NHK(3月8日付)は、「民主化運動に参加し日本に逃げてきたとされる」シリア人男性4人が、東京地方裁判所に対して、難民認定を求めて提訴することになった、と報じた。
日本での難民認定を求める提訴は、これが初めてとみられる、という。
NHKによると、提訴を予定しているシリア人4人は、3年前(2012年)に来日した21歳から35歳の男性。
来日の経緯、渡航目的は明らかとされていないが、いずれも「アラブの春」に端を発する反体制運動に参加したとして難民認定を申し立て、人道上の配慮から特別な在留資格の取得を認められてたが、いずれも難民としては認定されなかったという。
また、難民として認定されていないことで、日本語教育や職業紹介など、難民に対する支援策を受けられていないのだという。
NHKによると、4人は「帰国すれば政府から迫害を受けるおそれが高い。定住に必要な支援を求めたい」と主張しているが、彼らが受けるとされる迫害が、どのような罪状に基づくものになるかについては明らかにされていない。
弁護団によると、「アラブの春」波及以降に日本で難民認定を申し立てたシリア人は60人以上にのぼっているが、難民として認定を受けたケースはなく、日本で認定を求めて提訴するのは、今回が初めてだという。
弁護団の難波満弁護士は「米国やイギリスなどの先進各国では、認定を申し立てたシリア人90%以上を難民として認定している。シリア人難民の受け入れが国際社会の課題となるなか、国連の要請に応えて日本も難民と認定するべきだ」と主張している。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150308/k10010008461000.htmlなどをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.