CBS:米政府はホワイト・ヘルメットに対する資金援助を中止(2018年5月3日)

米CBS(5月3日付)は、ホワイト・ヘルメットのラーイド・サーリフ代表の話として、米国からの資金援助が数週間に中止されたと伝えた(https://www.cbsnews.com/news/u-s-freezes-funding-for-syrias-white-helmets/)。

サーリフ代表はCBSに対し、「3月の会合はとても前向きなものだった。2020年まで長期的に関与すべきだとの高官の発言さえあった。支援が停止される前兆など一切無かった」と述べ、懸念を表明した。

同チャンネルによると、米国からの資金援助はホワイト・ヘルメットの予算の3分の1を占めていたが、米国務省は現在、資金供与の是非について「積極的に検討中」だという。

米国務省の内部文書によると、中東局は4月15日までに、ホワイト・ヘルメットへの資金援助継続の確認を政権からとろうとしていたが、継続の指示はなかったという。

また、同局は4月6日までに、地雷撤去、食糧配給、福祉提供を行うほかの支援団体への資金援助継続の承認待ちをしていたが、これに関しても継続の指示は出されなかったという。

CBS, May 3, 2018

AFP, May 4, 2018、ANHA, May 4, 2018、AP, May 4, 2018、CBS, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 4, 2018、al-Hayat, May 5, 2018、Reuters, May 4, 2018、SANA, May 4, 2018、UPI, May 4, 2018などをもとに作成。

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ダーイシュとシャーム解放機構支配下のヤルムーク・パレスチナ難民キャンプから逃走しようとしたパレスチナ人60人をシリア軍が拘束(2018年5月3日)

『ハヤート』(5月4日付)は、ダーイシュ(イスラーム国)やシャーム解放機構が活動を続けるダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプから逃走しようとしたパレスチナ人約60人をシリア軍が拘束した、と伝えた。

拘束されたパレスチナ人はほとんどが女性と子供で、ウルーバ検問所を経由してダマスカス郊外県のヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市方面に逃走しようとしていたという。

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アル=カーイダ系のシャーム解放機構は声明を出し、イドリブ県フーア市とカファルヤー町から退去を希望している住民約1,500人の処遇に関して、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプからの戦闘員とその家族の退去が終了後に、対応を決すると発表した。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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OPCW調査チームはドゥーマー市での化学兵器攻撃で死亡したとされる犠牲者の遺体の持ち出しを決定(2018年5月3日)

ダマスカス郊外県東グータ地方のドゥーマー市で4月に発生した化学兵器(塩素ガス)使用疑惑事件の調査を行っている化学兵器禁止機関(OPCW)の調査チームは、化学兵器(塩素ガス)使用によって死亡したとされる犠牲者の遺体を搬出することを決定した。

調査チームは事件発生現場から約100のサンプルを採取している。

『ハヤート』(5月4日付)が伝えた。

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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スプートニク・ニュース:YPG主体のシリア民主軍支配下のダイル・ザウル県東部ジャフラ油田で、米CIAが参加したかたちで、シリア軍による犯行と見せかけた新たな化学兵器攻撃が準備されている(2018年5月3日)

ロシアのスプートニク・ニュース(5月3日付)は、シリアの諜報機関とつながりのある消息筋の話として、米CIAが参加したかたちで、シリア軍による犯行と見せかけた新たな化学兵器攻撃が準備されていると伝えた。

この攻撃は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の支配下にあり、米軍も駐留しているダイル・ザウル県のジャフラ油田地帯で計画されているという。

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、Sputnik News, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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ロシアのラヴロフ外務大臣がヨルダンのサファディー外務大臣が会談:タンフ国境通行所、ラクバーン難民キャンプでの有志連合の反体制派支援を非難(2018年5月3日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、ヨルダンのアイマン・サファディー外務大臣とソチで会談した。

『ハヤート』(5月4日付)によると、会談後の共同記者会見で、ラブロフ外務大臣は、有志連合を主導する米国が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯や同地に近いヨルダン北東部のルクバーン難民キャンプ一帯での反体制武装集団の教練を「停戦合意が成立しているにもかかわらず、米国はテロリストを支援し、戦闘を継続しようとしている」と批判した。

これに対して、サファディー外務大臣は、ヨルダン領内からシリア領内へのいかなる武器供与もなされていないと弁明、両国間では人道支援が行われているだけだと強調した。

一方、ダルアー県に設置されている緊張緩和地帯について、ラブロフ外務大臣は「一時的なもので…、通常の生活が再開される可能性があれば、廃止されるだろう」としたうえで、「緊張緩和地帯の規定にテロリストは含まれていない」と述べた。

対するサファディー外務大臣は、同地の停戦維持のためにロシアとヨルダンが協議することが重要だと述べた。

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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イスラーム軍のアッルーシュ政治局長が辞意を表明(2018年5月3日)

ダマスカス郊外県東グータ地方ドゥーマー市一帯で活動を続けてきたイスラーム軍のムハンマド・アッルーシュ政治局長は、ツイッターのアカウントを通じて声明を出し、辞意を表明した。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍憲兵隊がイドリブ県東部の3カ所に展開(2018年5月3日)

イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月3日付)が複数の活動家の話として伝えたところによると、ロシア軍憲兵隊が県東部を南北に横切る鉄道路線の東側の3カ所に展開した。

ロシア軍憲兵隊が展開したのは、アブー・ダーリームラ、ウンム・サフリージュムラ、スィンジャール町で、監視所が設置されるという。

syria.liveuamap.com, May 3, 2018

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イドリブ県では、マアッラト・ヌウマーン市一帯で活動する反体制武装集団4組織が共同声明を出し、同地の「治安と安定を実現するため」として「マアッラト・ヌウマーン軍事評議会」を発足させると発表した。

声明を出したのは、4組織は特殊任務旅団、アンサール・ハック旅団、革命青年ン旅団、イバード・ラフハーン旅団。

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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ラタキア県のフマイミーム航空基地を離陸したロシア空軍のSu-30SM戦闘機1機がエンジン・トラブルで地中海に墜落(2018年5月3日)

ロシア外務省は声明を出し、ラタキア県のフマイミーム航空基地を離陸したロシア空軍のSu-30SM戦闘機1機が、ジャブラ市沖の地中海に墜落し、パイロット2人が死亡したと発表した。

エンジン・トラブルが原因だと思われるという。

スプートニク・ニュース(5月3日付)などが伝えた。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、Sputnik News, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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英国はシリア領内でのダーイシュに対する爆撃で民間人を殺害したことを初めて認める(2018年5月3日)

『ガーディアン』(5月3日付)は、英国のギャビン・ウィリアムソン国防大臣が、シリア領内でのダーイシュ(イスラーム国)拠点に対する英空軍の爆撃により、民間人1人が死亡したことを認め、深い懸念の意を表明したと伝えた。

ウィリアムソン国防大臣が議会に送った書簡によると、2018年3月26日に、有志連合に参加する英空軍がシリア東部で戦闘員3人が乗ったオートバイに対して行った爆撃で、民間人1人を意図せずに殺害してしまったという。

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、The Guardian, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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ヤルダー市、バッビーラー町、バイト・サフム市で活動を続けてきた反体制武装集団の戦闘員とその家族がトルコの実質占領下のアレッポ県北部に退去(2018年5月3日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月3日付)によると、ヤルダー市、バービッラー市、バイト・サフム市で活動を続けてきた反体制武装集団の戦闘員とその家族が、シリア政府によって準備された大型バス32台に分乗し、トルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市方面とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県に退去した。

SANA, May 3, 2018

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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ヒムス県北部とハマー県南部の反体制武装集団がロシア仲介の停戦合意に基づき重火器を引き渡す一方、米国の支援を受けてきた「穏健な反体制派」は合意を拒否(2018年5月3日)

SANA(5月3日付)によると、1日にロシアの仲介で交わされたシリア政府とヒムス県北部・ハマー県南部の反体制武装集団の停戦合意が正式に発効した。

これを受け、武装集団が重火器、中火器の引き渡しを開始するとともに、シリア軍部隊がヒムス市とハマー市を結ぶ国際幹線道路の再開に向けた障害物などの撤去作業を行った。

また、反体制系のドゥラル・シャーミーヤ(5月3日付)は、タウヒード軍、ラスタン作戦司令室がシリア政府側に重火器を引き渡したと伝え、その写真を公開した。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018
al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

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バラク・オバマ前政権の支援を受け、アル=カーイダ系のシャーム解放機構と共闘してきた「穏健な反体制派」の一つイッザ軍は声明を出し、1日のロシア仲介によるシリア政府とヒムス県・ハマー県の武装集団による停戦合意を拒否すると発表した。

al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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シリア軍はヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、ハジャル・アスワド市のダーイシュ支配地域を南北に二分(2018年5月3日)

ダマスカス県・ダマスカス郊外県では、SANA(5月3日付)によると、シリア軍がハジャル・アスワド市一帯にあるダーイシュ(イスラーム国)の拠点に対する爆撃・砲撃を継続、同地のダーイシュ支配地域(ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、ハジャル・アスワド市)を南北に二分した。

これに対して、ダーイシュは首都ダマスカスに向けて迫撃砲弾複数発を発射、マサーキン・バルザ地区、シャーグール地区に4発が着弾した。

syria.liveuamap.com, May 3, 2018

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アレッポ県では、ANHA(5月3日付)によると、県西部のアナダーン市、カフルハムラムラ、アレッポ市ラーシディーン地区で、シリア軍と反体制武装集団が交戦した。

AFP, May 3, 2018、ANHA, May 3, 2018、AP, May 3, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 3, 2018、al-Hayat, May 4, 2018、Reuters, May 3, 2018、SANA, May 3, 2018、UPI, May 3, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは5件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年5月3日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月3日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(ラタキア県3件、アレッポ県1件、ヒムス県1件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(ハマー県)の停戦違反を確認したという。

 

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 3, 2018をもとに作成。

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