2013年6月27日のシリア情勢

国内の暴力

ダマスカス県では、『ハヤート』(6月28日付)などによると、旧市街バーブ・トゥーマー地区にあるマリアム教会近くで自爆テロが発生し、市民4人が死亡、複数人が負傷した。

Naharnet, June 27, 2013

Naharnet, June 27, 2013

OTV(6月27日付)によると、自爆テロは、レバノンから帰国したギリシャ正教アンタキア総主教区のヨハネ10世ヤーズジーの車列が総主教区の本部に入った直後に発生した。

一方、シリア人権監視団は、自爆テロが、キリスト教地区内のシーア派の慈善施設を狙ったものだと断じ、スンナ派対シーア派という対立を煽った。

またシリア人権監視団によると、アミーン通りに面する旧市街に迫撃砲弾が2発、またルクンッディーン区にも迫撃砲弾1発が着弾したが、死傷者はなかった。

このほか、バルザ区、カダム区、ハジャル・アスワド地区、ジャウバル区、カーブーン区で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

他方、SANA(6月27日付)によると、バルザ区、カーブーン区、ジャウバル区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、ザマーニーヤ市、アフマディーや市、ザバダーニー市、ムライハ市、ハルブーン市郊外、ヤルダー市で、軍と反体制武装集団が交戦、軍が砲撃を加えた。

一方、SANA(6月27日付)によると、ハラスター市、ザマルカー町、アルバイン市、ドゥーマー市郊外、バハーリーヤ市、ダイル・サルマーン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市各所、サイダー町、西ガーリヤ村で、軍と反体制武装集団が交戦した。

一方、SANA(6月27日付)によると、ダルアー市ハマーディーン地区、サッド地区、ムハイヤム地区、シャブラク村、スィースーン市、タファス市、ナイーマ村、ナスィーブ村、サイダー町で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ワアル地区、ラスタン市、タッルカラフ市、ガントゥー市、カルヤタイン市で、軍が反体制武装集団の追撃を続けた。

複数の反体制活動家によると、軍が奪還、治安回復したタッルカラフ市内では、15人が「戦場処刑」され、家々が破壊されたという。

しかし、SANA(6月27日付)によると、タッルカラフ市および周辺の村の住民が同市で、治安回復を祝い、軍による武装テロ集団掃討支持を訴える行進・集会を行った。

行進・集会には、ヒムス県のアフマド・ムニール・ムハンマド知事も参加した。

またSANA(6月27日付)によると、軍がカルヤタイン市で反体制武装集団の掃討を完了し、治安を回復した。

このほか、タッルドゥー市、カフルラーハー市、タラス市、フーシュ・ターリブ市、ざまーミール市で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ガドファ村、マアッラト・ニウマーン市、マアズーラ村、バーリア村、バフターヌーン村、カフルミード村、イラーキーヤ村、ブサンクール市、バシーリーヤ村、ムハムビル市、カフルナブル市などで、軍と反体制武装集団が交戦し、軍が砲撃を加えた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市中心部にある県庁舎に軍の迫撃砲弾が着弾し、複数名が死亡し、またラーシディーン地区では軍と反体制武装集団が交戦した。

このほか、アシュラフィーヤ地区では「クルド戦線大隊」を名のる武装集団が軍の拠点で爆弾を爆発させ、複数の兵士を殺傷、またハムダーニーヤの軍士官学校を迫撃砲で攻撃した。

一方、SANA(6月27日付)によると、マンナグ軍事基地周辺、タナブ村、タータムラーシュ村、アレッポ中央刑務所周辺、アブティーン村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

アレッポ市では、ダウワール・ハイダリーヤ地区、カラム・マイサル地区、サーフール地区で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で政権を支持する武装集団によって医師が殺害された。

またダイル・ザウル市ラサーファ地区など各所を軍が砲撃し、反体制武装集団と交戦した。

一方、SANA(6月27日付)によると、サラーキブ市、ビンニシュ市、ズアイニーヤ市、ダーマー市、タイイバート村、アーリヤ市、バシーリーヤ市、ブサンクール市、カフルシャラーヤー市、マアッラトミスリーン市、サクラジャ市、マアスラーン市、マアッラト・ニウマーン市、カフルナブル市、イドリブ中央刑務所で、軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ラタキア県では、SANA(6月27日付)によると、カタフ・リマール村、マフミーヤ・ファルラク村、ラビーア町、シュルーク村で、軍が反体制武装集団の追撃を続け、チェチェン人戦闘員ら複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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クルド・オンライン(6月27日付)によると、アームーダー市で、民主連合党人民防衛部隊兵士の乗った車を武装集団が襲撃、兵士1人が死亡した。

これに関して、民主連合党人民防衛部隊は声明を出し、ハサカ市とダルバースィーヤ市を結ぶ街道の安全確保のために行われたサッド・シャルキー地方での反体制武装集団浄化作戦を終えて基地に帰還途中だった部隊が、アームーダー市で「武装した傭兵集団」に襲撃されたと発表した。

シリア政府の動き

クッルナー・シュラカー(6月27日付)は、信頼できる消息筋の話として、シリア政府が先週、北朝鮮の軍機術者を受け入れた(未確認情報)と報じた。

同報道によると、北朝鮮の軍記述者のなかには、防空ミサイル、電波妨害などの専門家からなるという。

反体制勢力の動き

シリア・クルド国民評議会国民渉外関係委員会(アブドゥルハミード・ダルウィーシュ委員長)の使節団がイスタンブールでシリア革命反体制勢力国民連立幹部と会談した。

使節団が会談したのは、ムスタファー・サッバーグ事務局長、ガッサーン・ヒートゥー暫定政府首班、ジョルジュ・サブラー暫定議長。

会談で使節団は、シリア革命反体制勢力国民連立に対して、クルド人の権利を承認するよう求めたが、複数の消息筋によると、連立側は、「自分たちはそうしたことを実行する政府ではないが、協力の用意はある」との消極的だったという。

『ハヤート』(6月28日付)が報じた。

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シリア民主主義者連合のミシェル・キールー代表は、『シャルク・アウサト』(6月27日付)に対して、紛争激化に伴い「軍閥」が台頭し、「革命」運動を脅かしてると指摘、西側諸国が軍事支援しようとしている自由シリア軍参謀委員会に対して、こうした「軍閥」に武器を供与しないよう呼びかけた。

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アサーラ・ワ・タンミヤ戦線を名のるダイル・ザウル県の武装集団に拉致されているシリア軍兵士12人(アラウィー派)が、当局によって拘束中の逮捕者と自らの「捕虜交換」を行うため、アサド政権に圧力をかけるよう地中海岸地方の住民に対して呼びかけるビデオがインターネットを通じて配信された。

『ハヤート』(6月28日付)が報じた。

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「ヒムス市および同郊外記者連合」なる組織が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立と自由シリア軍参謀委員会に対して、ヒムス県での軍の攻勢に対抗するため現地での反体制活動に参加するよう呼びかけたうえで、4日以外に行動がなされなければ、独自の活動を行うと離反の意思を示した。

諸外国の動き

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(6月27日付)は、CIAがシリアの「穏健」な反体制武装集団を軍事支援するため、ヨルダンへの武器の搬入を開始したと報じた。

同報道によると、武器の搬入には約3週間を要し、軽火器、対戦車ミサイル、さらには地対空ミサイル(MAN-PADS)などを供与したうえで、2週間かけて反体制武装集団の教練を行う予定だという。

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ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と電話会談を行い、シリア情勢などについて協議、「危機の政治的正常化のための努力を調整するために準備を行う意思を互いに表明」した。

RT(6月27日付)が報じた。

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国連安保理はUNDOFの活動を6ヶ月間延長することを決定した。

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シリアでの化学兵器使用に関する国連調査団がトルコ入りした。

ロイター(6月27日付)などが報じた。

AFP, June 27, 2013、al-Ḥayāt, June 28, 2013、Kull-nā Shurakā’, June 27, 2013、Kurdonline, June 27, 2013、Naharnet, June 27, 2013、OTV, June 27, 2013、Reuters, June 27, 2013、SANA, June 27, 2013、al-Sharq al-Awsaṭ, June 27, 2013、UPI, June 27, 2013、The Wall Street Journal, June 27, 2013などをもとに作成。

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