アレッポ市でヌスラ戦線などの攻撃による54人が死亡、93人が負傷するなか、ファトフ軍、「穏健な反体制派」はアレッポ市一帯でシリア軍に反転攻勢(2016年6月9日)

アレッポ県では、SANA(6月9日付)がラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センター発表として伝えたところによると、シャームの民のヌスラ戦線がアレッポ市シャイフ・マクスード地区、マイダーン地区、ハンダラート・キャンプを砲撃し、54人が死亡、93人が負傷した。

これに関して、シリア人権監視団は、アレッポ市で活動を続ける反体制武装集団がアレッポ市フルカーン地区、ハムダーニーヤ地区、アクラミーヤ地区、シャフバー地区、ハラブ・ジャディーダ地区を砲撃したと発表した。

一方、ドゥラル・シャーミーヤ(6月9日付)によると、ファトフ軍がアレッポ市南部郊外でシリア軍、シリア人・外国人民兵と戦闘の末、カラースィー村を制圧した。

シリア人権監視団によると、両者はハミール村とカラースィー村を結ぶ回廊地帯で戦闘を続けているという。

また、ARA News(6月9日付)によると、ヌールッディーン・ザンキー旅団、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装集団がシリア軍との戦闘の末、アルド・マッラーフ地区を奪還した。

これに対して、シリア軍はアレッポ市マサーキン・ハナーヌー地区を砲撃し、1人が死亡、また戦闘機(所属不明)が、ハイヤーン町、マアーッラト・アルティーク村を空爆した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、バイト・サワー村に迫撃砲弾複数発が着弾、またシリア軍がハーン・シャイフ・キャンプ一帯を砲撃、ハサヌー村一帯に「樽爆弾」を投下した。

またドゥラル・シャーミーヤ(6月9日付)によると、イスラーム殉教者師団がダーライヤー市に進攻しようとしたシリア軍と交戦、これを撃退した。

AFP, June 9, 2016、AP, June 9, 2016、ARA News, June 9, 2016、Champress, June 9, 2016、al-Durar al-Shamiya, June 9, 2016、al-Hayat, June 10, 2016、Iraqi News, June 9, 2016、Kull-na Shuraka’, June 9, 2016、al-Mada Press, June 9, 2016、Naharnet, June 9, 2016、NNA, June 9, 2016、Reuters, June 9, 2016、SANA, June 9, 2016、UPI, June 9, 2016などをもとに作成。

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