2012年12月9日のシリア情勢

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団の声明によると、サラフィー主義者の外国人武装集団が、数週間にわたって反体制武装勢力によって包囲されていたシャイフ・スライマーン軍事基地内に進入、司令部などを制圧した。

SANA, December 9, 2012

SANA, December 9, 2012

同監視団は、イスラーム主義の複数の武装集団が「アレッポ市西部のシャイフ・スライマーン地方の第111大隊の3連隊および司令部を制圧した」と発表した。

戦闘により、反体制武装勢力の戦闘員2人と軍兵士1人が死亡、反体制武装勢力は兵士5人を捕捉した。

捕捉された兵士によると、同基地と近くの化学研究センターに駐留していた約140人の兵士がこの戦闘のさなかに逃走した、という。

AFP(12月9日付)は、制圧されたシャイフ・スライマーン軍事基地内の施設の一つに、サラフィー主義者の外国人武装集団の「黒い旗」が掲げられており、同集団はウズベク人が指導、アラブ人やチェチェン人から攻勢されていると報じた。

自由シリア軍の司令官の一人はAFP(12月9日付)に対して、「土曜日(8日)晩から、我々が基地に展開することのないまま、イスラーム主義者たちが(シャイフ・スライマーン軍事基地を)攻撃した」と述べ、同基地の制圧が自由シリア軍の戦果でないことを明らかにした。

一方、SANA(12月9日付)によると、ダーラ・イッザ市、カブターン・ジャバル村、ハンダラート・キャンプ、ムスリミーヤ村、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ライラムーン地区などで、軍が反体制武装勢力への特殊作戦を実施、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、ムウダミーヤト・シャーム市、バイト・スィヒム市、アイン・タルマー村で軍と反体制武装勢力が交戦し、同地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(12月9日付)によると、フジャイル市、ズィヤービーヤ町、ダーライヤー市などで、軍がシャームの民のヌスラ戦線メンバーの追撃を続け、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区で軍と反体制武装勢力が交戦し、同地区が砲撃を受けた。

一方、SANA(12月9日付)によると、ファハーマ地区で反体制武装勢力が車に爆弾を仕掛け爆破させ、1人が負傷した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワーディー・ダイイフ軍事基地近くで軍と反体制武装勢力の戦闘が続いた。

一方、SANA(12月9日付)によると、アリーハー市郊外、サラーキブ市、ヤアクービーヤ村などで軍がシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、軍がヒムス市旧市街を空爆した。

一方、SANA(12月9日付)によると、ヒムス市ワルシャ地区で軍が「ファールーク大隊」の拠点を攻撃し、6人のテロリストを殺害した。

またハイダリーヤ市などのクサイル市郊外でも軍が反体制武装勢力を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線メンバーら多数の戦闘員を殺傷した。

このほか、反体制武装勢力はヒムス市南部のアルメニア地区を砲撃し、市民4人が死亡した。

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ハサカ県ハサカ市・ラアス・アイン市間のアーリヤ交差点の自由シリア軍検問所で、ラアス・アイン市で窃盗・暴行を行った使徒末裔大隊の戦闘員らを自由シリア軍が逮捕した。クッルナー・シュラカー(12月9日付)が報じた。

アサド政権の動き

ヌマイル・ガーニム在アルジェリア・シリア大使は、政権を離反したとするアラブ諸国のメディアやツイッターなどの報道に関して、AFP(12月10日付)を通じて、「完全な誤報」と否定した。

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サワサナ(12月9日付)は、ジャズィーラのキャスターを去年辞職したルーナー・シブル女史がジハード・マクディスィーの後任として、外務在外居住者省の報道官に就任した、と報じた。

反体制勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月9日付)は、シリア革命反体制勢力国民連立がカイロで暫定政府の閣僚に関する人選のための協議を行ったが、12日のモロッコ(マラケシュ)でのシリアの友連絡グループ会合後に閣僚人事発表を延期することで合意した、と報じた。

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クッルナー・シュラカー(12月9日付)は、アラブ社会主義民主党の執行委員会が声明を出し、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を表明した。

同党の党首(書記長)で民主的変革諸勢力国民調整員会代表のハサン・アブドゥルアズィームがこの参加を了承済みかどうかは不明。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(12月9日付)によると、離反士官のムハンマド・ハリール・アリー准将が、自由シリア軍の傘下にシリア・クルド合同軍事評議会(8人から構成)を設置したと発表した。

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クルディーヤ・ニュース(12月10日付)は、シリア・クルド国民評議会がハサカ県カーミシュリー市で執行委員会会合を開き、シリア革命反体制勢力国民連立への参加の是非を協議した。

会合は10日まで行われる見込みで、クルド人の権利を憲法で名文保障するとの要求が保障されることを条件として、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を決定するものと思われる。

この点に関して、シリア革命反体制勢力国民連立は、カイロで近く開催予定の会合で審議する予定だという。

またこれと合わせて、シリア・クルド国民評議会は、12日のモロッコ(マラケシュ)で開催されるシリアの友連絡グループへの派遣団の派遣を決定する模様。

なおクッルナー・シュラカー(12月10日付)によると、シリア・クルド進歩民主党、シリア・クルド民主統一党(イェキーティー)が連立への参加に依然消極的だという。

レバノンの動き

住民どうしの衝突が続く北部県トリポリ市ジャバル・ムフスィン地区、バーブ・タッバーナ地区で、再び激しい戦闘が起こり、AFP(12月9日付)によると、市民6人が死亡、40人が負傷した。

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ヒムス市タッルカラフ市郊外でシリア軍の要撃で殺害されたレバノン人イスラーム主義戦闘員のうち3人の遺体がシリア当局からレバノン当局に引き渡され、レバノン国内に搬送された。

諸外国の動き

『サンデイ・タイムズ』(12月9日付)は、米国はシリアの反体制武装勢力に武器を供与するための極秘作戦を開始した、と報じた。

同報道によると、米国はリビアのムアンマル・カッザーフィー前政権が保有していた迫撃砲、ロケット弾、地対空ミサイルSAM7などを購入し、中東地域における同盟国を通じて供与の準備を進めている、という。

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カタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣は自身が議長を務めるアラブ連盟シリア問題閣僚委員会で、「この問題に対して国連安保理が現下の対応を続けることは受け入れられない」と述べた。

また「政権交代せねばならず…、彼(アサド大統領)とその政府は事態が明白で、結果が明白であることを知らねばならない」と干渉した。

シリア国内の反体制武装勢力を支援するハマド首相は「シリア人への早急な人道支援」が必要だと付言した。

一方、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、反体制勢力に関して「適切な時期に体制にとって代わるオルターナティブとなることは可能だ」としたうえで、「事態がダマスカスにまで至っているこの正念場において反体制勢力を糾合させる」よう、反体制勢力と関係のある国々に求めかけた。

そのうえでアサド大統領に「政権移譲プロセスを促すため」辞任するよう改めて求めた

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アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表はジュネーブでウィリアム・バーンズ米国務副長官、ロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣と会談した。

会談後の記者会見で、ブラーヒーミー共同特別代表は、シリア危機の政治的解決が「依然として可能」との認識で一致したと述べた。

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クルディーヤ・ニュース(12月9日付)は、米国(ロバート・フォード米大使)、フランス、イタリア、オランダがシリア・クルド国民評議会に対して、シリア革命反体制勢力国民連立への参加を求めるため、アブドゥルハキーム・バッシャール議長(在イラク)と連絡を頻繁にとっている、と報じた。

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イスラエルのモシェ・ヤアロン副首相は、ラジオ・イスラエルでアサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「自衛の用意はできているが…、現時点でこれらの兵器が我々に向けられる兆候はない」と述べた。

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ミハイル・オレン駐米イスラエル大使は、フォックス・ニュース(12月9日付)で、アサド政権による化学兵器使用の可能性に関して、「それらの武器が悪の手、例えばヒズブッラーの手に渡れば、それは我々にとって形成を一変させるもの(game-changer)となるだろう」と述べた。

またオレン大使は「我々は悪の手に渡る化学兵器に関して明確なレッドラインがある。70000発のロケット弾を持つヒズブッラーの手に化学兵器が渡ったらどうなるか想像できるか?」と付言した。

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在シリア・ルーマニア大使がシリア国内の「治安情勢の悪化」を受け、ベイルートに退避、またルーマニア国民にシリア国外への退去を勧告した。

AFP, December 9, 2012、Akhbār al-Sharq, December 9, 2012、al-Ḥayāt, December 10, 2012、Kull-nā Shurakā’, December 9, 2012, December 10, 2012、al-Kurdīya
News, December 9, 2012, December 10, 2012、Naharnet, December 9, 2012, December
10, 2012、Reuters, December 9, 2012、SANA, December 9, 2012、al-Sawasana.com,
December 9, 2012、The Sunday Times, December 9, 2012などをもとに作成。

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