スウェーデン:3万5,000人以上のシリア人政治難民、避難民を受け入れ(2015年1月24日)

スウェーデンの移民管理局は、2011年初めから2014年末までの期間に、スウェーデンがシリアでの紛争による政治難民や避難民3万6,536人を受け入れた、と発表した。

ARA News(1月25日付)が伝えた。

ARA News, January 25, 2015をもとに作成。

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イスラーム国による日本人拉致事件(続報、2015年1月24日)

ダーイシュ(イスラーム国)の人質となった湯川遥菜氏と見られる写真を持ち、同氏が殺害されたと話す後藤健二氏の静止画像がインターネット上に投稿された。

『読売新聞』(1月25日付朝刊)によると、画像は日本時間24日23時過ぎに公開された。

動画で後藤氏が持たされている写真には、後ろでに縛られ跪かされている湯川氏の写真、そして斬首されたあとの遺体が映っている。

動画に映っている後藤氏は英語で以下のように読み上げさせられている。

「私は後藤健二です…。安倍(首相)、あなたが遙菜(湯川氏)を殺した。あなたは私がとらえられているという脅しを真剣に受け止めず、72時間以内に行動しなかった…。彼らはもう金銭を要求しない…。テロリストに資金を与えることを心配しなくていい…。彼らはただ、投獄中のサージダ・リーシャーウィーの釈放を要求しているだけだ…。あなたが彼らにサジーダを渡せば、私はただちに釈放される…。サージダはヨルダンによって投獄されている…。私の命を救うことがどれだけ簡単かを強調したい…。(妻に対して)この言葉を私の最後にしないでください。安倍(首相)に私を殺させないで下さい」。

サージダ・リーシャーウィーはイラク人で、2005年にヨルダンの首都アンマンで発生したラディソン・ホテル爆破事件に関与したことで、ヨルダン政府に拘束されている人物。

アーラム・ヤウム(1月25日付)は、これに関連して、ヨルダン当局が2014年12月にラッカ市で墜落しダーイシュに拘束されたヨルダン軍戦闘機パイロットのムアーッズ・サーフィー・カサースィバ空軍中尉釈放のため、リーシャーウィーとの「捕虜交換」を検討していると複数メディアが24日に報じたと伝えた。

なお、これを受け、安倍晋三首相は記者団に対して「このようなテロ行為は言語道断であり、許しがたい暴挙だ。強い憤りを覚える。断固として非難する。改めて後藤健二さんに危害を加えないよう、そしてただちに解放するよう強く要求する」と述べるとともに、「日本政府としては引き続き、テロに屈することなく、国際社会とともに世界の平和と安定に積極的に貢献していく。今後も邦人の解放に向けて、政府を挙げて取り組んでいく」と強調した。

al-‘Alam al-Yawm, January 25, 2015、読売新聞などをもとに作成。

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国連の人道支援活動(2015年1月24日)

AFP(1月24日付)は、国連安保理に提出されたシリアへの国連人道支援の進捗に関する最新の報告書において、2014年7月以降、トルコ、ヨルダンからシリア国内に54回にわたって人道支援が搬入され、約60万人に支援物資が配給されたと伝えた。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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レバノンの動き(2015年1月24日)

ナハールネット(1月24日付)によると、ベカーア県バアルベック郡ラアス・バアルベック村郊外で23日から続いていたレバノン軍と武装集団の戦闘で、レバノン軍兵士3人が死亡した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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ラッカ、アレッポでイスラーム国メンバーが大量離反・脱走、ヌスラ戦線が脱獄を支援(2015年1月24日)

ラッカ県では、ARA News(1月24日付)がラッカ市の複数の消息筋の話として、ダーイシュ(イスラーム国)に拘束されていたシャームの民のヌスラ戦線戦闘員12人が23日に、離反した元ダーイシュ戦闘員の助けを得て拘置所から脱獄した、と伝えた。

同消息筋によると、12人を脱獄させたダーイシュ離反戦闘員は6人で、いずれもダーイシュに忠誠を誓う前はヌスラ戦線に属していたという。

なおARA Newsによると、ラッカ市での戦闘員の逃走増加を受け、ダーイシュ(イスラーム国)は、ラッカ市やトルコ国境に位置するタッル・アブヤド市一帯に至る地域で23日に夜間外出禁止令を出すとともに、違反者にはむち打ち刑と24時間の投獄刑を科すと警告、ダーイシュ・メンバーに対しても無許可の外出を禁止したという。

また、ARA Newsによると、シリア国境に接するタッル・アブヤド市で、ダーイシュの司令官(アミール)の一人が何者かによって暗殺された。

この司令官は、アブー・ハミードを名のる地元部族出身者で、アイン・アラブ市での戦闘に参加していたという。

アブー・ハミードは、タッル・アブヤド市の国境通行所近くでバイクに乗った2人組に23日に襲われ、その後市内の病院に搬送されたが、24日早朝に死亡したという。

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シャームの民のヌスラ戦線メンバーでアブー・ウマル・フィラスティーニーを名のる男性は、ARA News(1月24日付)に対し、「ラッカ市で活動するヌスラ戦線の複数の細胞は、過去数ヶ月で、ダーイシュのメンバー11人を拉致した」としたうえで、「金曜日(23日)、ダーイシュの刑務所に収監されていた同胞の開放に成功するとともに、多くのダーイシュの同胞(メンバー)が武器をもって離反させ、安全な場所に移動したが、治安上の理由からその場所は空かせない」と述べた。

アブー・ウマル氏によると、「ヌスラ戦線はダーイシュのメンバー40人以上がラッカから武器をもって離反させた」と強調した。

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アレッポ県では、ARA News(1月24日付)が、アブー・ムハンマド・マンビジーを名のるマンビジュ市の住民の話として伝えたところによると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員73人が逃走し、トルコ領内に逃げ込んだ。

73人はガンドゥール村でダーイシュを離反、ジャラーブルス市を経て、トルコ領内に逃げ込んだという。

アブー・ムハンマド氏によると、この脱走を受け、ダーイシュ当局はマンビジュ市、ジャラーブルス市で動員令をかけ、取締を強化したという。

またダーイシュは脱走を幇助したとの容疑で住民3人を拘束したという。

なおアブー・ムハンマド氏によると、脱走した73人は、ドイツ語で書かれたメッセージを残していったというが、その文面については明らかにしなかった。

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同じく、アレッポ県では、ARA News(1月24日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)の主要拠点の一つバーブ市に対して、シリア軍が複数回にわたって空爆を行った。

空爆は、市内の市場、アッジャーン・モスク一帯に対して行われ、救急車輌などが破壊され、隊員1人が負傷した。

またアイン・アラブ市では、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同市中心部の法律学校西部および南部の街区、工業地区・第48通り間の地区を制圧した。

 

また、クッルナー・シュラカー(1月25日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアイン・アラブ市周辺でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同市南部のマーミード村、タルミーク村を制圧した。

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ハサカ県では、ARA News(1月24日付)によると、タッル・タムル町南西部前線で、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とダーイシュ(イスラーム国)が深夜、散発的に交戦した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、January 25, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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シリア国内の暴力:ダマスカス郊外でシリア軍の攻撃激化(2015年1月24日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍はアルバイン市、サクバー市、バイト・サワー村を空爆し、子供1人を含む3人が死亡した。

一方、SANA(1月24日付)によると、バザダーニー市郊外のカフィール・ヤーブース村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦の末、同地一帯を奪還・制圧した。

シリア軍はまた、タッル・クルディー町一帯、リーハーン農場一帯、ドゥーマー市、ザブディーン村一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、イスラーム軍の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス県では、ARA News(1月24日付)によると、ザバダーニー地区、バーブ・トゥーマー地区に反体制武装数段が撃った迫撃砲が着弾し、住民2人が死亡した。

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ダルアー県では、SANA(1月24日付)によると、イブタア町、シャイフ・マスキーン市、ヌアイマ村、カラク村、フラーク市、アトマーン村、ジャムリーン村、ダルアー市マンシヤ地区、ダム街道地区などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線(第101大隊)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またスワイダー県ヒルバト・アウワード村に潜入しようとしていた反体制武装集団の車輌をシリア軍が攻撃、破壊した。

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クナイトラ県では、SANA(1月24日付)によると、マスハラ村、カフターニーヤ町で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、SANA(1月24日付)によると、ブワイティー村、サラーキブ市、カフルラーター村、カフルナジュド村、アブー・ズフール町一帯、ナイラブ村一帯、サルミーン市で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー、シャーム自由人イスラーム運動、シャームの鷹旅団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(1月24日付)によると、ラジャム・カスル村、ムシャイリファ村、ヒブラ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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人権団体発表(2015年1月24日)

シリア人権監視団は、シリア軍が過去4日間で、ダーイシュ(イスラーム国)との戦闘が続くハサカ県、ダイル・ザウル県のほか、クナイトラ県、ラタキア県各所で、504回にわたって空爆を行い、民間人157人(うち子供16人、女性13人)が死亡したと発表した。

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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反体制勢力が「モスクワ1」に向けて統一政治ビジョン(カイロ声明)を採択、発表(2015年1月24日)

エジプトのカイロで22日から開催されていたシリアの主要な反体制政治組織の代表らによる会合は、10項目からなる「カイロ声明」(全文はhttp://all4syria.info/Archive/189715、声明の日付は23日)を採択・発表して閉幕した。

カイロでの会合は、今月末にモスクワで予定されているシリア政府と反体制派の和平交渉(「モスクワ1」)の準備会合として位置づけられて、国内で活動する民主的変革諸勢力国民調整委員会、シリア国家建設潮流のほか、トルコや欧米諸国が支援するシリア革命反体制勢力国民連立が参加した。

「カイロ声明」の骨子は以下の通り:

1. 交渉プロセスは、民主制、文民主権国家への移行を目的とする。

2. 政治的自由、市民権、国民の民族的構成を踏まえた分権制を前提とした近代的民主国家を建設するための社会的契約、国民憲章を合意する。

3. ジュネーブ合意に基づき、国際社会、中東地域の庇護のもとでの現実的な政治解決をめざし、シリア国民およびその革命の要求を体現する。

4. 反体制派の努力が統合されていなかったことが、紛争持続の一因となっていたことを踏まえ、反体制派の姿勢の統一を国民的義務・要請とみなす。

5. すべての逮捕拘束者の釈放、国際人道法の尊重、戦争犯罪と民間人への攻撃の停止、食糧・人道支援の包囲地域への搬入・配給、経済制裁の解除を実現するための政治プロセスの開始。

6. 外国人戦闘員の排除に向けたすべてのシリア人当事者による合意形成。

7. 軍・治安機関の再編、独立と主権の保護。

8. テロの温床を枯渇させるための国際司法への働きかけおよび責任追及。諸外国による国連安保理決議第2170号、第2178号の遵守。

9. 民主的多元化を保証する政治解決、暴力と宗派主義への処罰。

10. 上記8点の実現を審議するための和平会議「シリア国民大会」を今春にカイロで実施することを準備するための準備委員会の設置。

Kull-na Shuraka', January 24, 2015
Kull-na Shuraka’, January 24, 2015

AFP, January 24, 2015、AP, January 24, 2015、ARA News, January 24, 2015、Champress, January 24, 2015、al-Hayat, January 25, 2015、Iraqi News, January 24, 2015、Kull-na Shuraka’, January 24, 2015、al-Mada Press, January 24, 2015、Naharnet, January 24, 2015、NNA, January 24, 2015、Reuters, January 24, 2015、SANA, January 24, 2015、UPI, January 24, 2015などをもとに作成。

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