シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が爆撃を激化させてから109日目を迎えた8月18日、シリア・ロシア軍は同地への攻撃を継続、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団と交戦した。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は120回を記録、ヘリコプターが「樽爆弾」40発を投下、ロシア軍も65回の爆撃を行った。
またシリア軍の地上部隊による砲撃は1,500発におよんだ。
シリア人権監視団によると、シリア・ロシア軍が緊張緩和地帯への攻撃を激化させた4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より101人(民間人4人(うち女性0人、子供1人)、シリア軍兵士35人、反体制武装集団戦闘員62人)増えて3,592人となった。
うち、945人が民間人(女性172人、子供237人を含む)、1,228人がシリア軍兵士、1,419人が反体制武装集団戦闘員。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊が反体制派の拠点都市の一つハーン・シャイフーン市北西部に進攻し、反体制武装集団と激しく交戦した。
SANA(8月18日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構などからなる反体制武装集団との戦闘の末、ハーン・シャイフーン市西方を新たに制圧した。
ムラースィルーン(8月18日付)によると、シリア軍が制圧したのはハーン・シャイフーン市西のナール丘。
一方、シャーム解放機構のアブー・ハーリド・シャーミー報道官は報道向け声明を出し、シリア軍がハーン・シャイフーン市内に突入したとの一部情報を否定、シャーム解放機構、国民解放戦線、イッザ軍などからなる「必勝」作戦司令室が、同市西のファキール村一帯でシリア軍、「イランの民兵」、「ロシアの民兵」と激しく交戦中だと発表した。
国民解放戦線のナージー・ムスタファー報道官(大尉)も、シリア軍をハーン・シャイフーン市西方の前線で撃退したと発表した。
なお、シリア人権監視団によると、シリア軍は戦闘機でハーン・シャイフーン市、ラカーヤー村、タッル・タルイー村、カフルサジュナ村、マアッラト・ヌウマーン市、マアッラト・ハルマ村、ハーミディーヤ村、タマーニア町、ヒーシュ村、ハーッス村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでシリア政府支配地域と反体制派支配地域の境界地帯に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊が県南部の戦闘地域を砲撃した。
ロシア軍もカフルサジュナ一帯、ダイル・シャルキー村、ハザーリーン村、ヒーシュ村、シャイフ・ダーミス村、ハーン・シャイフーン市、タッル・マンス村、ハーミディーヤ村、ハーッス村を爆撃した。
ドゥラル・シャーミーヤ(8月18日付)によると、ロシア軍戦闘機はマアッラト・ヌウマーン市を爆撃した後、負傷者の救出に駆けつけたホワイト・ヘルメットの救急チームに対しても爆撃を加え、市民1人を殺害、隊員2人を負傷させたという。
ロシア軍はまたダイル・シャルキー村にあるウマル・ブン・アブドゥルアズィーズ(ウマイヤ朝第8代カリフ)の廟を爆撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルズィーター市、ラターミナ町、ムーリク市、ラハーヤー村に対して爆撃を実施するとともに、地上部隊が県北部および北西部の戦闘地域を砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍ヘリコプターがカッバーナ村一帯に「樽爆弾」を投下するとともに、地上部隊が同地を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(アレッポ県15件、イドリブ県2件、ラタキア県18件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を11件(イドリブ県2件、ハマー県9件)確認した。
AFP, August 18, 2019、ANHA, August 18, 2019、AP, August 18, 2019、al-Durar al-Shamiya, August 18, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 18, 2019、Murasilun , August 18, 2019、Reuters, August 18, 2019、SANA, August 18, 2019、SOHR, August 18, 2019、UPI, August 18, 2019などをもとに作成。
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