トルコのエルドアン大統領はポンペオ米CIA長官との会談でYPG抜きでのラッカ市解放案を提示(2017年2月9日)

マイク・ポンペオ米中央情報局(CIA)長官がトルコの首都アンカラを訪問し、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領、国家諜報機構(MİT)のハカン・フィダン長官と会談し、シリア、イラクでのダーイシュ(イスラーム国)に対する「テロとの戦い」への対応などについて協議した。

『ハヤート』(2月10日付)によると、会談では、米国による西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍への支援を争点となり、トルコ側は、アラブ諸国が支援するシリア人戦闘員約2万人を軸とし、有志連合がこれを航空支援することでラッカ市の解放をめざすという案を示し、人民防衛隊に依存したかたちでの作戦遂行に異議を唱えた。

トルコ側は、この案におけるシリア人戦闘員が、ダーイシュを壊滅するだけでなく、シリアとイラクからイランの影響力を排除することをめざすドナルド・トランプ大統領の方針に合致していると強調したという。

トルコ側はまた、アレッポ県バーブ市の攻略をめざす「ユーフラテスの盾」作戦を支援するよう米国に要請したという。

AFP, February 9, 2017、AP, February 9, 2017、ARA News, February 9, 2017、Champress, February 9, 2017、al-Hayat, February 9, 2017、Iraqi News, February 9, 2017、Kull-na Shuraka’, February 9, 2017、al-Mada Press, February 9, 2017、Naharnet, February 9, 2017、NNA, February 9, 2017、Reuters, February 9, 2017、SANA, February 9, 2017、UPI, February 9, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.