シリア軍が反体制派支配下のダルアー市を砲撃する一方、ダーイシュに忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍がヤルムーク川河畔地域に進攻した反体制派を撃退(2018年5月21日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダルアー市内の反体制武装集団支配地域を砲撃した。

一方、『ハヤート』(5月22日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うハーリド・ブン・ワリード軍が、ヤルムーク川河畔地域に進攻した反体制武装集団と交戦、これを撃退した。

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県南東部でダーイシュがシリア軍と交戦(2018年5月21日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、マヤーディーン市近郊とクーリーヤ市の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)がシリア軍を襲撃し、戦闘となり、ダーイシュ戦闘員6人とシリア軍兵士4人が死亡した。

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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トルコ軍はシリア領内の監視所設置を完了、ロシア・シリア両軍はイドリブ県への爆撃を停止(2018年5月21日)

イドリブ県では、『ハヤート』(5月22日付)によると、アスタナ9会議を受けるかたちで、トルコ軍の車列がシリア領内に進入、トルコ軍監視所が設置されている県南部に向かった。

トルコ軍はシリア領内に監視所12カ所の設置を完了したばかり。

監視所が設置されているのは、イドリブ県のイシュタブリク山、スルマーン村、タッル・トゥーカーン村、アレッポ県アレッポ市ラーシディーン地区、サルワ村、スィムアーン山、アキール山、アンダーン山、アイス村、ハマー県ムーリク市、ザイトゥーナ村、シヤール・マガール地区。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)によると、トルコ軍による12番目の監視所設置に合わせて、ロシア軍によるイドリブ県への空爆は停止しており、19日以降、3日間にわたりロシア・シリア両軍の爆撃は行われてないという。

syria.liveuamap.com, May 21, 2018
ISW News, May 31, 2018

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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ポンペオ米国務長官は「イランに前例のない圧力をかける」と宣言、核ミサイル開発中止のほか、シリアからの撤退などを求める(2018年5月21日)

マイク・ポンペオ米国務長官は、ワシントンDCで対イラン戦略に関する演説を行った。

ドナルド・トランプ米大統領が8日にイラン核合意からの離脱を表明したのを受けたもので、「イランに前例のない圧力をかける」と宣言したうえで、イランに対して「新たな取引」を行うための12の条件を提示した。

1. IAEAにこれまでの核兵器開発を報告し、これを永久に放棄する。
2. 各濃縮を停止し、プルトニウム再処理を追及しない。また重水炉も廃止する。
3. IAEAにすべての核関連施設への無制限アクセスを保証する。
4. 弾道ミサイルの拡散と、核ミサイルシステムの開発を停止する。
5. 米国および同盟国の市民を釈放する。
6. レバノンのヒズブッラー、パレスチナのハマース、イスラーム聖戦機構を含む中東のテロ集団への支援を停止する。
7. イラク政府の主権を尊重し、シーア派民兵の武装解除、解体、再編を認める。
8. イエメンのフーシー派への軍事支援を停止し、イエメンでの平和的政治解決に協力する。
9. シリア全土からイランの指揮下にあるすべての勢力を撤退させる。
10. アフガニスタンをはじめとする地域でのタリバーンなどのテロリストへの支援、アル=カーイダ幹部隠匿を停止する。
11. イラン・イスラーム革命防衛隊ゴドス軍団による世界各地のテロリストや民兵の支援を停止させる。
12. 周辺諸国、とりわけ米国の同盟国への脅迫的態度を止める。そのなかには、イスラエルを破壊するとの脅迫、サウジアラビア、UAEへのミサイル攻撃、海外輸送の妨害、サイバー攻撃も含まれる。

al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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シリア軍とYPGに村人が殺害されたことに抗議し、アレッポ県ジンディールス町の住民がシリア軍検問所を襲撃(2018年5月21日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)によると、アフリーン郡に対するトルコ軍とその支援を受ける反体制武装集団による「オリーブの枝」作戦を受けて、シリア政府支配地域に避難したジンディールス町の住民が、バイナ村にあるシリア軍の検問所を襲撃した。

襲撃は、同地出身の若者(ハンムーダ・ワリード氏)が、シリア軍と西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊(YPG)の発砲で死亡したことに抗議して行われた。

この若者は、トルコの実質占領下にあるジンディールス町に帰還しようとして、検問所を通過しようとしたところ、シリア軍とYPGによって阻止され、射殺されたという。

al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018

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イラン外務省のカーセミー報道官は、シリアからのイランの撤退を求めるロシアに反発(2018年5月21日)

イラン外務省のブラハーム・カーセミー報道官は、17日にソチを電撃訪問したアサド大統領と会談したヴラジミール・プーチン大統領が「シリア領内すべての外国軍が撤退すべきだと」と述べたことに関して、定例記者会見で「イランに何らかの行動を強いることなど誰もできない。イランは独立国家であり、その政策は国益に従っている」と述べた。

カーセミー報道官はまた「イラン顧問団のシリア駐留は、シリア政府の要請がある限り続けられる…。その目的は「テロとの戦い」で、テロの脅威が続く限り、そしてシリア政府が要請し続ける限り、イランは支援を続ける」と強調した。

ファルス通信(5月21日付)が伝えた。

al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、Fars News, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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ダマスカス国際空港近くの「イランの作戦司令室」などで爆発が発生(2018年5月21日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)によると、ダマスカス国際空港に近いナフジャー村で大きな爆発が複数回にわたって発生した。

同サイトによると、爆発が発生したのは「サイバー戦争局に設置されたイランの作戦司令室」だという。

スカイ・ニュース・アラビック(5月21日付)によると、爆発はサイバー戦争局の兵舎と総合情報部学校で発生、同地には「イランの民兵」が展開していたという。

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ダイル・ザウル県で米仏がシリア民主軍とともにダーイシュ掃討戦を続けるなか、ハサカ県で米軍兵士3人殺害か?(2018年5月21日)

ハサカ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)が複数の地元消息筋の話として伝えたところによると、有志連合を主導する米軍の車列がラクバ村近郊の街道(ハサカ市・タッル・タムル町街道)で襲撃を受け、兵士3人が死亡、2人が負傷、車輌3台が大破した。

事件に関しては、交通事故で車輌3台が大破し、兵士3人が死亡したとの情報も流れている。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が上バーグーズ村一帯、ハジーン市一帯でダーイシュ(イスラーム国)と激しく交戦した。

戦闘には、フランス軍、米軍の地上部隊が砲撃でシリア民主軍を支援した。

AFP, May 21, 2018、ANHA, May 21, 2018、AP, May 21, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 21, 2018、al-Hayat, May 22, 2018、Reuters, May 21, 2018、SANA, May 21, 2018、UPI, May 21, 2018などをもとに作成。

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ロシア軍はラタキア県フマイミーム航空基地に接近を試みた無人航空機1機を撃墜(2018年5月21日)

ロシア国防省は声明を出し、シリア駐留ロシア軍司令部に設置されているラタキア県フマイミーム航空基地に接近を試みた無人航空機1機を撃墜したと発表した。

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ANHAはダマスカス郊外県東グータ地方、東カラムーン地方、ヒムス県北部から退去した反体制武装集団戦闘員とその家族のアフリーン郡内の定住先の詳細を発表(2018年5月21日)

ANHA(5月21日付)は、ロシアの仲介によるシリア政府と反体制武装集団の合意に基づき、ダマスカス郊外県東グータ地方(ドゥーマー市など)、東カラムーン地方(ドゥマイル市など)、ムアダミーヤト・シャーム市、バービッラー市、ヒムス県ラスタン市、タルビーサ市から、トルコが実質占領するアレッポ県アフリーン郡(北シリア民主連邦アフリーン地域)に退去した戦闘員とその家族の定住状況を地元消息筋から入手したと伝え、その一覧を公表した。

同サイトによると、戦闘員とその家族の定住状況は以下の通り:

ジンディールス郡(「郡」は北シリア民主連邦の行政区画)
1. タルフ村:トルコ軍管区につき、定住禁止。
2. カフルズィート村:東グータ地方から4世帯が移住。
3. カアニー・クールカ村:トルコ軍管区につき、定住禁止。
4. カジューマーン村:東グータ地方から5世帯が移住。
5. 東アシュカーン村:東グータ地方から3世帯が移住。
6. クールカ村:東グータ地方から7世帯が移住。
7. ファキーラー村:ヒムス県から15世帯、東グータ地方から7世帯が移住。
8. バルジャカ村:東グータ地方から1世帯が移住。
9. 上マサカ村:東グータ地方から1世帯が移住。
10. ダイル・バッルート村:ヒムス県から10世帯が移住。
11. ディーワーン村:ヒムス県と東グータ地方から18世帯が移住。
12. ジャルマ村:東グータ地方から100世帯、ヒムス県から25世帯が移住。
13. ジャカーラー村:東グータ地方から40世帯が移住。

シーラーワー区(「区」は北シリア民主連邦の行政区画。アフリーン郡に帰属)
1. シャーディーラ村:東グータ地方から6世帯が移住。
2. ガザーウィーヤ村:東グータ地方から200世帯、ドゥーマー市から15世帯が移住。
3. カブターン・ジャバル村、(アレッポ県)から3世帯が移住。
4. ブルジュ・アブドゥッラー村:東グータ地方から50世帯が移住。
5. バースータ村:東グータ地方から110世帯が移住。
6. バースーファーン村:東グータ地方から50世帯が移住。
7. ブルジュ・ハイダル村:東グータ地方、ナブク市(ダマスカス郊外県)から30世帯が移住。
8. バラード村:東グータ地方から20世帯が移住。
9. ブルジュ・スライマーン村:東グータ地方から8世帯が移住。

マーバーター区(アフリーン郡)
1. ミールカーン村:東グータ地方から50世帯が移住。
2. サーリヤー村:東グータ地方から4世帯が移住。
3. ハーブー村:東グータ地方から9世帯が移住。
4. シャイターナー村:ドゥーマー市から6世帯が移住。
5. 下クールカーン村:東グータ地方から3世帯が移住。
6. 上クールカーン村:東グータ地方から4世帯が移住。
7. アルバー村:東グータ地方から18世帯が移住。
8. バアディナー村:東グータ地方から23世帯が移住。
9. ドゥマイリヤー村:東グータ地方から9世帯が移住。
10. カマルーキー村:東グータ地方から13世帯が移住。

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シリア政府はダーイシュの支配下にあったヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、ハジャル・アスワド市を解放し、首都ダマスカスおよびダマスカス郊外県全域を制圧(2018年5月21日)

ダマスカス郊外県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月21日付)が複数の地元消息筋の話として伝えたによると、ハジャル・アスワド市、ダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプ、タダームン区で活動を続けてきたダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員とその家族が、シリア政府によって用意された大型バスに分乗して、ヒムス県とダイル・ザウル県の砂漠地帯でダーイシュが温存する支配地域に向けて退去した。

シリア人権監視団によると、21日に大型バス複数台が首都ダマスカス南部からシリア東部のダーイシュ支配地域に向かったという。

SANA(5月21日付)は、軍消息筋の話として、「20日晩に人道的理由により、一時停戦が行われ、女性、子供、老人のハジャル・アスワド市からの退去が行われた」と伝えた。

同消息筋によると「一時停戦は今日(21日)正午に終わり、シリア軍はダーイシュ(イスラーム国)に対する作戦を直ちに再開した」という。

なお、ANHA(5月21日付)によると、戦闘員退去はロシアの仲介によるという。

SANA, May 21, 2018
SANA, May 21, 2018

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一方、シリア軍武装部隊総司令部は声明を出し、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市とダマスカス県ヤルムーク・パレスチナ難民キャンプでダーイシュ(イスラーム国)の掃討を完了、ダマスカス郊外県東西グータ地方全域からテロ組織を完全に浄化し、首都ダマスカスとダマスカス郊外県が安全地域となったと宣言した。

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UNRWA(国際連合パレスチナ難民救済事業機関)は声明を出し、シリア政府によって解放されたヤルムーク・パレスチナ難民キャンプおよび隣接する地域への人道支援を行う用意があると表明した。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は3件の違反を確認(2018年5月21日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月21日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも3件(アレッポ県2件、ハマー県1件)の停戦違反を確認したという。

一方、過去24時間にダルアー県の1カ村の代表がシリア政府との停戦合意に署名した。

これにより、シリア政府との停戦に応じた自治体は2,513市町村、武装組織の数は234組織に達したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 21, 2018をもとに作成。

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