民主的変革国民調整委員会が「全ての当事者への武器供与の停止を求める国連安保理決議の採択」を呼びかけるなか、軍・治安部隊がヒムス市内の複数区に対する攻勢を強化し米国務省はこれを非難(2013年7月1日)

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反体制勢力の動き

民主的変革国民調整委員会は声明を出し「すべてのアラブ人・外国人戦闘員の出国、両当事者への武器供与の停止を求める国連安保理決議の採択」を呼びかけた。

声明は、ハサン・アブドゥルアズィーム代表とカレル・シュワルツェンベルグ外務大臣との会談後に発表された。

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シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー暫定議長ら在外の反体制活動家がカタールのドーハで、タミーム・ビン・ハマド・アール・サーニー新首長と会談した。

タミーム首長と会談したのは、サブラー暫定議長、アブドゥルバースィト・スィーダー・シリア国民評議会前議長、ファールーク・タイフール(シリア・ムスリム同胞団)。

会談でタミーム首長は「シリア国民に対する支援政策を継続し、シリア問題を最優先事項とする」ことを確認した。

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シリア革命反体制勢力国民連立のハイサム・マーリフ法務委員会委員長は『ラアユ』(7月1日付)に、ヒズブッラー戦闘員、イラン・イスラーム革命防衛隊、イエメンのフースィー派、イラク人戦闘員がアサド政権側についてシリア国内の戦闘に参加していると述べた。

しかしマーリフ委員長はこの数字の根拠については示さなかった。

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「クサイルのこだま」作戦司令室を名のる組織はビデオ声明を出し、シーア派住民が住むアレッポ県ヌッブル市、ザフラー町の「解放」を決意したうえで、「流血のない平和的解決のための(停戦)項目に…応じない場合、両村の軍および武装集団への軍事行動を開始する」と最後通告を出した。

同声明によると、停戦項目は、「殺戮…を行った軍の殺人者とシャッビーハの身柄引き渡し」、「両村に政権が供与した武器の反体制勢力司法当局への引き渡し」、「政権からの離反の宣言」、「体制との関係断絶の誓約」など6項目からなる。

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ザマーン・ワスル(7月1日付)は、複数の地元消息筋の話として、反体制勢力の自治司法組織、アレッポ西部郊外裁判所(アレッポ県ダール・イッザ市)が、アンサール旅団司令官を批判する記事を書いた反体制ジャーナリストのアブドゥッラー・マルイー氏を逮捕したと報じた。

同報道によると、マルイー氏はアターリブ市で発行されている『ズィー・カール』紙にアンサール旅団の地元司令官の「アブー・バクル」を非難する記事を書いていた。

この記事を受け、アブー・バクルはアターリブ市の裁判所に告訴し、マルイー氏は逮捕された。

シリア政府の動き

シリア人権ネットワークによると、ダマスカス郊外県のサイドナーヤー刑務所などの実情を伝える記事をフェイスブックなどを通じて公開していた「フィラスティーン・ヤウム」元記者のビラール・アフマド・ビラール氏が逮捕され、軍事裁判所で禁固15年の有罪判決を受けた。

国内の暴力

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市バーブ・フード地区などで、軍と反体制勢力が激しく交戦、ハミーディーヤ地区、バニー・スィバーイー地区、ハーリディーヤ地区、旧市街などに対して、軍が集中的に砲撃を行った。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、ヒムス市での2日間の戦闘で、軍および国防隊の兵士32人が死亡したという。

また同監視団によると、ヒムス市のバーブ・アムル地区で市民1人が軍に狙撃され、死亡した。

このほか、ハウラ地方などに対して、軍が砲撃を行った。

一方、SANA(7月1日付)によると、カルヤタイン市郊外のアイン・ジャヌービーヤ農場、アイン・シャルキーヤ農場で軍が反体制武装集団の掃討を完了、治安を回復した。

またヒムス市では、ハーリディーヤ地区、カラービース地区、バーブ・フード地区、クスール地区などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃、破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

このほか、タッルドゥー市、カフルラーハー市、ガントゥー市、ラスタン市、ダール・カビーラ市、マヒーン町、タイフール村、タルビーサ市、タドムル市郊外などで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ザブーラ市の文化センター近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数の消息筋によると、軍に所属する約60人が死亡した。

しかしSANA(7月1日付)は同市での爆発により、市民3人が死亡したと報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装集団がブサンクール村の検問所(ラタキア市・アリーハー市間)を制圧した。

また反体制武装集団は、マアスィア検問所(ムハムバル村)などの制圧を試みたが、対する軍はブサンクール村、ムハムバル村一帯を空爆した。

このほか、バルシューン市、アブディーター村、ワーディー・ダイフ軍事基地周辺、ハーミディーヤ航空基地周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(7月1日付)によると、カニーヤ村、マアッラトミスリーン市、サラーキブ市、ビンニシュ市、ムウタリム村、マアッラト・ニウマーン市、カフルナブル市、ハーン・サブル市、サルジャ村、イフスィム町、マアッラディブスィー市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ中央刑務所周辺などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

アレッポ市のシャイフ・マクスード地区、アシュラフィーヤ地区、裁判所地区、カルア地区、マイダーン地区などで、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月1日付)によると、アレッポ中央刑務所周辺、マンナグ航空基地周辺、マンナグ村、アルカミーヤ村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またアレッポ市では、ジャンドゥール交差点、カーディー・アスカル地区、旧市街、カーティルジー地区、ハイダリーヤ地区、シャイフ・マクスード地区、ライラムーン地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市ラサーファ地区、ハウィーカ地区、ブーサラヤー地区、ジュバイラ地区、工業地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月1日付)によると、ダイル・ザウル市ハウィーカ地区、マリーイーヤ村、ムーハサン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

またダイル・ザウル市内では、シャームの民のヌスラ戦線を含む複数の反体制武装集団が略奪品の分配をめぐって衝突、複数の戦闘員が死傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アッバースィーイーン広場周辺に、迫撃砲弾1発が着弾、またカーブーン区、バルザ区では、軍と反体制武装集団の交戦により、後者の戦闘員2人が死亡した。

一方、SANA(7月1日付)によると、カフルスーサ区の駐車場に迫撃砲弾が着弾した。

この爆発に関して、クッルナー・シュラカー(7月2日付)は、シャーム旅団が総合情報部内で爆弾を爆発させ、同部付の士官6人を殺害、32人を負傷させたと報じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ザバダーニー市、ドゥーマー市、ムウダミーヤト・シャーム市で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(7月1日付)によると、ハラスター市、ドゥーマー市郊外、アルバイン市、バハーリーヤ市、カースィミーヤ市、ハルブーン市郊外で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハサカ県では、クッルナー・シュラカー(7月1日付)などによると、カーミシュリー市のマディーナ・シャバーブ近くで爆弾が爆発し、少女1人が死亡、8人が負傷した。

一方、SANA(7月1日付)によると、タッル・ハミース市郊外などで、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、複数の戦闘員を殺傷した。

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ダルアー県では、SANA(7月1日付)によると、シャイフ・ミスキーン地方、ナースィリーヤ村、シャブラク村、アイン・フライハ市、タスィール町、ムザイリーブ町、ダルアー市、インヒル市、ダルアー市郊外の避難民キャンプなどで、軍が反体制武装集団の追撃を続け、サウジ人戦闘員、ヨルダン人戦闘員など複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(7月1日付)によると、ラビーア町、バイト・アワーン村で、軍が反体制武装集団の拠点を攻撃・破壊、外国人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷した。

諸外国の動き

GCC定例外相会議が開かれ、シリア情勢などについて協議された。

会議終了後に発表された声明では、アサド政権がヒムス市で「ヒズブッラーの民兵、イラン・イスラーム革命防衛隊の支援のもと…民族・宗派浄化」を行おうとしていると非難、国連安保理に対して、「シリア国民の自衛を支援するため」の迅速な行動を求めた。

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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は声明を出し、ヒムス市の治安回復に向けたシリア軍の攻勢を「平和への回復には無関心で、数万人の無実の人々を殺戮し、数百万人の人々に人道支援が届くのを阻止しようとしている」と非難、アサド政権に「野蛮な攻撃の停止」、「暴力の停止と責任者の処罰」を求めた。

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米国務省は声明を出し、ヒムス市の治安回復に向けたシリア軍の攻勢に関して、「ヒムスとダマスカス一帯での無実の民間人に対するアサド政権の継続的攻撃を非難する」としたうえで、国際社会に攻撃停止と人道支援を求めるよう呼びかけた。

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ロイター通信(7月1日付)によると、『グローバル・タイムズ』紙など中国政府系の複数メディアは、新疆ウィグル自治区でイスラーム国家(東トルキスタン)の建設を目指す過激なイスラーム主義者が、2012年からトルコ経由でシリアに潜入し、シリアの反体制武装集団に加わり、軍との戦闘を行っていると報じた。

同報道によると、シリアの反体制勢力も新疆ウィグル自治区への戦闘員の潜入や軍事教練などを支援しており、そのことが同自治区の混乱を助長しているという。

AFP, July 1, 2013、al-Hayat, July 2, 2013、Kull-na Shuraka’, July 1, 2013, July 2, 2013、Kurdonline,
July 1, 2013、Naharnet, July 1, 2013、al-Ra’y, July 1, 2013、Reuters, July 1, 2013、SANA, July 1, 2013、UPI, July 1, 2013、Zaman al-Wasl, July 1, 2013などをもとに作成。

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