『ハヤート』(9月7日付、イブラーヒーム・ハミーディー記者)は、ロシアのヴラジミール・プーチンに大統領が4日に「シリア政府への軍事、技術支援を続ける」と述べたことに関連して、ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が6月末にロシアを訪問した際に、ロシアによる軍事支援について具体的に意見が交わされたと伝えた。
同紙のハミーディー記者は、「『ハヤート』紙の豊富な情報に基づいて」、ムアッリム大臣のロシア訪問およびそれに先だって行われたアリー・マムルーク国民安全保障会議議長の極秘訪問において、ロシア軍上級士官のシリアへの派遣、ロシア空軍による空爆実施、MiG31戦闘機や偵察機の供与、武器弾薬・装備、兵員輸送車輌の供与、ラタキア県での反体制武装集団との戦闘へのロシア軍の参加、タルトゥース市にあるロシア海軍の軍港の改築(拡大)などについての検討がなされた、と記している。
ハミーディー記者によると、プーチン大統領は、アサド大統領からの正式要請に基づき、1980年に締結された友好協力同盟の活性化するかたちで、シリア駐留ロシア軍の増強を決定したという。
複数の消息筋によると、ロシア政府は今のところシリアに地上部隊を派遣していないが、派遣はダーイシュ(イスラーム国)に対する地域同盟の結成の有無にかかっているという。
AFP, September 6, 2015、AP, September 6, 2015、ARA News, September 6, 2015、Champress, September 6, 2015、al-Hayat, September 7, 2015、Iraqi News, September 6, 2015、Kull-na Shuraka’, September 6, 2015、al-Mada Press, September 6, 2015、Naharnet, September 6, 2015、NNA, September 6, 2015、Reuters, September 6, 2015、SANA, September 6, 2015、UPI, September 6, 2015などをもとに作成。
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