シリア人権監視団は、ダーイシュ(イスラーム国)がシリア国内の紛争に乗じて、児童らを「カリフ制の幼獣」(アシュバール・ヒラーファ)として養成し、自爆攻撃に動員しているとする報告書を発表した。
同監視団によると、「カリフ制の幼獣」を養成するための「シャリーア教練コース」で軍事教練を受けた児童が戦闘に投入されたが初めて確認されらのは、2015年1月25日のアイン・アラブ市(アレッポ県)での戦闘で、7月14日までの約6ヶ月間で、ハサカ県、ラッカ県、アレッポ県に投入されたシリア人児童(16歳以下)戦闘員のうちの52人が死亡した。
52人のうち、少なくとも18人が爆弾を積んだ車で自爆攻撃により死亡したという。
また「カリフ制の幼獣」としての訓練を受けた児童の一部は、ハマー県、ヒムス県(タドムル市一帯)などの支配地域において、銃殺刑などの刑の執行を行わされているという。
シリア人権監視団の推計によると、「カリフ制の幼獣」としての訓練を受けた児童の数は7月時点で1,100人以上にのぼり、ヒムス県、ハマー県、ダイル・ザウル県、ハサカ県、ラッカ県、アレッポ県での戦闘に動員されているほか、一部はイラクに派遣されているという。
AFP, July 15, 2015、AP, July 15, 2015、ARA News, July 15, 2015、Champress, July 15, 2015、al-Hayat, July 16, 2015、Iraqi News, July 15, 2015、Kull-na Shuraka’, July 15, 2015、al-Mada Press, July 15, 2015、Naharnet, July 15, 2015、NNA, July 15, 2015、Reuters, July 15, 2015、SANA, July 15, 2015、UPI, July 15, 2015などをもとに作成。
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