クナイトラ県バアス市のシリア軍・ヒズブッラーの拠点をイスラエル軍が爆撃したとの情報をめぐって、反体制派系サイトは南部戦線が新型地対地ミサイルを使用したと報道(2016年7月20日)

ARA News(7月20日付)は、イスラエル軍戦闘機がクナイトラ県バアス市の県庁舎に隣接するルーズ・ホテルを空爆したと伝えた。

ディマシュク・アーン(7月19日付)などの政権寄りのサイトなどによると、この空爆によるホテルが損壊したが、民間人死傷者はなかったという。

しかし、フサーム・シャーミーを名のる反体制活動家はARA Newsに対して、「ルーズ・ホテルがシリア軍とヒズブッラー戦闘員の作戦司令室のような役割を果たしており、この空爆で多数の司令官が死亡したと模様だ」と述べた。

一方、クッルナー・シュラカー(7月19日付)は、イスラエル軍による空爆を否定、攻撃は反体制武装集団が地対地ミサイル「ウマル」で行い、シリア軍や親政権民兵に多数の死傷者が出た、と伝えた。

またSMO(7月20日付)は、攻撃を行ったのが南部戦線所属のサラーフッディーン師団だと伝えた。

地対地ミサイル「ウマル」は反体制武装集団による手製のミサイルで、総重量は2トンで、南部戦線のミサイル連隊司令官のアドハム・アクラード氏によると、破壊力はスカッド・ミサイルに匹敵するという。

SMO, July 20, 2016
SMO, July 20, 2016

AFP, July 20, 2016、AP, July 20, 2016、ARA News, July 20, 2016、Champress, July 20, 2016、Dimashq al-An, July 20, 2016、al-Hayat, July 21, 2016、Iraqi News, July 20, 2016、Kull-na Shuraka’, July 20, 2016、al-Mada Press, July 20, 2016、Naharnet, July 20, 2016、NNA, July 20, 2016、Reuters, July 20, 2016、SANA, July 20, 2016、SMO, July 20, 2016、UPI, July 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米国務省報道官は「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザキー運動メンバーによるパレスチナ人少年の処刑に関して「この組織が関与していたのであれば、支援を中止する」と発言(2016年7月20日)

マーク・トナー米国務省報道官は、米国などが後援する「穏健な反体制派」のヌールッディーン・ザキー運動のメンバーがパレスチナ人の少年を処刑した件に関して、「衝撃的な報告」としつつ、「この報告が実際に行われ、この組織が関与しているとの確証を得ることができたら、この組織へのいかなる支援も中止し、今後はいかなる連絡もとらないだろう」と述べた。

AFP, July 20, 2016、AP, July 20, 2016、ARA News, July 20, 2016、Champress, July 20, 2016、al-Hayat, July 21, 2016、Iraqi News, July 20, 2016、Kull-na Shuraka’, July 20, 2016、al-Mada Press, July 20, 2016、Naharnet, July 20, 2016、NNA, July 20, 2016、Reuters, July 20, 2016、SANA, July 20, 2016、UPI, July 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はラッカ市、タブカ市のダーイシュ拠点などを爆撃(2016年7月20日)

ラッカ県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)の中心拠点ラッカ市と主要拠点のタブカ市でダーイシュの拠点に対する空爆を実施した。

**

ヒムス県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍が東ヒブラ村、西ヒブラ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ハマー県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がマフカル村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がティブニー町でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

アレッポ県では、ARA News(7月20日付)によると、シャーム軍団、スルターン・ムラード師団などからなる反体制武装集団がドゥーディヤーン村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦、同地のダーイシュ拠点複数カ所を制圧した。

AFP, July 20, 2016、AP, July 20, 2016、ARA News, July 20, 2016、Champress, July 20, 2016、al-Hayat, July 21, 2016、Iraqi News, July 20, 2016、Kull-na Shuraka’, July 20, 2016、al-Mada Press, July 20, 2016、Naharnet, July 20, 2016、NNA, July 20, 2016、Reuters, July 20, 2016、SANA, July 20, 2016、UPI, July 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市東部に対する包囲解除をめざすヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などの反体制派がシリア軍と同市一帯で激しく交戦(2016年7月20日)

アレッポ県では、シリア人権監視団、SNN(7月20日付)などによると、シリア軍が完全制圧したアレッポ市北部のカースティールー街道一帯の奪還を試みるシャームの民のヌスラ戦線戦やアレッポ・ファトフ軍作戦司令室などの反体制武装集団が、アレッポ市バニー・ザイド地区、ハーリディーヤ地区一帯、アルド・マッラーフ地区農場一帯でシリア軍、シリア人・外国人民兵と交戦した。

SNNによると、戦闘はまた、ハンダラート・キャンプ一帯、フライターン市、アナダーン市、カフルハムラ村、ハイヤーン町、アレッポ市ライラムーン地区、ハラーミース地区、アースィヤー地区でも激しく行われた。

アレッポ・ファトフ軍作戦司令室はハンダラート・キャンプ一帯での戦闘でシリア軍の拠点複数カ所を制圧、兵士やクドス旅団(パレスチナ人)メンバー16人を殲滅したという。

これに対して、シリア軍は、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市のバーブ街道地区を「樽爆弾」で空爆し、女性2人が死亡した。

また戦闘機(所属明示せず)がアターリブ市、フライターン市を空爆した。

一方、シャーム自由人イスラーム運動は19日に声明を出し、アレッポ市包囲解除の戦いを開始すると宣言し、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に復帰した。

シャーム自由人イスラーム運動は13日、アレッポ市北部カースティールー街道をめぐる攻防戦を「自殺行為」を批判し、戦闘への不参加を表明していた。

他方、SANA(7月20日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市ナイル通り地区、ハーリディーヤ地区、スライマーニーヤ地区、マシャーリカ地区、マイダーン地区、国立公園一帯を砲撃し、女児1人が死亡、20人が負傷した。

このほか、アレッポ市南部および南西部一帯で活動する新生ファトフ軍は声明を出し、アレッポ市南西部のラームーサ地区で、シリア政府の支配下にあるアレッポ市西部とアレッポ県南部を結ぶ街道を封鎖、同地を包囲したと発表した。

しかし、SANA(7月19日付)は、この発表を直ちに否定した。

**

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月20日付)によると、戦闘機(所属明示せず)がイドリブ市を激しく空爆し、11人が死亡、35人が負傷した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー町一帯での「ヤルムークの戦い」作戦司令室との戦闘で、砂漠の鷹旅団のダマスカス拠点司令官(大佐)が死亡した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がドゥーマー市、ミスラバー市、ダーライヤー市一帯、フライラ村一帯、イフラ村一帯を空爆した。

**

ダルアー県では、SANA(7月20日付)によると、シリア軍がダルアー市内の製粉工場一帯に侵攻しようとしたシャームの民のヌスラ戦線と交戦、戦闘員20人を殲滅した。

シリア軍はまたダルアー市旧税関地区などでもヌスラ戦線の拠点を攻撃した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月19日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は795件。

**

アサド大統領は2016年法律第14号を施行し、兵役に服さない国家公務員の解職を定めた2007年政令第30号を廃止した。

AFP, July 20, 2016、AP, July 20, 2016、ARA News, July 20, 2016、Champress, July 20, 2016、al-Hayat, July 21, 2016、Iraqi News, July 20, 2016、Kull-na Shuraka’, July 20, 2016、al-Mada Press, July 20, 2016、Naharnet, July 20, 2016、NNA, July 20, 2016、Reuters, July 20, 2016、SANA, July 20, 2016、SNN, July 20, 2016、UPI, July 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は19日にマンビジュ市一帯を3度にわたり爆撃(2016年7月20日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月19日にシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して16回の空爆を行ったと発表した。

このうちシリア領内での空爆は3回で、いずれもマンビジュ市近郊に対して攻撃が行われた。

AFP, July 20, 2016、AP, July 20, 2016、ARA News, July 20, 2016、Champress, July 20, 2016、al-Hayat, July 21, 2016、Iraqi News, July 20, 2016、Kull-na Shuraka’, July 20, 2016、al-Mada Press, July 20, 2016、Naharnet, July 20, 2016、NNA, July 20, 2016、Reuters, July 20, 2016、SANA, July 20, 2016、UPI, July 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務省は南シナ海における中国の領有権を支持すると発表(2016年7月20日)

外務在外居住者省は声明を出し、国際仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)での南シナ海の両級県をめぐる裁定に関して、中国政府の立場に沿って、同海域における中国の領有権を支持すると発表した。

AFP, July 20, 2016、AP, July 20, 2016、ARA News, July 20, 2016、Champress, July 20, 2016、al-Hayat, July 21, 2016、Iraqi News, July 20, 2016、Kull-na Shuraka’, July 20, 2016、al-Mada Press, July 20, 2016、Naharnet, July 20, 2016、NNA, July 20, 2016、Reuters, July 20, 2016、SANA, July 20, 2016、UPI, July 20, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

欧米諸国が支援する「穏健な反体制派」(ヌールッディーン・ザンキー運動)がパレスチナ人の少年を処刑(2016年7月19日)

ヌールッディーン・ザンキー運動は声明を出し、アレッポ市北部のハンダラート・キャンプ一帯でのシリア軍、クドス旅団との戦闘中に捕捉した子供1人を処刑したことを認めつつ、この処刑が「個人的な過ち」によってもたらされたと強調、組織としての関与を否定した。

ARA News(7月19日付)、SANA(7月19日付)などによると、6歳に満たないパレスチナ人の少年を「パレスチナ人の民兵組織クドス旅団のメンバー」だとして、ヌールッディーン・ザンキー運動の戦闘員が処刑するシーンを撮影したとされる映像が複数の活動家によってインターネット上に拡散されていた。

処刑されたとされる少年はヒムス市バーブ・スィバーア地区出身のアブドゥッラー・イーサーくん。

シリア人権監視団によると、処刑はアレッポ市マシュハド地区で行われた。

ヌールッディーン・ザンキー運動は、シャーム戦線に所属する「穏健な反体制派」で、シャーム自由人イスラーム運動も参加するアレッポ・ファトフ軍作戦司令室に参加し、シャームの民のヌスラ戦線と共闘し、トルコ経由で米国製のTOW対戦車ミサイルを入手するなどして、アレッポ市北部でのシリア軍との戦闘を主導している。

ARA News, July 19, 2016
ARA News, July 19, 2016

 

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領の長男ハーフィズ氏が科学オリンピックでシリアの数学チーム・メンバーとして感謝状を受ける(2016年7月19日)

SANA(7月19日付)は、シリアの科学オリンピック代表チームが、香港で開催された第57回科学オリンピック大会とスイスで開催された第47回国際物理オリンピック大会で銅メダル三つと感謝状4通を授与されたと伝えた。

銅メダルを獲得したのは、ムハンマド・フナイヌー氏、マールク・ジャッブール氏、ガイス・ザーヒリー氏で、感謝状を授与されたのは、数学チームのアサド大統領の長男のハーフィズ・バッシャール・アサド氏、アフマド・マフラズ氏、ジュルナール・シャフード氏、物理学チームのナビール・ハリール氏。

なおクッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、SANAが公開した写真の中央に写っている白いTシャツを着た長身の青年がハーフィズ・バッシャール・アサド氏。

SANA, July 19, 2016
SANA, July 19, 2016

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アレッポ市北部のカースティールー街道を完全制圧したシリア軍が、同地の支配とアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域への包囲を強化するため、ハンダラート・キャンプ一帯で攻勢(2016年7月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のカースティールー街道を完全制圧したシリア軍がパレスチナ人の民兵組織クドス旅団などとともに、同地の支配とアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域への包囲を強化するため、同市北部のハンダラート・キャンプ一帯でアレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団と交戦、また戦闘機(所属明示せず)が同地を空爆した。

戦闘機はまた、アレッポ市フルワーニーヤ地区、バーブ街道地区などの反体制武装集団支配地域への空爆を継続し、子供2人を含む12人が死亡したほか、アレッポ市北東部のアターリブ市一帯に対しても空爆を行った。

ARA News(7月19日付)によると、アターリブ市に対して空爆を行ったのはロシア軍で、これにより多数の住民が死傷したという。

ARA News(7月19日付)によると、シリア軍とロシア軍の戦闘機はさらに、アレッポ市サーフール地区、カーティルジー地区、バーブ・ナイラブ地区、フィルドゥース地区、サーリヒーン地区、マシュハド地区を空爆・砲撃し、数十人が死亡したという。

一方、ARA News(7月19日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあるタッル・リフアト市を反体制武装集団が砲撃した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハラスター市、バイト・サワー村、ドゥーマー市一帯を空爆し、住民10人が死亡した。

一方、SANA(7月19日付)によると、イスラーム軍がハラスター市郊外を砲撃し、1人が死亡、5人が負傷した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー町一帯で、シリア軍、砂漠の鷹旅団などのシリア人・外国人民兵が、シャームの民のヌスラ戦線などからなる「ヤルムークの戦い」作戦司令室と交戦した。

**

イドリブ県では、ARA News(7月19日付)によると、ファトフ軍がフーア市、カファルヤー町を砲撃した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月18日に3件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がハマー県東部でダーイシュと交戦の末、石油パイプラインを奪還(2016年7月19日)

ハマー県では、SANA(7月19日付)によると、シリア軍がダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末、サラミーヤ市東方の石油パイプラインを奪還した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がダイル・ザウル市一帯各所で拘束した男性11人を処刑した。

**

アレッポ県では、ARA News(7月19日付)によると、トルコ国境に近い反体制武装集団の拠点都市マーリア市をダーイシュ(イスラーム国)が砲撃した。

これに対し、シャーム軍団、スルターン・ムラード師団、ハムザ旅団はドゥーディヤーン村奪還をめざしダーイシュと交戦した。

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合はダーイシュが籠城するマンビジュ市北部のトゥーハール村に対する爆撃で民間人50人以上を殺害する一方、シリア外務省はフランス空軍がトゥーハーン村を爆撃し、住民120人以上を殺害したと国連に報告(2016年7月19日)

アレッポ県では、シリア人権監視団などによると、米軍主導の有志連合が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるトゥーハール(توخار)村(マンビジュ市北部)を空爆し、子供11人を含む民間人56人が死亡し、数十人が負傷した。

同監視団によると、住民はダーイシュと西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍との戦闘を避けるため非難しようとしていたところを空爆され、「同村一帯のダーイシュを有志連合が攻撃するなかでの誤爆だと思われる」という。

これに関して、ダーイシュの戦果を宣伝するアアマーク通信(7月19日付)は、有志連合によるトゥーハール村空爆で民間人160人が死亡したと発表した。

なお、有志連合は18日にもマンビジュ市、トゥーハール村などを空爆し、民間人21人を殺害していた。

**

アレッポ市一帯で活動するアレッポ・ファトフ軍作戦司令室は声明を出し、有志連合によるトゥーハール村への空爆を「虐殺」と非難するとともに、民間人を保護するための措置を講じるよう求めた。

**

一方、外務在外居住者省は国連事務総長と安保理議長宛に書簡を送り、フランス空軍がアレッポ市マンビジュ市北部のトゥーハーン(طوخان)村を空爆し、住民を「虐殺」したと報告、これを非難するよう要請した。

書簡によると、フランス空軍は米軍主導の有志連合に参加し、シリア領内での違法な空爆を行ってきたが、19日にトゥーハーン村に対して行った空爆では、住民120人以上が死亡、数十人が負傷、数十人が行方不明となったという。

犠牲者のほとんどは女性、子供、老人。

なお、外務在外居住者省によると、有志連合がマンビジュ市ハザーウィヤ地区に対して行った空爆で18日にも住民20人が死亡、数十人が負傷したという。


米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は788件。

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は15~18日までの4日間でダーイシュが籠城するマンビジュ市一帯を45回爆撃したと発表(2016年7月19日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月15日~18日までの4日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月15日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は13回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(9回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

7月16日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は9回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

7月17日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

7月18日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して31回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は21回で、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(18回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

有志連合の合同司令部はまた、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が17日、マンビジュ市内のダーイシュが作戦本部として使用していた病院(マンビジュ国立病院)を制圧したと発表した。

AFP, July 19, 2016、AP, July 19, 2016、ARA News, July 19, 2016、Champress, July 19, 2016、al-Hayat, July 20, 2016、Iraqi News, July 19, 2016、Kull-na Shuraka’, July 19, 2016、al-Mada Press, July 19, 2016、Naharnet, July 19, 2016、NNA, July 19, 2016、Reuters, July 19, 2016、SANA, July 19, 2016、UPI, July 19, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍によるカースティール街道完全制圧後もアレッポ市北部一帯でシリア軍とヌスラ戦線などからなる反体制派の戦闘続く(2016年7月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、17日のシリア軍によるカースティールー街道一帯の完全制圧とアレッポ市東部の反体制武装集団支配地域を全面封鎖以降も、アレッポ市北部のアルド・マッラーフ地区農場一帯、カースティール街道一帯でシリア軍が、シャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団と交戦を続けた。

また反体制武装集団は、アレッポ市スィルヤーン地区新市街、アシュラフィーヤ地区、ファイサル通り地区を砲撃、これに対して戦闘機(所属明示せず)はアレッポ市マイサル地区を空爆した。

ARA News(7月18日付)によると、シリア軍戦闘機はアレッポ市カーティルジー地区を空爆する一方、ロシア軍戦闘機はアレッポ市西部一帯(ジャムイーヤト・ムハンディスィーン地区など)を空爆したという。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市ライラムーン地区で反体制武装集団と交戦し、同地区の複数の建物群を制圧した。

このほか、ARA News(7月18日付)によると、アレッポ市北部の工業団地地区に近いシャイフ・ユースフ丘一帯を反体制武装集団が砲撃、シリア軍と交戦した。

また、アレッポ市シャイフ・マクスード地区に侵入しようとした反体制武装集団(第16歩兵師団)戦闘員3人を西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が殺害した。

さらに、新生ファトフ軍はアレッポ市南部のシュガイディラ・ダム一帯のシリア軍拠点を攻撃した。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍、シリア人・外国人民兵が、キンサッバー町および同地周辺(クルド山一帯)で、シャームの民のヌスラ戦線、トルキスターン・イスラーム党などからなる反体制武装集団と交戦した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市一帯でジハード主義武装集団と交戦、「樽爆弾」、地対地ミサイルで同地を攻撃した。

また戦闘機(所属明示せず)がリーハーン農場一帯、ザーキヤ町一帯を空爆し、複数人が死傷した。

**

ダルアー県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がブスラー・シャーム市東部からワーディー・ザイディーに向かって移動中のシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

シリア軍はまた、ハッラーブ・シャフム村街道、ダルアー市旧税関地区、郵便局一帯、ブスラー広場一帯でヌスラ戦線と交戦した。

**

クナイトラ県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がハミーディーヤ村・サムダーニーヤ村回廊などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月18日付)によると、ヒムス市ワアル地区に赤十字国際委員会とシリア赤新月社のチームが人道支援物資(貨物車輌26輌分)を搬入した。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がガジャル村一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

スワイダー県では、SANA(7月18日付)によると、ビール地区でシリア軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月17日に1件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は785件。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ダーイシュはYPG主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市郊外の村を攻撃し、シリア民主軍戦闘員50人あまりを殺害(2016年7月18日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市内西部および北部で、シリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)の戦闘が続き、シリア民主軍の戦闘員9人が死亡した。

またマンビジュ市郊外に位置するカルドゥーシャーナ村、ハムダーナート村では、ダーイシュがシリア民主軍の拠点に対する自爆攻撃を行い、戦闘員50人あまりが死亡した。

一方、米軍主導の有志連合は、トルコでのクーデタ未遂事件により一時使用が中止されていたインジルリク空軍基地からシリア領内のダーイシュ拠点に対する空爆を再開し、マンビジュ市一帯などで空爆を実施し、民間人21人が巻き添えなり死亡した。

他方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がアレッポ市党部の航空士官学校一帯に侵入しようとしたダーイシュ(イスラーム国)を撃退した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タドムル市北東部の穀物サイロ地区一帯、タドムル市・スフナ市街道一帯で、シリア軍、国防隊がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

一方、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、フワイスィース村一帯でダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆した。

**

ハマー県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がティバーラト・ディーバ村・マフカル村回廊一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

スワイダー県では、SANA(7月18日付)によると、シリア軍がラジャム・ダウラ村一帯でダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。


AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム戦線はシリア軍によるアレッポ市東部反体制武装集団支配地域の包囲の責任がYPGにあると非難(2016年7月18日)

シャーム戦線は声明を出し、シリア軍によるカースティール地区完全制圧に関して、アレッポ市シャイム・マクスード地区を実効支配する西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が参加しなければ実現しなかったと断じ、これを非難した。

シャーム戦線は、「命じられるままに進め」連合、ムジャーヒディーン軍、イスラーム戦線、シャーム自由人イスラーム運動、ヌールッディーン・ザンキー運動、シャームの鷹旅団、アサーラ・ワ・タンミヤ運動、ハズム運動からなる連合組織。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア人権監視団:4月下旬からシリア軍によるアレッポ市北部カースティール街道完全封鎖にいたる17日までにアレッポ市一帯で民間人914人が死亡(2016年7月18日)

シリア人権監視団は、アレッポ市一帯での戦闘が激化した4月22日して以降、同市北部のカースティール街道がシリア軍によって完全制圧された7月17日までの期間に、空爆・砲撃で民間人914人(うち子供204人、女性143人)が死亡、5,700人が負傷したと発表した。

このうち、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部(カッラーサ地区、マガーイル地区、フィルドゥース地区、サーフール地区、ムワーサラート地区、マルジャ地区、バーブ・ナイラブ地区、バーブ街道地区、アシュラフィーヤ地区、バニー・ザイド地区、アーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区、ザバディーヤ地区、ブアイディーン地区、ブスターン・カスル地区、カースティールー地区、サカン・シャバービー地区、アンサーリー地区、スッカリー地区、ジスル・ハッジ地区、サーリヒーン地区、マシュハド地区、ハイダリーヤ地区、カルム・タッラーブ地区、アーミリーヤ地区、アクユール地区、ジャズマーティー地区など)に対するシリア軍、ロシア軍などの空爆・砲撃での死者は525人(うち子供112人、女性54人)だった。

一方、シリア政府の支配下にとどまるアレッポ市西部(スィルヤーン地区、アズィーズィーヤ地区、ティシュリーン通り地区、アンダルス通り地区、県庁一帯、ミンヤーン地区、ムーカンブー地区、ハラブ・ジャディーダ地区、アシュラフィーヤ地区、サイフ・ダウラ地区、ハーリディーヤ地区、ジスル・マイサルーン地区、スライマーニーヤ地区、県知事邸一帯、シャフバー地区、マシャーリカ地区、ハムダーニーヤ地区、ジュマイリーヤ地区、マイダーン地区、メリディヤーン地区、マールティーニー地区、イザーア地区、ラームーサ地区、サアドッラー・ジャービリー地広場、ザフラー協会地区など)では、反体制武装集団の砲撃により353人(うち子供83人、女性83人)が死亡したという。

また西クルディスタン移行期民政局の支配下にあるシャイフ・マクスード地区に対する反体制武装集団の砲撃では23人(うち子供6人、女性3人)が死亡したという。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ国内でのクーデタ未遂事件にもかかわらず、米主導の有志連合によるシリア領内での爆撃回数に減少は見られず(2016年7月18日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月15日~17日までの3日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月15日はシリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は13回で、ラッカ市近郊(2回)、マンビジュ市近郊(9回)、マーリア市近郊(2回)に対して攻撃が行われた。

7月16日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は8回で、ブーカマール市近郊(1回)、ラッカ市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(7回)に対して攻撃が行われた。

7月17日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して23回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ブーカマール市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(11回)に対して攻撃が行われた。

なお、7月15日深夜から16日未明にかけて、トルコ国内では軍事クーデタ未遂事件が発生し、シリア領内でのダーイシュ拠点への空爆に使用されているインジルリク空軍基地が16、17日の2日にわたって使用中止となっていた。

AFP, July 18, 2016、AP, July 18, 2016、ARA News, July 18, 2016、Champress, July 18, 2016、al-Hayat, July 19, 2016、Iraqi News, July 18, 2016、Kull-na Shuraka’, July 18, 2016、al-Mada Press, July 18, 2016、Naharnet, July 18, 2016、NNA, July 18, 2016、Reuters, July 18, 2016、SANA, July 18, 2016、UPI, July 18, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米・ロシアの「テロとの戦い」をめぐる直接軍事協力の合意が見送られるなか、シリア軍はアレッポ市北部のカースティールー街道一帯を完全制圧し、反体制派の支配下にあるアレッポ市東部を全面封鎖(2016年7月17日)

アレッポ県では、『ハヤート』(7月18日付)などによると、約2週間前にアレッポ市北部のカースティール街道を射程圏内に収めていたシリア軍が、シリア空軍とロシア空軍の航空支援を受け、ライラムーン地区からカースティールー街道一帯に進軍し、同地を完全制圧、反体制武装集団の支配下にあるアレッポ市東部の街区を全面封鎖した。

シリア人権監視団によると、この戦闘でシャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団の戦闘員16人が死亡したという。

また、SANA(7月17日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにアレッポ市北部一帯で反体制武装集団との戦闘を続け、カースティール街道一帯で制圧地域を拡大した。

シリア情勢をめぐっては、14~15日、ジョン・ケリー米国務長官がロシアを訪問し、ヴラジミール・プーチン大統領、セルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談し、ダーイシュやヌスラ戦線に対する「テロとの戦い」での直接軍事協力の是非について意見を交わしていたが、具体的な合意には至っていなかった。

同監視団によると、アレッポ市北西部のライラムーン地区一帯、カースティール街道一帯、バニー・ザイド地区では、シリア軍およびそれを後援するシリア人・外国人民兵と反体制武装集団との戦闘が依然として続いており、戦闘機(所属明示せず)が空爆を行っているという。

また、戦闘機は、アレッポ市西部郊外のアターリブ市に対して空爆を行い、8人が死亡したほか、シリア軍がマアーッラト・アルティーク村を砲撃したという。

空爆は、アレッポ市のシュカイイフ地区など反体制武装集団支配地域に対しても行われたという。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市シャフバー地区、ジュマイリーヤ地区といったシリア政府支配地域を砲撃し、住民4人が死亡した。

これに関して、SANA(7月17日付)は、反体制武装集団がアレッポ市ナイル通り地区、県庁一帯を砲撃し、子供1人と女性2人の合わせて3人が死亡、15人が負傷したと伝えた。

一方、アレッポ市北東部の工業団地地区では、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室による進攻に対して、戦闘機が空爆で反撃した。

なお、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室は、反体制武装集団はシリア軍によって制圧されたカースティールー街道沿いの複数の拠点を奪還したと主張している。

Kull-na Shuraka', July 17, 2016
Kull-na Shuraka’, July 17, 2016

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、キンサッバー町内およびクルド山一帯で、シリア軍、シリア人・外国人民兵が「ヤルムークの戦い」作戦司令室と交戦を続けた。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がダーライヤー市各所を「樽爆弾」で空爆、また戦闘機(所属明示せず)が同市、フーシュ・ナスリー村、マイダアーニー村、ドゥーマー市一帯を空爆した。

これに対して反体制武装集団はアシュラフィーヤト・サフナーヤー市を砲撃した。

一方、SANA(7月17日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに、バイト・サービル町(クナイトラ県)・ハズラジーヤ農場(クナイトラ県)・ハサヌー村回廊一帯、サアサア町、ハラファー村、バイト・ジン村一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、クマイナース村にあるファトフ軍に所属するスンナ軍の本部近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、スンナ軍メンバー3人が死亡した。

**

ハマー県では、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がサラミーヤ市・イスリヤー村回廊一帯でシャームの民のヌスラ戦線を要撃し、戦闘員多数を殲滅した。

**

ヒムス県では、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がガジャル村近郊でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

一方、ヒムス市、ハスヤー町、タルビーサ市、ラスタン市出身の住民155人が地元和解プロセスの一環で武器を棄て、治安当局に出頭、その後放免となった。

155人はいずれも反体制武装集団に参加していたという。

**

ダルアー県では、クッルナー・シュラカー(7月17日付)によると、ナワー市でファトフ・ムビーン(必勝)旅団司令官のラーカーン・タルハ氏が自宅近くで何者かに撃たれて死亡した。

一方、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がダルアー市ブスラー広場一帯、マンシヤ地区、旧税関地区でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

クナイトラ県では、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がハミーディーヤ裏一帯、クナイトラ市でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月16日に3件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は784件。

AFP, July 17, 2016、AP, July 17, 2016、ARA News, July 17, 2016、Champress, July 17, 2016、al-Hayat, July 18, 2016、Iraqi News, July 17, 2016、Kull-na Shuraka’, July 17, 2016、al-Mada Press, July 17, 2016、Naharnet, July 17, 2016、NNA, July 17, 2016、Reuters, July 17, 2016、SANA, July 17, 2016、UPI, July 17, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合によるマンビジュ市爆撃で女性1人とその子供4人を含む住民5人が死亡(2016年7月17日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、有志連合戦闘機が、ダーイシュ(イスラーム国)が籠城を続けるマンビジュ市各所を空爆し、女性1人とその子供4人を含む住民5人が死亡した。

また同市内では、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とダーイシュが戦闘を続け、ARA News(7月17日付)によると、マンビジュ市内のヌフース地区、ラービト街道一帯を制圧した。

有志連合は、マンビジュ市以外にもダーイシュの支配下にある県東部のマフドゥーム村を空爆した。

一方、ARA News(7月17日付)によると、ティシュリーン・ダム東部でシリア民主軍とダーイシュが交戦し、ダーイシュの司令官(アミール)の一人アブー・フィラース・サフワーニー氏が死亡した。

また、トルコ国境に近い北部の反体制武装集団の拠点都市マーリア市をダーイシュ(イスラーム国)が砲撃した。

**

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)が、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うワリード・ブン・ワリード軍の支配下にあるアシュアリー農場一帯を空爆した。

**

ハマー県では、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がティバーラト・ディーバ村、アブー・ハナーヤー村、アブー・フバイラート村、ハルダーナー村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(7月17日付)によると、シリア軍がブガイリーヤ村、ジャフラ村一帯、サルダ山一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

また、ARA News(7月17日付)によると、ロシア軍航空機がダイル・ザウル市内のシリア政府支配地域に食糧・燃料などの物資を投下した。

AFP, July 17, 2016、AP, July 17, 2016、ARA News, July 17, 2016、Champress, July 17, 2016、al-Hayat, July 18, 2016、Iraqi News, July 17, 2016、Kull-na Shuraka’, July 17, 2016、al-Mada Press, July 17, 2016、Naharnet, July 17, 2016、NNA, July 17, 2016、Reuters, July 17, 2016、SANA, July 17, 2016、UPI, July 17, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシアのプーチン大統領はトルコのエルドアン大統領と電話会談「民主的に選出された政府を力尽くで倒すことは許さない」(2016年7月17日)

ロシア大統領府は声明を出し、ヴラジミール・プーチン大統領がトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談を行い、15日深夜から16日未明にかけてトルコで起こった軍事テロ未遂事件に関して、「憲法に反する振る舞いを行い、民主的に選出された政府を力尽くで倒そうとすることを許さないのがロシアの基本路線」である旨伝えたことを明らかにした。

AFP, July 17, 2016、AP, July 17, 2016、ARA News, July 17, 2016、Champress, July 17, 2016、al-Hayat, July 18, 2016、Iraqi News, July 17, 2016、Kull-na Shuraka’, July 17, 2016、al-Mada Press, July 17, 2016、Naharnet, July 17, 2016、NNA, July 17, 2016、Reuters, July 17, 2016、SANA, July 17, 2016、UPI, July 17, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍はアレッポ市北部とラタキア県のトルコ国境地帯で攻勢(2016年7月16日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市旧市街のバーブ・ナスル地区をシリア軍が空爆し、子供4人を含む11人が死亡した。

シリア軍はまたフィルドゥース地区、マアーディー地区、ブスターン・カスル地区も空爆、9人が死亡した。

さらにARA News(7月16日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊がアレッポ市シャイフ・マクスード地区で、反体制武装集団と交戦し、武装集団戦闘員4人が死亡した。

一方、SANA(7月16日付)によると、反体制武装集団がアレッポ市内の県知事公邸一帯、サアドッラー・ジャービリー広場一帯を砲撃し子供2人を含む3人が死亡した。

このほか、クッルナー・シュラカー(7月16日付)によると、サフィーラ市近郊の防衛工場機構で大きな爆発が起こった。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がクルド山、トルクメン山各所を空爆する一方、反体制武装集団が米国製のTOW対戦車ミサイルでシリア軍に対して反撃した。

またシリア軍、シリア人・外国人民兵(砂漠の鷹旅団など)はキンサッバー町一帯で反体制武装集団(ヤルムークの戦い作戦司令室)と交戦した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともに県北部のキンサッバー町一帯、シャラフ砦、トゥーバール砦、同地周辺の丘陵地帯を反体制武装集団との戦闘の末に制圧した。

**

ダルアー県では、ドゥラル・シャーミーヤ(7月16日付)によると、反体制武装集団がダイル・アダス村一帯でシリア軍を攻撃、シリア軍側は同地への空爆で対抗した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がダルアー市電力会社南部一帯でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

この戦闘でダルアー市カラク地区にヌスラ戦線が撃った迫撃砲弾が着弾し、1人が負傷した。

**

イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(7月16日付)によると、タッル・カラーマ村の発電所が爆発し、子供1人を含む住民5人が死亡した。

**

ヒムス県では、クッルナー・シュラカー(7月16日付)によると、シリア当局のカズハル村、ウンム・カスブ村の一部を旅客バスで搬送、退去させた。

両村の住民のほとんどはトルクメン人。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月15日に5件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は781件。

AFP, July 16, 2016、AP, July 16, 2016、ARA News, July 16, 2016、Champress, July 16, 2016,、al-Durar al-Shamiya, July 16, 2016、al-Hayat, July 17, 2016、Iraqi News, July 16, 2016、Kull-na Shuraka’, July 16, 2016、al-Mada Press, July 16, 2016、Naharnet, July 16, 2016、NNA, July 16, 2016、Reuters, July 16, 2016、SANA, July 16, 2016、UPI, July 16, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍がマンビジュ市内でダーイシュとの戦闘を継続(2016年7月16日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市を米主導の有志連合が空爆した。

空爆はマンビジュ国立病院一帯などに対して行われたという。

またシリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)はマンビジュ市西部一帯で戦闘を続けた。

**

ハマー県では、ダーイシュ(イスラーム国)の戦果を宣伝するアアマーク通信(7月16日付)によると、ダーイシュが県東部のマフカル村、アカーリブ・サーフィー村でシリア軍の検問所7カ所を制圧した。

シリア人権監視団、クッルナー・シュラカー(7月16日付)によると、県東部のマフカル村、アカーリブ村、マブウージャ村一帯でシリア軍とダーイシュは交戦したという。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)がタドムル市北東部の穀物サイロ地区一帯で交戦した。

一方、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がシャーイル油田一帯、タドムル市東部および南東部郊外一帯、スフナ市一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

ダイル・ザウル県では、SANA(7月16日付)によると、シリア軍がムーハサン市でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

AFP, July 16, 2016、AP, July 16, 2016、ARA News, July 16, 2016、Champress, July 16, 2016、al-Hayat, July 17, 2016、Iraqi News, July 16, 2016、Kull-na Shuraka’, July 16, 2016、al-Mada Press, July 16, 2016、Naharnet, July 16, 2016、NNA, July 16, 2016、Reuters, July 16, 2016、SANA, July 16, 2016、UPI, July 16, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍、タフリール軍、シリア国民連合、リヤド最高交渉委員会はトルコでの軍事クーデタ未遂を非難(2016年7月16日)

シャーム自由人イスラーム運動は、7月15日深夜から16日にトルコで発生した軍事クーデタ未遂事件に関して声明を出し、トルコ政府により事態収拾に歓迎の意を示すとともに、トルコを「イスラーム教徒のウンマ、全世界で不正に喘ぐ諸国民の希望」と賞賛、「トルコとの精神的に連帯」を表明した。

また、イスラーム軍も声明を出し、軍事クーデタを鎮圧したレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に祝辞を送り、「トルコ国民の勝利は、自由をめざすシリア国民の勝利でもある」と絶賛した。

このほか、シリア国内で活動する武装集団が共同声明を出し、トルコ政府への指示を表明するとともに、タフリール軍は、クーデタの背後にイランがいると断じた。

一方、シリア革命反体制勢力国民連立は声明を出し、「国民の意思を掌握しようとする絶望と不正に満ちた試み」と非難、トルコ政府による事態収拾に歓迎の意を示した。

また、リヤド最高交渉委員会も声明を出し「国民の意思は戦車よりも強い。我々は正統な政府を支持する」と表明した。

AFP, July 16, 2016、AP, July 16, 2016、ARA News, July 16, 2016、Champress, July 16, 2016、al-Hayat, July 17, 2016、Iraqi News, July 16, 2016、Kull-na Shuraka’, July 16, 2016、al-Mada Press, July 16, 2016、Naharnet, July 16, 2016、NNA, July 16, 2016、Reuters, July 16, 2016、SANA, July 16, 2016、UPI, July 16, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

YPG主体のシリア民主軍がダーイシュとの戦闘の末マンビジュ市内の国立病院を制圧(2016年7月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市内で、シリア民主軍とダーイシュ(イスラーム国)が交戦、米主導の有志連合が同地に空爆を行った。

有志連合はまたマンビジュ市とジャラーブルス市を結ぶ街道に架かる橋を空爆で破壊した。

なお、ARA News(7月15日付)によると、シリア民主軍はダーイシュとの戦闘の末にマンビジュ市内の国立病院を制圧した。

AFP, July 15, 2016、AP, July 15, 2016、ARA News, July 15, 2016、Champress, July 15, 2016、al-Hayat, July 16, 2016、Iraqi News, July 15, 2016、Kull-na Shuraka’, July 15, 2016、al-Mada Press, July 15, 2016、Naharnet, July 15, 2016、NNA, July 15, 2016、Reuters, July 15, 2016、SANA, July 15, 2016、UPI, July 15, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア軍がヒムス県東部のダーイシュ拠点を爆撃し、18人を殺害(2016年7月15日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がスフナ市一帯、タドムル市南部郊外などのダーイシュ(イスラーム国)拠点を空爆し、メンバー18人が死亡した。

**

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がブーライル村を空爆し、子供3人、女性3人を含む7人が死亡した。

一方、SANA(7月15日付)によると、シリア軍がマリーイーヤ村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

**

スワイダー県では、SANA(7月15日付)によると、シリア軍がアシュハイブ丘一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を攻撃、破壊した。

AFP, July 15, 2016、AP, July 15, 2016、ARA News, July 15, 2016、Champress, July 15, 2016、al-Hayat, July 16, 2016、Iraqi News, July 15, 2016、Kull-na Shuraka’, July 15, 2016、al-Mada Press, July 15, 2016、Naharnet, July 15, 2016、NNA, July 15, 2016、Reuters, July 15, 2016、SANA, July 15, 2016、UPI, July 15, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍とヌスラ戦線などからなる反体制派がアレッポ市一帯で戦闘を続ける(2016年7月15日)

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市北部のライラムーン地区一帯、アルド・マッラーフ地区南部農場一帯でシリア軍とシャームの民のヌスラ戦線、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室などからなる反体制武装集団が激しく交戦、戦闘機(所属明示せず)が同地およびハンダラート・キャンプ一帯、アレッポ市バニー・ザイド地区を空爆したた。

戦闘機はまた、カフルハムラ村、アナダーン市、フライターン市、アレッポ市バーブ街道地区、サーリヒーン地区に対しても空爆を行い、アレッポ市では子供1人を含む9人が死亡した。

これに対して、反体制武装集団もシリア政府支配下のアレッポ市ナイル通り一帯、フルカーン地区を砲撃し、1人が死亡した。

なお、SANA(7月15日付)によると、シリア軍が「支援部隊」(ロシア軍など)とともにアレッポ市北西部のハーリディーヤ地区、ライラムーン地区・バニー・ザイド地区でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などの反体制武装集団の拠点に対して正確且つ迅速な攻撃を加え、同地の複数の建物群を制圧した。

一方、ARA News(7月15日付)によると、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室はアレッポ市北東部の工業団地地区一帯にあるシリア軍、クドス旅団(パレスチナ人)の拠点を襲撃した。

**

ダルアー県では、フルカーン旅団、アジュナード・シャーム・イスラーム連合、シリア革命家戦線など南部戦線に所属する反体制武装集団が「それはアッラーのため」と銘打って県内各所での戦闘を激化させた。

しかし、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がブスラー・シャーム市およびその一帯、ヨルダン国境に近いナスィーブ村を空爆し、反体制武装集団戦闘員8人が死亡した。

一方、SANA(7月15日付)によると、シリア軍がダルアー市難民キャンプ地区一帯、ハマーディーン地区、バジャービジャ地区、旧税関地区、ヌアイマ村でシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

**

スワイダー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー県との県境にあるムジャイミル村を反体制武装集団が砲撃し、女性1人が死亡した。

一方、SANA(7月15日付)によると、シリア軍がブスラー・シャーム市方面(ダルアー県)からバルド村、ムジャイミル村方面に進軍したシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。

この戦闘で、両村に迫撃砲弾複数発が着弾し、住民2人が死亡したという。

**

ラタキア県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がクルド山のカッバーナ村一帯を空爆、またシリア軍が同地を砲撃した。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がアブー・ズフール町を空爆し、子供1人が死亡した。

クッルナー・シュラカー(7月15日付)によると、アブー・ズフール町に対するロシア軍の空爆で死亡したのは8人。

**

ダマスカス郊外県では、SNN(7月15日付)によると、シリア軍がダーライヤー市を砲撃、またシリア軍戦闘機がリーハーン農場、シャイフーニーヤ村、フース・ナスリー村、フーシュ・ファーラ村、ドゥーマー市一帯、ハラスター市一帯を空爆した。

**

ハマー県では、SNN(7月15日付)によると、ハラファーン村、ダラーク村一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦した。

AFP, July 15, 2016、AP, July 15, 2016、ARA News, July 15, 2016、Champress, July 15, 2016、al-Hayat, July 16, 2016、Iraqi News, July 15, 2016、Kull-na Shuraka’, July 15, 2016、al-Mada Press, July 15, 2016、Naharnet, July 15, 2016、NNA, July 15, 2016、Reuters, July 15, 2016、SANA, July 15, 2016、SNN, July 15, 2016、UPI, July 15, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア領内での「テロとの戦い」をめぐる直接軍事協力に向けた米・ロシア外相による協議に進展なし(2016年7月15日)

ロシアを訪問中のジョン・ケリー米国務長官は、モスクワでセルゲイ・ラブロフ外務大臣と会談、シリア情勢への対応について協議した。

6時間にわたる会合では、シリア領内での「テロとの戦い」などでの軍事連携について意見が交わされたが、『ハヤート』(7月16日付)などによると、前日のプーチン大統領とケリー国務長官との会談で両国の直接軍事協力についての合意が見送られたため、大きな進展は見られなかった。


AFP, July 15, 2016、AP, July 15, 2016、ARA News, July 15, 2016、Champress, July 15, 2016、al-Hayat, July 16, 2016、Iraqi News, July 15, 2016、Kull-na Shuraka’, July 15, 2016、al-Mada Press, July 15, 2016、Naharnet, July 15, 2016、NNA, July 15, 2016、Reuters, July 15, 2016、SANA, July 15, 2016、UPI, July 15, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア外務省「シリアに対する陰謀で知られた国の覇権が続く限りアラブ連盟には復帰しない」(2016年7月15日)

外務在外居住者省の公式筋は、シリアがアラブ連盟への復帰を望んでいるとのアフマド・アブー・ガイト事務総長の発言に関して、「シリアに対する陰謀で知られた国による(連盟内での)覇権が続く限り、復帰することはない」と述べ、これを否定した。

AFP, July 15, 2016、AP, July 15, 2016、ARA News, July 15, 2016、Champress, July 15, 2016、al-Hayat, July 16, 2016、Iraqi News, July 15, 2016、Kull-na Shuraka’, July 15, 2016、al-Mada Press, July 15, 2016、Naharnet, July 15, 2016、NNA, July 15, 2016、Reuters, July 15, 2016、SANA, July 15, 2016、UPI, July 15, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

米主導の有志連合は13、14日にYPG主体のシリア民主軍が包囲するマンビジュ市近郊を20回にわたり爆撃(2016年7月15日)

米中央軍(CENTCOM)は、7月13日~14日までの2日間のシリア、イラク両国での有志連合の戦果をHPで発表した。

7月13日はシリア、イラク領内のダーイシュ(イスラーム国)拠点などに対して27回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は12回で、ラッカ市近郊(1回)、シャッダーディー市近郊(1回)、ダイル・ザウル市近郊(1回)、マンビジュ市近郊(9回)に対して攻撃が行われた。

7月14日は、シリア、イラク領内のダーイシュ拠点などに対して17回の空爆を実施、このうちシリア領内での空爆は11回で、いずれもマンビジュ市近郊に対して攻撃が行われた。

AFP, July 15, 2016、AP, July 15, 2016、ARA News, July 15, 2016、Champress, July 15, 2016、al-Hayat, July 16, 2016、Iraqi News, July 15, 2016、Kull-na Shuraka’, July 15, 2016、al-Mada Press, July 15, 2016、Naharnet, July 15, 2016、NNA, July 15, 2016、Reuters, July 15, 2016、SANA, July 15, 2016、UPI, July 15, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

アサド大統領「我々は米国がアフガニスタンで使用した無人航空機や高性能ミサイルと同じ正確な兵器を使用している。米国はテロリストだけでなく、多くの民間人や無実の人々も殺してきた」(2016年7月14日)

アサド大統領は米NBCニュースの独占インタビューに応じた(http://www.nbcnews.com/news/world/syria-s-president-bashar-al-assad-speaks-nbc-news-n608746)。

インタビュー映像は大統領府がYoutube(https://youtu.be/kb_Lq1VrTxM)を通じて公開、また英語全文はSANA(http://sana.sy/en/?p=82569)が配信した。

インタビューでのアサド大統領の主な発言は以下の通り:

SANA, July 14, 2016
SANA, July 14, 2016

**

「(シリア軍による全土掌握を妄想だとする米国務省の発言に関して)米国の発言は国際法、国連憲章を反映していない。全国土を支配する権利を有する国家を守る者たち権を反映していない」。

「(紛争を終結させるうえで)もっとも重要な要素はテロ支援者、とくにトルコ、カタール、サウジアラビアが米国を含む一部西側諸国とともに、いつまでテロリストを支援するかということだ。こうした支援がなければ、数ヶ月とかからない」。

「ロシアによるシリア軍の支援がテロリストに不利なかたちで局面を変えた…。同時に、トルコとサウジアラビアはロシアの正当な介入が開始されて以降、多くの戦闘員を送り込んだ。しかし、ロシア軍の支援が決定的な要因だ」。

「彼(ロシアのヴラジミール・プーチン大統領)は何も要求しなかった…。なぜなら…、まず、ロシアの政策は価値観に根ざしている…。第2に、ロシアと我々の国益は共通している。なぜなら彼らはロシアで戦うべきテロリストと(シリアで)戦っているからだ。我々は欧米など世界中で戦うべきテロリストと戦っている」。

「ロシアの交換は何度も明言している。シリアの問題はシリア国民の問題だと。昨日(13日)も、セルゲイ・ラブロフ外務大臣はこう言っていた。我々はシリア人がしたいことを決めるために米国と席を共にするのではない、と…。シリア国民だけが自分たちの国の将来を決め、自分たちの問題を解決できる。ロシアと米国の役割とはシリアへの介入を阻止する国際的な環境を作り出すことだ…。ロシアの政策は取引を行うというものではない。価値観に基づいている…。これに対して米国の政策は価値観と無関係に取引を行うというものだ」。

「(米国によるダーイシュ(イスラーム国)への空爆を歓迎しているか、との問いに対して)していない。なぜなら違法だからだ…。これに対してロシアはシリア政府によって合法的、公式に空爆を要請されている…。しかも、米国の空爆は始まって以降、テロは拡散したのであって、その逆ではない。ロシアが介入して初めて、テロは縮小した。これが現実だ…。米国のテロは非生産的だ…。米国にはテロリストを打ち負かそうとする意志がない。彼らを掌握し、アフガニスタンの時と同じようにそれをカードとして利用しようとする意志しかない」。

「問題は私と彼(バラク・オバマ米大統領)の勝負ではない。それは私とこの国を破壊しようとする者、とりわけシリア国内のテロリストとの間の問題だ。我々がテロリストを排除し、シリアで安定を回復すれば、そこが我々がシリア人として勝利できる場所となる…。もちろん、彼ら(米国)は(アサド政権退陣という試みにおいて)成功しなかった。しかし、彼らの計画が成功しなかったからと言って…、そのことは我々が戦争に勝利したことを意味しない

「私は他の国の大統領が言うことなど気にしていない。私が大事だと思っているのはシリア国民が何を望むかだ。国民が私にとどまって欲しいと思えば、とどまるし、去って欲しいと思えば、去る」。

「ダーイシュは(シリアと米国の)共通の敵ではない。なぜなら我々はダーイシュだけでなく、シャームの民のヌスラ戦線やアル=カーイダとつながりのあるシリア国内のすべての組織と本気で戦っているからだ…。一方、米国はテロ組織を利用してシリア政府を倒そうとしてきた」。

「(米国大統領選挙後の米国との関係に関して)我々はいつも米国の新大統領が前任者よりも賢明であることを望んでいる…。しかし実際にはさして違いはないだろう。我々は希望を持ち続けるが、この希望に賭けることはしない…。米国人どうしの争い(大統領選挙)についてあまり気にはしていない」。

「(ドナルド・トランプ氏がアサド大統領を「悪い奴」と評していることに関して)それは彼の個人的見解だ。私を「良い奴」だと思ってもらう必要もない。私にとって重要なのは、シリア国民が私を「良い奴」ないしは「悪い奴」と見ることで、米国人やその大統領、あるいは大統領候補がどう見るかではない」。

「(ヒラリー・クリントン氏がアサド大統領退陣を主唱してきたことに関して)危機当初から、「アサドは去るべき」という同じ発言を西側のあらゆる高官が繰り返してきたのを耳にしてきた…。しかし我々はそのことを気には留めていない…。私がシリア国民から指示を得ている限り、米国大統領を含めて外国の誰が何を言おうと気には留めない…。クリントン、トランプ、オバマが何を言おうと関係ないと言っているのはそのためだ…。米国が世界中にさらなる混乱をもたらすことに関心があるかどうかは…、誰が大統領になるかとは別の問題だ」。

「(ダーイシュが米国を攻撃しようとしていることを知ったら、米国にそれを警告するか、との問いに対して)「原則的にはする。なぜなら、彼らは民間人を攻撃するからで…、それは正しい行為ではないからだ…。私はこれまで何度も、米国が我が国を占領しない限りは直接の敵とはならない、と言ってきた。しかし同時に…、我々と米国の間には関係はなかった。情報交換や協力関係は、政治的協力に根ざした治安部門での協力が必要だが、そうしたものはない」。

「我々が(シリアで)ダーイシュを打ち負かすことができれば、我々は世界を救うことになる…。ただし、彼らをここで打ち負かし、さらに彼らが(欧州などの出身国に)戻ることができないようになって、我々は他者を救うことができる。彼らが帰国してしまえば、世界中にとって危険な存在になる」。

「(シリア軍が無差別な攻撃を行っているのでは、との質問に対して)我々は米国がアフガニスタンで使用した無人航空機や高性能ミサイルと同じ、正確な兵器を使用している。これまでに米国はどれだけのテロリストを殲滅してきたのか? 米国は同時に多くの民間人や無実の人々も殺してきた」。

「あなたは、軍によって何ヶ月、何年も包囲されている地域があると言う。そこでは食糧や基本的な物資がなく、政府がそれを禁じている、という。しかし同時に、彼らは2年間も戦い続けている、と…。つまり、こうした話に従うと、我々は彼らが武器を得ることを許しているが、食糧を与えようとしていないということになる…。こうした説明は矛盾している」。

「(シリア軍がマリア・コルヴィン氏を攻撃し死亡させたのか、との問いに対して)違う。軍はマリア・コルヴィン氏がどこにいるかなど承知していなかった…。なぜなら、今起こっているのは戦争で、彼女はシリアに不法入国し、テロリストとともに活動していたからだ。彼女は不法入国したのだから、彼女の身に起きることの責任は彼女にある…。我々はシリアに合法的にやって来る人々に関しては責任を負う」。

「我々が危機当初に下して決定は二つある。テロリストから我々の国を守ること…、そしてすべての人と対話を行うことだ。我々は武器を棄てる意思のあるテロ組織とでも対話をしてきた…。テロリストがいない地域を攻撃するといった決定は一度も下していない」。

「(シリア軍が市民を殺害していることにアサド大統領が気を留めない、とする記者の発言に対して)この手の質問は、次のような質問に答えるのなら、答えたい。100万人ものイラク人が2003年のイラク戦争以降死亡していることに関して、あなたはジョージ・ブッシュ前大統領を追究するのか…。私は原則について話しているのだ。同じ原則についてだ。彼は主権国家を攻撃したが、私は自分の国を防衛している。一つの基準を用いるのと、ダブルスタンダードに依拠するのは別問題だ…。私は米国の聴衆に語っているのだ。この二つのことから答えを類推すべきだと…。彼がイラク国民をイラクで殺す一方、我々は世界中からやって来たテロリストに主に対峙し、国を守っている。そうすることが我々の権利だ。犠牲者が出ず、民間人や無垢の人々が殺されない「きれいな戦争」について話すのであれば、そんなものは存在しない。そのような戦争は誰もできない」。

AFP, July 14, 2016、AP, July 14, 2016、ARA News, July 14, 2016、Champress, July 14, 2016、al-Hayat, July 15, 2016、Iraqi News, July 14, 2016、Kull-na Shuraka’, July 14, 2016、al-Mada Press, July 14, 2016、Naharnet, July 14, 2016、NBC, July 14, 2016、NNA, July 14, 2016、Reuters, July 14, 2016、SANA, July 14, 2016、UPI, July 14, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.