ロシア軍がトルコと政府支配地域を結ぶカーミシュリー(ヌサイビーン)国境通行所の「人道回廊」としての再開をめざす一方、ハサカ県知事は再開の動きを否定(2021年12月28日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍部隊がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市とトルコのヌサイビーン市を結ぶ国境通行所(シリア政府管理化)を「人道回廊」として再開する準備を続けるなか、ロシア軍ヘリコプター1機がカーミシュリー国際空港から通行所近くの旧フランス軍兵舎に派遣され、同地に着陸した。

ロシア軍は数日前から、北・東シリア自治局の同意を得て、カーミシュリー・ヌサイビーン国境通行所再開に向けた準備を進めていた。

**

これに関して、ハサカ県のハリーム・ハリール県知事は『ワタン』(12月28日付)の取材に対して、カーミシュリー国境通行所(ヌサイビーン国境通行所)の再開に向けた作業が行われているとの情報を否定した。

ハリール県知事は次のように述べた。

違法なスィーマルカー国境通行所とヌサイビーン国境通行所の再開を結びつけることは正しくない。なぜなら、スィーマルカーはイラク北部とシリアのジャズィーラ地方をティグリス川で結びつけるために設置された違法な通行所であるのに対して、ヌサイビーンはシリアとトルコを結びつける合法的な通行所だからだ。

ヌサイビーン通行所の再開にはシリアとトルコの合意が必要で、両国の利益にならなければならない。

だが、今のところ、トルコ側との間で合意はなく、通行所再開に向けた合意もなければ、その後に人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の民兵との合意もなされることはないだろう。

この問題は今のところ起こり得ず、メディアで語られているだけだ。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021、al-Watan, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

フール・キャンプで何者かによって殺害された若い男性の遺体が発見(2021年12月28日)

ハサカ県では、SANA(12月28日付)やシリア人権監視団によると、北・東シリア自治局の支配下にあるフール・キャンプの第1区で何者かによって殺害された若い男性の遺体が発見された。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアレッポ県、ラッカ県各所を砲撃(2021年12月28日)

アレッポ県では、ANHA(12月28日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるタッル・リフアト市近郊のタアーナ村、バイルーニーヤ村、シャイフ・イーサー村を砲撃した。

トルコ軍とシリア国民軍が占領下のバーブ市近郊(シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下のマンビジュ市西)のヤーランリー村、ファワーリス農場、シャイフ・ナースィル村(クルト・ワイラーン村)を砲撃した。

**

ラッカ県では、ANHA(12月28日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアイン・イーサー市近郊のズィヌービヤー村を砲撃した。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍がハサカ県ダルダーラ村に入ろうとした米軍の装甲車5輌からなる車列の進行を阻止する一方、米軍はアブー・ラースィーン町一帯で初のパトロールを実施(2021年12月28日)

ハサカ県では、SANA(12月28日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルダーラ村の入口に設置されている検問所に駐留するシリア軍部隊が、村に入ろうとした米軍の装甲車5輌からなる車列の進行を阻止し、これを退却させた。

一方、シリア人権監視団によると、米軍の装甲車7輌からなる車列がダルバースィーヤ市近郊に設置されている北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の通行所を通ってアブー・ラースィーン(ザルカーン)町一帯地域に入り、同地でパトロールを実施した。

米軍が同地でパトロールを実施するのはこれが初めて。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

マヤーディーン市の和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続く(2021年12月28日)

ダイル・ザウル県では、SANA(12月28日付)によると、12月19日に再開されたマヤーディーン市の和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが続けられた。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ハサカ市ズフール地区で住民がシリア民主軍の抑圧的行為、とりわけ徴兵を目的とした若者の強制連行、石油や基本食品の盗奪に抗議するデモ(2021年12月28日)

ハサカ県では、SANA(12月28日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ市のズフール地区(北・東シリア自治局支配下)で、住民が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の抑圧的行為、とりわけ徴兵を目的とした若者の強制連行、石油や基本食品の盗奪に抗議するデモを行った。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

林外務大臣は記者会見でイスラエルによる占領下ゴラン高原での入植者倍増計画を否定(2021年12月28日)

アラブ・ニュース(12月28日付)は、林芳正外務大臣が記者会見でイスラエルが1967年に占領し1981年に併合したゴラン高原への入植者を倍増させる計画について、日本政府はこれを否定したと伝えた。

林外務大臣は以下の通り述べた。

我が国はイスラエルによるゴラン高原併合を認めない立場である。

入植活動は国際法の違反であり、我が国はイスラエル政府に対して入植活動の完全凍結を繰り返し呼びかけてきている。

我が国はこのような措置が域内の緊張をさらに高めることを憂慮しており、本件をめぐる動向を懸念をもって注視していきたい。

 

**

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は12月26日、ゴラン高原の入植地メボハマで閣議を開き、占領下のゴラン高原の入植者人口を倍増させる計画を閣議決定していた。

同計画は、今後5年間で入植者住宅7,300戸を建設、インフラを整備し、約2万3000人の新規入植を目指すもので、10億シェケル(約360億円)が拠出される見込み。

ゴラン高原は1967年の第3次中東戦争でイスラエルがシリアから占領し、1981年12月14日に併合を宣言した。

現在、イスラエル人入植者約25,000人と、併合後も同地に残ったシリア人23,000人が暮らしている。

国際社会はイスラエルによる併合を認めていないが、米国は2019年、ドナルド・トランプ前米政権がゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めている。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、Arab News, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

人民議会はイスラエルによる占領下ゴラン高原での入植者倍増計画をもっとも厳しい表現で非難(2021年12月28日)

人民議会は声明を出し、イスラエルが占領下のゴラン高原での入植地拡大させる計画を閣議決定したに関して「もっとも厳しい表現で非難する」と表明、国連安保理決議第497号(1981年)などを初めとする一連の決議や国際法に違反していると指弾した。

声明ではまた、占領下ゴラン高原の住民に対するイスラエルの犯罪行為を激しく非難・拒否、同地が完全解放されるまであらゆる手段で彼らに寄り添うと強調した。

https://www.facebook.com/Syrian.Peoples.Assembly/posts/4021642844605195

SANA(12月28日付)が伝えた。

**

イスラエルのナフタリ・ベネット首相は12月26日、ゴラン高原の入植地メボハマで閣議を開き、占領下のゴラン高原の入植者人口を倍増させる計画を閣議決定していた。

同計画は、今後5年間で入植者住宅7,300戸を建設、インフラを整備し、約2万3000人の新規入植を目指すもので、10億シェケル(約360億円)が拠出される見込み。

ゴラン高原は1967年の第3次中東戦争でイスラエルがシリアから占領し、1981年12月14日に併合を宣言した。

現在、イスラエル人入植者約25,000人と、併合後も同地に残ったシリア人23,000人が暮らしている。

国際社会はイスラエルによる併合を認めていないが、米国は2019年、ドナルド・トランプ前米政権がゴラン高原におけるイスラエルの主権を認めている。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

イスラエル軍戦闘機がラタキア港のコンテナ・ターミナルをミサイル攻撃し、大規模火災が発生(2021年12月28日)

SANA(12月28日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午前3時21分、ラタキア県ラタキア市沖合の地中海上空からラタキア港のコンテナ・ターミナルに向けて多数のミサイルを発射、大規模な火災が発生し、甚大な物的被害が出たと伝えた。

シリア人権監視団が12月29日に発表したところによると、この爆撃で2人が重傷を負い、搬送先のラタキア国立病院で死亡した。







**

ラタキア県のウマル・イスマーイール県知事は午後に声明を出し、コンテナ・ターミナルの火災は、消防チームと民間防衛隊(ホワイト・ヘルメットではない正規の組織)の活動によって鎮火したと発表した。







**

ロシア国防省が公開したロシア当事者和解調整センターの日報によると、攻撃を行ったのはイスラエル空軍のF-16戦闘機2機で、ミサイル4発を発射して攻撃した。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3124879534421448

**

AP(12月29日付)は、爆撃の数時間後に撮影されたとされるラタキア港の衛星画像を公開した。

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、AP, December 29, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021、December 29, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

シリア軍と「決戦」作戦司令室がイドリブ県、アレッポ県、ハマー県で砲撃戦(2021年12月28日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるM5高速道路沿線のハーン・スブル村と同地一帯の森林地帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカフルタアール村、カフル・ヌーラーン村を砲撃した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のサルマーニーヤ村、カーヒラ村、アンカーウィー村を砲撃した。

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ナワー市で正体不明の武装集団が住民を自宅前で銃で撃ち、殺害した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反1件確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反2件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3124531444456257

AFP, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で40人(2021年12月28日)

保健省は政府支配地域で新たに40人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者119人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、12月28日現在の支配地内での感染者数は計50,167人、うち死亡したのは2,884人、回復したのは32,155人となった。

https://www.facebook.com/MinistryOfHealthSYR/posts/219852253656092

AFP, December 28, 2021、ACU, December 28, 2021、ANHA, December 28, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 28, 2021、Reuters, December 28, 2021、SANA, December 28, 2021、SOHR, December 28, 2021などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

ロシア難民受入移送居住センター:難民313人が新たに帰還、2018年半ば以降帰還した難民は736,200人に(2021年12月28日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月27日に難民313人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民297人(うち女性89人、子供152人)、ヨルダンから帰国したのは16人(うち女性5人、子供😎人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は735,591人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者339,153人(うち女性101,921人、子ども172,678人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者397,047人(うち女性119,162人、子ども202,498人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,824,091人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は965,480人(うち女性289,741人、子供492,098人)となった。

**

一方、国内避難民の新たな帰宅はなかった。

2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,639人(うち女性41,385人、子供34,064人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,235人(うち女性423,944人、子供677,830人)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3124530967789638

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 28, 2021をもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.