ハサカ県でダーイシュ(イスラーム国)がキリスト教徒90人を拉致・連行(2015年2月24日)

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、タッル・タムル町郊外のタッル・シャーミーラーン村、タッル・ハルマズ村一帯を制圧(23日)したダーイシュ(イスラーム国)は、住民約90人を拉致、連行した。

ダーイシュが西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との戦闘の末に制圧したタッル・シャーミーラ村、タッル・ハルマズ村、ギーブシュ村などはいずれもアッシリア教徒の村。

シリア革命総合委員会によると、ダーイシュが制圧した村の住民(アッシリア教徒)は、人民防衛隊を支援するかたちで、ダーイシュに抵抗していたという。

これに関して、SANA(2月24日付)は、ダーイシュの襲撃を逃れた住民数十世帯がハサカ市のアッシリア教会広場に避難した、と伝え、その様子を撮影した写真などを公開した。

SANA, February 24, 2015

SANA, February 24, 2015

またARA News(2月24日付)も、タッル・タムル町の複数の地元筋の話として、ダーイシュの襲撃を受けたタッル・シャーミーラーン村一帯の33カ村から数民数百人が避難した、と伝えた。

『ハヤート』(2月25日付)によると、シリアには約3万人のアッシリア教徒がおり、そのほとんどがハサカ県のハーブール川河畔の村々で暮らしている。

一方、人民防衛隊は、タッル・ハミース市郊外のジャズア村一帯で攻勢を続け、30カ村以上からダーイシュを放逐、同地を制圧、またカーミシュリー市南部郊外でも18カ村を解放したという。

これに関して、ARA News(2月24日付)は、シリア正教軍事評議会(MFS)がタッル・ハミース市一帯での人民防衛隊によるダーイシュ掃討戦に参加していることを明らかにしたと報じた。

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アレッポ県では、ARA News(2月24日付)によると、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊が、ユーフラテスの騎士旅団などとともに、アイン・アラブ市西部のユーフラテス河畔でダーイシュ(イスラーム国)掃討作戦を継続、ブーラーズ村を新たに制圧した。

またダーイシュは、アイン・アラブ市とアレッポ市の間に位置するセメント工場を破壊し、工場の設備・備品などをラッカ市に移送した。

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ヒムス県では、SANA(2月24日付)によると、ジャズル・ガス採掘所一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, February 24, 2015、AP, February 24, 2015、ARA News, February 24, 2015、February 25, 2015、Champress, February 24, 2015、al-Hayat, February 25, 2015、Iraqi News, February 24, 2015、Kull-na Shuraka’, February 24, 2015、al-Mada Press, February 24, 2015、Naharnet, February 24, 2015、NNA, February 24, 2015、Reuters, February 24, 2015、SANA, February 24, 2015、UPI, February 24, 2015などをもとに作成。

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