ロシアのラヴロフ外務大臣は「ISSGのなかで一カ国だけが民主統一党のジュネーブ3会議への招聘に反対している」と述べ、トルコを批判(2016年1月26日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はモスクワでの記者会見で、シリア情勢に関して「軍事的手段だけでテロを打ち負かすことは不可能で、紛争解決に向けた政治的措置と戦闘が統合されねばならない。またイラクやシリアでダーイシュ(イスラーム国)が行っているようなテロリストによる経済インフラの利用の阻止に向けた措置が講じられねばならない」と述べた。

またジュネーブ3会議に関して「シリアのクルド人が参加しない和平交渉が行われても何の結果ももたらさない」と付言し、西クルディスタン移行期民政局を主導するクルド民族主義政党の民主統一党の参加の必要を改めて強調した。

そのうえで「シリア国際支援グループ(ISSG)のなかで一カ国だけがクルド人、とりわけ民主統一党を招聘することに反対している」と述べ、トルコを暗に批判した。

しかし、反体制派代表団の人選については、リヤド最高交渉委員会が選出した反体制派の代表に限定されることを拒否するとしつつも、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表の決定に委ねると述べた。


AFP, January 26, 2016、AP, January 26, 2016、ARA News, January 26, 2016、Champress, January 26, 2016、al-Hayat, January 27, 2016、Iraqi News, January 26, 2016、Kull-na Shuraka’, January 26, 2016、al-Mada Press, January 26, 2016、Naharnet, January 26, 2016、NNA, January 26, 2016、Reuters, January 26, 2016、SANA, January 26, 2016、UPI, January 26, 2016などをもとに作成。

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