ロシア・シリア軍がイドリブ県、ハマー県を激しく爆撃、シャーム解放機構はザーラ火力発電所をドローンで爆撃(2019年5月23日)

シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯第1ゾーンでは、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから24日目となる5月23日も、シリア・ロシア軍が爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が激しく交戦した。

シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より42人(民間人8人、兵士・反体制武装集団戦闘員34人)増えて672人となった。

うち、212人が民間人(女性43人、子供41人を含む)、460人がシリア軍兵士(215人)および反体制武装集団戦闘員(245人)。

シリア軍戦闘機による爆撃回数は74回、投下した「樽爆弾」の数は80発を記録、ロシア軍戦闘機も52回の爆撃を行った。

一連の攻撃で、反体制派支配地域の病院と医療センター8カ所が利用不能となった。

利用不能となったのはイドリブ県カフル・ウワイド村のカイワーン病院、カフルナブル市の聖ミリヤム病院とオリエント病院、ハーッス村のナブド・ハヤート病院、フバイト村の医療センター、ハマー県カルアト・マディーク町の第111病院、ラターミナ町のマガーラ病院、カフルヌブーダ町の医療センター。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がフバイト村に13回、トゥラムラー村に3回、ハザーリーン村に3回、ハーッス村一帯に3回、アービディーン村に4回、カフル・アイン村、カッサービーヤ村、マガッル・ハマーム村、カフルサジュナ村にそれぞれ2回の爆撃を行った。

シリア軍も戦闘機がマアッラト・ハルマ村に7回、ハザーリーン村に4回、マアッラト・スィーン村に4回、タフタナーズ航空基地に4回、カフル・ウワイド村に4回、マアッル・ハンタ村、カフルルーマー村、ウライニバ村、バアルブー村、ラカーヤー村、カフルサジュナ村、ヒーシュ村、トゥラムラー村、ジャバーラー村、マアッラト・ヌウマーン市一帯の灌木地帯、ハーン・シャイフーン市およびその一帯、スフーフン村にそれぞれ2回の爆撃を行う一方も、ヘリコプターがフバイト村に「樽爆弾」16発、カッサービーヤ村灌木地帯に11発、トゥラムラー村に7発、ナキール村、アービディーン村、マガッル・ヒンタ村、ハザーリーン村、ウライニバ村にそれぞれ2発を投下した。

一方、SANA(5月23日付)によると、シリア軍がフバイト村からハマー県のカフルヌブーダ町の間を移動するシャーム解放機構に対して集中的に攻撃を加え、複数の戦闘員を殺傷、武器装備を破壊した。

これに対し、シャーム解放機構に近いイバー・ネット(5月23日付)は、カフルヌブーダ町の戦闘で、シリア軍が「集団逃亡」したと伝え、シャーム解放機構から入手したとする現地の映像を公開した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がカフルヌブーダ町およびその一帯に14回、カフルズィーター市に2回の爆撃を行った。

シリア軍も戦闘機がカフルヌブーダ町に10回の爆撃を行う一方、ヘリコプターがカフルヌブーダ町に「樽爆弾」16発、ラターミナ町に2発を投下した。

一方、ロシア外務省の声明によると、シャーム解放機構が無人航空機(ドローン)でザーラ火力発電所一帯を爆撃した。

ドローンは5発の爆弾を投下したが、物的被害はなかったという。

また、SANA(5月23日付)によると、シリア軍がタッル・フワーシュ村一帯を砲撃した。

これに対して、トルコの支援を受ける国民解放戦線は、タッル・フワーシュ村北部でシリア軍の拠点や戦車を破壊したと発表し、その映像を公開した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍の戦闘機がカッバーナ村に7回の爆撃を行う一方が、ヘリコプターが同地に「樽爆弾」14発を投下した。

一方、ロシア外務省の声明によると、イドリブ県の緊張緩和地帯で活動を続ける反体制武装集団が、シリア駐留ロシア軍司令部のあるフマイミーム航空基地に向けてロケット弾4発を発射、ロシア軍がこれを迎撃、4発すべてを撃破した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を11件(ラタキア県10件、ハマー県1件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(ハマー県)確認した。

AFP, May 23, 2019、ANHA, May 23, 2019、AP, May 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, May 23, 2019、al-Hayat, May 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 23, 2019、Reuters, May 23, 2019、SANA, May 23, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, May 23, 2019、SOHR, May 23, 2019、UPI, May 23, 2019などをもとに作成。

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