シャーム・ファトフ戦線主導の反体制派を実質統括するサウジアラビア人のムハイスィニー氏は米大統領選挙でのトランプ氏の勝利を「スンナ派の勝利に向けた第一歩」と絶賛(2016年11月10日)

シャーム・ファトフ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる武装連合体のファトフ軍を実質統括するサウジアラビア人説教師のアブドゥッラー・ムハイスィニー氏はツイッターを通じて、米大統領選挙での共和党候補ドナルド・トランプ氏の勝利を「スンナ派の勝利に向けた第一歩」だと高く評価した。

Youtube, October 22, 2016

Youtube, October 22, 2016

ムハイスィニー氏は「勝利に向けた第一歩とは、戦いの本質を正しく意識することだ。我々はどれほど、ラワーフィド(シーア派)が米国と同盟を結んでいたという真実を明らかにする必要があると考えてきたことか。トランプ氏はこのことを大衆向けのビデオで要約していた…。我々がどれだけの時間を要して、スンナ派のメディア関係者たちに、この戦いが「テロとの戦い」ではなく、スンナ派に対する戦いだと説明してきたことか。ムジャーヒディーンはその防衛線であり、トランプ氏はそのことを要約していた」と絶賛した。

ムハイスィニー氏はまた「トランプ氏の勝利は、血塗られた戦いと混乱を促すが、スンナ派はその最大の敗者とはならないだろう…。スンナ派にはもはや失いものはない」としたうえで、「イランの核開発をめぐる合意、トランプ氏の勝利、テロ支援者制裁法(JASTA)…、シリアのヒズブッラー…。これらの問題はムジャーヒディーンに味方してきたのか?」と述べ、トランプ次期政権がバラク・オバマ政権時代の政策を転換することに期待を寄せた。

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トルコのイスタンブールで活動するシリア革命反体制勢力国民連立のアナス・アブダ代表は、ロイター通信(11月10日付)とのインタビューで、米大統領選挙での共和党候補ドナルド・トランプ氏の勝利に関して「トランプ氏には、中東とシリアで改めて指導的役割を果たそうとする意志と精神がある」と述べ、期待を寄せた。

Kull-na Shuraka', November 10, 2016

Kull-na Shuraka’, November 10, 2016

AFP, November 10, 2016、AP, November 10, 2016、ARA News, November 10, 2016、Champress, November 10, 2016、al-Hayat, November 11, 2016、Iraqi News, November 10, 2016、Kull-na Shuraka’, November 10, 2016、al-Mada Press, November 10, 2016、Naharnet, November 10, 2016、NNA, November 10, 2016、Reuters, November 10, 2016、SANA, November 10, 2016、UPI, November 10, 2016などをもとに作成。

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