シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから53日目となる6月23日、シリア・ロシア軍は爆撃を実施、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より11人(民間人8人、シリア軍兵士3人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて1,906人となった。
うち、512人が民間人(女性102人、子供130人を含む)、614人がシリア軍兵士、780人が反体制武装集団戦闘員。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は90回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」43発を投下、ロシア軍も10回の爆撃を行った。
またシリア軍地上部隊による砲撃は520発以上におよんだ。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフル・ウワイド村、カルサア村、スフーフン村、ジューズィフ村、マアッラータ村、バサーミス村、ウライニバ村、マアッラト・ハルマ村およびその一帯、ハザーリーン村、バルユーン村、ナキール村、カフルナブル市、ミンタール村、シャイフ・ムスタファー村、タッルアース村、タフタナーズ市、カフルバッティーフ村に対して爆撃を実施した。
ロシア軍もブスライヤー村、タマーニア町、スカイク村を爆撃した。
シリア軍の砲撃では白リン弾が使用され、ハーン・シャイフーン市住宅街、農地で火災が発生した。
一方、SANA(6月23日付)によると、シリア軍がマアッルズィーター村、カフルサジュナ村、カフル・ウワイド村にあるシャーム解放機構の拠点を砲撃した。
このほか、ドゥラル・シャーミーヤ(6月23日付)によると、サルマダー市で、メディア活動家で救援活動にも従事してきたウマル・ディマシュキー氏の車に仕掛けられた爆弾が爆発、ディマシュキー氏が重傷を負い、搬送先のトルコ国内の病院で死亡した。
これに関して、シャーム解放機構に近いイバー通信(6月23日付)は、シャーム解放機構の治安部隊がサルマダー市でダーイシュ(イスラーム国)のメンバー4人を逮捕したと伝えた。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカッバーナ村一帯に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターが「樽爆弾」を投下、地上部隊が同地を砲撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。
またロシア軍がムーリク市を爆撃した。
一方、SANA(6月23日付)によると、シリア軍がタッル・ミルフ村、カフルズィーター市、ラターミナ町にあるシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。
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アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(6月23日付)によると、イラク人民動員隊の一つでアレッポ国際空港に進駐するヌジャバー運動がタッルアラン村近郊に監視塔などを新たに設置した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を9件(ラタキア県8件、ハマー県1件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を16件(アレッポ県4件、イドリブ県1件、ハマー県11件)確認した。
AFP, June 23, 2019、ANHA, June 23, 2019、AP, June 23, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 23, 2019、al-Hayat, June 24, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 23, 2019、Reuters, June 23, 2019、SANA, June 23, 2019、Shabaka Iba’ al-Ikhbariya, June 23, 2019、SOHR, June 23, 2019、UPI, June 23, 2019などをもとに作成。
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