欧州理事会は対シリア制裁を2019年6月まで延長(2018年5月28日)

欧州理事会は、シリアのアサド政権の首脳や関係者・機関に対する資産凍結や渡航禁止といった制裁を2019年6月1日まで延長することを決定した。

欧州理事会また、制裁対象となっている個人・機関のデータを更新、死去した2名を制裁リストから削除した。

これにより、制裁対象は259人、67機関となった。

AFP, May 29, 2018、ANHA, May 29, 2018、AP, May 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 29, 2018、al-Hayat, May 30, 2018、Reuters, May 29, 2018、SANA, May 29, 2018、UPI, May 29, 2018などをもとに作成。

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ロシア紙:ダイル・ザウル県でのロシア軍顧問4人の殺害に米国が支援する「穏健な反体制派」が関与(2018年5月28日)

ロシア日刊紙『コメルサント』(5月28日付)は、ダイル・ザウル県南東部のシリア軍拠点に対するテロ集団の攻撃によって、ロシア軍顧問4人が死亡した事件(27日にロシア国防省が発表)に関して、ロシア軍消息筋の話として、「ロシアの複数の軍関係者が「穏健な反体制派」が攻撃に参加していたという話を証言している」と伝えた。

「穏健な反体制派」は、米国などが違法に占領を続けるヒムス県のタンフ国境通行所に設置された有志連合の基地一帯から、事件発生の2日前にダイル・ザウル県に移送されてきた、という。

ロシア軍顧問が犠牲となった戦闘は先週、マヤーディーン市で発生した。

マヤーディーン市では、ロシア軍顧問10人が、シリア軍兵士を教練する任務にあたっており、フマイミーム航空基地を経て、まもなくロシアに帰国する予定だったという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Kommersant, May 28, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア、米国、ヨルダンはシリア南部での戦闘に備え、イラン排除に向けて協力(2018年5月28日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は「シリア軍のみがシリア南部国境地帯に駐留すべきだ」と述べ、シリア南部(ダルアー県、占領下ゴラン高原一帯)で活動を続けるイラン・イスラーム革命防衛隊を撤退させたいとの意向を示した。

発言は、米主導の有志連合が違法占拠を続けるヒムス県のタンフ国境地帯一帯からの撤退を決定したとの報道が一部でなされたことを受けたもので、ロシア・シリア両軍がダルアー県の解放に向けた軍事攻勢の準備を進めているとされるなか、米国、ヨルダンは同地へのシリア軍の進攻に警戒感を示すとともに、イラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受けるヒズブッラーなどの同地での活動への批判を強めていた。

スプートニク・ニュース(5月28日付)が伝えた。

なお『ハアレツ』(5月28日付)は、ロシアが占領下ゴラン高原に面する地域からイラン・イスラーム革命防衛隊を撤退させようとしていると伝えた。

この動きは、シリア領内のイラン・イスラーム革命防衛隊拠点に対するイスラエル軍の再三にわたる爆撃・ミサイル攻撃を受けたものだという。

イスラエルは2017年半ば頃から、首都ダマスカスとスワイダー市を結ぶ幹線道路の西側(占領したゴラン高原から60~70キロ)からイラン・イスラーム革命防衛隊やその支援を受ける民兵を撤退させるようロシアに要請してきた。

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ロイター通信(5月28日付)は、ヨルダンの匿名高官の話として、米国、ロシア、そしてヨルダンの三カ国がシリア南部での緊張緩和地帯を維持することで合意したと伝えた。

この匿名高官は合意内容の詳細については言及しなかったが、これにより同地での停戦は維持されるという。

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反体制系のザマーン・ワスル(5月28日付)は、シリア空軍(アフマド・バッルール司令官)が、イラン・イスラーム革命防衛隊とヒズブッラーによるシリア軍航空基地内の格納庫の使用を禁止することを決定したと伝えた。

この決定は、ロシアの要請に応えるとともに、イスラエル軍戦闘機による爆撃を回避するための措置だという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、Haaretz, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、Sputnik News, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018、Zaman al-Wasl, May 28, 2018などをもとに作成。

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サウジ日刊紙:イランとイスラエルが秘密交渉、シリア南部での戦争が発生した場合、イラン・イスラーム革命防衛隊やヒズブッラーを参戦させないことで合意(2018年5月28日)

サウジアラビア日刊紙『イーラーフ』(5月28日付)は、イランとイスラエルがシリア南部での戦闘発生時の対応について秘密交渉を行っていたと伝えた。

同紙によると、秘密交渉はヨルダンの首都アンマンにあるホテルで行われ、ホテル内の一室に在ヨルダン・イラン大使が、別の一室にイスラエル治安関係者が待機、仲介者となるヨルダン政府関係者が、両室を往復し、文書でやりとりを行ったという。

その結果、シリア南部のダルアー県やクナイトラ県で(シリア軍と反体制派の)戦闘が発生した場合、イラン・イスラーム革命防衛隊とその支援を受ける民兵、さらにレバノンのヒズブッラーを参戦させないことで合意がなされたという。

なお、ロシア政府もこの交渉を注視、合意の保障国となったという。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Ilaf, May 28, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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トルコが支援するシャーム軍団、アル=カーイダと共闘する自由イドリブ軍など11組織が新たな武装組織「国民解放戦線」を結成(2018年5月28日)

シリア北部で活動する反体制武装集団11組織が共同声明を出し、新たな武装組織「国民解放戦線」の結成を宣言した。

参加したのは、トルコが支援するシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、シャーム解放機構と共闘してきた自由イドリブ軍、第1沿岸師団、第2沿岸師団、第1歩兵師団、第2軍、精鋭軍、ナスル軍、ダーライヤー・イスラーム殉教者、自由旅団、第23師団。

司令官はファドルッラー・ハッジー大佐が、副司令官はスハイブ・ルユーシュ中佐が、参謀長はムハンマド・マンスール少佐が、報道官はナージー・ムスタファー大尉がそれぞれ務める。

なお、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、国民解放戦線に参加する11組織は、それ以外の武装連合体に所属しないという。

al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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バーブ市で東部自由人連合とワーキー家が和解、東部自由人連合はバーブ市通行などを禁じられる(2018年5月28日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、トルコの実質占領下にあるバーブ市で5月6日に発生した東部自由人連合とワーキー家の衝突に関して、9項目からなる和解合意が結ばれた。

和解合意は、①東部自由人連合幹部のアブー・ジャンムー氏のバーブ市からの追放、②東部自由人連合が接収したバーブ市内の民家、農地の返還、③東部自由人連合の車列のバーブ市内の通行禁止、③東部自由人連合戦闘員とワーキー家子息の今後の個人的な紛争に連合およびワーキー家は関与しない、といった点を骨子とする。

al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表はシリア政府から制憲委員会メンバー候補名簿を受け取る(2018年5月28日)

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表の事務所は、国連がシリア政府から制憲委員会メンバー候補名簿を受け取ったと発表した。

スプートニク・ニュース(5月28日付)が伝えた。

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、Sputnik News, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ヤルダー市、バッビーラー町、バイト・サフム市で解放を祝いシリア国旗が掲揚される(2018年5月28日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月28日付)によると、反体制武装集団が退去したヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市が11日にシリア政府支配下に復帰したことを記念して、同地中心街の広場にシリア国旗が掲揚、住民らが同地の解放を改めて祝った。

SANA, May 28, 2018

AFP, May 28, 2018、ANHA, May 28, 2018、AP, May 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2018、al-Hayat, May 29, 2018、Reuters, May 28, 2018、SANA, May 28, 2018、UPI, May 28, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは4件の停戦違反を、トルコ側は2件の違反を確認(2018年5月28日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月28日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を4件(アレッポ県2件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも2件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 28, 2018をもとに作成。

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