SANAはヒムス県北部とハマー県南部で戦闘員退去を骨子とした停戦合意が成立したと報じるが、反体制派は拒否の姿勢を示す(2018年5月1日)

SANA(5月1日付)は、ヒムス県北部とハマー県南部の反体制武装集団孤立地帯で、戦闘員の退去を骨子とした停戦合意が交わされたと伝えた。

停戦合意はロシアの仲介のもと、シリア政府と同地の反体制武装集団の間で交わされもので、①同地で活動を続けてきた反体制武装集団が保有する重火器・中火器を2日以内にシリア軍に引き渡すこと、②武器引き渡し後3日以内に、戦闘員とその家族をトルコの実質占領下にあるアレッポ県ジャラーブルス市とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるイドリブ県に退去させること、③投降を希望する戦闘員を免罪すること、④合意締結後3日以内に、シリア軍が同地に進駐し、すべての国家機関を再開、街道の安全を確保すること、⑤反体制武装集団は同地域に埋設した地雷や爆発物の地図をシリア軍に提供すること、が定められているという。

ドゥラル・シャーミーヤ(5月1日付)によると、停戦合意に向けた交渉は、ヒムス県のダール・カビーラ村にある通行所で4月30日から行われていた。

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しかし、東部戦線アイン・フサイン村・アーミリーヤ村回廊地区司令部は声明を出し、ロシア仲介によるシリア政府との停戦を拒否すると発表した。

al-Durar al-Shamiya, May 1, 2018

また、第4軍団も声明を出し、停戦合意に対して拒否の姿勢を示した。

al-Durar al-Shamiya, May 1, 2018

AFP, May 1, 2018、ANHA, May 1, 2018、AP, May 1, 2018、al-Durar al-Shamiya, May 1, 2018、al-Hayat, May 2, 2018、Reuters, May 1, 2018、SANA, May 1, 2018、UPI, May 1, 2018などをもとに作成。

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