ジュネーブ4会議開幕するも、シリア政府と反体制派諸派の協議形式もいまだ不透明(2017年2月23日)

国連主催によるシリア政府と反体制派諸派の和平協議「ジュネーブ4会議」が開幕した。

スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表は開会の辞のなかで「危機の軍事的解決策などなく、唯一の解決策は政治的解決だ。我々はともに、シリアが統合と主権を維持し、和平に至るよう必要な支援を行いたい」と述べた。

また「アスタナでの取り組みを通じて、シリア国内での停戦実現を支援してきた人々に…謝意」を表明、停戦は「もろい」が依然として機能しているとしつつ、「アスタナのイニシアチブが…政治的プロセス視点に向けた門戸を開いた…。我々はこの機会を失いたくない」と強調した。

SANA(2月23日付)が伝えた。

『ハヤート』(2月24日付)によると、開会式は当初午後3時開始予定だったが、開会式の形式にかかる調整作業に時間を要し、開幕は数時間遅れた。

開幕の遅れは、シリア政府代表団と反体制派諸派の対話の形式についての調整が難航したためで、RT(2月23日付)によると、交渉の形式は依然として明らかでないという。

なお開幕直前、最高交渉委員会のサーリム・ムスラト報道官は、委員会がシリア政府代表団と委員会の代表団(22人)との直接交渉を申し出たと発表した。

SANA, February 23, 2017

SANA, February 23, 2017

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なお、SANA(2月23日付)、『ハヤート』(2月24日付)によると、開会に先立って、デミストゥラ氏は午前中、バッシャール・ジャアファリー国連シリア代表を団長とするシリア政府代表団、ナスル・ハリーリー団長とする最高交渉委員会代表団と個別に会談した。

また、午後には、ジハード・マクディスィー氏らが参加するカイロ・プラットフォーム、カドリー・ジャミール前副首相らからなるモスクワ・プラット・フォームと個別に会談した。

AFP, February 23, 2017、AP, February 23, 2017、ARA News, February 23, 2017、Champress, February 23, 2017、al-Hayat, February 24, 2017、Iraqi News, February 23, 2017、Kull-na Shuraka’, February 23, 2017、al-Mada Press, February 23, 2017、Naharnet, February 23, 2017、NNA, February 23, 2017、Reuters, February 23, 2017、SANA, February 23, 2017、UPI, February 23, 2017などをもとに作成。

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