シリア軍はシャーム解放機構支配下のハマー県を「樽爆弾」で爆撃、「樽爆弾」使用は1年ぶり(2019年4月30日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がトゥラムラー村を爆撃した。

シリア軍はまた、フバイト村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がフワイジャ村一帯を爆撃した。

またシリア軍ヘリコプターがカフルヌブーダ町、サフル村、アリーマ村に対して「樽爆弾」を投下、バーブ・ターカ村、フワイズ村、カストゥーン村、カフルズィーター市、ラターミナ町を砲撃した。

シリア軍が「樽爆弾」を使用したのは1年ぶりだという。

これに対して、反体制武装集団もムハルダ市を砲撃、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、県北部でシリア軍の拠点を対戦車砲で攻撃、破壊したと発表し、その映像を公開した。

一方、SANA(4月30日付)によると、反体制武装集団がムハルダ市の住宅街を砲撃し、住民1人が負傷した。

これに対して、シリア軍はハウワーシュ村、カルアト・マディーク町にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

シリア軍はまた、バーブ・ターカ村、フワイジャ村、カフルヌブーダ町、サフル丘、アリーマ村、カルカート村、ラターミナ町一帯を移動するシャーム解放機構に対しても攻撃を加えた。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(4月30日付)によると、シリア軍がフバイト村の医療センターを砲撃、センターは利用不能となった。

シリア軍はまた、フバイト村、アリーマ村、アービディーン村に「樽爆弾」を投下、2人が死亡、複数が負傷した。

一方、SANA(4月30日付)によると、シリア軍がフバイト村、トゥラムラー村、カッサービーヤ村、ウライニバ村、アービディーン村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がザンマール町、ジャズラーヤー村を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を10件(ラタキア県5件、アレッポ県2件、ハマー県3件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を19件(アレッポ県13件、イドリブ県2件、ハマー県4件)確認した。

AFP, April 30, 2019、ANHA, April 30, 2019、AP, April 30, 2019、al-Durar al-Shamiya, April 30, 2019、al-Hayat, May 1, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 30, 2019、Reuters, April 30, 2019、SANA, April 30, 2019、UPI, April 30, 2019などをもとに作成。

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