シャーム自由人イスラーム運動のウマル総司令官「シリアでの戦争はアサド政権が崩壊するまで止むことはない」(2017年5月7日)

シャーム自由人イスラーム運動のアリー・ウマル総司令官は、アスタナ4会議でロシア、トルコ、イランが署名した「安全地帯」設置を骨子とする新停戦合意(緊張緩和地帯設置にかかる覚書)が発効したに合わせるかたちで、アサド政権を打倒するまで戦闘を継続する意思を改めて明示した。

シャーム自由人イスラーム運動は、アル=カーイダのメンバーなどが結成に携わった組織で、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構(旧シャームの民のヌスラ戦線)とともに、2016年12月末に発効したロシア・トルコ仲介によるシリア軍と反体制武装集団の停戦合意への参加を拒否してきた。

アナトリア通信(5月7日付)が伝えたところによると、ウマル氏は「過去3年にわたり、シリアの政権に帰属する軍隊は軍事的な意味において存在はしていない…。また革命諸勢力の政権に対する軍事作戦により、政権は自らの宗派を戦争に関与させ、ヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊、イラクやアフガニスタンなどのシーア派民兵に完全に依存してしまっている…。ロシアとイランがシリアへの関与を強めることで、政治的解決は、シリア革命というレベルでも、また地域・国際社会のレベルでも困難となった」と主張した。

シャーム自由人イスラーム運動やシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配地域であるイドリブ県へのシリア軍の進攻の可能性について「アサド軍がこうした行動をとるのはこれが初めてではない…。しかし、彼らのこうした試みは頓挫し、甚大な被害を被ってきた」と述べた。

そのうえで「シリアでの戦争はアサド政権が崩壊するまで止むことはない」と強調、戦闘継続の意志を改めて表明した。

AFP, May 7, 2017、Anadolu Ajansı, May 7, 2017、AP, May 7, 2017、ARA News, May 7, 2017、Champress, May 7, 2017、al-Hayat, May 8, 2017、Kull-na Shuraka’, May 7, 2017、al-Mada Press, May 7, 2017、Naharnet, May 7, 2017、NNA, May 7, 2017、Reuters, May 7, 2017、SANA, May 7, 2017、UPI, May 7, 2017などをもとに作成。

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