国連のエーゲラン人道問題担当事務次長はロシア軍に続いて、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受けるダイル・ザウル市への人道支援物資投下を意思表明(2016年2月18日)

国連人道問題担当事務次長兼人道援助調整官のヤン・エーゲラン氏は、スイスの首都ジュネーブでISSG(国際シリア支援グループ)諸国の代表と会談後、世界食糧計画(WFP)など国連傘下の人道支援関連機関が、ダーイシュ(イスラーム国)の包囲を受けるシリア政府支配下のダイル・ザウル市に対して人道支援物資の投下を行うことを決定したことを明らかにした。

エーゲラン氏によると、WFPには「現在具体的な計画がある」としたうえで、人道支援物資を投下するには、シリア領内で空爆を行っているロシア軍と米軍の支援が必要だと付言した。

エーゲラン氏はまた「ダーイシュの支配を受けるダイル・ザウル市内で支援を必要としている人々への物資の配給は…空から投下する以外の方法では不可能だ…。それは複雑なプロセスであり、さまざまな面で初の試みとなる」と述べた。

支援物資の投下が実施されれば、ロシア軍が1月半ばから開始した「人道作戦」に次ぐ動きとなる。

『ハヤート』(2月19日付)によると、ダイル・ザウル市内には約20万人が現在居住している。

シリアのダマスカスに滞在中のスタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は、これに関して「ダイル・ザウルに空から支援物資を投下するという発想は極めて明解な提案だ…。我々はそれに従いたいと思っている…。ダイル・ザウルだけでなく…アレッポ県東部、さらにはダマスカス郊外県のダーライヤー市、東グータ地方、さらにはカファルヤー町、フーア市といった場所でもだ」と述べた。

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SANA(2月18日付)によると、17日にダマスカス郊外県マダーヤー町、ムウダミーヤト・シャーム市、ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町に人道支援物資が搬入されたのに続いて、ダマスカス郊外県タッル市に国連とシリア赤新月社のチームが人道支援物資を搬入した。

物資は貨物車輌9台分で、穀物などの食料品、医薬品などからなるという。

AFP, February 18, 2016、AP, February 18, 2016、ARA News, February 18, 2016、Champress, February 18, 2016、al-Hayat, February 19, 2016、Iraqi News, February 18, 2016、Kull-na Shuraka’, February 18, 2016、al-Mada Press, February 18, 2016、Naharnet, February 18, 2016、NNA, February 18, 2016、Reuters, February 18, 2016、SANA, February 18, 2016、UPI, February 18, 2016などをもとに作成。

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