ロジャヴァ幹部は、トルコ軍の侵攻を食い止めるため、自治の維持を前提条件とするシリア軍の国境地帯への展開をロシアとアサド政権に提案(2018年1月29日)

AFP(1月29日付)は、クルド人の複数高官が、ロシアおよびシリア政府に対してトルコによるアレッポ県アフリーン市一帯への侵攻を食い止めるための具体的な提案を行っていると伝えた。

提案を行った高官の一人で、民主統一党の支持団体である民主連合運動(TEV-DEM)の幹部の一人アルダール・ハリール氏は、「アフリーン市一帯を防衛するため、国境に(アサド)制憲が国境警備隊を展開させる可能性をロシア側に提案した」ことを明らかにした。

これに関して、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍の政治母体であるシリア民主評議会の渉外担当顧問を務めるアフド・ヒンディー氏は「この提案は、この地域(アフリーン市一帯)に人民防衛隊、警察治安部隊(アサーイシュ)が残留することを条件に、シリア国旗を掲げる国境警備隊が対トルコ国境地帯に進軍することを認める」という内容であると述べるとともに、「アフリーンをシリア政府に引き渡すことは不可能だし、トルコに引き渡すことも同様に不可能だ」と強調した。

AFP, January 29, 2018、ANHA, January 29, 2018、AP, January 29, 2018、al-Durar al-Shamiya, January 29, 2018、al-Hayat, January 30, 2018、Reuters, January 29, 2018、SANA, January 29, 2018、UPI, January 29, 2018などをもとに作成。

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