アサド大統領は、シリア難民収容のためにトランプ米大統領がシリア領内、ないしは周辺諸国に設置を検討している「安全保障地帯」構想を拒否(2017年2月10日)

アサド大統領はヤフー・ニュースのインタビューに応じた。

インタビューは英語で行われ、その全文(http://sana.sy/en/?p=99897)、アラビア語全訳(http://www.sana.sy/?p=507477)、映像(https://youtu.be/tBX6MXMcV6s)はSANAが配信した。

インタビューのなかで、アサド大統領はシリア難民を収容するためにドナルド・トランプ米大統領がシリア領内、ないしは周辺諸国に設置を検討している「安全保障地帯」構想に関して「シリア人にとっての安全保障地帯は、治安と安定が回復し、テロリストがいなくなり、周辺諸国や西側諸国が彼らへの支援を止めたときにだけ生じ得るものだ。こうした状況が生じて初めて安全保障地帯というのが生まれる。そして、それは我々の国そのものなのだ」と述べ、を拒否した。

また、移民・難民問題については「西側や地域諸国がテロリストを支援したことでもたらされた人道危機であり、偶然起きた問題ではない」と述べた。

一方、2月7日にアムネスティ・インターナショナルが発表したサイドナーヤー刑務所での虐待に関する報告については「アムネスティの信頼性には疑問が残る…。この組織は常に偏っており、政治性を帯っており…、こうした組織が何の根拠もなく報告書を発表することは信頼に値しない」と反論した。

SANA, February 10, 2017

SANA, February 10, 2017

 

AFP, February 10, 2017、AP, February 10, 2017、ARA News, February 10, 2017、Champress, February 10, 2017、al-Hayat, February 11, 2017、Iraqi News, February 10, 2017、Kull-na Shuraka’, February 10, 2017、al-Mada Press, February 10, 2017、Naharnet, February 10, 2017、NNA, February 10, 2017、Reuters, February 10, 2017、SANA, February 10, 2017、UPI, February 10, 2017などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.