有志連合がYPGとの連携のもと、ハサカ県各所でダーイシュ(イスラーム国)に対して爆撃(2015年5月20日)

シリア人権監視団は、米国が主導する有志連合によるシリア北東部一帯への空爆により、過去48時間で170人のダーイシュ(イスラーム国)メンバーが死亡したと発表した。

有志連合の空爆は、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊との調整のもと、ハサカ県タッル・タムル市一帯、ジュワーディーヤ村などで集中的に行われたという。

これに関して、ARA News(5月20日付)は、有志連合がシャッダーディー市に対して空爆を行い、ダーイシュ(イスラーム国)の幹部多数を殺害したと伝えた。

この空爆では、民間人3人も死亡したという。

また、ARA Newsによると、人民防衛隊は、ハサカ市郊外(アブドゥルアズィーズ山一帯)のタッル・タール村、カーヒラ村、サルマーサ村、ダシーシャ村、ダシーシャト・バッカーラ村、ディーバース村、タッル・ハリーファ村でダーイシュ(イスラーム国)と交戦の末、同地を制圧した。

なお、クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、シリア軍も人民防衛隊と有志連合の攻勢に歩調を合わせるかたちで、ハサカ市南部のシューラー村、シブリー村のダーイシュを放逐、同地を制圧したという。

またSANA(5月20日付)によると、シリア軍と国防隊が、ハサカ市南西部のスーダー村、アブド村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月20日付)によると、ダーイシュ(イスラーム国)戦闘員がハサカ県ジュワーディヤ村にある西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊の徴兵事務所内に進入し、自爆ベルトを爆発させ、人民防衛隊戦闘員6人が死亡した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)がシュハイル村で、「トルコの覚醒(評議会)と連携してイスラーム国に敵対」したとの罪で男性3人を処刑した。

処刑された3人は、トルコからダイル・ザウル県に戻ってきた直後に拘束、処刑されたという。

AFP, May 20, 2015、AP, May 20, 2015、ARA News, May 20, 2015、Champress, May 20, 2015、al-Durar al-Shamiya, May 20, 2015、al-Hayat, May 21, 2015、Iraqi News, May 20, 2015、Kull-na Shuraka’, May 20, 2015、al-Mada Press, May 20, 2015、Naharnet, May 20, 2015、NNA, May 20, 2015、Reuters, May 20, 2015、SANA, May 20, 2015、UPI, May 20, 2015などをもとに作成。

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