シャーム解放機構が自治を委託するシリア救国内閣に所属する政治問題局はパレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」作戦に伴うイスラエル軍のガザ地区への攻撃を非難、パレスチナ人との連帯、作戦支持を表明(2023年10月10日)

シャーム解放機構の事実上の傘下組織で、イドリブ県中北部を中心とするいわゆる「解放区」の自治を委託されているシリア救国内閣に所属する政治問題局は声明を出し、パレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」作戦に伴うイスラエル軍のガザ地区への攻撃を非難、パレスチナ人との連帯、作戦支持を表明した。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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GCC・EU合同会合が開催され、国連安保理決議第2254号に沿ったシリア危機の包括的な政治解決への取り組みを継続することを確認(2023年10月10日)

第27回湾岸協力会議(GCC)・欧州連合(EU)合同会合がオマーンの首都マスカットで開催された。

シリア情勢をめぐっては、国連安保理決議第2254号に沿った包括的な政治解決への取り組みを継続することが改めて確認された。

AFP, October 11, 2023、ANHA, October 11, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 11, 2023、‘Inab Baladi, October 11, 2023、Reuters, October 11, 2023、SANA, October 11, 2023、SOHR, October 11, 2023などをもとに作成。

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レバノンのヒズブッラーとともに活動しているパレスチナ諸派がクナイトラ県内のシリア政府支配地からイスラエル占領下のゴラン高原を砲撃、イスラエルも応戦(2023年10月10日)

シリア人権監視団によると、レバノンのヒズブッラーとともに活動しているパレスチナ諸派がクナイトラ県内のシリア政府支配地からイスラエル占領下のゴラン高原を砲撃した。

イスラエル軍もこれに応戦するかたちでシリア政府支配地(スィースワーン地区)内のシリア軍の拠点や装備を狙って砲撃を行った。

同地では、パレスチナのハマースがイスラエルに対する「アクサーの大洪水」作戦を開始した7日以降、ヒズブッラーが活発な動きを見せているという。

これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は午後10時半頃、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、シリア領内からイスラエル領内(占領下ゴラン高原)に向けて多数の砲撃があったと発表、その直後にイスラエルが砲弾が発射されたシリア領内の複数ヵ所を砲撃したと付言した。

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トルコを拠点とする反体制系のシリア・テレビ(10月12日付)によると、砲撃を行ったのは、シリア軍に所属する アービディーン連隊、マジャーヒード連隊、あるいはパレスチナ人民兵組織のクドス旅団。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023、Syria TV, October 12, 2023などをもとに作成。

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イスラーム聖戦機構、ヒズブッラーとイスラエル軍がレバノン南部(イスラエル北部)で砲撃戦(2023年10月10日)

NNA(10月10日付)は、イスラエル軍が10日未明、レバノン南部国境のブリーダ村とマイス・ジャバル村(いずれもナバティーヤ県マルジャアユーン郡)を砲撃したと伝えた。

同通信社によると、イスラエル軍の砲撃はレバノン領内からの侵入を疑ったもの。

ナハールネット(10月10日付)によると、パレスチナのイスラーム聖戦機構が9日にイスラエル領内に潜入、イスラエル軍兵士3人を殺害、数人を負傷させたことを受けて、国境地帯で戦闘が発生、パレスチナ側の戦闘員4人が死亡していた。

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NNA、ナハールネットなどが伝えたところによると、レバノン南部のクライラ村(南部県ティール郡)からイスラエル北部のガリラヤ地方に向けてロケット弾多数が発射された。

これに関して、イスラエル軍のアヴィハイ・アドライ報道官は午後6時頃、X(旧ツイッター)のアカウント(https://twitter.com/avichayadraee)で、イスラエル軍戦車がヒズブッラーの拠点2ヵ所を砲撃したと発表した。

アドライ報道官はその直後にもXを通じて、レバノン領内からイスラエル領内の軍用車輌に向けた対戦車ミサイルが発射されたのを受けて、イスラエル軍ヘリコプター1機がヒズブッラーの拠点1ヵ所を爆撃したと発表した。

一方、ヒズブッラーは声明を出し、イスラエル軍の攻撃に対抗して、アヴィヴィム入植地にあるイスラエルの装甲兵員輸送車(APC)を誘導ミサイル2発で攻撃、これを完全に破壊したと発表した。


AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Naharnet, October 10, 2023、NNA, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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シリア・イラク国境を所属不明の戦闘機が爆撃、鉄道通行所、貨物車輌の車列などが狙われる(2023年10月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のイラク国境に面するブーカマール市近郊の複数ヵ所が所属不明の戦闘機の爆撃を受け、複数回にわたって激しい爆発が発生した。

爆撃は、「イランの民兵」が物資の輸送に使用している非公式の鉄道通行所近くに対して行われ、「イランの民兵」の車列が狙われた。

爆撃はまた、ブーカマール市一帯に設置されているイラン・イスラーム革命防衛隊の陣地複数ヵ所に対しても行われた。

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ナフル・メディア(10月10日付)によると、爆撃を行った戦闘機は1機。

爆撃は午前2時半に行われ、カーイム国境通行所に近いハスィーバ地区が狙われたほか、シリアとイラクを結ぶ国境通行所の一つが標的となった。

攻撃は、9日午後にイラクからシリア領内に入った貨物車輌12輌を狙ったものと見られるという。

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ノース・プレス(10月10日付)が、パレスチナ民兵組織のクドス旅団の軍事筋から得た情報によると、爆撃では、ハリー村郊外のイラン・イスラーム革命防衛隊が管理する鉄道通行所、イラン・イスラーム革命防衛隊が複数の指揮所を設置しているいわゆる「グリーン・ベルト」地帯、クドス旅団の陣地1ヵ所が狙われたほか、イラク領内のカーイム国境通行所一帯地域に対しても5回の爆撃が行われた。

 

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Naher Media, October, 2023、North Press, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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米主導の有志連合の貨物車輌など30輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所からシリア領内に新たに進入(2023年10月10日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、米主導の有志連合の貨物車輌など30輌からなる車列がイラクとの国境に違法に設置されているワリード国境通行所(スワイディーヤ国境通行所)からシリア領内に新たに進入し、県内各所の米軍基地に向かった。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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シャーム解放機構はシリア政府が停戦を申し出たとの「決戦」作戦司令室の声明は正しいと主張(2023年10月10日)

シャーム解放機構の軍事部門は、イナブ・バラディー(10月10日付)に対して、シリア政府が停戦を申し出たとの「決戦」作戦司令室の9日の声明についての報道は正しい、と主張した。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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米英仏独伊の首脳は共同声明を発表:「今はイスラエルに敵対するいかなる当事者も、ハマースの攻撃を利用して、利益を得ようとする時期ではないこと」(2023年10月10日)

米国のジョー・バイデン大統領、英国のリシ・スナク首相、フランスのエマニュエル・マクロン首相、ドイツのアレクサンダー・ショルツ首相、イタリアのジョルジャ・メローニは9日付で共同声明を出し、イスラエルに対するパレスチナのハマースによる「アクサーの大洪水」作戦に関して、イスラエルへの支持、ハマースとそのテロ行為を非難するとともに、「今はイスラエルに敵対するいかなる当事者も、これらの攻撃を利用して、利益を得ようとする時期ではないことを強調する」と表明、レバノンのヒズブッラー、シリア政府、イランなどを暗にけん制した。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続く(2023年10月10日)

スワイダー県では、スワイダー24(10月10日付)、シリア人権監視団によると、スワイダー市サイル広場(カラーマ広場)で困窮する生活への政府の不十分な対応に抗議するデモが続けられ、参加者らは体制打倒、アサド大統領の退任、生活状況の改善、国連安保理決議第2254号の履行、逮捕者釈放などを訴えた。

デモには数十人が参加した。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023、Suwayda 24, October 10, 2023などをもとに作成。

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シリア軍がアレッポ県、ハマー県でシャーム解放機構のドローンを撃破:シャーム解放機構はドローンの開発に専念しているが、その航続距離は現在のところ50キロ程度(2023年10月10日)

シリア人権監視団は、シリア軍がアレッポ県アレッポ市郊外を攻撃しようとしたシャーム解放機構の無人航空機(ドローン)を撃墜した。

シリア軍はまた、ハマー県スカイラビーヤ市に飛来したシャーム解放機構のドローンを撃墜した。

同監視団によると、シリア軍は9日にもアレッポ県内のシリア軍の陣地を攻撃しようとして飛来したドローン複数機を撃墜しているという。

なお、シャーム解放機構は、偵察、あるいは爆発物を搭載した攻撃用のドローンの開発に専念しているが、航続距離(最大伝送距離)は現時点では50キロ程度に限られている。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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ダイル・ザウル県シュハイル村で、地元の武装集団がシリア民主軍の陣地に向けてRPG弾を発射(2023年10月10日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル民政評議会(北・東シリア自治局)の支配下にあるシュハイル村で、地元の武装集団が人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の陣地に向けてRPG弾を発射、米国製のHMMWV(高機動多用途装輪車輌)が損害を受けた。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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「決戦」作戦司令室がイドリブ県南部のカフルムース村でシリア軍兵士1人を狙撃、殺害(2023年10月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室が県南部のカフルムース村でシリア軍兵士1人を狙撃、殺害した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍はマルアンド村を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がシャーム解放機構の支配下にあるカスル村一帯、アブザムー町一帯、サッハーラ村一帯、バルナター村を砲撃、アブザムー町一帯とサッハーラ村一帯でのロケット弾による砲撃で、住民複数が負傷した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室に所属する国民解放戦線(シリア国民軍)が県北部のアブー・アリー山にあるシリア軍の陣地を砲撃、兵士4人が負傷した。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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北・東シリア自治局:「トルコ占領地解放という選択肢は不可逆的な戦略的選択」(2023年10月10日)

北・東シリア自治局は声明を出し、2019年のトルコによる「平和の泉」作戦によってラッカ県タッル・アブヤド市一帯地域とハサカ県ラアス・アイン市一帯地域がトルコの占領下に入ってから4年が経ったことに合わせて声明を出し、占領地解放という選択肢は不可逆的な戦略的選択であり、大量虐殺と占領の政策に立ち向かうため、あらゆるエネルギーと力を振り向けると強調した。

また、トルコが侵略と大量虐殺が続くなか、国際社会の沈黙がこれを増長していると指摘、トルコによる攻撃が破壊的で拡張主義的な政策の一環だと非難した。

ANHA(10月10日付)が伝えた。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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トルコ軍は6日連続で北・東シリア自治局の支配地を砲撃(2023年10月10日)

トルコ軍は6日連続で北・東シリア自治局の支配地に対する砲撃を行った。

ANHA(10月10日付)、シリア人権監視団によると、10日のトルコ軍、およびシリア国民軍による攻撃では以下の場所、施設が攻撃を受けた。

ハサカ県

砲撃:タッル・タムル町近郊のウンム・ハイル村。

ラッカ県

砲撃:アイン・イーサー市近郊のマストゥール村、アリーマート村、フーシャーン村、ハーリディーヤ村、マアラク村、M4高速道路沿線、ビールキーヌー村、フーリーヤ村

これに対して、人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍に所属するタッル・タムル軍事評議会が、トルコ占領下の「平和の泉」地域に向けて砲撃を行った。

アレッポ県

砲撃:タッル・リフアト市近郊のスーガーニカ村にあるシリア軍の陣地1ヵ所、アキーバ村、バイナ村、マルアナーズ村、タッル・ジージャーン村。

AFP, October 10, 2023、ANHA, October 10, 2023、al-Durar al-Shamiya, October 10, 2023、‘Inab Baladi, October 10, 2023、Reuters, October 10, 2023、SANA, October 10, 2023、SOHR, October 10, 2023などをもとに作成。

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