米軍はYPG主体のシリア民主軍とともにダーイシュの主要拠点の一つタブカ市近郊で空挺・揚陸作戦を実施(2017年3月22日)

西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍は声明を出し、有志連合を主導する米軍が、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点都市の一つタブカ・ダム近郊(タブカ市近郊)で空挺作戦を実施したと発表した。

シリア民主軍によると、この空挺作戦は、タブカ市一帯の制圧とシリア軍の同地への南下を阻止することが目的だという。

シリア人権監視団によると、米軍が空挺作戦を実施したのは、タブカ市の西5キロの距離に位置するカリーン村付近。

またこの空挺作戦と合わせて、別の米軍部隊がユーフラテス川を小型船舶で渡り、カリーン村一帯に進攻したという。

シリア民主軍と米軍主導の有志連合がラッカ市、タブカ市一帯のユーフラテス川南方で作戦を行うのはこれが初めて。

Kull-na Shuraka’, March 22, 2017

一方、ARA News(3月22日付)によると、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がラッカ市東部のカラーマ村をダーイシュ(イスラーム国)との戦闘の末に制圧した。

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米中央軍(CENTCOM)のジョー・スクロッカ報道官(大佐)は、3月21日から22日にかけて、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍によるタブカ・ダム解放に向けた戦闘に参加、空軍戦闘ヘリコプター、海兵隊砲兵部隊による支援を行ったと発表した。

なお、タブカ市一帯へのシリア民主軍と米軍の空挺作戦、揚陸作戦に先立って、米軍と思われる戦闘機が20日、ラッカ市とタブカ市を結ぶ街道に位置するマンスーラ市内にある避難民を収容していた学校を空爆し、民間人????を殺害している。

AFP, March 22, 2017、AP, March 22, 2017、ARA News, March 22, 2017、Champress, March 22, 2017、al-Hayat, March 23, 2017、Iraqi News, March 22, 2017、Kull-na Shuraka’, March 22, 2017、al-Mada Press, March 22, 2017、Naharnet, March 22, 2017、NNA, March 22, 2017、Reuters, March 22, 2017、SANA, March 22, 2017、UPI, March 22, 2017などをもとに作成。

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