スィーマルカー国境通行所前でイラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたカリーラー部隊の若者の遺体の引き渡しを求める座り込みデモにダイリーク区議会議員らが参加(2021年12月9日)

ハサカ県では、ANHA(12月9日付)によると、県北東部のティグリス川河畔に設置されているスィーマルカー国境通行所前の広場で北・東シリア自治局ジャズィーラ地域殉教者遺族機構が続けている座り込みデモにダイリーク区議会議員らが参加し、イラク・クルディスタン民主党の部隊に殺害されたクルディスタン労働者党(PKK)の民兵組織である人民防衛部隊(HPG)所属のカリーラー(カレラ)部隊のメンバー5人の遺体の引き渡しを求めた。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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プライス米国務省報道官は2021年に拘束されたとされるオースティン・タイス氏の解放に向けてシリア政府と対話する意思を表明(2021年12月9日)

ネッド・プライス米国務省報道官は記者会見で、2012年にシリア国内で政府当局に拘束されたとされるジャーナリストのオースティン・タイス氏に関して、「我々との関係が薄い、あるいはまったく関係を築いていない体制と対話することができる。これは外交を行うこと、いかなる国、ないしは体制との外交関係の転換に言及することとは異なっている」と述べた。

AFP, December 10, 2021、ANHA, December 10, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 10, 2021、Reuters, December 10, 2021、SANA, December 10, 2021、SOHR, December 10, 2021などをもとに作成。

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2013年1月以降のイスラエルによるシリア爆撃で民間人14人から42人が死亡(2021年12月9日)

世界各地での爆撃による民間人の被害をモニタリングしているエアウェイズ(https://airwars.org/)は「シリアとガザ地区におけるイスラエル軍」と題した最新のレポートで、2013年1月以降のイスラエル軍によるシリア領内への爆撃によって、14人から42人の民間人が犠牲となっていると発表した。

一方、過去10日間でのイスラエル軍によるガザ地区での爆撃では151人から192人の民間人が犠牲となっているという。

『エルサレム・ポスト』(12月9日付)が伝えた。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、The Jerusalem Post, December 9, 2021Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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WFPはシリア政府支配地から反体制派支配地に境界経由(クロスライン)での支援を実施:シャーム解放機構がこれを護衛(2021年12月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団、ワタンFM(12月9日付)、アラビー・ジャディード(12月9日付)、ザイトゥーン(12月9日付)などによると、国連の人道支援を積んだ貨物車輌14輌からなる車列が、シリア政府の支配地域からM4高速道路のサラーキブ市に設置されている通行所と、シャーム解放機構が軍事・治安権限を握るタルナバ村に設置されている通行所(タルナバ通行所)を通って反体制派支配地に入った。

車列は食糧パック12,000個を積み、シャーム解放機構の護衛を受けて反体制派支配地に入った。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1271150556684899

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WFPの車列が反体制派支配地に入る様子を活動家やメディア関係者が撮影しようとしたが、シャーム解放機構がこれを阻止し、撮影された画像を削除、一部活動家らがこれを「シャッビーハのようだ」と批判した。

しかし、ザイトゥーンは、シャーム解放機構による規制を批判する活動家らのツイッターの書き込みは次々と削除されたとしたうえで、削除された書き込みの画像を公開した。


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今回の境界経由(クロスライン)での支援に関して、世界食糧計画(WFP)はツイッターのアカウント(https://twitter.com/WFP_AR/)を通じて「国連安保理決議第2585号(2021年7月9日採択)に沿って、WFPはアレッポ県から、WFPが契約しているイドリブ県サルマダー市の倉庫に国連の食糧および人道支援品を届けるために、車輌を手配している」、「車列に積まれた人道支援物資はシリア北西部住民の要支援者に配給される。これは越境(クロスボーダー)での支援を保管するための支援である」と発表した。

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ワタンFMによると、シャーム解放機構が支配地の自治を委託しているシリア救国内閣は「この支援は越境(クロスボーダー)での支援とは無関係で、(イドリブ県の)バーブ・ハワー国境通行所を経由した物資搬入に何の影響も与えない」と発表した。

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シリア救国内閣のムハンマド・バシール広報局長は、今回の支援を受けて記者会見を開き、「この支援において犯罪者体制の関与はない。(車列の)進入においても、配給においてもだ。これはWFPの人道支援の一つの表現だ…。この支援はバーブ・ハワー国境通行所を経由して行われる人道支援を補う追加分だ」と述べた。

バシール氏はまた「我々は境界経由(クロスライン)でのこの支援を受け入れることで困難な選択を迫られた。なぜなら、ロシアはこの支援受け入れが認められない場合、拒否権を発動するとちらつかせてきたからだ」と付言した。

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さらに、アラビー・ジャディード(12月9日付)によると、バーブ・ハワー国境通行所などの通行所を管理するシリア救国内閣の通行所局は、今回のWFPによる物資搬入について、テレグラムを通じて声明を出し、「トルコとの国境に位置するバーブ・ハワー国境通行所の人道回廊を維持するための合意の一環として」行われたとしたうえで、シャーム解放機構が車列の護衛にあたったことを明らかにした。

また「国連支援物資が体制支配地からその支配が及ばない地域に移送されたと誹謗中傷する多くの虚偽のメッセージやツイートは裏切りであり、バーブ・ハワー国境通行所からの支援をロシアが庇護する体制支配地域経由へと切り替えようとするもので、ロシアが体制に正統性を与え、体制がシャーム解放機構との明確な協力関係のもとにイドリブ県の市民に支援を届けたい意思があると見せかけようとする動きのなかで行われている」と批判した。

そのうえで「関係当局はこの決定を詳細に検討したうえで同意した。これは、バーブ・ハワー国境通行所の閉鎖に根拠を与えることを回避するためで、WFPは同通行所を通じて毎月平均で320万以上の食糧パックを1,000台以上の貨物車輌で搬入している…。イドリブ県の指導者らは、バーブ・ハワー国境通行所(の使用)の更新がされない限り、これらの支援を拒否してきた」と主張した。

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境界経由(クロスライン)での人道支援が行われるのは、8月30、31日に続いて3回目。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、‘Arabi Jadid, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、‘Inab Baladi, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021、Watan FM, December 9, 2021、Zaytun, December 9, 2021などをもとに作成。

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シリア産の原油を積んだタンクローリーなど83輌からなる米軍の車列がイラクに出国(2021年12月9日)

ハサカ県では、SANA(12月9日付)がヤアルビーヤ町近郊の複数の地元筋の話として伝えたところによると、シリア産の原油を積んだタンクローリーなど83輌からなる米軍の車列が、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所を経由し、イラクに出国した。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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ブーカマール市に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2021年12月9日)

ダイル・ザウル県では、SANA(12月9日付)によると、ブーカマール市に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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アラビア語教員1人を含む住民2人がシリア民主軍の強制収容所の劣悪な環境下で拷問を受けるなどして死亡(2021年12月9日)

ハサカ県では、SANA(12月9日付)によると、アラビア語教員1人を含む住民2人が、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の強制収容所の劣悪な環境下で拷問を受けるなどして死亡した。

タッル・ハミース市の複数の地元筋の話として伝えたところによると、2人のうちの1人はM.D.氏(35歳)で、シリア民主軍によって7カ月前に拘束され、拷問を受けていた。

また、もう1人はKh.’氏で、アラビア語教員を務めていたが、カフターニーヤ市の収容施設の劣悪な環境が原因で死亡した。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍の支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊を砲撃し、住民1人負傷(2021年12月9日)

アレッポ県では、ANHA(12月9日付)によると、トルコ軍の支援を受けるシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市近郊の小トゥーハール村を砲撃し、住民1人が負傷した。

一方、トルコ占領下にあるジャラーブルス市でシリア国民軍に所属する武装グループどうしが激しく交戦した。

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県、ハマー県、ラタキア県を砲撃(2021年12月9日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のスフーフン村、バーラ村、ファッティーラ村、フライフィル村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原の灌漑計画地区を砲撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、正体不明の武装集団がインヒル市町議会を襲撃し、副議長を銃で撃って殺害した。

また、タッル・シハーブ町で、武装解除を拒否する元反体制武装集団メンバーを代表していた中央委員会のメンバーが何者かによって銃で撃たれて死亡した。

さらに、マアルバ町とスワイダー県のハラバー村を結ぶ街道でシリア軍第5軍団の兵士1人(元反体制武装集団メンバー)が正体不明の武装集団によって銃で撃たれて死亡した。

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クナイトラ県では、SANA(12月9日付)によると、マムティナ村で車に仕掛けられていた爆弾が爆発し、車が大破した。

死傷者はなかった。

シリア人権監視団によると、狙われたのは、軍事情報局のサアサア地区司令官の車だという。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反6件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3110769279165807

AFP, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で107人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で22人(2021年12月9日)

保健省は政府支配地域で新たに107人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者110人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、12月9日現在の支配地内での感染者数は計49,008人、うち死亡したのは2,798人、回復したのは30,180人となった。

SANA(12月9日付)が伝えた。

https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/659168228799591

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で12月9日に新たに22人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、204人が完治し、1人が死亡したと発表した。
イドリブ
新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡3人、イドリブ郡8人、ハーリム郡9人、アリーハー郡3人、アレッポ県スィムアーン山郡3人、ジャラーブルス郡1人、バーブ郡4人、アフリーン郡1人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計92,618人、うち死亡したのは2,270人、回復したのは64,874人となった。
https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1728432140695003

AFP, December 9, 2021、ACU, December 9, 2021、ANHA, December 9, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 9, 2021、Reuters, December 9, 2021、SANA, December 9, 2021、SOHR, December 9, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民315人と国内避難民(IDPs)14人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は730,119人、2019年以降帰還したIDPsは105,550人に(2021年12月9日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月8日に難民315人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民309人(うち女性93人、子供157人)、ヨルダンから帰国したのは6人(うち女性2人、子供3人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は730,119人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者333,298人(うち女性100,164人、子ども169,696人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,821人(うち女性119,095人、子ども202,380人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,820,422人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は959,339人(うち女性287,917人、子供488,998人)となった。

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一方、国内避難民14人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは14人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は14人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,550人(うち女性41,360人、子供34,019人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,146人(うち女性423,919人、子供677,785人)となった。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3110763589166376

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 9, 2021をもとに作成。

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