・シュグール市周辺の村落を空爆していたシリア軍ヘリコプターを「自由シリア軍」が撃墜したと報じた。

また「自由シリア軍」がアルバイーン山解放作戦を開始し、シリア軍のT72戦車などを破壊し、司令官の一人(大佐)を殺害した、と報じた。

**

ダマスカス郊外県では、前日のSANAの報道に続いて、シリア人権監視団が、シャブアー町が軍によって完全制圧されたと発表した。

同監視団によると、軍によるシャブアー町の完全制圧は、ヒズブッラーの戦闘員の支援のもとに行われ、反体制武装集団との交戦では戦闘員11人が死亡したという。

また同監視団によると、ダイル・アサーフィール市への軍の砲撃で、子供1人を含む4人が死亡した。

一方、SANA(9月17日付)によると、軍によって制圧されたシャブアー町で、ダマスカス国際空港街道に沿って反体制武装集団が通行する車輌を狙撃するために作った全長500メートルのトンネルが発見された。

またハラスター市、ドゥーマー市郊外、ダイル・サルマーン市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、フサイニーヤ町、ルハイバ市、ヤブルード市、ダーライヤー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

他方、ダマスカス郊外県シャブアー町の武装集団の広報調整官は、クッルナー・シュラカー(9月17日付)に対して、同市がまだ陥落していないと述べた。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(9月17日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアマーラ地区、カッサーア地区、アッバースィーイーン地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾複数発が着弾し、市民5人が死亡、子供2人を含む数十人が負傷した。

**

ヒムス県では、SANA(9月17日付)によると、レバノン領からタッルカラフ市郊外に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

またヒムス市バーブ・スィバーア地区、バーブ・トゥルクマーン地区に潜入しようとした反体制武装集団も、軍が撃退した。

このほか、ヒムス市クスール地区、バーブ・フード地区、カラービース地区、ダール・カビーラ村、ガントゥー市、バイト・ハッバハーン市、ラスタン市、ウンム・リーシュ村、ラッフーム村、ウンム・ハワーディース市、ヒブラ市、ムフターリーヤ村、シンダーヒーヤ村、ティールマアッラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月17日付)によると、ダイル・ザウル市ブアージーン地区、アブド村、ブーライル村、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月17日付)によると、アターリブ市、アウラム・スグラー村、ワディーヒー村で、トルコから武器を運び込もうとしていた反体制武装集団の車輌を軍が攻撃・破壊した。

またクワイリス村、アルバイド村、ラスム・アッブード村、マンスーラ村西部、アレッポ・ラッカ街道で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、スワイカ地区、ザフラーウィー市場、裁判所、スライマーン・ハラビー地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月17日付)によると、タッル・アウダ村、ラヒーヤト・ザーヒル村などで、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月17日付)は、ベイルート北部のハーラート村(レバノン山地県ジュバイル郡)で、爆弾を仕掛けようしていたシリア人が誤爆し、死亡したと報じた。

諸外国の動き

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は、対シリア国境でトルコ軍戦闘機がシリア軍ヘリコプターを撃墜したことに関して記者会見で「トルコ軍はしなければならないことをしたまでだ」と述べた。

またエルドアン首相は「トルコはシリアとの軍事的対決に関する交戦規則を変更した。トルコ軍兵士は特定の地域に向かうことを許されている…。新規則は、国境の侵犯が行われたときなどに適用される」と付言した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリア革命反体制勢力国民連立暫定政府首班のアフマド・トゥウマ氏と会談した。

連立が出した声明によると、両者は、シリア・トルコ間の国境検問所の管理強化、シリア国内の避難民の住居確保を行う必要がある点で一致した。

**

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、モスクワを訪問したフランスのローラン・ファビウス外務大臣と会談し、シリア情勢への対応について協議した。

ラブロフ外務大臣は「最終目標がシリアの紛争の政治的正常化に到達することという点で合意した」と述べたが、『ハヤート』(9月18日付)によると、化学兵器廃棄問題への具体的な対応をめぐって歩み寄りは見られなかった。

一方、ファビウス外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書について「シリア政府が化学兵器を使用したことが明らかになった」と述べ、「西側諸国による圧力が大きな役割を果たした」と自賛しつつ、「地域への化学兵器拡散を阻止するための早急な措置が必要だ」と述べた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣とパリで会談し、シリア情勢について協議し、アサド政権の人道に対する罪を懲罰する点で一致した。

『ハヤート』(9月18日付)が報じた。

**

ジェニファー・サキ米国務省報道官は、シリア情勢をめぐるロシアの姿勢に関して「流れに逆らって泳いでいる」と非難した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「広範に化学兵器が使用されたことを明らかにしている客観的なこの報告書を歓迎する…。シリアの政権のみが攻撃の責任を追及されることは極めて明白だ」とする声明を出した。

またヘイグ外務大臣は、シリアでの化学兵器廃棄を支援するため専門家を派遣する用意があると付言した。

**

中国外務省報道官はシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して「報告書を充分そして真剣に検討する」と述べた。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長はシリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して声明を出し「サリン・ガスを装填した地対地ミサイルが使用されたと詳述している報告書は…犯罪者を特定することの助けになるだろう」と指摘、改めて化学兵器の使用を強く非難した。

**

イスラエルのマイケル・オレン国連代表大使は、シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団の報告書の内容に関して『ワシントン・ポスト』(9月17日付)に「アル=カーイダと同盟を結んでいる反体制勢力にアサドが敗北することの方が、アサドがイランと同盟することよりもましだ」と述べた。

また「アサドを退任させれば、イラン、ヒズブッラーの同盟が弱まるだろう。イスラエルにとって最大の脅威は、テヘラン、ダマスカス、そしてベイルートに至る戦略的アーチだ。我々はアサド政権がこのアーチの要石をなしていると見ている」と付言した。

**

国連のバレリー・アモス人道問題担当事務次長は、シリア情勢に関して、国外避難民200万人以上、国内避難民400万人以上の合わせて約700万人が人道支援を必要としていると述べた。

また、シリアへの国連の人道支援に関して、2013年だけで44億米ドルが必要だが、現時点で18億4000万米ドルしか資金を確保できていない、と付言した。

**

国連の潘基文事務総長は記者会見で、「シリアの化学兵器問題への対処方法に関する枠組み合意に米露がいたると楽観している」と述べた。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチのリチャード・ディッカー国際司法プログラム局長は「化学兵器を封印するのみで、それを使用した責任者を訴追しないというのでは、犠牲者に対する侮辱だ」と述べ、シリアの化学兵器廃棄に関する国連安保理決議に、国際刑事裁判所への付託を明記すべきだと主張した。

AFP, September 17, 2013、al-Hayat, September 18, 2013、HRW.org, September 17, 2013、Kull-na Shuraka’, September
17, 2013, September 18, 2013、Kurdonline, September 17, 2013、Naharnet, September
17, 2013、NNA, September 17, 2013、Reuters, September 17, 2013、Rihab News,
September 17, 2013、SANA, September 17, 2013、UPI, September 17, 2013、The
Washington Post, September 17, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米露外相がシリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する両国の合意内容を発表するなか、自由シリア軍参謀委員会は「著しく裏切られた」としてその内容を拒否(2013年9月14日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長はイスタンブールで記者会見を開き、シリアの化学兵器廃棄に関する米露の合意について「著しく裏切られた…。危機を解決するものでない」と非難し、拒否すると発表した。

イドリース参謀長は「我々は米露の合意を拒否する。化学兵器が破壊される2014年半ばまで、世界の誰も待っていられない」と述べた。

また「バッシャール・アサドの軍は、化学兵器の一部をレバノンとイラクに移動させ始めている」と主張、米国に対して、ロシアのイニシアチブに騙されないよう忠告するとともに、「(ジョン・ケリー米国務長官は)私に、(シリア)攻撃の脅迫は依然として選択肢のなかにあると述べた」ことを明かした。

イドリース参謀長はさらに、ジュネーブ2会議に関して、アサド政権が政治プロセスから排除されなければ、参加を受け入れないと述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで前日に続き総合委員会会合を継続、ガッサーン・ヒートゥー氏の後任として、アフマド・トゥウマ氏を移行期政府首班に選出した。

首班選挙では総合委員会(定数114人)メンバーの75人がトゥウマ氏を支持し、10人が反対を表明、12人が棄権、17人が欠席した。

トゥウマ氏は、1955年生まれ、ダイル・ザイル県出身の歯科医師。2001年に反体制組織「市民社会再生諸委員会」に参加、2005年には「ダマスカス民主変革宣言」に参加し、2006年に同宣言国民評議会のダイル・ザイル県代表に、2007年は同書記長に選出された。

トゥウマ氏は選出後に演説を行い、解放区の行政に関する戦略計画を策定し、人道支援活動、治安対策、経済復興をめざすとの姿勢を示した。

**

反体制活動家のリーバール・アサド氏(アサド大統領のいとこ)はCNN(9月14日付)に、化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案をアサド政権が受け入れたことを歓迎し、「誰の手にこうした兵器が渡るか分からないなか、この提案は非常によい」と述べた。

**

シリア軍化学兵器局の元局長だったという離反士官のアドナーン・サルウ少将はアラビーヤ(9月14日付)に、シリアの化学兵器を廃棄するのに1ヶ月も必要ないとしたうえで、アサド政権が化学兵器を隠すために時間稼ぎをしていると批判した。

またサルウ少将は、アサド政権がダマスカス県ジャウバル区で新型の化学兵器を使用したと主張した。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、AFP(9月14日付)が治安筋の話として、マアルーラー市周辺で軍と反体制武装集団が交戦を続けたと報じた。

同治安筋によると、軍は、反体制武装集団の拠点が依然としてサフィール・ホテルおよび同ホテル周辺などにあるが、教会や史跡が多いマアルーラー市一帯に対して迫撃砲などを使用できないために、戦闘には困難が伴っているという。

このほか、シリア人権監視団によると、スバイナ町、アルバイン市郊外、ザマルカー町郊外、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市を、軍が空爆し、ムウダミーヤト・シャーム市では子供2人が死亡した。

**

ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(9月13日付)によると、ラアス・アイン市東部のジャフファ・ダルダーラ村、アルーク村にイラク・シャーム・イスラーム国、シャームの民のヌスラ戦線が潜入し、民主統一党人民防衛隊と交戦した。

**

ダマスカス県では、ロイター通信(9月14日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃・空爆を行った。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、アトマーン村、タファス市、ダーイル町を軍が空爆し、子供1人と女性3人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団はタッル・ジャービーヤにある第61旅団本部を砲撃し、複数の兵士を殺傷した。

**

アレッポ県では、SANA(9月14日付)によると、ダイル・ハーフィル市・アレッポ市街道、バーブ市・アレッポ市街道、フライターン市で、軍がトルコから武器弾薬を運び込もうとした反体制武装集団の車輌を攻撃、破壊した。

またキンディー大学病院周辺、クワイリス村、アレッポ市ジュダイダ地区、ライラムーン地区、旧市街で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月14日付)によると、アブー・ズフール航空基地周辺、ダルクーシュ町、アイン・バーッラ市、タイイバート村、シュグル市、ビンニシュ市、バザーブール村、ハミーディーヤ市、ウンム・ジャリーン村、ジャルジャナーズ町、マアッラト・ヌウマーン市、カフルルーマー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月14日付)によると、レバノン領内からタッルカラフ市方面に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退した。

**

ハマー県では、SANA(9月14日付)によると、ハマー市郊外のハルサーン市で、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同市の治安を回復した。

またビッリー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ベカーア県バアルベック郡のシリア国境に近いラブワ村、ジャッブーラ村に迫撃砲弾3発が着弾し、NNA(9月14日付)によると、2人が負傷したと報じた。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのジュネーブでシリアの化学兵器の国際管理・廃棄の具体案に関する協議(3日目)を行った。

3日間の会談を終えた両国外相は記者会見を開き、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露の合意内容を発表した。

合意内容の骨子は以下の通り:

1. 米露は数日以内に、化学兵器禁止機関に、シリアの化学兵器の検査、廃棄に関する計画書を提出する。
2. 米露は、上記計画書の実施を定める国連安保理決議の採択において協力する。
3. 米露は、化学兵器の使用、無許可での移送など、シリア政府が合意を履行しなかった場合、国連憲章第7章に基づく措置をとるべきだという点に同意する。
4. シリアの化学兵器の量と種類について、米露の見解は一致した。
5. 米露は、シリア政府が保有するすべての化学兵器の種類、量、保管場所、保管形態、研究・製造施設を、1週間以内に完全に申告するにことをシリア政府に求める。
6. 2014年前半までに化学兵器の廃棄を完了し、化学兵器、原材料、専用機材、弾薬、製造・研究施設を破壊する。
7. シリア政府は化学兵器禁止機関(OPCW)と国連調査団によるあらゆる施設への完全な査察を認める。
8. 以下の日程を目標にする。2013年11月までに最初の査察を実施し、同月までに製造施設を破壊する。

会談で、ケリー国務長官は「シリアが保有する化学兵器の種類や量に関して、米露の見解は一致した…。アサド政権に1週間以内に化学兵器と製造施設の完全な目録を提出させる」と述べた。

米政府は、シリアがサリンガスなどの化学兵器を約1,000トン保有しているとみている。

また「世界は、アサド政権に約束の履行を求める。引き延ばしや回避は許さない」と述べ、シリア政府が廃棄プロセスを履行しない場合、「国連憲章第7章に基づく措置」をとると明言した。

しかし「武力行使は、安保理がとるかもしれず、またとらないかもしれない選択肢の一つだ」と付言した。

一方、ラブロフ外務大臣は、米国との合意を「共通理解と自動的な制裁に基づく合意」だとしたうえで、「シリアは化学兵器禁止条約に正式加盟する前から加盟国としての義務を履行する」と述べた。

また「今回の合意が実現すれば、化学兵器を廃棄できるだけでなく、軍事的シナリオを回避できるだろう」と強調した。

一方、シリア政府の公約不履行に対処するための国連憲章第7章に基づく安保理決議に関して「武力行使や自動的な制裁を意味するものではない。すべては安保理で承認されなければならない」と述べた。

**

バラク・オバマ米大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意に関して「化学兵器の最終的な廃棄に向けた重要で具体的な一歩だ」と歓迎の意を示した。

そのうえで「外交が失敗すれば、米国は行動する用意がある」と付言した。

**

クッルナー・シュラカー(9月14日付)は、ジョン・ケリー米国務長官がシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長と電話会談を行い、化学兵器使用に関するアサド政権への制裁(軍事攻撃)について説明した、と報じた。

同報道によると、電話会談で、ケリー国務長官は、アサド政権への制裁(攻撃)が、シリアのためだけでなく、国際機関や国際世論に対する米国の信頼のためになされねばならない、と述べたという。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意に関して「重要な一歩だ」とする声明を出した。

**

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について「歓迎」の意を示し、「合意履行のための早急な行動は今から始まる」と述べた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について「歓迎」の意を示すとともに、シリアの紛争に関して「軍事的解決ではなく、政治的解決があるのみ」と強調した。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について「シリア政府の戦闘機が今も複数の地域を砲撃し…、民間人を殺している」と述べたうえで、「(合意は)過去の犯罪を帳消しにしない…。ダマスカスが時間稼ぎをしようとしていることに対して(国際社会は)目を覚ますべきだ」と異議を唱えた。

**

国連のプレス・センターは、声明を出し、国連がシリアの化学兵器禁止条約加盟に必要なすべての文書を受理し、30日後の10月14日にシリアが同条約に正式加盟することになるだろう、と発表した。

ロイター通信(9月14日付)が報じた。

**

国連報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する米露合意について潘基文事務総長が「シリア国民の苦しみを終わらせるための政治的解決を促すことを強く希望する」と述べたと伝えた。

AFP(9月14日付)が報じた。

**

イタリアの沿岸警備隊は、過去24時間の間にイタリア南部の海岸にシリア人約500人を乗せた船舶複数席が漂着した、と発表した。

AFP, September 14, 2013、Alarabia.net, September 14, 2913、CNN, September 14, 2013、al-Hayat, September 15, 2013、Kull-na Shuraka’, September 14, 2013、Kurdonline, September
14, 2013、Naharnet, September 14, 2013、NNA, September 14, 2013、Reuters,
September 14, 2013、Rihab News, September 14, 2013、SANA, September 14, 2013、UPI,
September 14, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア、中国、イランの首脳らがシリアが化学兵器禁止条約への加盟を表明・申請したことへの支持を表明する「ビシケク宣言」を発表するなか、仏大統領がアラブ諸国外相と会談し「シリアの反体制勢力への支援強化の必要」について意見を一致させる(2013年9月13日)

反体制勢力の動き

民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長は、UPI(9月13日付)に、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアのイニシアチブについて「ジュネーブ2への門戸を開き、挙国一致内閣発足、武装集団の解体、外国人戦闘員のシリアからの排除が行われることがなければ、成功し得ない」と述べた。

また「誠実な離反兵、シリア軍、そしてクルド人の人民防衛隊が軍を再編するために同盟を結ばなければ」、アル=カーイダを根絶できないとの見方を示した。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立に関して、マンナーア渉外局長は「ジュネーブ2会議が始まれば、連立はその役割を終えるだろう」と述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は『イッティハード』(9月13日付)に、米国がシリアへの軍事攻撃を事実上見送ったことに関して「世界の大国の躊躇は、邪悪なアサド政権だけを強めるだけでなく…、アル=カーイダなどのテロリストを東方(イラク)からシリアに潜入させる。彼らはアサドと戦っているだけでなく、より重要なのはアサドに反対する人々と戦っているのだ」と述べた。

**

シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、アサド政権が化学兵器禁止条約加盟の進めていることに関して「国際社会をあざむく新たな試みに過ぎない」と非難した。

**

自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は、Elaph(9月13日付)に「我々は、誰が武器を受け取り、配給しているのか知りたい。もしそれ(米国による武器供与)が本当だとしても…、それについて発表した者を我々は知らないし、自由シリア軍にも属していない」と述べた。

**

クッルナー・シュラカー(9月13日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立が、在米事務局のスタッフの給与を引き上げるため、30万ドルを米国に送金したと報じ、在外事務局の一方的な給与引き上げは「非論理的」と批判した。

**

『ハヤート』(9月14日付)によると、ムウダミーヤト・シャーム地元評議会が、国際社会に対して、アサド政権に圧力をかけ、同市包囲を解除し、人道支援を搬入するよう呼びかけた。

また同評議会は、シリア政府が人民諸委員会(自警団)の協力のもと、国連などの人道支援を積んだ車輌が市内に入ることを阻止している、と非難した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立がイスタンブールで総合委員会の会合を開催した。

リハーブ・ニュース(9月14日付)によると、会合の主な議題は、シリア・クルド国民評議会の加盟問題と暫定政府首班の選出の2点。

シリア・クルド国民評議会の加盟問題では、ムスタファー・サッバーグ前事務局長が代表を務める無所属決定ブロックが、シリア・クルド国民評議会に総合委員会の代表ポスト11議席を与えることに反対した。

ハサカ県の革命運動組織を代表するヤースィル・ファルハーン氏は、アサド政権打倒後の国名を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」に変更するとしたシリア・クルド国民評議会との合意文書に異議を唱え、評議会の連立への参加に反対した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のハーリド・サーリフ報道官はイスタンブールで記者会見を開き、「米国から自由シリア軍にまだ武器は供与されていない」としたうえで、西側諸国に武器供与の約束を履行するよう改めて求めたと発表した。

シリア政府の動き

シリア情報科学協会はSANA(9月13日付)を通じて声明を出し、同協会が提供するSANAをはじめとするインターネット・サイトがサイバー攻撃にさらされ、閲覧不能・困難な状態にあると発表した。

国内の暴力

ラッカ県では、クッルナー・シュラカー(9月13日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国がシリア自由人旅団の幹部10人を拘束した。

同報道によると、シリア自由人旅団の幹部10人は、数週間前にアレッポ県アアザーズ市で盗まれた司令官の自動車を行方を捜索、イスラーム国と深い関係のあるラッカの商人によって転売されたことをつきとめ、車を取り返しに向かったところを拘束されたという。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、マアルーラー市周辺で、軍、人民諸委員会と、シャームの民のヌスラ戦線などの武装集団が交戦、双方に死傷者が出た。

またムウダミーヤト・シャーム市では、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月13日付)によると、マアルーラー市周辺、ザバダーニー市東方の山岳地帯、ムライハ市郊外、カースィミーヤ市郊外、ズィヤービーヤ町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

また、サイイダ・ザイナブ町のバス発着所に、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾5発が着弾し、市民2人が死亡した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、ヤルムーク区、アサーリー地区、バルザ区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃・空爆を行った。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市を軍が空爆する一方、反体制武装集団はアドワーン村近郊の軍の機甲連隊、工兵連隊の拠点を制圧した。

一方、SANA(9月13日付)によると、ウンム・ルグース村、アトマーン村、ナワー市、シャイフ・サアド村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月13日付)によると、アルバイーン山で、軍がシャームの民のヌスラ戦線、(アルバイーン)山の盾旅団、シャームの鷹旅団、革命自由人旅団、真実の剣旅団、シャームの竜巻旅団、シリア殉教者旅団連合、アッバース旅団、クドスの騎士大隊、アリーハー革命家大隊、アフバーブッラー大隊、マルヤーン大隊、イブリーン大隊、アンサール・ハック大隊、ウマル・ファールーク大隊、アリーハー・コマンド大隊を掃討し、同地を制圧した。

また軍はサラーキブ市、ジャーヌーディーヤ町、ジスル・アブヤド市、ズアイニーヤ市、カフルラーター市、マジュダリヤー村、ルークドゥー市、バザーブール村、バッリーン市、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市、ウンム・ジャリーン村、バヤーイーヤ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月13日付)によると、ハーリディーヤ村、ラスタン市、カール・カビーラ市、アイン・フサイン村、ヒムス市バーブ・フード地区、カラービース地区、クスール地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

クナイトラ県では、SANA(9月13日付)によると、ナブア・サフル村、アイン・バーシャー村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、SANA(9月13日付)によると、ハイヤーン町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、スライマーン・ハラビー地区、サラーフッディーン地区などで、軍が反体制武装集団を撃退し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月13日付)によると、ダイル・ザウル市のハウィーカ地区、アルディー地区、スィヤーサ橋で、軍が反体制武装集団と交戦し、ジュンド・アズィーズ旅団戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月13日付)によると、シャーキリーヤ村、ガマーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月13日付)によると、北部県アッカール郡のヌーラ村、ダッバービーヤ村に、シリア領から発射された迫撃砲弾が着弾した。

諸外国の動き

ジョン・ケリー米国務長官とロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、スイスのジュネーブでシリアの化学兵器の国際管理・廃棄の具体案に関する協議(2日目)を行った。

2日の協議に先立ち、両外相はアフダル・ブラーヒーミー共同特別代表と会談した。

会談後の記者会見で、ケリー国務長官は、シリア情勢の打開に向けた新たな国際会議の開催を話し合うため、28日にニューヨークでも会談することを明らかにした。

またラブロフ外務大臣との協議について、ケリー国務長官は「建設的」に進んでいると述べるとともに、国際会議の開催が化学兵器の国際管理・廃棄の進展にかかっているとの考えも示した。

一方、ラブロフ外務大臣は、国際会議開催を、化学兵器の問題と「並行して」進めることが重要だと強調した。

**

上海協力機構がキルギスのビシケクで首脳会議を開き、シリア情勢などについて協議した。

ロシアのヴラジミール・プーチン大統領、中国の習近平国家出席、イランのホセイン・ロウハーニー大統領らが参加した会議は、シリアが化学兵器禁止条約への加盟を表明・申請したことへの支持を表明する「ビシケク宣言」を発表した。

同宣言において、加盟国はまた、国連安保理の承認を得ないかたちで行われようとしている米国のシリア軍事攻撃に反対の意を示した。

会議に出席したイランのロウハーニー大統領は、プーチン大統領と初会談し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアのイニシアチブを「中東での新たな戦争勃発の危機から世界を救済」する動きと述べ、支持を表明した。

また習近平国家主席は、シリア情勢に関して「平和的な方法で政治的関係正常化をめざす国際社会の努力を中国は支持する」と述べた。

**

マリー・ハーフ米国務省副報道官は、北朝鮮の金正恩第一書記が9月11日のアサド大統領の誕生日に祝電を送ったことに関連して「北朝鮮政府が何をしたかについて話したくない。アサド大統領は我々から誕生日にこうしたものを一切受け取ることはない…。過去数週間、彼が目の当たりにしたのは軍事行動への脅迫だけだった」と述べた。

AFP(9月13日付)が報じた。

**

フランスのフランソワ・オランド大統領は、サウジアラビアのサウード・ファイサル外務大臣、UAEのアブドゥッラー・ビン・ザーイド外務大臣、ヨルダンのナースィル・ジャウダ外務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

フランス大統領府の声明によると、会談では、オランド大統領は、アサド政権による化学兵器使用に対して断固たる対処することで、紛争の政治的解決に向けた交渉を開始する必要があるとの点で合意した。

またシリアの反体制勢力への支援強化の必要がある点でも意見が一致したという。

一方、フランス外務省報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関して「声明だけでは不十分だ。道筋を示し、監視する仕組みが必要だ」と述べた。

また、化学兵器禁止条約へのシリアの加盟に関して「条約の手順に従うと、廃棄に着手するまでに2年を要してしまう。これでは長すぎる」と懸念を示した。

そのうえで、シリアが公約を守らなかった場合に、国際社会が制裁できるよう「拘束力のある国連安保理決議が必要だ」と主張した。

**

国連の潘基文事務総長は、シリアの化学兵器使用に関する国連調査団の活動に関して「(報告書により)化学兵器が集中的に使用されたかが明らかになるだろう…。化学兵器が使用されたことを裏付ける報告になるだろう」としつつ、「(アサド大統領は)多くの人道に対する罪を犯しており、処罰がなされねばならない。しかし、現在の最優先事項は、流血停止、対話開始の支援で、外交に成功のチャンスを与えることだ…。処罰はこれが終わってからなされるべきだ」と述べた。

**

トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は「国際社会は国際法を適用しなければならない…。トルコは戦争を主唱していない。国際社会は戦争を止めるよう呼びかけている。シリアと近隣諸国の国民が現下の内戦の代償を払っている。内戦を停止すべきだ。もう十分だと言っている」と述べた。

アナトリア通信(9月13日付)が報じた。

**

オーストラリア日刊紙『オーストラリアン』(9月13日付)は、テロ対策を担当する複数の高官の話として、オーストラリア人約80人が現在、シリアでの反体制武装活動に参加しているとしたうえで、「アブー・アスマー」を名乗るオーストラリア人1人がダイル・ザウル県で自爆攻撃を行い、死亡したものと思われると報じた。

**

ロイター通信(9月13日付)は、複数の外交筋の話として、米国とイスラエルが、ウィーンでのIAEAの非公式会合の席上で、2007年のキバルの核疑惑施設へのイスラエルの越境空爆に端を発するシリアの核兵器開発問題をめぐって、シリアの非協力的姿勢を批判した、と報じた。

AFP, September 13, 2013、The Australian, September 13, 2013、Elaph, September 13, 2013、al-Hayat, September 14, 2013、al-Ittihad, September 13, 2013、Kull-na Shuraka’, September 13, 2013、Kurdonline, September
13, 2013、Naharnet, September 13, 2013、Reuters, September 13, 2013、Rihab
News, September 13, 2013, September 14, 2013、SANA, September 13, 2013、UPI,
September 13, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリアが化学兵器の国際管理・廃棄に関連するロシアのイニシアチブに同意したことが明らかになるなか、オバマ大統領はこの外交的解決策を支持しつつシリアへの軍事攻撃を当面見送るとの方針を示す(2013年9月10日)

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏は、AKI(9月10日付)に、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案にワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が歓迎の意を示したことに関して「シリア政府と米国に取引があったのではなく、強力な軍事攻撃で背骨が折られるのを政権が回避しようとする無駄な試みに過ぎない」と述べた。

またマアルーラー市での攻防に関して、ミスリー氏は、「シャームの民のヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国を駆り立てて、キリスト教の町マアルーラーを襲撃させ…、シリアのマイノリティの恐怖を煽り…、シリア革命に対する西側世論の反感を高め、(シリアには)革命ではなくテロリストがいるとの念を広めようとしている」と主張した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立はイスタンブールで声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案を「政治的陰謀…、シリア国民のさらなる死と流血を招くだろう」と非難し、「国際法違反はその規模に応じた真の国際社会の制裁を必要としている」と述べ、米国の軍事攻撃を求めた。

**

『ハヤート』(9月11日付)によると、カラムーン解放戦線と自由シリア軍の各部隊はビデオ声明を出し、「流血を避けるため、我々は政権とそのシャッビーハがマアルーラー市に入らないことを条件に、同市の中立化を宣言する」と発表し、撤退の用意があるとの意思を示した。

**

離反士官のザーヒル・サーキト准将は、クッルナー・シュラカー(9月10日付)に、アサド政権が米国の軍事攻撃に備えて、化学兵器を都市の住宅地区に隠す一方、一部をヒズブッラーの武器庫に移動させたと主張した。

**

反体制組織のアラブ社会民主主義バアス党の重鎮、イブラーヒーム・マーフース氏(88歳)が、亡命先のアルジェリアで長い闘病の末死去した。

**

反体制サイトのクッルナー・シュラカー(9月10日付)は、SNSでの書き込みの情報として、ダマスカス県のカシオン山で、キャンプを張って米国の軍事攻撃に対する抗議行動を行っていた男女24人が、「集団セックス」に興じたとの理由で、逮捕された、と報じた。

シリア政府の動き

CBSのチャーリー・ローズ記者が8日に行ったアサド大統領とのインタビューの映像が放映された。

インタビューのなかでのアサド大統領の主な発言は以下の通り。

「米政権の高官らから過去2週間にわたって我々が耳にしてきた嘘に対して、我々は最悪の事態を予想しなければならない…我々はあらゆる可能性について準備している。しかし、備えあれば憂いなしという意味ではない。馬鹿げた空爆や馬鹿げた戦争で事態はもっと悪くなろうとしているからだ…。最初の空爆でどのような反響が生じるかなど誰も話すことはできない…。この絡み合う地域…のどこかに空爆すれば、予期していなかった別の場所で、別のかたちで反響が生じる…。反響は時として空爆そのものよりも破壊的なこともある。米国の空爆は、テロリストが破壊したほどにシリアで破壊をもたらさないだろうが、その反響は空爆の倍になるかもしれない」。

「どのような空爆であれ、アル=カーイダの分派であるいわゆるヌスラ戦線とイラク・シャーム・イスラーム国を直接支援することになる」。

(化学兵器の使用に関して)「我々はいかなる大量破壊兵器にも反対だ」。

(化学兵器禁止条約への未加盟に関して)「まだ加盟していない…。なぜならイスラエルが大量破壊兵器を保有しているからだ。イスラエルは(条約に)署名しなければならない。またイスラエルは我々の領土を占領している。我々はシリアでも、イスラエルでもなく中東について話さねばならない。包括的であるべきなのだ」。

(化学兵器の保有に関して)「我々は持っていると言ったことはない。持っていないとも言ったことはない。これはシリアの問題だ。誰かに公に話すことができない軍事的な問題だ…。しかしメディアが言っていることに依拠するのはナンセンスだ。諜報機関の一部報告に依拠することもナンセンスだ。それは10年前に彼らがイラクを侵略したときに証明済みだ」。

「(シリア)政府が化学兵器を使ったと彼ら(西側)が言っている地域では、ビデオ映像があるだけだ。写真、そして(化学兵器が使用されたという)主張があるだけだ。我々の軍、警察は…そこにはいなかった。証拠もないのにどうして起こったと言えるのか?我々は米政府でも、ソーシャル・メディアとは違って…、現実に対処しなければならない政府なのだ。我々は証拠を得れば、それについて発表する」。

「彼(ジョン・ケリー米国務長官)は、自分の確信を示しただけだ…。これに対して、ロシアは(化学兵器を装填した)ミサイルが反体制集団の支配地域から撃たれたというまったく逆の証拠を持っている」。

「何よりもまず、彼ら(反体制武装集団)は、ロケット弾を持っている。彼らはロケット弾を数ヶ月にわたってダマスカスに撃ち込んでいる…。彼らには(化学兵器を装填する)手段がある…。次に、彼らが過去数週間云々しているサリン・ガスは、非常に原始的なガスだ。裏庭でも作れる。複雑なものではない…。第3に、彼らはシリア北部のアレッポ県で化学兵器を使用した。第4に、ユーチューブにはテロリストがウサギを使って実験し…「こうしてシリア人を殺しているんだ」と言っている映像がアップされている。第5に、「彼ら(反体制武装集団)は私たちにどうやって化学兵器を使うかを説明しなかった」と証言する…女性(協力者)の新しいビデオもアップされている…。これが我々の持っている証拠だ。いすれにせよ、人を非難するには、証拠を示さねばならない。米国はシリアを非難しているだけだ…。空爆でどうして(化学兵器使用の)証拠が隠蔽できるのか?技術的には、空爆は何の役にも立たない。はっきり言って馬鹿げている…。自分の軍が100メートルしか離れていないのにどうして大量破壊兵器を使うことができるのか?論理的か?そんなことは行われない。軍事について知らない人でもこのことは知っている。進軍中に化学兵器をどうして使うのか…?」。

(軍の一部ないしは第三者が化学兵器を使用したとの指摘に関して)「こうした兵器は歩兵などが取り扱うことはできない。こうした兵器は特殊部隊が取り扱うべきもので、誰の手にもわたるものではない」。

「オバマが自分でレッドラインを引いただけだ…。我々には我々のレッドラインがある…。もし世界のレッドラインについて語るのなら、米国はイラクで劣化ウランを使い、イスラエルはガザで白リン弾を使ったが、誰も何も言わなかった。どういうレッドラインだ?レッドラインなどではない。政治的なレッドラインだ」。

「我々は地域で狂った戦争が起こるのを阻止するために何でもするだろう。シリアだけではなく、シリアで始まる戦争だからだ」。

「イランはシリア国内に兵を置いていない…。(武器供与は)危機発生以前からの話で、我々はこうした協力を常に行っている…。(ヒズブッラーは)自らが自衛し、我々と協力したいと考えている対レバノン国境にいるが、シリア全土にはいない」。

「シリアのすべての友人が平和的解決を探求している…。まず…テロリストが外国から潜入すること、その資金・兵站支援などを止めることから始められるべきだ…。そのうえで、次にさまざまなシリアの当事者がシリアの未来を議論するための…国民対話を行うことができる。第3に、暫定政府、ないしは移行期政府を作り、そのうえで議会選挙…、さらには大統領選挙を行う」。

(米国がシリアへの軍事攻撃に踏み切った場合)「あらゆることが起きて然るべきだ。この地域には今、様々な党派、さまざまなイデオロギーがある。だからそう予期しなければならない…。もしこの地域の反乱分子やテロリスト、ないしはそれ以外のグループが(化学兵器を)持っていれば、そうしたこと(化学兵器攻撃)は起こり得る。私には分からないが。私は何が起きるかを話せる予言者ではないので」。

「我々は、たとえば(反体制武装集団の)80%、ないしは圧倒的多数が外国人だなどとは言っていない。我々は、大多数がアル=カーイダ、ないしはその分派である組織だと言ったのだ。アル=カーイダだと言うとき、それがシリア人か、アメリカ人か、欧州出身者か、アジア・アフリカ出身者かは問題ではない…。我々は多数派がシリア人でないなどとは言っていないが、少数派がいわゆる「自由シリア軍」だと言ったのだ」。

「(シリアの紛争は)宗教戦争ではない。しかしアル=カーイダはいつも宗教、つまりはイスラームを自分たちの戦争、テロ、殺戮などのための口実として利用している」。

「(紛争長期化は)外国の干渉ゆえだ。米国、西側諸国、サウジアラビア、そしてつい最近まではカタール、そしてトルコなどに支えられた外的アジェンダがあるためだ。だから2年半も続いている」。

「もし米国政府がアル=カーイダを支援したいのなら、そうすればいい。我々が彼らに言うべきは、アル=カーイダを支援しろ、だが、反乱分子や自由シリア軍について云々するな、ということだ。戦闘員の大多数は今やアル=カーイダだからだ。戦闘員を支援したいということは、つまりはアル=カーイダを支援するということだ。この地域に大惨事をもたらすということだ。この地域が安定しなければ、世界も安定はしない」。

(どのように紛争が終わるかとの問いに対して)「非常に単純だ。西側諸国がテロリストへの支援を止め、操り人形のような国、例えばサウジアラビア、トルコなどに圧力をかければ、シリアには何の問題も生じないだろう。簡単に解決する。なぜなら、あなた方が話題にしているシリア人の戦闘員は、シリア社会にその「培養器」を失っているからだ。だから彼らは外国で「培養」されているのだ。彼らは外国からの資金を必要とし、道徳的、政治的支援を必要としている。彼らにはいかなる草の根もなく、「培養器」もない。潜入を止めれば、問題はなくなる」。

(ロシア、イランの支援に関して)「私が支援を受けているのではない。シリアすべてだ。あなたの国(米国)と世界のそれ以外の国の協力関係と同じだ…。また外国の支援は国内の支援の代わりにはならない…。2年半我々が耐えている唯一の理由は、我々が国内の支持、大衆の支持を得ているからだ」。

「ここ(国内)で(革命を)始めた人々は、反乱分子と戦う政府を支援している。革命を欲していた人々は我々に協力している」。

「テロリストが占拠している地域で我々が最近目にしているものというと、彼らは人々が学校に通うことを禁じ、若者がひげを剃ることを禁じ、女性に頭からつま先まで隠すよう強いている。アフガニスタンのターリバーンとまったく同じスタイルだ…。こうしたテロリスト、過激派、ワッハーブ・スタイルを排除しなければ、次の世代に悪影響を及ぼすだろう」。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、モスクワでロシア下院のセルゲイ・ナルイシキン議長と会談し、シリア情勢、両国関係などについて協議した。

ムアッリム外務在外居住者大臣は、9日のセルゲイ・ラブロフ外務大臣との会談で、米国の攻撃の口実をなくすためにロシアが示したイニシアチブ(化学兵器の国際管理・廃棄)に同意したと述べた。

また会談に先立って、ムアッリム外務在外居住者大臣は、学兵器が配備されている場所をロシアに開示する用意があると述べるとともに、化学兵器禁止条約に加盟したいと述べた。

SANA(9月10日付)が報じた。

**

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、モスクワでのイランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン国際問題担当国務大臣と会談し、シリア情勢などについて協議した。

会談で、ムアッリム外務在外居住者大臣とアブドゥッラフヤーン国務大臣はともに、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案への歓迎の意を改めて示した。

**

ワーイル・ハルキー首相は閣議で、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関連して「戦争回避をめざす国際社会のさまざまな政治的イニシアチブに協力する用意がある」と述べ、歓迎の意を示した。

SANA(9月10日付)が報じた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市、ダーライヤー市南部、ナブク市郊外を激しく砲撃し、ムウダミーヤト・シャーム市では反対武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ザバダーニー市東方の丘陵地帯タッラト・ラーキムで、軍が反体制武装集団の掃討を完了し、同地を制圧した。

また軍はマアルーラー市周辺一帯で、シャームの民のヌスラ戦線の追撃を続け、ラアス・アイン市、サルハ市などで複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、アルバイン市、カースィミーヤ市、フジャイラ村、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市、ダイル・サルマーン市、ムウダミーヤト・シャーム市郊外で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の国立病院の検問所周辺で軍と反体制武装集団が交戦し、ヤードゥーダ村、アトマーン村を砲撃した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ナワー市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がマスウーディーヤ村、ジュッブ・ジャラーフ村、マスカル・ヒサーン村近郊に結集し、村々を迫撃する一方、軍が応戦し、反体制武装集団を砲撃した。また同地一帯で、軍と国防隊が反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(9月10日付)によると、タドムル市で旅客バス5台を使ってガソリンを密輸しようとしていた密輸業者を摘発、ガソリン1,700リットルを押収した。

またヒムス市ワアル地区、ワーディー・サーイフ地区、カラービース地区、サムリール市、ダール・カビーラ村、タルビーサ市および同市郊外、シーハ村、ルワイス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、タイバト・イマーム市とハラファーヤー市間の街道にあるジスル検問所で軍と反体制武装集団が交戦し、市民9人が死亡した。

戦闘は隣接するハムラー村でも発生した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、バーブ市で、イラク・シャーム・イスラーム国のバフタリー学校からの退去を求める住民のデモが繰り返されるなか、市民の代表がイラク・シャーム・イスラーム国戦闘員との交渉を行った。

しかし同日午後には、軍がイラク・シャーム・イスラーム国の拠点である同学校を空爆、また夜にはイラク・シャーム・イスラーム国がシリア人の反体制武装集団と交戦し、複数が死傷した。

複数の活動家によると、イラク・シャーム・イスラーム国は、ドゥワイリーヤ村、クワイリス航空基地周辺からのシリア人反体制武装集団の撤退を条件に、バフタリー学校を含むバーブ市内の拠点を明け渡すとの姿勢を示しているという。

このほか、アレッポ市ではサラーフッディーン地区を軍が砲撃した。

またシャイフ・マクスード地区とアシュラフィーヤ地区では、民主統一党人民防衛隊とクルド戦線旅団が交戦し、双方に死傷者が出た。

一方、SANA(9月10日付)によると、キンディー大学病院周辺、ナイラブ・キャンプ北部、バナーン村、バーブ市、アウラム・スグラー・アターリブ街道、アナダーン市・フライターン市街道、ラスム・アッブード村、ターディフ市、カースィールー村、クワイリス村、バヤーヌーン町、アレッポ市ジャンドゥール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ジュダイダ地区などで、軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人大隊戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、アルバイーン山各所、サラーキブ市、バザーブール村、カフルラーター市を軍が「樽爆弾」などで空爆・砲撃、反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月10日付)によると、ジャフタルク村、ハーッジ・ハンムード村、ウンム・ジャリーン村、ラスム・アーイド村、タッル・サラムー村、タッル・カースィム村、マジャース村、カフルラーター市、バザーブール村、アルバイーン山、サルジャ村、マンタフ市、ラーム・ハムダーン市、イフスィム町、タラブ市、ハーッス村、イブリーン村、カフルルーマー村、マアッラト・ヌウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザイル県では、『ハヤート』(9月11日付)が、シャリーア委員会(シャームの民のヌスラ戦線)に属する武装集団とイラク・シャーム・イスラーム国が、アレッポ県への石油の密輸をめぐって緊張を高めていると報じた。

**

ダマスカス県では、SANA(9月10日付)によると、バルザ区、ジャウバル区、カーブーン区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月10日付)によると、アイン・アラブ市、カンダースィーヤ村、ダルーシャーン村、リーハーニーヤ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、リビア人、クウェート人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハサカ県では、SANA(9月10日付)によると、バジャーリーヤ村、カーミシュリー・タッル・ブラーク街道で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

ジャディード・チャンネル(9月10日付)によると、北部県アッカール郡アッブーディーヤ村郊外の対シリア国境に近い高速道路、ワーディー・ハーリド地方バニー・シャクル村の民家に、シリア領から何者かが発砲した。死傷者はなかった。

諸外国の動き

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関する提案について「シリア側とともに、ロシアのイニシアチブを実施するための具体的な計画を準備するために動いている…。計画実施に向けた行動は国連、安保理メンバー、化学兵器禁止機関の協力のもとに行われるだろう」と述べた。

また「化学兵器を国際管理下に置くイニシアチブを実施しようとする活動は、シリアの化学兵器使用に関するすべての情報を調査する必要を排除するものではない」と付言し、国連調査団による活動継続し、その超過結果を国連安保理で回付・協議すべきだとの見解を示した。

『ハヤート』(9月11日付)が報じた。

**

バラク・オバマ米大統領はCBSなど米国のテレビ局6社との個別インタビューに応じ、シリア情勢への対応について説明した。

そのなかでオバマ大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「この外交解決策を追求する。非軍事的な方法で解決できることを切に願っている」と述べた。

ただし、ロシアの提案に応じるにあたっては「我々が検証し、実施できる合意」が必要になるとの認識を示し、「向こう数日かけて、真剣な提案かを見極めたい」と付言した。

さらにアサド政権に「圧力をかけ続ける必要がある」と述べ、シリアへの軍事攻撃の準備は続ける考えを示した。

また、ロシアの提案が実現すれば「もっとも中心にある懸案は解決される」として、軍事攻撃が「確実」に回避されると述べた。

オバマ大統領によると、シリアの化学兵器廃棄については、6日にロシアのサンクトペテルブルグでのG20サミットで、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と議論していたという。

なおオバマ大統領はPBSテレビとのインタビューでは、シリアへの軍事攻撃に関して「米国民の過半数の支持が得られるか分からない…。私の家族も、いかなる軍事行動にも慎重で疑わしく思っている」と吐露していた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案を受けて、国連憲章第7章に基づいた決議案を国連安保理に提出すると発表した。

ファビウス外務大臣によると、決議案は以下5点を骨子とする。

1. 8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃をアサド政権によるものと断じて非難。
2. アサド政権による化学兵器計画の即時開示。化学兵器の国際管理と廃棄。
3. 化学兵器禁止機関によるシリア国内の査察。
4. シリア政府による決議不履行が、「深刻な結果」を招くとの警告。
5. 化学兵器使用の責任者の国際刑事裁判所での訴追。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、フランスのローラン・ファビウス外務大臣と電話会談し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に対して、国連憲章第7章に基づいた国連安保理決議の採択をめざすとしたファビウス外務大臣の姿勢を「受け入れられない」と拒否した。

これに対して、フランス外務省報道官は、ラブロフ外務大臣が「目を通す前に決議(案)の文言を拒否したことに驚いている」としつつ、「大原則と目的を維持する限りにおいて、決議案を修正する準備がある」と述べた。

シャームプレス(9月11日付)が報じた。

**

英国政府報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関して「際限のないプロセスであってはならない」と警鐘を鳴らしつつ、「もし真剣な真の提案だとしたら、我々はそれを奨励する。「もし」という言葉を強調するが」と述べた。

**

中国外交部報道官は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「提案がシリアの緊張状態の改善に資するのであれば、シリアと地域の平和と安定の維持に役立つものであり、政治的解決にも役立つものである。国際社会は建設的にこの提案を検討しなければならない」と述べた。

**

安部晋三総理大臣は、ロシアのヴラジミール・プーチン大統領と電話で会談し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「前向きなものと評価し、支持する。シリア政権の真摯な対応の有無などを注視していく」と語ったことを明らかにした。

これに対してプーチン大統領は「シリア側に(提案受け入れを)働きかけており、一定の進展があるところだ」と答えたという。

**

キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案について「歓迎する」と述べた。

**

欧州委員会は、レバノンに避難したシリア人避難民に対して5,800万ユーロ相当の人道支援を行うと発表した。

**

アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は声明を出し、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に対して「連盟は当初から政治的解決を求めていた」と発表、支持を表明した。

**

イランのハサン・ロウハーニー大統領は、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案に関連して「イランはシリアに対する戦争回避に集中している…。戦争回避の望みは、過去数日で強まっている」と述べた。

イラン外務省報道官「ロシアの提案は地域の軍国主義を排する枠組みになる」と述べ、シリアの化学兵器の国際管理・廃棄に関するロシアの提案への支持を表明した。

**

『ハヤート』(9月11日付)によると、パレスチナのガザ市で、米国が準備するシリアへの軍事攻撃に反対するデモが行われ、数百人が参加した。

デモはPFLP、DFLP、バアス党などが主催、参加した。

**

AFP(9月10日付)は、8日に釈放されたイタリア人記者のドメニコ・キリコ氏とベルギー人教師のピエール・ピッチナン氏がイタリアに無事帰国し、反体制武装集団に拘束されていた間の経験をイタリア日刊紙(『ラ・スタンパ』)に語ったと報じた。

それによると、両氏は拘束中、殴打され、十分な食事も与えられず、また「模擬処刑」まで受けたという。

またキリコ氏は、ダマスカス郊外県での8月21日の化学兵器攻撃に関して、「私たちが拘束されていた部屋の半開きのドア越しに、身元不明の3人がスカイプを使って英語で話しているのを聞いた。会話のなかで3人は…(21日の)化学兵器攻撃について、反体制勢力が欧米の軍事介入を誘発するために行った、と話していた…。この会話が事実に基づいたものなのか、単なるうわさなのかは、私には分からないが」と明かした。

一方、ピッチナン氏によると、2人は「自由シリア軍」によって拘束されたのち、「アブー・アンマール旅団」を名乗る組織に引き渡され、同組織は「イスラーム主義者というよりは、盗賊に近い」ものだったという。

**

ヒューマン・ライツ・ウォッチは8月21日のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃疑惑に関する報告書を発表し、スカイプでの現地住民・医師らとのインタビュー、衛星画像、GPSデータ、専門家の意見などをもとに、「(シリア)政府軍によって化学兵器攻撃が行われたと強く示唆する(strongly suggest)」との見解を示した。

http://www.hrw.org/reports/2013/09/10/attacks-ghouta

**

バラク・オバマ米大統領はホワイト・ハウスで国民向けの演説を行い、ロシアとの協力を通じた外交的解決を模索し、シリアへの軍事攻撃を当面見送るとの方針を示した。

オバマ大統領はシリアへの軍事攻撃の正当性に関して、「米国や国際社会が行動しなければ、アサド政権は化学兵器を使い続け、ほかの独裁者も使用をためらわなくなる。米軍は戦場で危険にさらされ、テロリストの攻撃も容易になる。私は米国の安全保障に関わる問題だと判断し、軍事行動を決め、議会に諮ることにした」と述べた。

また「イラクやアフガニスタンでの戦争後、いかなる軍事攻撃も支持されないことは分かっている。米国が世界の警察であるべきでないという意見にも同意する。地上戦を行う気も、泥沼に陥るつもりもない。アサド政権に打撃を与え、化学兵器を抑止するために標的を絞った攻撃なのだ」と付言した。

しかし「(米国の)軍事行動の脅威とロシアのプーチン大統領との建設的な対話によって、ここ数日、前向きな動きが出た」と主張、「ロシアが化学兵器放棄を促し、アサド政権も化学兵器保有を認め、化学兵器禁止条約に加盟すると言っている…。この提案が成功するか判断するのは時期尚早だ。だが、(この提案には)軍事力を使うことなく化学兵器の脅威を取り除く可能性がある」と述べた。

そのうえで「私は外交的解決を探る間、議会指導部に軍事攻撃承認決議案の採決延期を求めた」ことを明らかにした。

また「露中とも相談しつつ、米英仏は協力して、アサド政権に国際管理下で化学兵器の放棄・破棄を求める決議案を国連安保理に提出する」との方針を示した。

一方、軍事攻撃に関しては「米軍には、アサド政権に圧力をかけるため、現在の体制を維持し、外交(努力)が失敗した際に対応できるよう支持した」と述べた。

AFP, September 10, 2013、AKI, September 10, 2013、CBS, September 10, 2013、Champress, September 10, 2013、al-Hayat, September 11, 2013、al-Jadeed, September 10, 2013、Kull-na Shuraka’, September
10, 2013、Kurdonline, September 10, 2013、Naharnet, September 10, 2013、Reuters,
September 10, 2013、SANA, September 10, 2013、UPI, September 10, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

西クルディスタン人民議会とシリア・クルド国民評議会がシリア北東部における自治構想をめぐって合意に至る、米国務長官はシリア情勢をめぐってアラブ諸国9か国の外相やアラブ連盟事務局長と会談(2013年9月8日)

反体制勢力の動き

『ハヤート』(9月9日付)は、クルド人高官らの話として、西クルディスタン人民議会(民主統一党)とシリア・クルド国民評議会が、クルド人が多く住むシリア北部および東部での自治構想に関して合意(http://www.rihabnews.com/?cat=29)したと報じた。

この自治構想は民主統一党のサーリフ・ムスリム共同党首が数週間前に提案したもので、合意締結後40日以内に暫定憲法草案を作成するための委員会を設置すること、すべての勢力が選挙実施のための暫定委員会に代表を輩出すること、憲法施行と選挙法制定を経て合同移行民主自治政府を樹立すること、などが定められている。

合意はハサカ県カーミシュリー市のクルド最高委員会の本部でなされた。

**

自由シリア軍参謀委員会のルワイユ・ミクダード政治広報調整官はAFP(9月8日付)に「我々は臨戦態勢にある。サリーム・イドリース参謀長は各戦線を訪問し、各地域の作戦司令室を統合した。(米国の)攻撃に対応し、最大限利用するかたちで作戦を策定した」と述べた。

また「バッシャール・アサドが、2年半におよぶ人道虐殺を通じてこの攻撃をもたらしたのだ」と非難した。

さらに「策定された計画により、新たな戦線を開き、武器を捕獲し、複数の地域を解放する…。(米国の)攻撃は軍の離反と…弱体化をもたらすだろう」と強調した。

そのうえで、ミクダード広報調整官は、西側諸国が攻撃に際して自由シリア軍からの情報提供を必要としていないと述べる一方、「参謀委員会と一部外国勢力は、軍事攻撃開始直前に攻撃目標がどこかを通知することで合意している…。我々はこの情報を各地の軍事評議会代表に伝え、彼らが攻撃を最大限り利用するのを支援する」と付言した。

その一方、「ジハード主義者は米軍の攻撃によって得をすることは決してあり得ない。現状を観察していればそのことは明らかだ…。イラク・シャーム・イスラーム国とシャームの民のヌスラ戦線は、アサド政権に対して何らの戦線も開いていない。クサイルやタッルカラフ、ダマスカスでイスラーム国の戦闘員を見たのか?こうした組織の戦闘員はアレッポ、イドリブ郊外、ラッカといった解放区に集中している。防衛線の戦闘に彼らは参加していない」と主張した。

**

シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長と自由シリア軍参謀委員会のサリーム・イドリース参謀長は共同声明を発表し、マアルーラー市での攻防に関して、アサド政権が「革命のイメージをゆがめるため…、マイノリティ宗派を保護すると主張することで、マイノリティ宗派というカードを利用している」と非難した。

**

反体制ニュースサイト「クッルナー・シュラカー」の管理人で、「平和のためのシリア・キリスト教徒」執行部代表であるアイマン・アブドゥンヌール氏は、米国のシリア軍事攻撃に抗議するためのミサ・断食を呼びかけるローマ法王フランシスコが「現状に基づいておらず…、大いなる(シリア)分割の計略の基礎をなすと考える」と非難した。

**

シリア国民評議会のブルハーン・ガルユーン元事務局長はDPI(9月8日付)に「西側の国益は明白で、シリアがイランの一県にならないようにすることだ…。そうなれば、シリアが西側と世界のエネルギー供給源である湾岸の安全保障を脅かすからだ」と述べた。

またガルユーン元事務局長は「西側は自らのプレゼンスを強化し、ロシアや、バッシャールのような小者の独裁者の挑戦を許さないようにしたいと考えている」と指摘、「シリア国民との将来の信頼関係も維持しようともしている」と付言した。

シリア政府の動き

アサド大統領はCBS(9月8日付)のインタビューに応じ、化学兵器使用疑惑に関して米国が示した証拠が「決定的でない」としたうえで、米国がシリアへの軍事攻撃に踏み切った場合、シリアの同盟諸国も報復を行うだろうと述べた。

インタビューを行ったチャーリー・ローズ記者によると、アサド大統領は「私が自国民に対して化学兵器を使った証拠はない」と述べたという。

またアサド大統領は米国民に対して「中東で戦争を行うことは良い試練とはならないだろう」と語りかけ、攻撃を回避するよう呼びかけたという。

http://www.cbsnews.com/video/watch/?id=50154592n

**

Damas Post(9月8日付)は、シリア学生国民連合と革命青年連合が近く、新たな民兵組織「バアス大隊」の結成を発表するだろと報じた。

同報道によると、新民兵組織は、シリア軍が制圧した地域の防衛を任務とするという。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表がAFP(9月8日付)によると、マアルーラー市では「軍が夜、市内に一時入ったが、多数の反体制武装集団が入り、同市を完全に制圧したため、再び撤退した」。

同監視団によると、マアルーラー市での戦闘により、反体制武装集団の戦闘員17人が死亡、数百人が負傷する一方、軍兵士も数十人が死傷したという。

マアルーラー市で暮らす女性はAFP(9月8日付)に対し、反体制武装集団がマアルーラー市全域に展開し、軍が撤退したとしたうえで、同市は今のところ平穏であると述べた。

このほか、シリア人権監視団によると、ムウダミーヤト・シャーム市を軍が砲撃した。

一方、SANA(9月8日付)によると、ダイル・サルマーン市、ザマーニーヤ市、アルバイン市、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、フサイニーヤ町、フジャイラ村、ザバダーニー市東部山間地帯、サルハ市、ヤブルード市郊外、ルハイバ市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またマアルーラー市および同市周辺でも、軍が反体制武装集団の追撃を続け、ヤブルード・ファールーク大隊の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラッカ県では、シリア人権監視団によると、軍がタブカ市の発電所近くなどに「樽爆弾」で空爆を行った。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッルブライト市を軍が「樽爆弾」で空爆、またアリーハー市で軍と反体制武装集団が交戦し、反体制武装集団の戦闘員6人が死亡した。

一方、SANA(9月8日付)によると、ザルズール村、ズーフ村、マールティーン市、アブー・ズフール市、ハーッス村、カフルナブル市、バーッラ市、サルジャ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区北部で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(9月8日付)によると、カーブーン区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ラタキア県では、SANA(9月8日付)によると、ブルジュ・ハヤート村、サーキヤト・カルト村、ハーン・ジャウズ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、リビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月8日付)によると、タッルカラフ市郊外で、軍がレバノン領から潜入しようとした武装集団を撃退した。

**

アレッポ県では、SANA(9月8日付)によると、カフルハムラ村、バービース村、マアーッラト・アルティーク村、マーイル町、ハーン・アサル村、ラスム・アッブード村、ダイル・ハーフィル市、ナイラブ村、フライターン市、ハイヤーン町、アレッポ中央刑務所周辺、クワイリス村、バーブ市、アレッポ市では旧市街、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(9月8日付)によると、ダイル・ザウル市ジャフラー地区の空港周辺に潜入しようとした反体制武装集団を軍が撃退、殲滅」した。

**

ダルアー県では、SANA(9月8日付)によると、ダルアー市、ジーザ町、フラーク市、ナワー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

UNHCRは、レバノンへのシリア人避難民の数が726,000人に達したと発表した。

このうち、622,000人が難民登録を終え、104,000人が申請中だという。

地域別の避難民数は、北部県が204,000人、ベカーア県が210,000人、ベイルート県・レバノン山地県が125,000人、南部県・ナバティーヤ県が81,000人。

UPI(9月8日付)が報じた。

諸外国の動き

CNN(9月8日付)は、8月21日付のダマスカス郊外県での化学兵器攻撃疑惑に関して、被害者・犠牲者を撮影したとされる新たなビデオ映像(http://www.youtube.com/watch?v=LsJMVaQsOKU&feature=player_embedded)を公開した。

同報道によると、ビデオ映像はバラク・オバマ政権が米議員らに対して示した証拠映像だという。

しかし、米上院情報委員会はこの証拠映像の信憑性を確認できず、また誰が化学攻撃を行ったかも特定できなかったと報じた。

**

ジョン・ケリー米国務長官は、アラブ和平イニシアチブ委員会を構成するカタール、サウジアラビア、エジプトなどアラブ諸国9カ国の外相やアラブ連盟事務局長とパリで会談し、パレスチナ・イスラエル情勢、シリア情勢などについて協議した。

会談後、カタールのハーリド・アティーヤ外務大臣と行った共同記者会見で、ケリー国務長官は、化学兵器使用に関する国連調査団による報告書提出を受けて、シリア問題への対応について国連安保理での承認を得ることを米政権は否定しないと述べ、これまでよりやや柔軟な姿勢を示した。

ただし、この点に関して、バラク・オバマ政権はまだ決定していないとも付言した。

ケリー国務長官はまた、CNNなどで公開されたアサド政権による化学兵器使用を裏付けるとされるビデオ映像に関して、米議会議員の大多数が化学兵器使用にどう対応するかを決定していないがゆえに、公開したことを明らかにした。

そのうえで「米国はその価値観に反することを許さない。1925年に禁止された化学兵器が使われたことを米国民が見ることが重要だ…。アサド政権は化学兵器を11回も使用した」と強調、「我々がシリアで何もしなければ、ヒズブッラーやイランに化学兵器を使ってもいいというメッセージを発してしまう」との危機感を示した。

さらにケリー国務長官は、CBSによるアサド大統領のインタビューに関して、「証拠が語っている」と述べ、アサド政権が化学兵器を使用したとの見方を改めて示した。

**

デニス・マクドノー米大統領主席補佐官はCBSによるアサド大統領のインタビューに関して、CBS(9月8日付)に「嘘だと思う」と述べた。

**

『ロサンジェルス・タイムズ』(9月8日付)は、米軍総則筋の話として、国防総省がシリアへの軍事攻撃に関して、当初計画よりも大規模・長期間の軍事攻撃を準備している、と報じた。

**

フランスのローラン・ファビウス外務大臣は、シリアへの軍事攻撃に関して、フランス3チャンネル(9月8日付)に「すべての国から物的、軍事的(支援)の誓約を得る必要はない。ほとんどの国はそうしたことを行う手段を持たない。必要なのは政治的支援だ」と述べた。

**

トルコのNTV(9月8日付)は、トルコ軍がハタイ県のシリア国境に近いヤイラダーイ市近郊の山頂および、ウルファ県のジランビナル市にスティンガー・ミサイルの発射台を増強配備したと報じた。

**

ドイツ日刊紙『ビルド・アム・ゾンターグ』(9月8日付)は、ドイツ軍が傍受した通信内容から、8月21日付のダマスカス郊外県でのシリア軍によるとされる化学兵器攻撃がアサド大統領の同意を経ずして行われた可能性が高いと報じた。

同紙によると、シリア軍幹部は「約4ヶ月前からダマスカスの大統領府で化学兵器攻撃を行うことを求めたが、常に拒否されてきた」と報じた。

**

イランのモハンマド・ジャヴァード・ザリーフ外務大臣はイラクを訪問し、ホシェリ・ゼバリ外務大臣らと会談、シリア情勢について協議した。

会談後の共同記者会見で、両外相は、「中東地域におけるいかなる国に対する攻撃も、地域すべての国に対するものとなり、すべての国に損害を与え、不安定化をもたらすがゆえ、あらゆる努力を通じて阻止せねばならない」との認識で一致したと発表した。

ザリーフ外務大臣はまた「我々が、バラク・オバマ米大統領が個人的に(攻撃を)望んでいなかったにもかかわらず、罠にかかったことを知っている…。彼がそこから抜け出すことを望んでいる。なぜならこの戦争は米国の国益にも、地域の国々の国益にもならないからだ」と述べたうえで、すべての当事者に「対話のテーブル」について紛争解決をめざすよう呼びかけた。

一方、ゼバリ外務大臣は、「シリアへの(軍事)介入は、近隣諸国に直接影響を及ぼす。なかでもイラクは安全保障、人道面で被害を受ける」と危機感を露わにした。

SANA(9月8日付)が報じた。

**

イタリア外務省は、4月9日に反体制武装集団によって拉致されたイタリア人記者ドメニコ・キリコ氏とベルギー人教師のピエール・ピッチナン氏が釈放されたと発表した。

AFP, September 8, 2013、Bild am Zonntag, September 8, 2013、CBS, September 8, 2013、CNN, September 8, 2013、Damas
Post, September 8, 2013、al-Hayat, September 9, 2013、Kull-na Shuraka’, September 8, 2013、Kurdonline, September
8, 2013、The Los Angels Times, September 8, 2013、Naharnet, September 8, 2013、Reuters, September 8, 2013、SANA,
September 8, 2013、UPI, September 8, 2013などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

バアス党シリア地域指導部が与野党代表らとの会合のなかで軍事攻撃への対応などについて協議するなか、EU加盟28カ国はリトアニアで開かれた外相会合のなかで「国連を通じた紛争解決の必要性」を確認(2013年9月7日)

反体制勢力の動き

SANA革命通信(9月7日付)は、自由シリア軍合同司令部報道官のカースィム・サアドッディーン大佐が「西側諸国が行うであろう軍事攻撃発生に合わせて、シリアの政権の戦略拠点複数カ所に対して大規模な軍事作戦を行うための「ゼロ時」(作戦開始)を発表する」と述べたと報じた。

**

クッルナー・シュラカー(9月7日付)は、シリア・クルド国民評議会が2日にわたる会合で、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を承認したと報じた。

参加承認の採決では、シリア・クルド左派党が棄権した。

評議会はこれと合わせて、加盟組織の参加・脱会、民主統一党が定期した自治構想、クルド最高会議の活性化などについても審議した。

このうち加盟組織の参加・脱会に関しては、シリア・クルド・アーザーディー党の脱会を確認、またシリア・クルド民主党(パールティー)ナスルッディーン・イブラーヒーム派は民主的変革諸勢力国民調整委員会への残留を理由に会合への参加が拒否された。

**

反体制活動家のアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は仏雑誌『ヌヴェル・オブザーヴァー』(9月7日付)に、「シリアに行われる軍事攻撃は大多数のシリア人によって求められているとみなすことができる」としたうえで、アサド政権が化学兵器を含むすべての武器を国民に向けようとしていると指摘、軍事攻撃が政権打倒をめざすべきだと述べた。

シリア政府の動き

バアス党シリア地域指導部は、与野党代表らとの合同会合を開き、米国が準備している軍事攻撃への対応などについて協議、政治的・イデオロギー的な対立を越えて攻撃に対応することなどを確認した。

Champress, September 7, 2013
Champress, September 7, 2013

またシリア地域指導部は閉会時に、同日から無期限で合同会合を開会状態にすると発表した。

合同会合には、野党の団結党、民主前衛党、アラブ民主団結党、祖国シリア党、国民成長党、シリア民主党、非公認組織の人民党の代表が参加した。

シリア国民青年公正成長党、シリア国民青年党の代表はシリア国外に滞在中のため欠席した。

SANA(9月7日付)が報じた。

**

ダマスカス県では、1,000人を越えるキリスト教徒住民が、ローマ法王フランシスコの呼びかけをうけるかたちで県内の教会で、シリアに対する軍事攻撃を拒否するための礼拝と断食を行った。

礼拝はギリシャ・カトリック教会アンチオキア(アンタキア)総大司教のグレゴリウス3世ラッハームによって指導された。

AFP(9月7日付)が報じた。

またSANA(9月7日付)によると、ダルアー県ダルアー市のギリシャ正教会でも同様のミサが行われた。

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、軍がムウダミーヤト・シャーム市に対して地対地ミサイルなどで激しい攻撃を加え、反体制武装集団と交戦した。

Champress, September 7, 2013
Champress, September 7, 2013

また軍はキスワ市とムカイラビーヤ市の間に位置する農園を砲撃し、民間人16人と戦闘員14人が死亡した。

このほか、ナブク市および同市北部、アルバイン市、ハラスター市なども軍の砲撃を受けた。

さらに【シリア情勢201397日国内の暴力】http://www.ac.auone-net.jp/~alsham/2013_09/07.html#03#シリア市では、反体制武装集団が集結していたサフィール・ホテルがある丘を軍が迫撃、また軍と人民諸委員会が反体制武装集団と同市周辺で激しく交戦、同市入口の検問所を奪還した。

一方、SANA(9月7日付)によると、軍がアイン・ティーナ村街道方面から、マアルーラー市に侵入したシャームの民のヌスラ戦線を掃討するため、同市に向かって進軍し、同市周辺、サフィール・ホテルなどで交戦し、外国人戦闘員らを殺傷、複数の拠点を破壊した。

またアルバイン市、ザマルカー町、ドゥーマー市郊外、ザマーニーヤ市、カースィミーヤ市、フジャイラ村、ダーライヤー市、ルハイバ市、ハーン・シャイフ・キャンプ、ダルーシャー村、マガッル・ミール市、クーウ・ズィヤート市、フーシュ・アラブ村、シャフター・バルター村で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、キスワ市近郊のムカイラビーヤ農園では、軍が反体制武装集団の120ミリ迫撃砲を破壊、複数の戦闘員を殺害した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、ジャウバル区、カーブーン区、バルザ区などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(9月7日付)によると、ジャウバル区で、軍と反体制武装集団が交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またカッバース地区に反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民1人が死亡した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、インヒル市、西ガーリヤ村、ヌアイマ村、シャイフ・マスキーン市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍の空爆・砲撃を受けた。

一方、SANA(9月7日付)によると、ダルアー市、ムザイリーブ町、フラーク市、タファス市、アイン・ズィクル村、ナーフィア村、シャジャラ町、サフム・ジャウラーン村、タスィール町、バサーラ市、マクラズ市で、軍が反体制武装集団と交戦し、サウジアラビア人、ヨルダン人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ中央刑務所周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

またアレッポ市では、アシュラフィーヤ地区、シャイフ・マクスード地区で、民主統一党人民防衛隊が、クルド人部隊などを含む反体制武装集団と交戦した。

さらに同市のブスターン・カスル地区に設置されている通行所で、シャリーア委員会の戦闘員と反体制武装集団が交戦、また同通行所に軍が砲撃を加え、複数の市民が負傷した。

このほか、マサーキン・ハナーヌー地区でも即席爆弾が爆発した。

一方、SANA(9月7日付)によると、カフルダーイル村、アナダーン市、ライヤーン村、ブラート村、クワイリス村、ダイル・ハーフィル市、バイス村で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市ではアカバ地区、バニー・ザイド地区、ジュダイダ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ブサイラ市で武装集団が市民の住居に向けて発砲し、5人が死亡した。

一方、SANA(9月7日付)によると、反体制武装集団がムッラート村の石油パイプラインを破壊し、大量の石油がユーフラテス川に流出した。

**

ラタキア県では、SANA(9月7日付)によると、カルト村、マルジュ・フージャ村、シャフルーラ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジアラビア人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

イドリブ県では、SANA(9月7日付)によると、タフタナーズ市、ビンニシュ市、サルミーン市、サルジャ村、バザーブール村、マールティーン市、マアッル・ブライト市、マンタフ村で、軍が反体制武装集団と交戦し、サラーキブ自由人大隊、シャームの鷹旅団、シャームの民のヌスラ戦線、ダーウード旅団、北部自由人旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ヒムス県では、SANA(9月7日付)によると、ラスタン市、アイン・フサイン市、ヒムス市ワルシャ地区、カラービース地区、ジャウラト・シヤーフ地区で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

**

ハマー県では、SANA(9月7日付)によると、サラミーヤ市郊外のハタムルー村、カフルヌブーダ町、ハルシュ・カサービーヤ市、スカイラビーヤ市郊外のウワイナ村で、軍が反体制武装集団を追撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

レバノンの動き

NNA(9月7日付)などによると、レバノン各地の教会で、アメリカが準備するシリアへの軍事攻撃に反対するためのミサと断食が行われ、レバノン山地県ハリーサー村にある聖母大聖堂では、マロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教が礼拝を指導した。

Naharnet, September 7, 2013
Naharnet, September 7, 2013

参加した信徒らはまた、シリアの反体制武装集団が侵入したダマスカス郊外県のマアルーラー市の住民と歴史的遺産保護のために祈りを捧げた。

**

MTV(9月7日付)などによると、ベイルート県の米大使館前で、前日に引き続き、シリアへの軍事攻撃に反対する市民らが抗議デモを行った。

諸外国の動き

EU加盟28カ国は、リトアニアの首都ビリニュスで6~7日の2日にわたって外相会合を開き、シリア情勢への対応などについて協議し、「国連を通じた紛争解決の必要性」を確認・合意した。

米国が準備しているシリアへの軍事攻撃に関しては、国連調査団の「調査結果を待つべきだ」との認識で一致した。

会合後の記者会見で、キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は、EU加盟国はアサド政権が化学兵器を使用した「有力な証拠がある」としたうえで、「強い対応が必要」との立場でまとまったと述べた。

なお会合には、ジョン・ケリー米国務長官も出席し、軍事行動への理解を求めた。

**

ドイツのギド・ヴェスターヴェレ外務大臣は、ロシア・サンクトペテルブルグでのG20サミット時に米仏など11カ国が発表した共同声明にドイツも署名する考えを示した。

**

ロイター通信(9月7日付)によると、ロシア海軍のフリゲート艦1隻が9月半ばに、また戦艦およびミサイル艦2隻が同月末にシリア沖の地中海東部海域に向かうだろうと報じた。

**

PFLP-GCは声明を出し、ダマスカス県ヤルムーク区およびダマスカス郊外県サイイダ・ザイナブ町での反体制武装集団との戦闘で、パレスチナ人の人民諸委員会の戦闘員14人が死亡したと発表した。

AFP, September 7, 2013、al-Hayat, September 8, 2013、Kull-na Shuraka’, September 7, 2013、Kurdonline, September
7, 2013、MTV, September 7, 2013、Naharnet, September 7, 2013、NNA, September
7, 2013、Reuters, September 7, 2013、SANA, September 7, 2013、UPI, September
7, 2013などをもとに作成。

写真はChampress, September 7, 2013、Naharnet, September 7, 2013。

(C)青山弘之 All rights reserved.