ダマスカス郊外県では、『ハヤート』(1月8日付)などによると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員など親政権武装勢力とシャーム・ファトフ戦線などからなる反体制武装集団が、アイン・フィージャ町の水道施設にシリア政府側の修復作業チームを派遣することなどに合意、戦闘が停止された。
この停戦は、6日に同地に入ったロシア軍士官の代表団と武装集団代表者および「仲介者」との折衝によるもの。
ヒズブッラーの戦争広報局によると、停戦は1月7日午前9時に発効し、水道修復作業チームが現場に入ったという。
シリア人権監視団によると、この停戦合意は、①水源および揚水施設を修復する作業チームの派遣、②首都ダマスカスへのバラダー渓谷の水源の揚水施設の修復のほか、③投降した離反兵、兵役忌避者の恩赦、④バスィーマ町からバラダー渓谷市場にいたる地域から同地以外からの戦闘員の排除とイドリブ県への移送、⑤バラダー渓谷一帯出身の戦闘員のなかで同地からの退去を希望するもののイドリブ県への移送、⑥シリア軍の同地への展開と各町・村入口での検問所の設置、⑦投降した戦闘員、兵役忌避者の国防隊員としての復帰と同地への配属、などを骨子とするという。
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ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターは声明を出し、過去24時間(1月6日)での反体制武装集団による停戦違反が10件にのぼったと発表した。
また1月5日の反体制武装集団の停戦違反は15件だったという。
AFP, January 7, 2017、AP, January 7, 2017、ARA News, January 7, 2017、Champress, January 7, 2017、al-Hayat, January 8, 2017、Iraqi News, January 7, 2017、Kull-na Shuraka’, January 7, 2017、al-Mada Press, January 7, 2017、Naharnet, January 7, 2017、NNA, January 7, 2017、Reuters, January 7, 2017、SANA, January 7, 2017、UPI, January 7, 2017などをもとに作成。
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