OPCW:イドリブ県、ハマー県で塩素ガスが使用されたと「強い確信をもって」結論(2015年1月7日)

AP(1月7日付)は、イドリブ県、ハマー県で、化学兵器禁止機関(OPCW)が、「強い確信をもって」(with a high degree of confidence)塩素ガスが使用されたとする報告書を国連安保理で回付したと報じた。

OPCWによる報告書は117ページからなり、2014年12月に国連安保理で回付された。

APが入手した同報告書によると、聞き取り調査の対象者37人中32人が、有毒ガスを装填した樽爆弾による攻撃が行われたとき、上空でヘリコプターの音がしていたと証言したという。

また26人が樽爆弾が投下された際に、「口笛のような」音を聞いたと証言、16人が落下地点で爆弾やその破片を目撃したと証言したという。

報告書では、調査チームが入手した142のビデオ映像、189の破片、現場を撮影した写真、さらには樽爆弾に装填されていたと思われる塩素の内筒の状況についての解説がなされているという。

塩素ガスはOPCWが定める化学兵器には含まれていない。

なおシリアのファイサル・ミクダード外務在外居住者副大臣は2013年12月1日、OPCWの会合で、シリア政府は化学兵器も塩素ガスも使用していないと述べるとともに、「シリアとイラク国内の複数の地域で塩素ガスを使用しているのはテロリストだ」と主張していた。

なお『ガーディアン』(1月7日付)によると、サマンサ・パワー米国連大使はツイッターで「シリア政府だけがヘリコプターを使っている」、「シリア政府は、化学兵器を破壊するだけでは不十分で、市民に対する化学物質を装填した爆発物(chemical-laden explosives)の投下を止めねばならない」と書き込んだという。

AFP, January 7, 2015、AP, January 7, 2015、ARA News, January 7, 2015、Champress, January 7, 2015、The Guardian, January 7, 2015、al-Hayat, January 8, 2015、Iraqi News, January 7, 2015、Kull-na Shuraka’, January 7, 2015、al-Mada Press, January 7, 2015、Naharnet, January 7, 2015、NNA, January 7, 2015、Reuters, January 7, 2015、SANA, January 7, 2015、UPI, January 7, 2015などをもとに作成。

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イスラーム国をめぐる動き(2015年1月7日)

ダイル・ザウル県では、ARA News(1月7日付)によると、ダイル・ザウル市とガラーニージュ市で、ダーイシュ(イスラーム国)に抵抗して殺害されたと思われるシュアイタート部族の子息の遺体100体以上が遺棄された集団墓地が発見された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が制圧しているアルシャーフ村を反体制武装集団が砲撃した。

またARA News(1月7日付)によると、アイン・アラブ市マシュタ・ヌール高地一帯で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュの交戦が続いた。

AFP, January 7, 2015、AP, January 7, 2015、ARA News, January 7, 2015、Champress, January 7, 2015、al-Hayat, January 8, 2015、Iraqi News, January 7, 2015、Kull-na Shuraka’, January 7, 2015、al-Mada Press, January 7, 2015、Naharnet, January 7, 2015、NNA, January 7, 2015、Reuters, January 7, 2015、SANA, January 7, 2015、UPI, January 7, 2015などをもとに作成。

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シリア国内の暴力(2015年1月7日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、マイサート地区などブライジュ村一帯、サイファート村一帯で、シリア軍、国防隊、ヒズブッラー戦闘員、クドス旅団、イラン人・アフガン人戦闘員が、ムハーリジーン・ワ・アンサール軍、シャームの民のヌスラ戦線などジハード主義武装集団と交戦した。

またシリア軍は、アレッポ市ザフラー協会地区を占拠するジハード主義武装集団を砲撃する一方、武装集団もラームーサ地区のシリア軍拠点などを砲撃した。

一方、SANA(1月7日付)によると、アレッポ県で、反体制武装集団元メンバー142人が地元和解プロセスの一環で当局に投降、その後放免となり、釈放された。

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ダマスカス郊外県では、クッルナー・シュラカー(1月7日付)によると、バラダー渓谷での反体制武装活動を主導するアブー・ライルとアブー・アンマールを名のる活動家(いずれもシューラー評議会メンバー)が使用している車に何者かが仕掛けた爆弾が爆発し、複数の活動家が負傷した。

アブー・ライルとアブー・アンマールはいずれも無事だという。

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ヒムス県では、SANA(1月7日付)によると、ヒムス市ワアル地区、ハラーリーヤ村、ウンム・シャルシューフ村、アイン・ダナーニール村、ガジャル村、ウンム・サフリージュ村、東サラーム村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月7日付)によると、アルバイーン山一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 7, 2015、AP, January 7, 2015、ARA News, January 7, 2015、Champress, January 7, 2015、al-Hayat, January 8, 2015、Iraqi News, January 7, 2015、Kull-na Shuraka’, January 7, 2015、al-Mada Press, January 7, 2015、Naharnet, January 7, 2015、NNA, January 7, 2015、Reuters, January 7, 2015、SANA, January 7, 2015、UPI, January 7, 2015などをもとに作成。

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シリア(レバノン)での寒波で、シリア人避難民3人が凍死(2015年1月7日)

SANA(1月7日付)によると、シリア全土が厳しい寒波に覆われ、ダマスカス県、ダマスカス郊外県、ラタキア県、タルトゥース県、スワイダー県、クナイトラ県、ヒムス県、ハマー県などで最大45センチの積雪を記録した。

SANA, January 7, 2015
SANA, January 7, 2015
SANA, January 7, 2015
SANA, January 7, 2015
SANA, January 7, 2015
SANA, January 7, 2015

 

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AFP(1月7日付)、NNA(1月7日付)などによると、レバノンではこの寒波により、子供1人を含むシリア人避難民3人が凍死した。

Naharnet, January 7, 2015
Naharnet, January 7, 2015

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クッルナー・シュラカー(1月7日付)は、カラムーン地方の反体制武装集団が、積雪によって孤立した村落に除雪作業などのためのチームを派遣したと報じ、その写真を掲載した。

Kull-na Shuraka', January 7, 2015
Kull-na Shuraka’, January 7, 2015

AFP, January 7, 2015、AP, January 7, 2015、ARA News, January 7, 2015、Champress, January 7, 2015、al-Hayat, January 8, 2015、Iraqi News, January 7, 2015、Kull-na Shuraka’, January 7, 2015、al-Mada Press, January 7, 2015、Naharnet, January 7, 2015、NNA, January 7, 2015、Reuters, January 7, 2015、SANA, January 7, 2015、UPI, January 7, 2015などをもとに作成。

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イスラーム国、アレッポ・シャリーア法廷が徴兵目的で成人男性の旅行を相次いで禁止(2015年1月7日)

ラッカ県では、マサール・プレス(1月7日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)ラッカ州のワーリーが、50歳以下の男性にラッカ市外への移動を禁止する決定を発令した。

ラッカ市に入った住民の徴兵台帳を作成するのが目的だという。

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アレッポ県では、SLN(1月7日付)によると、アレッポ市および同郊外のシャリーア法廷が、18~35歳の男性に対し、シリア政府の支配地域への旅行を禁じる決定を発令した。

シリア当局によって逮捕された後、徴兵され、「革命家」に戦闘に従事させられることが禁止の理由だという。

AFP, January 7, 2015、AP, January 7, 2015、ARA News, January 7, 2015、Champress, January 7, 2015、al-Hayat, January 8, 2015、Iraqi News, January 7, 2015、Kull-na Shuraka’, January 7, 2015、al-Mada Press, January 7, 2015、Masar Press Agency, January 7, 2015、Naharnet, January 7, 2015、NNA, January 7, 2015、Reuters, January 7, 2015、SANA, January 7, 2015、UPI, January 7, 2015などをもとに作成。

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