首都ダマスカス東部でシャーム解放機構、ラフマーン軍団などからなる反体制武装集団が攻撃を再び激化、ジャウバル区北部でシリア軍と激しく交戦(2017年3月21日)

ダマスカス県では、シャーム解放機構とともに県東部で戦闘を続けるラフマーン軍団は声明を出し、県東部(ジャウバル区、カーブーン区一帯)での「アッラーの僕たちよ、しっかりとせよ」作戦第2段階を開始し、20日に喪失したすべての拠点を奪還したと発表した。

Kull-na Shuraka’, March 21, 2017

また、ラフマーン軍団のワーイル・アルワーン報道官は声明を出し、宗教宗派を問わず民間人を攻撃対象としないと宣言した。

Kull-na Shuraka’, March 21, 2017

シリア人権監視団によると、ジャウバル区北部、カーブーン区南部一帯(工業地区)で、シリア軍、親政権武装勢力が、シャーム解放機構、ラフマーン軍団、シャーム自由人イスラーム運動などと激しい戦闘を続け、反体制武装集団側は、ジャウバル区北の紡績工場一帯、テレビ工場一帯、お菓子工場を制圧、ファーリス・フーリー通りを射程圏内に収めた。

これに対して、シリア軍はジャウバル区一帯に空爆・砲撃を加え、20日以降の空爆回数は140回以上、砲撃回数は約500回に達しているという。

しかし、SANA(3月21日付)によると、シリア軍は県東部のジャウバル区北部に位置する紡績工場一帯でシャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。

武装集団は同地一帯に潜入を試みたが、シリア軍がこれを撃退し、追撃、戦闘員多数を殺傷、拘束したという。

シリア軍はまた、ジャウバル区北部の電力会社、工業地区に侵攻を試みたシャーム解放機構などからなる反体制武装集団も撃退するとともに、カーブーン区からアッバースィーイーン地区に対して狙撃を続ける武装集団の拠点に対して砲撃を加えた。

これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、ダマスカス県内のシリア政府支配地域を砲撃、マサーキン・バルザ地区、ティシュリーン地区、シャーグール地区、カイマリーヤ地区に迫撃砲弾が着弾し、19人が負傷した。

SANA, March 21, 2017

また、ダマスカス県ジャウバル区で抵抗を続ける反体制武装集団は、ダマスカス郊外県ジャルマーナー市の民家を砲撃した。

AFP, March 21, 2017、AP, March 21, 2017、ARA News, March 21, 2017、Champress, March 21, 2017、al-Hayat, March 22, 2017、Iraqi News, March 21, 2017、Kull-na Shuraka’, March 21, 2017、al-Mada Press, March 21, 2017、Naharnet, March 21, 2017、NNA, March 21, 2017、Reuters, March 21, 2017、SANA, March 21, 2017、UPI, March 21, 2017などをもとに作成。

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