シリア人権監視団:2021年の1年間で3,882人の死亡を確認(2021年12月31日)

シリア人権監視団はシリア国内での戦闘などにより2021年の1年間で3,882人の死亡を確認したと発表した。

3,882人のうち18歳未満の子供383人、18歳以上の女性は193人。

また、1,558人が民間人、2,324人が戦闘員。

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民間人1,558人の死因の内訳は以下の通り:

  • 地雷、爆弾の爆発による死亡:300人(うち子供138人、女性28人)
  • 何者かの発砲による死亡:288人(うち子供15人、女性18人)
  • 部族・家族どうしのいざこざ、血讐、無差別発砲などによる死亡:249人(うち子供20人、女性44人)
  • シリア軍の発砲、砲撃による死亡:234人(うち子供74人、女性46人)
  • ダーイシュ(イスラーム国)が殺害:76人(うち子供7人、女性18人)
  • 死因不明:72人(うち子供9人、女性13人)
  • 劣悪な衛生状態による死亡:79人(全員子供)
  • 政府の刑務所での拷問により死亡:57人(子供、女性はいずれも0人)
  • 即席爆弾の爆発により死亡:47人(うち子供4人、女性8人)
  • トルコ軍憲兵隊が殺害:36人(うち子供8人、女性0人)
  • シリア軍が殺害:30人(うち子供4人、女性0人)
  • トルコ軍の砲撃により死亡:31人(うち子供12人、女性4人)
  • イスラーム主義武装諸派が殺害:24人(うち子供2人、女性2人)
  • ロシア軍の爆撃により死亡:14人(うち子供7人、女性3人)
  • ジハード主義組織が殺害:9人(うち子供1人、女性2人)
  • 米主導の有志連合が殺害:6人(全員成人男性)
  • イスラエルの攻撃による民間人死者:6人(うち子供3人、女性1人)

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戦闘員2,324人の内訳は以下の通り:

  • シリア軍:607人
  • ダーイシュ:503人
  • イスラーム主義諸派、武装諸派などのシリア人戦闘員:377人
  • 人民諸委員会、国防隊などのシリア人民兵:305人
  • ジハード主義者:158人
  • 人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍および傘下の諸派:159人
  • 親政権、親イランの外国人民兵(ほとんどがシーア派):109人
  • 親政権、親イランのシリア人民兵(ほとんどがシーア派):35人
  • トルコ軍:30人
  • ヒズブッラー:11人
  • シリア民主軍の外国人戦闘員:9人
  • シリア軍離反兵:2人
  • ロシア軍:2人
  • その他:17人

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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米国務省の匿名報道官はバハレーンによる駐シリア外交使節団長任命を非難(2021年12月31日)

フッラ(12月31日付)は、バハレーンが駐シリア外交使節団長を任命したことに関して、米国務省の匿名報道官が「我々はバッシャール・アサド更生に向けた取り組みを支援しない」、「シリアの体制との外交関係正常化への措置を支持しないし…、政治的解決に向けて不可逆的な進展が見られるまで、制裁を解除したり、シリアの復興を支援することはない」、「アサド体制との対応を考えている地域諸国には、この体制が過去10年にわたりシリア国民に対して犯した残虐行為、国内の多くの地域に人道支援が行われることを阻止し続けていることに目を向けてもらいたい」と述べたと伝えた。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Alhurra, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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アレッポ県マンビジュ市でシリア民主軍による拷問に抗議するデモ(2021年12月31日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(12月31日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるマンビジュ市のハヤート病院前で、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍が若者(アニーン・アブドゥッラー氏)に拷問を加えたことに抗議するデモが行われ、多くの住民が参加した。

アブドゥッラー氏は、シリア民主軍の拘置所での拷問により、記憶喪失となり、歩行できない状態だという。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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トルコ日刊紙『テュルキイェ』はシリア・トルコ両政府高官がヨルダンでシリア民主軍への対応、アレッポ市の復興計画の実施、難民帰還などについて協議したと伝える(2021年12月31日)

トルコ日刊紙『テュルキイェ』(12月31日付)は、シリア政府とトルコ政府の高官がヨルダンのアカバで最近になって秘密会合を開き、シリア北東部で活動する人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への対応、アレッポ市の復興計画の実施、難民帰還などについて協議を行っていたと伝えた。

同紙によると、シリア政府側は、イドリブ県の処遇についても協議することを提案したが、トルコ政府側は、アダナ合意を修正し、トルコが介入可能な地域を拡大するよう求めたという。

これに関して、ヨルダン外務在外居住者省はハイサム・アブー・フール報道官はマムラカ・テレビ(12月31日付)に対して「この主張には根拠がなく、これに関するいかなる会合もヨルダンで開催されていない」と述べ、否定した。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、al-Mamlaka TV, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021、Turkiye, December 31, 2021などをもとに作成。

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米軍が違法に基地を設置しているユーフラテス川東岸のCONOCOガス田にシリア政府支配地から発射された迫撃砲弾2発が着弾(2021年12月31日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあり、米軍が違法に基地を設置しているユーフラテス川東岸のCONOCOガス田にシリア政府の支配地域から発射された迫撃砲弾2発が着弾した。

これに対して、CONOCOガス田一帯に設置されている大砲が、迫撃砲弾が発射されたシリア政府の支配地に向けて応戦し、砲弾複数発を撃ち込んだ。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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フール・キャンプでアレッポ県からの国内避難民1人が銃で撃たれた死亡(2021年12月31日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の管理下にあるフール・キャンプで、アレッポ県からの国内避難民(IDPs)1人が銃で撃たれた死亡した。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市一帯を砲撃(2021年12月31日)

アレッポ県では、ANHA(12月31日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のバイルーニーヤ村、シャイフ・イーサー村、シャッラー村、マンナグ航空基地を砲撃した。

また、シリア人権監視団によると、カルジャブリーン村およびマーリア市一帯に違法に駐留するトルコ軍部隊が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のハルバル村、バイルーニーヤ村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

砲撃は、同地に展開するシリア軍部隊がカルジャブリーン村のトルコ軍拠点一帯を砲撃したのを受けたもの。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県タッル・ハミース市の住民が、米軍の装甲車5輌からなる車列に投石を行うなどして進行を阻止(2021年12月31日)

ハサカ県では、SANA(12月31日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・ハミース市の住民が、同市に至る交差点で米軍の装甲車5輌からなる車列に投石を行うなどして進行を阻止し、これを退却させた。

米軍の車列が退却する際、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の部隊が米軍の車列を取り囲み、これを護衛した。

なお、シリア人権監視団によると、米軍の車列は装甲車4輌。

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ県各所を爆撃し、住民2人が死亡、6人が負傷(2021年12月31日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるイドリブ市一帯、ザーウィヤ山地方のカンスフラ村、バーラ村、マシューン村、県北部のカフル・ダルヤーン村、ジスル・シュグール市近郊のジャディーダ(ジャディーダト・ジスル)村一帯、ルージュ平原のニムラ村を15回にわたって爆撃した。

この爆撃により、カフル・ダルヤーン村では養鶏場が被弾し、住民2人が死亡、6人が負傷した。

https://www.facebook.com/SYRMMC/posts/1284752778658010

また、シリア軍がザーウィヤ山地方のファッティーラ村、バーラ村、カンスフラ村を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカフルナブル市、ブサクラー村、ハザーリーン村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるアウラム・クブラー町を砲撃した。

これに対して、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるバーラー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反1件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3126606154248786

AFP, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民333人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は737,172人に(2021年12月31日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月30日に難民333人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民316人(うち女性95人、子供161人)、ヨルダンから帰国したのは17人(うち女性5人、子供9人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は737,172人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者340,088人(うち女性102,202人、子ども173,154人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,084人(うち女性119,173人、子ども202,517人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,091人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は966,452人(うち女性290,033人、子供492,593人)となった。

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一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,639人(うち女性41,385人、子供34,064人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,235人(うち女性423,944人、子供677,830人)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3126602230915845

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 31, 2021をもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で35人、北・東シリア自治局支配地域で5人、アル=カーイダとトルコの支配下にあるイドリブ・アレッポ県で10人(2021年12月31日)

保健省は政府支配地域で新たに35人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者120人が完治し、4人が死亡したと発表した。

これにより、12月31日現在のシリア国内での感染者数は計50,278人、うち死亡したのは2,897人、回復したのは32,514人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/221651763476141

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北・東シリア自治局の保健委員会(保健省に相当)は、支配地域で新たに5人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、2人が死亡したと発表した。

これにより、12月31日現在の支配地内での感染者数は計37,189人、うち死亡したのは1,505人、回復したのは2,514人となった。

新規感染者の性別の内訳は、男性3人、女性6人。

また地域の内訳は、ハサカ県のハサカ市1人、カーミシュリー市1人、アレッポ県のマンビジュ市1人、ラッカ県のラッカ市1人、タブカ市1人。

https://www.facebook.com/smensyria/posts/1758575967665666

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反体制系NGOの支援連携ユニットは、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構が軍事・治安権限を握る「解放区」とトルコ占領下の「オリーブの枝」地域と「ユーフラテスの盾」地域で12月31日に新たに10人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、73人が完治したと発表した。

新規感染者の内訳は、イドリブ県ジスル・シュグール郡0人、イドリブ郡4人、ハーリム郡5人、アリーハー郡0人、アレッポ県スィムアーン山郡0人、ジャラーブルス郡0人、バーブ郡0人、アフリーン郡1人、アアザーズ郡0人。

これにより、同地での感染者数は計92,957人、うち死亡したのは2,319人、回復したのは67,533人となった。
https://www.facebook.com/ACUSyria/posts/1743161259222091

AFP, December 31, 2021、ACU, December 31, 2021、ANHA, December 31, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 31, 2021、Reuters, December 31, 2021、SANA, December 31, 2021、SOHR, December 31, 2021などをもとに作成。

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