国連人道問題緊急援助調整官はダルアー県での戦闘停止を呼びかける一方、UNHCRヨルダン事務所はヨルダンへの難民の流入はないと発表(2018年6月28日)

国連のヤン・エグランド人道問題緊急援助調整官はスイスのジュネーブでの記者会見で、ダルアー県で激化しているシリア・ロシア両軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団(南部中央作戦司令室)との戦闘に関して、7万人が避難を余儀なくされていると述べ、警鐘を鳴らした。

エグランド調整官は「我々は世界に向けてこの地域での戦闘停止を訴えたい。我々はまたイドリブでの市民の状況に懸念を感じている…。シリアでの戦争が始まって以降、700以上の病院が攻撃を受けた…。ダルアー県での戦闘激化を懸念している…。ダルアー県内の病院5カ所が砲撃を受け、そこでの戦闘継続が支援車輌の移動を妨げている」と述べた。

『ハヤート』(6月29日付)が伝えた。

一方、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)ヨルダン事務所のムハンマド・ヒワーリー報道官はSPA(6月28日付)に対して、「避難民は、ヨルダン国境に近いダルアー県東部および南部に向かって、シリア領内を移動している」と述べた。

ヒワーリー報道官によると、「UNHCRは1万2,000世帯以上、5万人の避難民がいると見ており、そのうちの3万人に対して、基本物資の支援がなされた」と付言した。

AFP, June 28, 2018、ANHA, June 28, 2018、AP, June 28, 2018、al-Durar al-Shamiya, June 28, 2018、al-Hayat, June 29, 2018、Reuters, June 28, 2018、SANA, June 28, 2018、
SPA
, June 28, 2018、UPI, June 28, 2018などをもとに作成。

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