米大統領選挙での共和党候補ドナルド・トランプ氏勝利を受け、アレッポ・ファトフ軍作戦司令室に所属する「穏健な反体制派」の一つ「命じられるまま正しく進め」連合政治局のザカリヤー・マラーヒフジー局長は、「トランプ氏の発言、とりわけロシアのプーチンとの関係ゆえに、事態は困難なものとなると想像する。この事態はシリア問題全体にとって芳しくないと思う」と述べた。
また、ハマー県で活動するハック旅団の軍事評議会議長を務めるアブー・ハーミドを名のる人物も「米国人は信用していない。彼らは我々を泥沼に沈み込ませ、シリア人の血と苦労を使って取引している」と述べた。
さらに、アレッポ県北部でトルコ軍の全面支援を受け、ダーイシュ(イスラーム国)と西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍と戦っている反体制武装集団(ハワール・キリス作戦司令室)の幹部の一人アブー・アスアド・ダービク氏は「トランプはこれまでの米大統領と同じだ…。西側、とりわけ米国の政策は、不正に喘ぐ諸国民の希望に反することが明らかになった」と述べた。
シリア革命反体制勢力国民連立のジョルジュ・サブラー元議長は、「我々は米国の新政権にはあまり期待していない。しかし、我々は、大統領候補だったドナルド・トランプ氏とまったく異なったトランプ氏を見ることを希望している」と述べた。
一方、シリア人民議会のシャリーフ・シハーダ議員はロイター通信の電話取材に対して「楽観視できるが、慎重になるべきだ」と述べた。
ロイター通信(11月9日付)が伝えた。
AFP, November 9, 2016、AP, November 9, 2016、ARA News, November 9, 2016、Champress, November 9, 2016、al-Hayat, November 10, 2016、Iraqi News, November 9, 2016、Kull-na Shuraka’, November 9, 2016、al-Mada Press, November 9, 2016、Naharnet, November 9, 2016、NNA, November 9, 2016、Reuters, November 9, 2016、SANA, November 9, 2016、UPI, November 9, 2016などをもとに作成。
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