西クルディスタン移行期民政局を主導する民主統一党(PYD)は声明を出し、サーリフ・ムスリム共同党首に対してトルコ司法当局が出した逮捕状を「無効で、最低限の法的根拠すら欠いている」と拒否する姿勢を表明した。
声明でPYDは、この逮捕状が「国際法と人権を否定するもの」としたうえで、「改めて世界の世論に対して、トルコという国家、そして(レジェップ・タイイップ・)エルドアン政権がいたるところでトルコ人を攻撃していることを知らしめたい」としている。
また「逮捕状発行は、トルコとその傭兵どもが軍事面において敗北を理由としたもので、中東、シリア、そして世界全体におけるその戦略の後退によって…あらゆる方面で無差別に攻勢をかけようとしている」と非難した。
一方、ムスリム共同党首はDPA(11月21日付)に対して「我々がシリア国内のいかなる活動にも関与していないことは、我々、そして皆が知っている」としたうえで、トルコ司法当局の逮捕状が「私の渡航や政治活動に影響することはない。この逮捕状がトルコ当局による政治的な決定であることはみなが知っている」と述べた。
DPA
アナトリア通信(11月22日付)などによると、トルコ司法当局は22日、2月17日にアンカラで発生したトルコ軍車輌を狙った爆破事件に関与したとして、ムスリム共同党首およびPKK(クルディスタン労働者党)のメンバーら47人への逮捕状を発効した。
なお、2月の事件に対しては、クルディスタン自由の鷹(TAK)が犯行声明を出している。
AFP, November 22, 2016、Anadolu Ajansı, November 22, 2016、AP, November 22, 2016、ARA News, November 22, 2016、Champress, November 22, 2016、DPA, November 22, 2016、al-Hayat, November 23, 2016、Iraqi News, November 22, 2016、Kull-na Shuraka’, November 22, 2016、al-Mada Press, November 22, 2016、Naharnet, November 22, 2016、NNA, November 22, 2016、Reuters, November 22, 2016、SANA, November 22, 2016、UPI, November 22, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.