ナウアート米国務省報道官は2月のイドリブ県サラーキブ市での塩素ガス使用事件をアサド政権の犯行と断じ非難(2018年5月17日)

米国務省のヘザー・ナウアート報道官は、2月4日にイドリブ県サラーキブ市で発生した化学兵器使用疑惑事件に関して、化学兵器禁止機関(OPCW)が塩素ガスが使用されたと結論づけたことに関して、「この攻撃は、アサド政権が国民に対して行ってきたこれまでの化学兵器攻撃のすべての特徴を有している」と述べ、同政権の犯行と断じ、「もっとも強い調子で非難」した。

AFP, May 18, 2018、ANHA, May 18, 2018、AP, May 18, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 18, 2018、al-Hayat, May 19, 2018、Reuters, May 18, 2018、SANA, May 18, 2018、UPI, May 18, 2018などをもとに作成。

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アサド大統領がロシアのソチを電撃訪問し、プーチン大統領と会談(2018年5月17日)

シリアのバッシャール・アサド大統領はロシア南部の保養地ソチを電撃訪問し、ヴラジミール・プーチン大統領と会談し、二国間関係、国際社会および中東地域における治安と安定の強化をめぐる課題などについて意見を交わした。

SANA, May 17, 2018

SANA(5月17日付)によると、会談には、セルゲイ・ショイグ国防大臣、セルゲイ・ラブロフ外務大臣らロシア政府・軍の高官も同席し、シリアにおける「テロとの戦い」の進捗や紛争解決に向けた政治プロセスの進展について重点的に協議した。

会談後の共同記者会見で、プーチン大統領は、1月のソチでのシリア国民対話大会で設置合意された制憲委員会に関して、早急にメンバー候補のリストを送付すると明言したと述べ、この決定に歓迎の意を示し、政治プロセス活性化を経済支援や人道問題解決に向けた必要なステップと位置づけ、全面支援すると強調した。

また、「テロとの戦い」におけるシリア軍の勝利実現と政治プロセスの活性化と合わせて、シリア領内すべての外国軍が撤退すべきだと述べた。

これに対して、アサド大統領は、会談において「テロとの戦い」をめぐる軍事的状況、とりわけ、それが秩序回復や国民の帰還に果たす影響の評価を行ったとしたうえで、ロシア政府による人道支援に謝意を示した。

アサド大統領はまた、ロシアによる経済支援、とりわけロシアの企業による投資増大や復興への参与について意見を交わしたことを明らかにした。

さらに、政治プロセスについては、シリア国民対話大会での成果などを評価するとともに、制憲委員会の設置について集中的な議論を行ったことを明らかにした。



AFP, May 17, 2018、ANHA, May 17, 2018、AP, May 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2018、al-Hayat, May 18, 2018、Reuters, May 17, 2018、SANA, May 17, 2018、UPI, May 17, 2018などをもとに作成。

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トルコのチャヴシュオール外務大臣「ジュネーブ会議に進展が見られなければ、アスタナ会議に依存すべき」(2018年5月17日)

トルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣は、シリアでの和平に向けて、国連が主催し、米国とロシアが共同議長国を務めるジュネーブ会議に関して、進展が見られなければ、別のトラックに依存すべきだと述べた。

チャヴシュオール外務大臣は「最大の問題は、成功に至らなかったジュネーブ・プレセスを再生できないことにある…。これは、制憲側が反体制派などといかなる問題についても検討する意思を持っていないためで…、西側諸国もこのプロセスを再生させることに熱心でないようだ…。ジュネーブで事態が進展しない場合、アスタナ会議のような別のプラットフォームに向かうべきだ」と述べた。

TRT(5月17日付)が伝えた。

AFP, May 17, 2018、ANHA, May 17, 2018、AP, May 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2018、al-Hayat, May 18, 2018、Reuters, May 17, 2018、SANA, May 17, 2018、TRT, May 17, 2018、UPI, May 17, 2018などをもとに作成。

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ロシア連邦イングーシ共和国が近く憲兵隊をシリアに派遣(2018年5月17日)

『ハヤート』(5月18日付)などは、ロシアが、シリア国内での停戦監視などの任務に当たるため、イスラーム教徒が多く住むイングーシ共和国の部隊を憲兵隊(第3次隊)としてシリアに派遣すると伝えた。

イングーシ共和国のユヌス=ベク・エフクロフ首長は、憲兵隊393人をシリアでの治安維持、停戦監視の任務で派遣すると述べた。

AFP, May 17, 2018、ANHA, May 17, 2018、AP, May 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2018、al-Hayat, May 18, 2018、Reuters, May 17, 2018、SANA, May 17, 2018、UPI, May 17, 2018などをもとに作成。

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ハジャル・アスワド市一帯でシリア軍とダーイシュの戦闘続く(2018年5月17日)

ダマスカス郊外県では、SANA(5月17日付)によると、シリア軍がハジャル・アスワド市北部一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する掃討戦を継続した。

これに対して、ダーイシュはダマスカス県のザーヒラ地区、シャイフ・ムフイーッディーン地区を砲撃し、住民5人が負傷した。

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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月17日付)によると、アレッポ市南部のハーディル村から「イランの民兵」の車列約70台が撤退した。

これにより、同地には「イランの民兵」の戦闘員約100人と車輌30台が残留するのみだという。

AFP, May 17, 2018、ANHA, May 17, 2018、AP, May 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2018、al-Hayat, May 18, 2018、Reuters, May 17, 2018、SANA, May 17, 2018、UPI, May 17, 2018などをもとに作成。

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ヒムス県北部・ハマー県南部から退去した武装集団戦闘員らの数は3万5,000人に(2018年5月17日)

ヒムス県では、SANA(5月16日付)によると、県北部およびハマー県南部で活動を続けていた反体制武装集団戦闘員とその家族の退去が15日に完了したことを受け、反体制派の主要拠点だったガントゥー市、ダール・カビーラ村、ティールマアッラ村にシリア軍部隊が展開し、政府関連施設にシリア国旗を掲揚し、住民の歓迎を受けた。

SANA, May 17, 2018

一方、シリア人権監視団は、サムアリール村の通行所に、イドリブ県への退去を望む障害者数百人が取り残されていると発表した。

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ハマー県では、SANA(5月17日付)によると、県南部およびヒムス県北部で活動を続けていた反体制武装集団戦闘員とその家族の退去が15日に完了したことを受け、ヒルブナフサ村にシリア軍部隊が展開し、政府関連施設にシリア国旗を掲揚し、住民の歓迎を受けた。

SANA, May 17, 2018

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ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置されている当事者和解調整センターのユリ・エフトシェンコ代表は声明を出し、ロシア仲介によるシリア政府と、ヒムス県北部・ハマー県南部の反体制武装集団の停戦合意(1日)に従い続けられていた武装集団による重火器、中火器の引き渡しと、戦闘員とその家族のアレッポ県、イドリブ県への退去が完了したとしたうえで、退去した反体制武装集団戦闘員とその家族の数が3万5,270人に達したと発表した。

また、各地での戦闘終息を受けて、避難民791人が帰宅したと発表した。

うち202人はヒムス県、131人はダマスカス郊外県東グータ地方、458人はマンビジュ市一帯の住民だという。

AFP, May 17, 2018、ANHA, May 17, 2018、AP, May 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2018、al-Hayat, May 18, 2018、Reuters, May 17, 2018、SANA, May 17, 2018、UPI, May 17, 2018などをもとに作成。

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米主導の有志連合がハサカ県で空挺作戦を実施しダーイシュ幹部を拘束する一方、ダーイシュはカーイム市国境通行所のイラク軍部隊をシリアから越境攻撃(2018年5月17日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合が県東部のイラク国境近くで空挺作戦を実施し、ダーイシュ(イスラーム国)の司令官1人を拘束した。

空挺作戦は、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が、司令官が潜伏するバフラト・ハーヌーティーヤ村近郊の村(ワーキア村)を包囲するなか、有志連合のヘリコプターが行ったという。

アナトリア通信(5月17日付)は、イラク軍のアフマド・ドゥライミー大尉の話として、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア領内(ダイル・ザウル県東部)からイラク領内のアンバール県カーイム市の国境通行所一帯に展開するイラク軍国境警備隊所属台4旅団第1連隊に対して攻撃を行ったと伝えた。

これを受け、イラク軍はダーイシュと4時間以上にわたり交戦し、ダーイシュをシリア領内に撃退したという。

なお、この空挺作戦に関して、ドゥラル・シャーミーヤ(5月18日付)は、複数の活動家の話として、ダーイシュの指導者アブー・バクル・バグダーディー氏の拘束を狙ったものだったと伝えた。

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ANHA(5月17日付)は、アレッポ県アフリーン郡ブルブル町近郊のクーリター村でトルコ軍が9日、女性を含む村人16人を拉致、連行した、と伝えた。

AFP, May 17, 2018、ANHA, May 17, 2018、AP, May 17, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 17, 2018、May 18, 2018、al-Hayat, May 18, 2018、Reuters, May 17, 2018、SANA, May 17, 2018、UPI, May 17, 2018などをもとに作成。

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ロシア国防省:ロシア・トルコ停戦監視委員会のロシア側監督チームは6件の停戦違反を、トルコ側は5件の違反を確認(2018年5月17日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間(5月17日)で、「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を6件(アレッポ県4件、ラタキア県2件)確認したと発表した。

またトルコ側の監視チームも5件(イドリブ県3件、アレッポ県1件、ラタキア県1件)の停戦違反を確認したという。

Ministry of Defence of the Russian Federation, May 17, 2018をもとに作成。

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