国連食糧農業機関によって「2021年の小麦生産量が過去50年のなかで最低レベル」との報告書が出される(2021年12月25日)

親体制系ウェブサイト「スナック・シリアン」、ニュースサイト「エティハド・メディア」などによると、国連食糧農業機関(FAO)は12月25日、シリアにおける2021年の小麦生産量が過去50年のなかで最低レベルであるとのレポートを発表した。

同レポートによると、シリアにおける小麦・大麦の生産量は2020年の280万トンから105万トンまで落ち込み、その減少の割合は63%にまで達したという。

さらに同レポートは同国の農業生産に多大な影響を与えているファクターとして、肥料および農薬価格の高騰に並んで西側諸国がシリアの農業部門に課している制裁を挙げた。

また同国における小麦生産の現状が、シリア国内の大多数の県で近く発生しうる飢餓の予兆であるとして警告を発した。

Snack Syrian.com, December 25, 2021、Etihad Media.com, December 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機がスフナ市近郊の砂漠地帯でダーイシュに対する爆撃を実施(2021年12月25日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がスフナ市近郊の砂漠地帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する爆撃を実施した。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県マアッラトミスリーン市一帯を3発のミサイルで攻撃(2021年12月25日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるマアッラトミスリーン市一帯を3発のミサイルで攻撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍がドローンでアレッポ県アイン・アラブ(コバネ)市の民家を爆撃し、住民2人が死亡、7人が負傷(2021年12月25日)

アレッポ県では、ANHA(12月25日付)によると、トルコ軍が無人航空機(ドローン)でシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・アラブ(コバネ)市の民家を爆撃し、住民2人が死亡、7人が負傷した。

シリア人権監視団によると、死亡したのは民主人民党(PYD)に近い革命青年運動のメンバー。

ANHA(12月26日付)によると、12月26日には重傷を負っていた2人が死亡、死者数は5人となった。

一方、シリア人権監視団は12月26日、死者は6人(うち幹部2人)に増加したと発表した。

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ハサカ県では、ANHA(12月25日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルダーラ村を砲撃した。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、December 26, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021、December 26, 2021などをもとに作成。

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ヌスラ戦線元メンバーが2019~2021年にダマスカス県、ダマスカス郊外県で発生した一連のテロ攻撃への関与を証言(2021年12月25日)

国営衛星放送のシリア・テレビ(12月25日付)は、シリアのアル=カーイダであるシャームの民のヌスラ戦線(現在の組織名はシャーム解放機構)のテロ・グループが2019年から2021年にダマスカス県、ダマスカス郊外県で発生した一連のテロ攻撃への関与を認める証言ビデオを配信した。

証言を行ったのは、アブー・ムハンマド(本名ターリク・ザキー・サアディー氏、ダマスカス県ヤルムーク区出身、1994年生まれ)、アブー・ハムザ(本名ムハンマド・アイマン・アルスラーン氏、ダマスカス郊外県アルバイン市出身、1990年生まれ)、アブー・ヤーミン(本名ユースフ・ムハンマド・フマイス氏、ダルアー県ムザイリーブ町出身、1995年生まれ)、マフムード・ナズハト・ナズハト氏(ダマスカス郊外県ハーマ町出身、1990年生まれ)、ウマル・ファフド・ナズハ氏(ダマスカス郊外県ハーマ町出身、1997年生まれ)。

テロ・グループのメンバーらは、多数の民間人や軍関係者の行動を監視して狙い、「カシオン(カースィユーン)連隊」という架空の組織名義で犯行声明を出したことを認めた。

「カシオン連隊」を名乗ったのは、攻撃が国際テロ組織に指定されているヌスラ戦線、シャーム解放機構によるテロでないように見せるためだったという。

https://www.facebook.com/Syrian.TV2/posts/511027444080674

彼らはまた、イドリブ県で活動するヌスラ戦線の指導者、具体的にはアブー・サーリフを名乗るテロリスト、アブー・アミーンを名乗るテロリスト(本名ムハンマド・サーリフ)らから直接支持を受けて活動を行い、偽のIDカードを使って爆発物や資金を入手していたと証言した。

例えば、彼らは、アブー・サーリフとのやり取りを通じて、偽の電話番号やフェイスブック・アカウントを作成し、非道徳なビデオを公開すると脅迫することで、動揺した人々をテロ・グループに参加させたという。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021、Syria TV, December 25, 2021などをもとに作成。

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マヤーディーン市の和解センターで指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2021年12月25日)

ダイル・ザウル県では、SANA(12月25日付)によると、12月19日に再開されたマヤーディーン市の和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア、シリア、トルコは緊張緩和地帯での停戦違反を確認せず(2021年12月25日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を確認しなかったと発表した。

シリア政府、トルコ側の監視チームも停戦違反を確認しなかった。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3122455327997202

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 25, 2021をもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で44人(2021年12月25日)

保健省は政府支配地域で新たに44人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、12月25日現在の支配地内での感染者数は計50,051人、うち死亡したのは2,871人、回復したのは31,791人となった。


https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/218168333824484

AFP, December 25, 2021、ACU, December 25, 2021、ANHA, December 25, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 25, 2021、Reuters, December 25, 2021、SANA, December 25, 2021、SOHR, December 25, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民323人と国内避難民(IDPs)1人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は735,294人、2019年以降帰還したIDPsは105,625人に(2021年12月25日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月24日に難民323人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民314人(うち女性94人、子供160人)、ヨルダンから帰国したのは9人(うち女性3人、子供5人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は735,294人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者338,280人(うち女性101,659人、子ども172,233人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,014人(うち女性119,152人、子ども202,481人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,827,630人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は964,574人(うち女性289,469人、子供491,636人)となった。

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一方、国内避難民1人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは1人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は1人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,625人(うち女性41,381人、子供34,058人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,221人(うち女性423,940人、子供677,824人)となった。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3122449424664459

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 25, 2021をもとに作成。

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