2011年3月22日のシリア情勢

反体制運動

ダルアー市と近郊のナワー市で抗議行動が行われ、『ハヤート』(3月22日付)によると、数百人、『アフバール・シャルク』(3月21日付)によると数千人が参加、「自由、自由…、平和的に、平和的に」と連呼し、自由を要求した。

ダルアー市でのデモはウマリー・モスク近くで行われた。しかし、匿名の活動家によると、「軍と治安部隊がウマリー・モスク前で始まったデモを排除し」、「デモ参加者はモスクに退却した」。また治安部隊の「突入を警戒し、デモ参加者はモスクの周りに人間の盾を作った」としたうえで、モスクが負傷者を受け入れる「野戦病院」と化していると述べた。同活動家はまた、「反体制のスローガンを掲げるデモ参加者は数千人に及び、その後、数を増していった」と述べ、シリア政府が「(午後)5時以降、モスクへの援軍を増派した」と指摘した。

なお『アフバール・シャルク』(3月21日付)によると、ウマリー・モスク前に数千人が集まり、人間の盾を作り、治安部隊の突入に備える。

Akhbār al-Sharq, March 22, 2011

Akhbār al-Sharq, March 22, 2011

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『アフバール・シャルク』(3月22日付)は、ダマスカス県のサーリヒーヤ区、ダマスカス郊外県のハジャル・アスワド市、ドゥーマー市、ムウダミーヤト・シャーム市でデモが発生し、治安当局と衝突したと報じる。

また政治犯の家族たちが午後2時にダマスカス県の裁判所前で政治犯釈放を求める座り込みを呼びかける。これを受け、ダマスカス県裁判所周辺に民間人の服を着た治安要員が多数展開。座り込みには数十人が参加したが、治安要員に強制排除された。

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複数の消息筋によると、アレッポ市でダルアー市の反体制デモを支持するデモを組織しようとした10代後半の少年4人が治安当局に逮捕される。逮捕されたのは、マスアブ・シャイフ・アミーン(14歳)、アブドゥッラー・アミーン(17歳)、サーリフ・アブー・ガールーン(18歳)、ラーフィウ・アブー・ガールーン(16歳)。

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シリア人権監視団によると、治安当局は「3月22日火曜日に、作家で活動家のルワイユ・フサイン氏を(ダマスカス郊外県の)サフナーヤー地区にある自宅で逮捕した」との声明を発表した。同声明によると、フサイン氏の家族はこのとき「外出中で、帰宅してドアが壊されているのを見て驚いた」という。また現在までのところ、彼の「行方は不明である」。

同声明によると、フサイン氏(1960年生まれ)は「昨日(月曜)、平和的デモと表現の自由の保障を求めて、ダルアーの住民およびすべての国民との連帯を呼びかける声明への署名をインターネットで呼びかけた」。また彼は「1984年から1991年にかけて共産主義行動党員として投獄されていた政治犯として経歴を持っている」。

そのうえでシリア人権監視団は「作家ルワイ・フサイン氏、青年ラーミー・イクバール氏、シリアの刑務所に収監されているすべての政治犯・言論犯の即時釈放と逮捕に係る問題の解消」を求めた。

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『カースィユーン』(3月22日付)は、共産主義者統一委員会メンバーのワリード・ファーリス・ファーリス氏がダルアーで逮捕されたと報じた。

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シリア人権国民機構は声明を出し、当局がダルアー市および郊外、ダマスカス郊外県マダーヤー町、ヒムス市、アレッポ市、バーニヤース市、ダマスカス県で主に19代後半から20代半ばの青年を無差別に逮捕していることを批判、すべての政治犯・言論犯の即時釈放を求めるとともに、戒厳令解除、例外的法廷の廃止、亡命者の帰国、政治的権利の保障、一般的自由の保障、司法の独立、1980年法律第49号、組合活動の自由の保障、クルド人の国籍回復、汚職撲滅、選挙法制定などを要求。

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『ハキーカ・ドゥワリーヤ』(3月22日付)は、在アンマン・シリア大使館前で21日から自由を求めるための座り込みを行ってきた芸術家のムハンマド・イブラーヒーム氏がシリア大使館職員に殴打されたと報じる。

アサド政権の対応

『クッルナー・シュラカー』(3月22日付)は、ダルアー市でのデモと弾圧を調査する内務省の調査委員会は、ファイサル・クルスーム県知事解任と、身柄拘束中の青年の釈放を行うべきとの暫定的決定を下した、と報じる。

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『ワタン』(3月21日付)は、ダルアー県名士たちが3月20日にバアス党シリア地域指導部使節団と行った交渉で提示した要求の詳細を報じた。使節団はダルアー県出身のルストゥム・ガザーラ少将などからなる。同紙によると、要求は抗議運動を停止し、事態の正常化に向けた条件として提示されている。具体的な内容は以下の通り。

1. ダルアー県知事、同県の治安機関責任者の解任。
2. 犠牲者およびその遺族への謝罪、ダルアー県民を「潜入者、破壊分子」と非難したことへの謝罪。
3. デモ参加者に発砲した者、発砲を命じた者の処罰。催涙ガスなどで市民を死傷させた者、それを命じた者の処罰。
4. 平和的デモ参加者の逮捕の停止。
5. すべての政治犯の即時釈放。
6. 最近逮捕された大学生の釈放。
7. 非常事態の解除。
8. 不動産売買、経済活動にかかる治安当局の認可制の廃止。
9. 減税。

Kull-nā Shurakā’, March 22, 2011

Kull-nā Shurakā’, March 22, 2011

10. 汚職撲滅に向けた断固たる措置の実施。
11. (ニカーブ着用を理由に)解雇された女性教員の復職。
12. 亡命者の帰国許可。
13. 所有権の剥奪を認めた1979年法律第60号(2000年法律第26号による改正)の廃止。
14. 土地価格の見直し。
15. ダマスカス県にあるダルアー県方面の旅客バス・ターミナルのスーマリーヤからの移転。
16. ヒジャーズ鉄道公社のスーク・シュハダーの店舗の処遇改善。
17. 社会福祉部門への非常勤労働者の採用。

しかし、『アフバール・シャルク』(3月22日付)は、名士たちの話として、バアス党シリア地域指導部の使節団がダルアーの市民を虐殺すると脅迫したと報じる。

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ファールーク・シャルア副大統領は記者会見を行い、「ダルアーで発生した不幸な出来事」に対して遺憾の意を示すとともに、「政府がこの事件を収束させるべく迅速に対処し、混乱を発生させようとする試みを遮断しようとしている」と述べた。またアラブ諸国のデモに関して、「祖国建設のためのインセンティブでなければならず、市民の統合や結束に抵触すべきでない」と述べた。

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一方、ムハンマド・ナージー・アトリー首相はドゥンヤー・チャンネルで「国民統合を解体しようと計画している者がいる」としたうえで、「ダルアーの市民が求めている愛国的要求を利用して、それをまったく別の問題にすり替えようとする集団がいる」と指摘、こうした動きが近隣諸国などからもたらされていることが明らかになりつつあると述べた。

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ラタキアの有識者ら数十人が共同声明を出し、国内での破壊行為に反対の意思を表明するとともに、アサド大統領に対して、国民対話開催のイニシアチブをとり、民主的市民国家建設に向けた議論と計画の策定を行うよう呼びかける。

同声明に署名したのは、ナビール・スライマーン氏、ムンズィル・ミスリー氏ら。

諸外国の動き

ブリュッセルでは、キャサリン・アシュトンEU外務・安全保障政策上級代表がシリアでのデモ参加者抑圧に関して「受け入れられない」と述べた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相は『ヒュッリーイェト』(2011年3月22日)付に対して、「変化の風があらゆる所に吹いている。先日のシリア訪問でアサド大統領と会談した際、同様のことが彼の国でも起き、宗派主義的手法が脅かされるだろうと述べた」と語ったうえで、シリア大統領に地域で起きていることを教訓とし、地域の他の指導者たちとは異なった民主的な方法で国民と近づくべきだと呼びかけたことを明らかにした。

AFP, March 22, 2011、Akhbār al-Sharq, March 22, 2011, March 23, 2011、al-Ḥaqīqa al-Duwalīya, March 22, 2011、al-Ḥayāt, March 23, 2011, March 24, 2011、Kull-nā Shurakā‘, March 22, 2011、Qāsiyūn, March 22,2011、al-Waṭan, March 22, 2011などをもとに作成。

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