『ハヤート』(9月29日付)は、フランス消息筋の話として、国連総会出席のためにニューヨークを訪問中のフランソワ・オランド大統領が、トルコのアフメト・ダウトオール首相と会談し、シリア情勢、なかでもシリア北部における「安全地帯」設置について意見を交わしたと伝えた。
同消息筋のよると、オランド大統領は会談で、「フランスはアサドを解決策の一部として受け入れないとの姿勢において孤立していない」と述べ、この点においてトルコと違わないことを確認したという。
そのうえで、トルコ領内の避難民の状況を改善し、欧州へのさらなる移民の流入を阻止するために、トルコ政府と協力、その負担軽減をめざす意思を示したという。
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フランスのフランソワ大統領は28日、国連総会で一般討論演説を行った。
シリア情勢に関して、オランド大統領は、アサド大統領を「独裁者」と評し、国民に対して部差別空爆を行うことで、多くの難民を生み出したと指摘、難民・移民問題の原因が、テロリストによる暴力だけでなく、アサド政権による弾圧にあると非難した。
そのうえで、ジュネーブ合意(2012年)やジュネーブ2会議(2014年)に基づき、すべての反体制勢力を包摂するかたちで移行期政府を樹立することで、紛争を政治的(外交的)に解決へと導くべきだと主張し、紛争の原因であるバッシャール・アサドを移行プロセスに含めるべきではないと改めて強調した。
AFP, September 28, 2015、AP, September 28, 2015、ARA News, September 28, 2015、Champress, September 28, 2015、al-Hayat, September 28, 2015、Iraqi News, September 28, 2015、Kull-na Shuraka’, September 28, 2015、al-Mada Press, September 28, 2015、Naharnet, September 28, 2015、NNA, September 28, 2015、Reuters, September 28, 2015、SANA, September 28, 2015、UPI, September 28, 2015などをもとに作成。
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