ダーイシュ(イスラーム国)ハイル州広報局は声明を出し、ダーイシュがシリア軍との戦闘の末に、ダイル・ザウル市とダイル・ザウル航空基地の間に位置するウンマール山(労働者住宅地区)、墓地地区、バス発着場地区を制圧し、同市と航空基地をむすぶすべての兵站路を遮断することに成功したと発表した。
これに関して、シリア人権監視団は、ダイル・ザウル航空基地一帯、ダイル・ザウル市南部のパノラマ交差点一帯、ダイル・ザウル市工業地区、労働者住宅地区、ラサーファ地区でダーイシュがシリア軍と交戦を続け、航空基地近くのブロック工場を新たに制圧したとしたうえで、ダーイシュがダイル・ザウル市とダイル・ザウル航空基地を寸断したと発表した。
なお、シリア人権監視団によると、シリア軍はダイル・ザウル市・ダイル・ザウル航空基地間の一帯などを激しく空爆、ダーイシュの進軍阻止を試みた。
また、SANA(1月16日付)によると、シリア軍が予備部隊とともにダイル・ザウル市労働者地区、ダイル・ザウル航空基地一帯、サルダ山に侵攻中のダーイシュ(イスラーム国)と交戦、ダーイシュによって奪われていた拠点複数カ所を奪還、シリア・ロシア両軍戦闘機が、ダイル・ザウル航空基地一帯のダーイシュ拠点を激しく空爆したという。
同監視団によると、今回の攻撃で、民間人14人がダイル・ザウル市一帯に対するダーイシュの砲撃で死亡、また11人がダイル・ザウル市とムーハサン市に対するシリア軍の空爆で死亡したという。
シリア軍兵士の犠牲者は28人、またダーイシュ戦闘員の死者は40人にのぼっているという。
一方、ARA News(1月16日付)によると、ロシア軍戦闘機がムーハサン市のダーイシュ(イスラーム国)拠点を誤爆し、民間人7人が死亡した。
これに関して、SANA(1月16日付)は、シリア軍がマヤーディーン市の食品加工工場一帯を攻撃し、ダーイシュ戦闘員18人を殲滅したと伝えた。
なお14日には、有志連合が同地を爆撃している。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がタイフール航空基地(T4)一帯、ティヤース裏一帯、タドムル市遺構群一帯を空爆した。
また、ARA News(1月16日付)によると、シリア軍がタイフール航空基地一帯の丘陵地帯複数カ所をダーイシュから奪還した。
AFP, January 16, 2017、AP, January 16, 2017、ARA News, January 16, 2017、Champress, January 16, 2017、al-Hayat, January 17, 2017、Iraqi News, January 16, 2017、Kull-na Shuraka’, January 16, 2017、al-Mada Press, January 16, 2017、Naharnet, January 16, 2017、NNA, January 16, 2017、Reuters, January 16, 2017、SANA, January 16, 2017、UPI, January 16, 2017などをもとに作成。
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