ハサカ県では、シリア人権監視団によると、ハサカ市への侵入をめざすダーイシュ(イスラーム国)とシリア軍、国防隊、バアス大隊が同市南部郊外で交戦を続けるなか、シリア軍が同地のダーイシュ拠点を狙って空爆を行った。
ダーイシュはハサカ市南部500メートルの地点にまで接近しており、シリア軍は同市への増援部隊派遣を続けているが、西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊は今のところ、シリア軍に対する支援、共闘はしていないという。
AFP(6月5日付)によると、ダーイシュの進軍を受けて、シリア政府の支配下にあるハサカ市南部および東部地区の住民が、西クルディスタン移行期民政局支配下の同市西部および北部地区に避難を続けているという。
シリア人権監視団によると、ハサカ市南部一帯での戦闘により、シリア軍側に71人、ダーイシュに48人の死者が出ており、ダーイシュ戦闘員の死者のうち11人が自爆により死亡したという。
一方、SANA(6月5日付)によると、ハサカ市南部郊外のアフダース刑務所一帯、マジュバル・ザフティー村、スーダー村、アブド村、ガラート村をシリア軍が空爆し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍、国防隊はまた、ハサカ市南東部で、ダーイシュと交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊したという。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の支配下にあるブーライル村を空爆し、8人が死亡した。
またダイル・ザウル航空基地一帯で、シリア軍とダーイシュが交戦し、双方に死傷者が出た。
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ヒムス県では、SANA(6月5日付)によると、西サラーム村、スルターニーヤ村で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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アレッポ県では、SANA(6月5日付)によると、アレッポ市東部郊外の航空士官学校一帯で、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、ダーイシュ(イスラーム国)の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, June 5, 2015、AP, June 5, 2015、ARA News, June 5, 2015、Champress, June 5, 2015、al-Hayat, June 6, 2015、Iraqi News, June 5, 2015、Kull-na Shuraka’, June 5, 2015、al-Mada Press, June 5, 2015、Naharnet, June 5, 2015、NNA, June 5, 2015、Reuters, June 5, 2015、SANA, June 5, 2015、UPI, June 5, 2015などをもとに作成。
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