2013年9月21日のシリア情勢

反体制勢力の動き

自由シリア軍合同司令部中央広報局のファフド・ミスリー氏はスカイ・ニュース(9月21日付)で、反体制武装活動に参加している外国人戦闘員に関して、「正統なイスラーム教の道徳と自由シリア軍の原理に反した振る舞いゆえに、歓迎されていない」と非難、「過激派であるかどうかにかかわらず…ただちにシリアを去らねばならない」と述べた。

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クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、ロシアのセルゲイ・リバコフ外務副大臣がシリア訪問時(9月18日)に、民主的変革国民調整委員会の執行部と会談し、ジュネーブ2会議などに関して協議したと報じた。

同報道によると、この会合で、ロシア側は、ジュネーブ2会議に、同委員会、シリア革命反体制勢力国民連立、クルド人合同使節団の3団体を反体制勢力の代表として参加させる意向を示したほか、移行期政府の閣僚ポストに関して、委員会に2閣僚を配分することを提案したという。

またクウェート紙『アンバー』(9月21日付)は、ジュネーブ2会議後に発足される移行期政府の閣僚候補についての情報を得たと報じた。

それによると、アサド政権が外務、内務、防衛大臣のポストを得る一方、民主的変革諸勢力国民調整委員会のハイサム・マンナーア渉外局長が入閣するという。

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シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長は、レバノンのマロン派のビシャーラ・ラーイー総大司教、シリア正教会アンタキア総大司教のイグナチウス・ザッカー1世イワス、ギリシャ・カトリックのアンタキア総大司教のグレゴリウス3世ラッハーム、ギリシャ正教会アンタキア総大司教のヨハネ10世に書簡を送り、ダマスカス郊外県マアルーラー市を襲撃したのは、反体制武装集団ではなく、アサド政権の軍だと訴えた。

またジャルバー議長は、8月21日付のグータ地方での化学兵器攻撃についても、反体制武装集団の犯行でないと伝えた。

クッルナー・シュラカー(9月21日付)が報じた。

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シリア革命反体制勢力国民連立はイランのホセイン・ロウハーニー大統領の『ワシントン・ポスト』への寄稿に関して、イランがアサド政権を政治的、経済的、軍事的に支援するなかで「皮肉」だと非難した。

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『ハヤート』(9月22日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立の使節団が国連総会に合わせて、米国を訪問し、西側各国を含む「シリアの友人連絡グループ」の外相、アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表とジュネーブ2会議などについて協議するための準備が行われていると報じた。

同報道によると、使節団は、アフマド・ウワイヤーン・ジャルバー議長、サーリム・ムスラト副議長、ミシェル・キールー氏、ブルハーン・ガルユーン氏、ルワイユ・サーフィー氏、ナジーブ・ガドバーン氏、ムンズィル・マーフース氏からなるという。

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クッルナー・シュラカー(9月21日付)は、ダマスカス郊外県で活動する武装集団が、自由シリア軍参謀委員会のもとに第4師団を結成したと報じた。

第4師団に参加したのは以下の組織。

タウヒードの獅子旅団
トルクメン旅団
スバイナ殉教者旅団
ハジャル・アスワド旅団
ゴランの鷹旅団
イマーム・リファーイー大隊
ヤルムーク自由人旅団
ジュンドゥッラー大隊
ハジャル・アスワド中隊
自由司令部
ゴラン・コマンド大隊
ナバク殉教者大隊
ウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ大隊
真理の険大隊
シャーム殉教者大隊

国内の暴力

ハマー県では、SANA(9月22日付)によると、タッル・マラフ村、ジャルマ村、シャイフ・ハディード町、ムハルダ市・スカイラビーヤ市街道で軍がシャームの民のヌスラ戦線の掃討を完了、同地の治安を回復した。

一方、シリア人権監視団によると、シャイフ・ハディード町で、軍が市民15人を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(9月22日付)によると、シャブアー町周辺、ダイル・アサーフィール市郊外、バハーリーヤ農場、カースィミーヤ農場、ドゥーマー市郊外、ムライハ市郊外、フサイニーヤ町、ヤブルード市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

またサイイダ・ザイナブ町では、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が2発着弾し、市民3人が死亡した。

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ダマスカス県では、SANA(9月22日付)によると、バルザ区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(9月22日付)によると、バイト・イブリク村、カビール村、ダルーシャーン村、クーム村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線、イラク・シャーム・イスラーム戦線(ダーイシュ)の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、「自由シリア軍」がサフィーラ市の防衛工場機構近くの6つの村を制圧し、同機構とアレッポ国際空港などを結ぶ軍の兵站線を遮断した、とシリア革命反体制勢力国民連立が発表した。

また『ハヤート』(9月22日付)によると、イラク・シャーム・イスラーム国(ダーイシュ)がアアザーズ市での停戦合意を履行するかたちで、身柄拘束していた北の嵐旅団メンバー9人を釈放した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ナイラブ村、ダイル・ハーフィル市、バーブ市・ダイル・ハーフィル市街道、ターディフ市、クワイリス村、ラスム・アッブード村、アドナーニーヤ村、カスィース村、シャイフ・サイード村、アイティーン村、ワディーヒー村、ハッダーディーン村、ラスム・バクルー村、ラスム・ウカイリシュ村、ラスム・シャイフ村、アレッポ市ジュダイダ地区、旧市街で、軍が反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市内のイバーラ・モスク近くに反体制武装集団が撃った迫撃砲弾が着弾し、市民2人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(9月22日付)によると、ダイル・ザウル市アルディー地区、シャイフ・ヤースィーン地区、ハウィーカ地区、シュマイティーヤ町で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャーム自由人大隊、アッバース旅団の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、SANA(9月22日付)によると、カフルナーン市、キースィーン市、ガジャル村、カフルラーハー市、カルアト・ヒスン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、外国人戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、SANA(9月22日付)によると、ダルアー市、タファス市、アトマーン村、ハーッラ市、ジャースィム市、ナマル町、アーリヤ市、タッル・マハッス市、ラフィード市、ナワー市、マアラカ市、サイダー町、シャイフ・サアド村、アドワーン村、ガディール・ブスターン市、ウンム・ルーカス市、ウマーン市で、軍が反体制武装集団と交戦し、ムウタッズ・ビッラーヒ旅団、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員らを殺傷、拠点・装備を破壊した。

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イドリブ県では、クッルナー・シュラカー(9月21日付)によると、「自由シリア軍」がハーリム市郊外のハッターン村で、反体制シャイフのサラーフッディーン・ハブラス氏暗殺を阻止した。

諸外国の動き

化学兵器禁止機関(本部ハーグ)は、シリア政府から、化学兵器の種類、量、保管場所、保管形態、研究・製造施設に関する申告書を受け取ったと発表した。

同申告書は、9月14日の米露合意において「1週間以内の提出」が定められていた。

化学兵器禁止機関はまた、検証チームが申告書に関する情報の確認を行っていると付言した。

また化学兵器禁止機関は、22日に予定していた、シリアの化学兵器の検査・廃棄に関する計画書の作成を審議するための会合を延期することを決定した。

シリア政府が提出した申告書の内容の確認が完了しないことが理由。

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ロシアのセルゲイ・イヴァノフ大統領府長官はストックホルムでの国際戦略研究研究所の大会で「現時点で私が述べることは、あくまでも理論的、仮定的なものだが、もしアサド大統領が騙していることが分かったら、我々は態度を変えるだろう」と述べた。

イヴァノフ長官は、シリアでの化学兵器使用に関して、政権ないしは反体制勢力のいずれかが嘘をついているとしたうえで「我々が態度を変え、国連憲章第7章に基づくこともある…。しかしこれはあくまでも理論上の話であって、今のところその証拠(アサド政権による使用の証拠)はない」と述べた。

ロシアの複数のメディアなどが報じた。

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『ハヤート』(9月21日付)は、サウジアラビアのアブドゥッラー国王の指示のもと、シリア同胞救済国民キャンペーンがレバノン国内のシリア避難民への住居提供のプログラムを準備、空マンション560部屋を借り上げ、560世帯に提供した、と報じた。

同プログラムは1,000部屋を提供する予定。

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ヨルダン国王アブドゥッラー2世は、米『ワールド・ポリスィー・ジャーナル』誌に寄稿し、そのなかでシリア人避難民受け入れなどの問題に対してヨルダンへのさらなる支援を行うよう国際社会に訴えた。

ヨルダンの国営ペトラ通信(9月21日付)が伝えた。

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UNICEFの東・北アフリカ地域事務所のマリア・カリビス代表は、レバノンのシリア人避難民が収入を得るために児童労働に依存するようになっていると発表した。

カリビス代表はまた、難民登録を終えた約40万人のシリア人児童のうち、公立大学に通えているのが4分の1程度だけであることを明らかにした。

AFP, September 21, 2013、al-Abna’, September 21, 2013、al-Hayat, September 21, 2013, September 22, 2013、Kull-na Shuraka’, September 21,
2013、Kurdonline, September 21, 2013、Naharnet, September 21, 2013、Reuters,
September 21, 2013、Rihab News, September 21, 2013、SANA, September 21, 2013、UPI,
September 21, 2013などをもとに作成。

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