米軍の無人攻撃機がダイル・ザウル県ユーフラテス川西岸のブーカマール市近郊を攻撃し、イラク人民動員隊のメンバーらが死亡(2024年6月21日)

ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、所属不明の航空機1機がシリア政府の支配下にあるユーフラテス川西岸のブーカマール市近郊のスッカリーヤ村一帯の上空に飛来し、爆撃によると見られる複数回の爆発が確認された。

これに関して、イランのアーラム・チャンネル(6月21日付)は、米軍の航空機が、ブーカマール市近郊の複数ヵ所を攻撃したと伝えた。

ロシアのスプートニク・アラビア語版(6月21日付)も、米軍の無人攻撃機1機がスッカリーヤ村一帯、ハムダーン村近郊の砂漠地帯を爆撃したと伝えた。

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アイン・フラート(6月22日付)によると、爆撃は2回に行われた。

1回目の攻撃では、スッカリーヤ村のズワード燃料ステーション近くが標的となり、民間人1人が負傷した。

2回目の攻撃では、ダイル・ザウル市とアシャーイル村を結ぶ街道を、武器を積んで移動していたと見られる貨物車輛が狙われ、車輛が大破、少なくとも2人が死亡、複数人が負傷した。

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一方、イラクの人民動員隊に所属する殉教者の主(サイイド・シュハダー)大隊のカルバラー事務所は6月22日、テレグラムのアカウントを通じて、アブドゥッラー・ラッザーク・アヌーン・サーフィーが戦死したと発表した。


シリア人権監視団が6月22日に発表したところによると、この攻撃によって、「イランの民兵」のイラク人メンバー3人が死亡した。

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ロシア当事者和解調整センターのユーリ・ポポフ副センター長は6月22日、この攻撃に関して、モスクワ時間(=シリア時間)の21日午後10時30分、有志連合所属のMQ-1C無人航空機1機がイラク領空からブーカマール市近郊を移動中のトラック1輌を狙って攻撃を行い、民間人に死傷者が出たと発表した。

AFP, June 21, 2024、ANHA, June 21, 2024、Ayn al-Furat, June 22, 2024、‘Inab Baladi, June 21, 2024、Qanat al-‘Alam, June 21, 2024、Reuters, June 21, 2024、RIA Novosti, June 22, 2024、SANA, June 21, 2024、SOHR, June 21, 2024、June 22, 2024、Sputnik Arabic, June 21, 2024、TASS, June 22, 2024などをもとに作成。

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