イドリブ県、ハマー県、ラタキア県、アレッポ県でのシリア軍と「決戦」作戦司令室の戦闘続き、5日以降の死者は50人を超える(2023年10月8日)

5日にヒムス県ヒムス市にある軍事大学の卒業式を狙った無人航空機(ドローン)によるテロ攻撃への報復として、シリア軍とロシア軍による激しい爆撃、砲撃が続いた。

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるイドリブ市のジャーミア地区を砲撃し、子供3人と女性2人を含む6人が死亡した。

ホワイト・ヘルメットがフェイスブックのアカウント(https://www.facebook.com/SyriaCivilDefense/)などを通じて発表したところによると、8日のシリア軍による攻撃で、子供2人と女性1人が死亡、子供10人と女性4人、ホワイト・ヘルメットの隊員2人を含む28人が負傷した。

シリア人権監視団によると、10月5日以降のシリア軍が発射した砲弾の数は1150発以上に達し、民間人47人を含む52人が死亡した。

民間人犠牲者47人のうち、シリア軍の砲撃による死者は41人(子供は20人、女性は5人)、ロシア軍の爆撃による死者は子供1人、シャーム解放機構が主導する反体制武装集団の攻撃による死者は10人。


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ハマー県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるファターティラ村近郊の前線を砲撃、これにより兵士1人が死亡、多数が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が、シリア政府の支配下にあるラタキア市近郊のシリア軍の指揮所複数ヵ所を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がシリア政府の支配下にあるヌッブル市、ザフラー町を砲撃した。

またタッル・リフアト市近郊のタナブ村近郊に、シャーム解放機構の無人航空機(ドローン)1機が墜落した。

さらに、シリア政府の支配下にあるアレッポ市郊外にも偵察用のドローン1機が墜落した。

 

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、マハッジャ町で正体不明の武装集団がシリア軍の士官1人を銃で撃ち殺害した。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続く(2023年10月8日)

スワイダー県では、スワイダー24(10月8日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023、Suwayda 24, October 8, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構の支配下にあるイドリブ県タルマーニーン村で住民数十人がトルコ軍の基地前で、シリア軍とロシア軍による爆撃、砲撃に対応しないトルコ軍に抗議するデモ(2023年10月8日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の支配下にあるタルマーニーン村で、住民数十人がトルコ軍の基地前で、シリア軍とロシア軍による爆撃、砲撃に対応しないトルコ軍に抗議するデモを行った。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍は4日連続で北・東シリア自治局の支配地に対する爆撃と砲撃を行い、油田などの重要施設が標的となる(2023年10月8日)

トルコ軍は4日連続で北・東シリア自治局の支配地に対する爆撃と砲撃を行った。

ANHA(10月8日付)、シリア人権監視団によると、8日のトルコ軍、およびシリア国民軍による攻撃では以下の場所、施設が攻撃を受けた。

アレッポ県

砲撃:タッル・リフアト市一帯、同市近郊(シャッラー村近郊)のクワンディー・マーズィン(ズーク・カビール)村、カルーティー(カルーティーヤ)村、シャイフ・イーサー村、バイルーニーヤ村、マンナグ航空基地、アイン・ダクナ村、アイン・アラブ(コバネ)市近郊のタッル・シャイール村、サイラム村、ハルハリー村、ハルビーサーン村、クーラーン村、マンビジュ市近郊のサイヤーダ村、ジャート村。

なお、シャッラー村近郊にトルコ軍の無人航空機(ドローン)1機が墜落した。

ハサカ県

有人戦闘機による爆撃:カフターニーヤ(ディルベ・スピーイェ)市近郊のアウダ油田とカルダーフール油田、マーリキーヤ(ダイリーク)市近郊のタカル・バカル村近郊、ハムザ・ビク石油配給所および同地に設置されている北・東シリア自治局内務治安部隊(アサーイシュ)の陣地1ヵ所。

砲撃:マーリキーヤ市近郊のカルダミーヤ村、アイン・ディーワール村および同村近郊に設置されているシリア軍の陣地1ヵ所、カルヒー(クージャラート)村に設置されているアサーイシュの拠点1ヵ所、カフターニーヤ市近郊のズールアーファー村、タッル・ジハーン村、ルーターン村、カルキー・シャームー村、アブー・ラースィーン(ザルカーン)町、同町近郊のタッル・ハルマル村、アサディーヤ村、ムシャイリファ村、ルバイアート村、アームーダー市近郊のジュールダーラー村、ハラミー・シャイフー村、タッル・タムル町近郊のタウィーラ村、タッル・タウィール村、クーザリーヤ村。

このうち、アウダ油田に対する爆撃では住民1人が負傷した。

また、アブー・ラースィーン町からタッル・タムル町に至る地域で人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍とシリア国民軍が交戦した。

ラッカ県

アイン・イーサー市、M4高速道路沿線。

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シリア人権監視団によると、これに対して、シリア民主軍はハサカ県ラアス・アイン市近郊のカースィミーヤ村を砲撃。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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アサド大統領はムハンマドUAE大統領と電話会談を行い、パレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」作戦の開始に伴うパレスチナ・イスラエル情勢、中東地域情勢の進展について意見を交わす(2023年10月8日)

アサド大統領はアラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン大統領と電話会談を行い、10月7日のパレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」作戦の開始に伴うパレスチナ・イスラエル情勢、中東地域情勢の進展について意見を交わした。

SANA(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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進歩国民戦線の中央指導部は声明でパレスチナのハマースがイスラエルに対して開始した「アクサーの大洪水」作戦とパレスチナ人の抵抗を激励(2023年10月8日)

連立与党連合の進歩国民戦線の中央指導部が声明を出し、10月7日にパレスチナのハマースがイスラエルに対して開始した「アクサーの大洪水」作戦について、パレスチナ人民とその抵抗運動が最新技術を使用し、敵の治安、軍事網を突破する能力を有していることを立証したと賞賛、パレスチナ人の抵抗は決定的勝利をもたらすまで続くと激励した。

SANA(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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レバノンのヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗運動がイスラエル占領下のシャブアー農場に展開するイスラエル軍の陣地3ヵ所を砲撃したと発表(2023年10月8日)

レバノンのヒズブッラーが主導するレバノン・イスラーム抵抗運動は声明を出し、同運動所属する「殉教者・司令官ハーッジ・イマード・ムグニヤ諸集団」がイスラエルの占領下にあるレバノン領のシャブアー農場(ナバティーヤ県ハースバイヤー郡)に展開するイスラエル軍の陣地3ヵ所を砲撃したと発表した。

砲撃が行われたのは、レーダーサイト、ズィッビーン陣地、ルワイサート・アラム陣地で、迫撃砲、ロケット砲など多数が発射され、直接被害を与えた。

マナール・チャンネル(10月8日付)が伝えた。

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これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は、7日午後8時半頃、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)を通じて速報を発表、レバノン領からの無人航空機(ドローン)のイスラエル軍を狙って攻撃を行ったことへの報復として、イスラエル軍がナバティーヤ県のハール・ドゥース(ルウース山)一帯にあるヒズブッラーのインフラを砲撃したと発表した。

アドライ報道官はまた、Xに9日0時半頃に新たなポストを書き込み、イスラエル軍が少し前に、イスラエルに対する攻撃が行われたと思われハール・ドゥーフ(ルウース山、シャブアー農場)一帯の複数ヵ所を排除するために攻撃を行ったと発表した。


AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Qanat al-Manar, October 8m 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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アサド大統領はイラクのラシード大統領からヒムス市でのドローン攻撃の犠牲者や遺族に対する弔電を受けとる(2023年10月8日)

アサド大統領は、イラクのアブドゥッラティーフ・ジャマール・ラシード大統領からヒムス県ヒムス市にある軍事大学の卒業式会場を狙った無人航空機(ドローン)による5日昼のテロ攻撃の犠牲者や遺族への弔意とテロへの拒否の姿勢を示す電報を受けとった。

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ファイサル・ミクダード外務在外居住者大臣は、イランのホセイン・エミール・アブドゥッラフヤーン外務大臣、アブハジアのイナル・アルドズィンバと個別に電話会談を行った。

ミクダード外務在外居住者大臣と会談を行った外務大臣らは、ヒムス県ヒムス市にある軍事大学の卒業式会場を狙った無人航空機(ドローン)による5日昼のテロ攻撃を非難、犠牲者に哀悼の意を示すとともに、テロ撲滅に向けた取り組みへの支援を改めて表明した。

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アルゼンチン外務省は声明を出し、ヒムス市でのドローン攻撃を非難、犠牲者や遺族に弔意を示した。

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エジプト在住のシリア人コミュニティとシリア学生連合学生支部のメンバー、ブルガリア在住のシリア人コミュニティとシリア人留学生、在ラテンアメリカ・アラブ団体連合大会(FEARAB-America)が、ヒムス市でのドローン攻撃の犠牲者を弔問するために在エジプト・シリア大使館を訪問した。

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シリア各地では、キリスト教各宗派の教会で、ヒムス県ヒムス市にある軍事大学の卒業式会場を狙った無人航空機(ドローン)による5日昼のテロ攻撃の犠牲者を追悼するためのミサが開かれた。

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SANA(10月8日付)が伝えた。

AFP, October 8, 2023、ANHA, October 8, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 8, 2023、‘Inab Baladi, October 8, 2023、Reuters, October 8, 2023、SANA, October 8, 2023、SOHR, October 8, 2023などをもとに作成。

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ロシア当事者和解調整センターはイドリブ県内にある「テロリスト」の貯蔵施設と教練キャンプを狙って5回の爆撃を実施したと発表(2023年10月8日)

ロシア当事者和解調整センターのワディム・クリット副センター長は、イドリブ県内にある「テロリスト」の貯蔵施設と教練キャンプを狙って5回の爆撃を実施したと発表した。

RIAノーヴォスチ通信(10月8日付)が伝えた。

RIA Novosti, October 8, 2023をもとに作成。

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