タンフ国境通行所に違法に駐留する米軍が基地一帯地域に接近した「イランの民兵」所属と思われるドローンを撃破(2021年12月16日)

米フォックス・ニュース(12月16日付)は米中央軍(CENTCOM)のビル・アーバン報道官(大佐)の話として、ヒムス県南東部のタンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に、所属不明の無人航空機(ドローン)2機が飛来し、うち1機が同地域奥地まで進入し、「敵意を示した」ため、米軍がこれを撃墜したと伝えた。

もう1機のドローンは55キロ地帯から立ち去った。

ドローン2機とその迎撃による死傷者はなかったという。

別の米軍士官によると、ドローンは、タンフ国境通行所の基地に駐留する米軍を危険に晒す前に、空対空ミサイルで撃破された。

ドローンは「イランの民兵」所属機と見られるという。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Fox News, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県ウマル油田に違法に駐留する米主導の有志連合が実弾を使用した演習実施(2021年12月16日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるユーフラテス川東岸のウマル油田に違法に駐留する米主導の有志連合が、実弾を使用した演習を行い、基地周辺で大きな爆発音が複数回聞こえた。

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ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など約20輌からなる車列が兵站物資などを積んで、イラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入し、米軍が県内に違法に設置する各地の基地へと向かった。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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ロシア大統領府の子供の権利のための弁務官を務めるルヴォヴァ=ベロヴァ氏がカーミシュリー市の北・東シリア自治局渉外関係局を訪問し、ダーイシュのロシア人メンバーの遺児8人の身柄を引き取る(2021年12月16日)

シリアを訪問中のロシア大統領府の子供の権利のための弁務官を務めるマリア・ルヴォヴァ=ベロヴァ氏を代表とする使節団が、ハサカ県のカーミシュリー市にある北・東シリア自治局の渉外関係局を訪問し、アブドゥルカリーム・ウマル渉外関係局共同局長、ファナル・カイート共同副局長と会談した。

会談後の共同記者会見で、アブドゥルカリーム共同局長はルヴォヴァ=ベロヴァ弁務官らの訪問に歓迎の意を示すとともに、ハサカ県のフール・キャンプに収容されていたダーイシュ(イスラーム国)のロシア人メンバーの遺児8人の身柄をロシア側に引き渡したことを明らかにした。


ANHA(12月16日付)が伝えた。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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イラク・クルディスタン自治政府がPYDに近い革命青年運動の襲撃を受けたとして北・東シリア自治局支配地とをつなぐ国境通行所を一方的に閉鎖(2021年12月16日)

ANHA(12月16日付)によると、「イラク・クルディスタン民主党」(イラク・クルディスタン自治政府)が、ハサカ県のティグリス川河畔に北・東シリア自治局が違法に設置しているスィーマルカー国境通行所に対面するイラク(イラク・クルディスタン地域)のフィーシュ・ハーブール国境通行所を事前の通告なしに突如閉鎖した。

クルディスタン民主党はこれまでにも数度にわたって、通行所を閉鎖している。

シリア人権監視団によると、スィーマルカー国境通行所からティグリス川を渡河して、イラク領に入った民主統一党(PYD)に近い革命青年運動が、フィーシュ・ハーブール通行所を襲撃したのが閉鎖の理由だという。

この襲撃により、イラク・クルディスタン自治政府側の治安要員、国境警備隊隊員複数が負傷、車輌複数台が被害を受けたという。

同地では15日、イラク・クルディスタン自治政府の治安部隊が、フィーシュ・ハーブール国境通行所前で発生した抗議デモを強制排除していた。

襲撃を受けたのは、デモの強制排除のために動員されていた治安部隊。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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クドゥード・ハラビーヤのUNESCO世界遺産登録を受け、文化省が記者会見を開催(2021年12月16日)

アレッポの伝統歌謡である「クドゥード・ハラビーヤ」が国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産リストに追加されることが決定したの受け、シリア文化省が記者会見を開催した。

SANAやスナック・シリアンなどによると、会見のなかで、ルバーナ・ムシャウウィフ文化相は次のように述べた。「我々が苦しんでいる包囲にもかかわらず、クドゥード・ハラビーヤが世界遺産リストに登録されたことは世界的にも重要な進展である。それがもたらすもっとも重要な文化的影響は、世界が我々を文明の民であると認識することにある」。

同大臣はさらに次のように述べた。「今回の出来事は多大な政治的重要性を有している。我々は現在経済的・政治的に包囲されているが、今回(の決定)の目的はとどのつまり政治的だからだ。シリアの芸術家たちは自身のアイデンティティのために、自身の創造的成果物のなかで闘ってきた。そして今日、窓は開き始めた。それは小さな窓か、あるいは大きな窓かもしれないが」。

一方同大臣と並んで会見に参加したシリア開発トラストのシャーディー・イルスィー氏は次のように述べた。「シリア開発トラストの役割はシリアの文化的アイデンティティを保護することを目的としている。それは歴史的に深く根付いているからだ」。

SANA, December 16, 2021、Snack Syrian.com, December 16, 2021などをもとに作成。

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ハサカ県カーミシュリー市近郊の2カ所で住民が米軍の車列の通過を阻止し、これを撃退(2021年12月16日)

ハサカ県では、SANA(12月16日付)によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるカーミシュリー市近郊のダムヒーヤ村、アブー・ズワイル村、ハームー村、クサイル村の住民が2カ所で米軍の車列の通過を阻止し、これを撃退した。

カーミシュリー市郊外の複数の住民によると、ダムヒーヤ村とアブー・ズワイル村の住民が、ダムヒーヤ村に設置されているシリア軍の検問所を通過しようとした米軍の装甲車5輌と人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の車輌1輌からなる車列に対峙し、これを退却させた。

住民らは、米国を非難するスローガンを連呼して、投石を行うなどして車列を撃退したという。

また、ハームー村の複数の地元筋によると、ハームー村近郊の検問所(バイルーナ検問所)でも、ハームー村、クサイル村の住民が、M4高速道路に向かおうとしていた米軍の装甲車4輌とシリア民主軍の車輌1輌からなる車列に対して、投石を行うなどして通過を阻止し、退却させた。


https://youtu.be/1ZyvBSs6zio

シリア人権監視団によると、検問所は国民軍のもの。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるハサカ県、アレッポ県各所を砲撃(2021年12月16日)

ハサカ県では、SANA(12月16日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるダルダーラ村を砲撃した。

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アレッポ県では、ANHA(12月16日付)によると、トルコ軍とシリア国民軍がシリア政府と北・東シリア自治局の支配下にあるブーガーズ村を砲撃した。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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ロシア、トルコの仲介でシリア軍とシリア国民軍がそれぞれ5人を解放(2021年12月16日)

アレッポ県では、SANA(12月16日付)によると、トルコ占領下のいわゆる「ユーフラテスの盾」地域と、シリア政府と北・東シリア自治局の共同支配下にあるアブー・ザンディーン村の通行所で、「テロ組織」によって拉致されていた5人の身柄引き渡しが行われた。

5人はシリア赤新月社などからなる医療チームによって保護され、医療チェックを受けたのち、シリア政府支配地に移送された。
https://youtu.be/XD1sGvCWy7c

シリア人権監視団によると、5人の解放は、ロシアとトルコの仲介によって行われ、シリア政府側も拘束していた5人の身柄を引き渡した。

シリア軍側が解放したのはシリア国民軍の戦闘員。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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ブーカマール市での指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが終了、6,000人以上が手続きを済ませる(2021年12月16日)

ダイル・ザウル県では、SANA(12月16日付)によると、ブーカマール市に設置された和解センターで、指名手配者、脱走兵、兵役忌避者の大規模社会復帰手続きが終了した。


7日に開始された手続きでは6,000人以上が社会復帰手続きを済ませた。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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イスラエル軍戦闘機が占領下のゴラン高原上空からシリア南部をミサイル攻撃、兵士1人死亡(2021年12月16日)

SANA(12月16日付)は、シリア軍筋の話として、イスラエル軍戦闘機が午前2時50分頃、占領下のゴラン高原上空からシリア南部の複数カ所に向けて多数のミサイルを発射、シリア軍防空部隊がこれを迎撃し、ミサイルのほとんどを撃破したものの、一部が着弾し、兵士1人が死亡、若干の物的被害が出たと伝えた。

シリア人権監視団によると、イスラエル軍のミサイル攻撃は、スワイダー県シャフバー町近郊のシリア軍防空部隊の拠点1カ所を狙ったもので、兵士1人が死亡、複数が負傷したという。

また、シリア人権監視団が12月18日に発表したところによると、この攻撃では、ダマスカス郊外県のダイル・アリー町一帯のヒズブッラーや「イランの民兵」の拠点や貯蔵施設が狙われたという。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021、December 18, 2021などをもとに作成。

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シリア北西部の緊張緩和地帯での停戦違反はロシア発表で7件、トルコ発表で4件、シリア政府発表で0件(2021年12月16日)

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(イドリブ県2件、ラタキア県2件、アレッポ県1件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は0件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反4件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3115862255323176

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市で、銃で撃たれて死亡したと思われる麻薬密輸業者1人の遺体が発見された。

AFP, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Ministry of Defence of the Russian Federation, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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新型コロナウイルスの新規感染者はシリア政府支配地域で72人(2021年12月16日)

保健省は政府支配地域で新たに72人の新型コロナウイルス感染者が確認される一方、感染者95人が完治し、5人が死亡したと発表した。

これにより、12月16日現在の支配地内での感染者数は計49,565人、うち死亡したのは2,833人、回復したのは30,865人となった。

SANA(12月16日付)が伝えた。
https://www.facebook.com/syrianarabnews/posts/663653228351091

AFP, December 16, 2021、ACU, December 16, 2021、ANHA, December 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, December 16, 2021、Reuters, December 16, 2021、SANA, December 16, 2021、SOHR, December 16, 2021などをもとに作成。

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ロシア難民受入移送居住センター:難民328人と国内避難民(IDPs)10人が新たに政府支配地域に帰還、2018年半ば以降帰還した難民は732,367人、2019年以降帰還したIDPsは105,599人に(2021年12月16日)

ロシア国防省は、合同調整センター所轄の難民受入移送居住センターの日報を公開し、12月15日に難民328人が新たに帰国したと発表した。

このうちレバノンから帰国したのは難民319人(うち女性95人、子供162人)、ヨルダンから帰国したのは9人(うち女性3人、子供5人)。

これにより、2018年7月18日以降に帰国したシリア難民の数は732,367人となった。

内訳は、レバノンからの帰還者335,472人(うち女性100,816人、子ども170,803人、ザムラーニー国境通行所、ジュダイダト・ヤーブース国境通行所、ダブスィーヤ国境通行所、クサイル国境通行所、タッルカルフ国境通行所を経由して帰国)、ヨルダンからの帰国者396,895人(うち女性119,116人、子ども202,419人、ナスィーブ国境通行所を経由して帰国)。

43カ国で難民登録したシリア人の数は6,822,156人。

なお、ロシアがシリア領内で航空作戦を開始した2015年9月30日以降に帰国した難民の数は961,647人(うち女性288,590人、子供490,144人)となった。

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一方、国内避難民10人が新たに帰宅した。

ダイル・ザウル県サーリヒーヤ村の通行所を経由して帰宅したのは0人、ヒムス県南東グラーブ山のジュライギム通行所を経由して帰還したのは10人、イドリブ県の「緊張緩和地帯」から帰宅したのは0人だった。

グラーブ山通行所経由の帰還者のうち、米主導の有志連合が占領するヒムス県タンフ国境通行所一帯地域(55キロ地帯)に面するヨルダン北東部のルクバーン・キャンプから帰国した難民は10人だった。

これにより、2019年1月以降に帰宅した国内避難民の数は105,599人(うち女性41,375人、子供34,045人)に、2015年9月30日以降に帰宅した国内避難民の数は1,374,195人(うち女性423,934人、子供677,811人)となった。
https://www.facebook.com/mod.mil.rus/posts/3115875565321845

Ministry of Defence of the Russian Federation, December 16, 2021をもとに作成。

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